「フォークリフト免許の種類は何種類あるのかな...」「フォークリフト免許の取り方が知りたい...」フォークリフトに関する仕事へ転職したい人は、気になる人も多いのではないでしょうか。
フォークリフトに関わる仕事に携わってないと、イマイチ仕組みがわからないですよね。本記事では、フォークリフト免許の種類と取り方について紹介しています。
フォークリフト免許を取得すれば転職の幅も広がるので、ぜひ参考にして転職活動に活かしてみてください。
この記事のまとめ
・フォークリフト免許は2種類
・一般的に使われるのはフォークリフト運転技能講習
・フォークリフト免許は各配点40%以上の全科目60%で合格
フォークリフト免許は2種類
フォークリフトの運転に関する資格は、主に以下の2種類です。
免許の種類 | ・フォークリフト運転特別教育 | ・フォークリフト運転技能講習 |
積載量 | ・1t未満 | ・1t以上 |
学科講習 | ・6時間 | ・最大11時間 |
実技講習 | ・6時間 | ・最大24時間 |
修了試験 | ・なし | ・あり |
講習の実施機関 | ・事業所 | ・各都道府県労働局の登録教習機関 |
上記のうちフォークリフト運転特別教育は、操縦できるフォークリフトが1t未満のため注意が必要です。以下より詳しく解説します。
フォークリフト運転特別教育修了証
フォークリフト運転特別教育修了証は、最大積載荷重が1t未満のフォークリフトを運転できます。フォークリフト運転特別教育修了証の取得方法と受験条件は、以下のとおりです。
・受講資格は18歳以上 ・各事業所で実施 ・講習を受けて修了すれば取得可能 |
フォークリフト運転特別教育修了証は、厚生労働省が定めた安全衛生特別教育のひとつです。また、事業所は最大荷重1t未満のフォークリフトの運転業務に従事させる場合、特別教育の受講が義務付けられています。
フォークリフト運転技能講習修了は、一般的に現場であまり使用されず受講する前の社内研修で取得するケースが多いでしょう。
フォークリフト運転技能講習修了証
フォークリフト運転技能講習修了証は、最大荷重1t以上のフォークリフトを運転するために必要な資格です。一般的にフォークリフト免許と呼ばれている資格にあたります。
フォークリフト運転技能講習修了証の取得と受験には、以下の条件が必要です。
・運転が認められるのは18歳以上 ・都道府県労働局長登録教習機関で取得 ・学科試験および実技試験に合格後に修了証を受領 |
多くのフォークリフトは、最大荷重1t以上であるため、フォークリフト運転技能講習修了証を取得しなければ運転できません。そのため、フォークリフトに関する仕事をする場合、フォークリフト運転技能講習修了証の取得が必要です。
フォークリフト免許の取り方|4ステップ
フォークリフト免許の取り方は、以下4ステップで進めていきます。
1.受験資格と受講会場を確認する 2.受講時間を確認する 3.学科講習と試験をして合格する 4.実技講習と試験をして合格する |
それぞれ解説します。
1.受験資格と受講会場を確認する
フォークリフト免許の取得を検討している人は、受験資格と受講会場をはじめに確認しましょう。フォークリフトの免許は、18歳以上であれば誰でも取得できます。全国には免許が取得できる場所が複数あるため、近隣で取得を検討してみてください。
また「全国フォークリフト教習所リンク(運転技能講習実施場所)」を利用すれば、免許を取得できる場所を探せます。自分が受講可能な教習所を探し、提供しているコースやスケジュールを確認してみましょう。
2.受講時間を確認する
フォークリフト免許の取得をする人は、以下の受講時間を確認してみてください。
フォークリフトの種類 | 受講時間 | 受講条件 |
・積載量1t未満 | ・12時間 | ・とくになし |
・積載量1t以上 |
・11時間 | ・大型特殊免許(カタピラ限定除く)を所持している ・普通免許や大型免許を取得している ・1t未満のフォークリフトに関する特別教育を終えている |
・15時間 | ・1t未満のフォークリフト特別教育を受けている ・実務で1t未満のフォークリフトを6ヶ月以上の操作経験がある |
|
・31時間 | ・普通免許を取得している ・大型免許を取得している |
|
・35時間 | ・免許を取得していない |
フォークリフトの免許は、上記のように積載量によって取得方法が異なります。積載量1t未満のフォークリフトの操作には、特別教育を12時間実施することにより資格を得られます。
一方、積載量1t以上のフォークリフトを操作するには、運転技能講習を受講しなければいけません。運転技能講習では所有する資格や職務経験に基づいて、最長24時間までの講習が免除可能です。
そのため、時間を確認せずに講習を受講してしまうと、無駄な時間と費用がかかってしまうおそれもあります。免許を取得する前には、自身が所持する資格や経験を確認し、受講時間の確認をしてみてください。
3.学科講習と試験をして合格する
フォークリフト免許に関する講習を受けた後は、学科試験が実施されます。テスト合格点の目安は、以下のとおりです。
講習タイプ | 科目 | 配点 | 合格点 |
フォークリフト運転特別教育 | なし | なし | なし |
フォークリフト運転技能講習 |
走行 | 30点 | 12点以上 |
荷役 | 30点 | 12点以上 | |
力学 | 20点 | 8点以上 | |
法令 | 20点 | 8点以上 | |
合計 | 100点 | 60点以上 |
上記のようにフォークリフト運転特別教育には、試験がなく講習のみ実施されます。一方、フォークリフト運転技能講習では「走行・荷役・力学・法令」の4科目に対する試験があり、各科目の配点と合格点が設定されています。
とはいえ、学科試験は講習内容を理解していれば難易度は高くありません。テキストや講習用の教材を活用して、しっかりと復習をして試験に臨みましょう。
4.実技講習と試験をして合格する
フォークリフト運転免許の実技試験は、教習で学んだ内容を実践するだけなので、しっかりと練習すれば合格できます。
試験は実技講習後に実施され、フォークリフトの操作技能を評価します。減点方式で採点され、100点満点中70点以上が合格基準です。フォークリフト運転免許の実技試験に合格するには、以下のポイントを押さえましょう。
・教習中はしっかりと練習する ・シートベルトは必ず着用する ・制限時間は守る |
実技試験の場合、しっかりと講習中に練習をしていれば多くの受講者は合格できます。講習でしっかり練習をおこない、自信を持って実技試験に取り組んでみてください。
関連記事:フォークリフト免許について丸ごと解説!免許の種類、取得方法や費用、無免許で運転した場合など一挙解説します!
フォークリフト免許と種類|知っておくべき4つのこと
フォークリフト免許を取得する際には、以下の4点について把握しておきましょう。
・公道では特殊免許も必要になる ・フォークリフト免許は取得後の更新が必要ない ・フォークリフトの取得費用は2〜5万円程になる ・助成金を活用できる場合がある |
詳しく解説します。
公道では特殊免許も必要になる
フォークリフトを公道で運転するには、フォークリフト免許に加えて特殊免許も必要です。フォークリフトは道路交通法上で「小型特殊自動車」または「大型特殊自動車」に分類されます。
そのため、公道で運転するには、それぞれに必要な免許を取得しなければなりません。また、公道ではナンバープレートの着用が必要で以下のような行動が禁止されています。
・荷物を積載したまま走る ・作業灯を点灯したまま走る ・牽引しながら走る ・公道で荷物の積み下ろし作業をする |
フォークリフトを公道で運転する予定がある人は、フォークリフト免許を取得したあとに車両サイズに合わせて必要な特殊免許を取得してみてください。
フォークリフト免許は取得後の更新が必要ない
フォークリフト免許は、取得後に更新の必要がありません。フォークリフト免許は、国家資格ではなく、都道府県知事が交付する運転技能講習修了証です。そのため、法令で更新が義務付けられていません。
フォークリフト免許は、一度取得すれば一生涯有効です。将来的にフォークリフトの運転が必要になる人は、早めに取得しましょう。
フォークリフトの取得費用は2〜5万円程になる
フォークリフト免許の取得費用は、2〜5万円程かかります。一般的にフォークリフト運転特別教育は2万円程、フォークリフト運転技能講習は2〜5万円程必要です。ただし、講習の種類や所持資格によっても変動するため注意が必要です。
助成金を活用できる場合がある
フォークリフト免許の取得にかかる費用に関して、厚生労働省の「教育訓練給付制度」を利用すると受講料の一部を給付金として支給してもらえます。
この制度は、特定の条件を満たす受講者がフォークリフト運転技能講習を受ける場合に受講料金の20%を給付金として受け取れるため、経済的な負担を軽減できます。
フォークリフト免許の取得を考えている人は「教育訓練給付制度」の対象条件を確認し、自身が給付金の受給資格を持っているか調べるようにしましょう。
フォークリフト免許を無料で取得する方法と種類|2選
フォークリフト免許を無料で取る方法について、以下2つを紹介します。
・フォークリフト免許を取得させてくれる会社に転職する ・教育訓練給付制度を利用する |
それぞれ解説します。
フォークリフト免許を取得させてくれる会社に転職する
フォークリフト免許の取得にかかる費用を抑えたい場合、免許を取得させてくれる会社に転職しましょう。フォークリフト免許は、多くの物流や製造業で必要となる資格です。
そのため、フォークリフト免許を取得した人材を求めている企業は少なくありません。製造業や運輸業では、自社負担で免許取得を支援してくれる会社も複数あります。
そのような会社に転職すれば、入社後に会社負担でフォークリフト免許を取得できるでしょう。また、転職を失敗させたくないなら、転職エージェントの活用は欠かせません。
弊社が運営している「ドライバーキャリア」でも、フォークリフト免許の取得支援を実施している求人を紹介できます。無料で利用できるので、気になる人はぜひ利用してみてください。
教育訓練給付制度を利用する
フォークリフト免許の取得にかかる費用を抑えたい場合は、教育訓練給付制度を活用してみるのもひとつの方法です。
教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣の指定を受けた講座を受講することで、受講にかかった費用の一部を支給してもらえる制度です。
フォークリフトの他にも幅広く取得できるため、気になる資格があれば合わせて受講してみましょう。
詳しい内容は厚生労働省のホームページで、見られるので対象者や給付額などの詳細を確認したい人は参考にしてみてください。
関連記事:フォークリフトの学科試験と実技試験に落ちることはあるの?もし落ちた場合どうなる?
フォークリフト免許を取得後:運転できる3つの車両と種類
フォークリフト免許を取得後に運転できる3つの車両は、以下のとおりです。
フォークリフトの種類 | 特徴 | 使用場所 |
カウンターバランスフォークリフト |
・多目的で荷物の積み下ろしや移動に広く使用されている | ・倉庫 ・工場 ・荷積み場 ・建設現場 |
リーチフォークリフト | ・伸縮可能なフォークがあり、狭いスペースでの操作に適している | ・倉庫 |
サイドフォークリフト |
・荷物を横から持ち上げられるため長尺物の取り扱いに適している | ・工業施設 ・倉庫 ・建設現場 |
それぞれどのような特徴があるか、詳しく見ていきましょう。
カウンターバランスフォークリフト
カウンターバランスフォークリフトは、フォークリフトの基本的な形状であり、最も多く使われている車両です。カウンターバランスフォークリフトは、荷重を支えるカウンターウェイトが車体の後部に配置されているため、荷物を積み降ろす際に安定した操作が可能です。
そのため、物流や製造業など、さまざまな現場で幅広く使用されています。フォークリフトの運転免許を取得する際には、まずカウンターバランスフォークリフトから乗車するのがおすすめです。とくに転職先の現場で利用される場合が多く、操作に慣れておくと高く評価されるでしょう。
リーチフォークリフト
リーチフォークリフトは、とくに狭いスペースでの作業に最適化されたフォークリフトです。その名のとおりフォーク部分が前方に「リーチ」すなわち伸びます。
そのため、倉庫内の狭い場所にある荷物もスムーズに持ち上げられます。一般的にリーチフォークリフトの特性上、高い棚のある倉庫や狭い通路がある物流センターで使用されるケースが多いようです。
倉庫業務に従事する場合、リーチフォークリフトの運転スキルは相性がよいでしょう。
サイドフォークリフト
サイドフォークリフトは、車体の側面にフォークが装備されているフォークリフトです。荷台が広いため、木材やパイプなど長尺物の運搬に適しています。
また、運転席が高いのもサイドフォークリフトの特徴です。建設現場や大型倉庫など、大きな荷物や鉄骨を利用する場面では活躍できるでしょう。
関連記事:フォークリフトにはいくつも種類がある!それぞれの特徴や駆動方式、運転に必要な資格などを解説!
フォークリフト免許取得にかかる4つの講習費用と種類
フォークリフト免許を取るのにかかる講習費用は、4つあります。
・教習所の受講費用 ・テキスト代 ・補助試験料金 ・証明写真の発行代金 |
それぞれ解説します。
教習所の受講費用
フォークリフト運転技能講習の受講費用は、教習所によって異なりますが、一般的に2〜5万円程です。コース別の目安でわけると、以下のとおりです。
コース | 受講時間 | 受講費用の範囲 |
11時間コース | 11時間 | 1〜2万円程 |
15時間コース | 15時間 | 2〜2.5万円程 |
31時間コース | 31時間 | 3〜4万円程 |
35時間コース | 35時間 | 4〜5万円程 |
フォークリフト運転技能講習の受講費用を抑えたい場合は、複数の教習所を比較検討し、費用や講習内容などをよく比較して選ぶと良いでしょう。
テキスト代
フォークリフト運転技能講習のテキスト代は、およそ1,500〜2,000円です。また、教習所によってはテキスト代が受講費用に含まれているケースもあれば、別途請求されるケースもあります。
フォークリフト運転技能講習のテキスト代は教習所によって異なるため、事前に確認しておくと安心でしょう。
補助試験料金
フォークリフト運転技能講習の補助試験料金は、学科試験が3,000円程になり実技試験では5,000円程です。補助試験は、学科や実技の試験で不合格となった際に受けられる再検定のようなものです。
一度不合格になっても安価で受け直せるため、受講者にとっては助けになるでしょう。補助試験料金は、教習所によって金額が違うので受講前に一度聞いてみると良いのではないでしょうか。
証明写真の発行代金
フォークリフト運転技能講習の受講に必要な証明写真の発行代金は、教習所によって異なりますが一般的に500〜1,000円程です。
また、フォークリフト免許には更新がないので、最初に撮影した写真がフォークリフト運転技能講習修了証として一生使われます。後悔しないように撮影の際、身なりは整えておきましょう。
フォークリフト免許の種類や取得方法に関するよくある質問
フォークリフト免許の種類や取り方に関するよくある質問を、5つ厳選し紹介します。
・フォークリフト免許はどこで取れますか? ・フォークリフトは普通免許で乗れますか? ・フォークリフトの運転免許がなくても運転してもいいですか? ・フォークリフトの特別教育と技能講習の違いは何ですか? ・履歴書に書けるフォークリフトの資格はどれになりますか? |
フォークリフト免許はどこで取れますか?
フォークリフト免許は、各都道府県の労働局に登録された教育機関で受講できます。取得できる主な機関は、以下のとおりです。
・自動車学校 ・フォークリフトメーカー ・講習の専門機関 |
フォークリフトは普通免許で乗れますか?
フォークリフトは普通免許では乗れません。フォークリフトを運転するには、フォークリフト運転技能講習の受講と運転技能試験の合格が必要です。転職先で乗車をすすめられても、免許を取得するまでは絶対に乗らないようにしてください。
フォークリフトの運転免許がなくても運転してもいいですか?
フォークリフトの運転免許がなくても運転するのは、法律で禁じられています。道路交通法違反となり、6ヶ月以下の懲役又は50万円※1)以下の罰金が科せられます。
また、フォークリフトの運転によって事故を起こした場合は、さらに重い刑罰が科せられるでしょう。そのため、フォークリフトを運転するのは必ず免許を取得してからです。
フォークリフトの特別教育と技能講習の違いは何ですか?
フォークリフトの特別教育と技能講習の主な違いは積載量です。詳しい違いは、以下のとおりです。
特別教育 | 技能講習 | |
対象 | ・積載量1t未満のフォークリフトが運転できる | ・積載量1t以上のフォークリフトが運転できる |
内容 | ・学科と実技の両方を含む6時間ずつの講習がある | ・学科講習と実技講習を含む、所持資格や経験に応じて最大35時間の講習がある |
特徴 | ・講習を修了するだけで資格の取得ができる | ・学科試験と実技試験の合格が必要になる |
履歴書に書けるフォークリフトの資格はどれになりますか?
履歴書に書けるフォークリフトの資格は以下の2つです。
・フォークリフト特別教育修了証 ・フォークリフト運転技能講習修了証 |
フォークリフトの運転業務に従事する場合は、特別教育と技能講習の両方を受講する必要があります。そのため、履歴書に書く資格はどちらか一方ではなく両方必要です。なお、フォークリフトの資格は、有効期限がないため一度取得すれば履歴書に記載できます。
フォークリフト免許の種類や取得方法に関するまとめ
フォークリフト免許は受験資格や内容、難易度からみても取得しやすい資格です。フォークリフト資格があると会社から優遇されたり、重宝されたりするので運送業や製造業で働く場合、取得しておいて損はないでしょう。
仕事の選択肢も増えるので、取得していない人はフォークリフト免許を取得してみてはいかがでしょうか。