「フォークリフトの学科試験に落ちた場合どうなる?」
「フォークリフトの合格率が知りたい」
この記事はこんな疑問を持っている方におすすめです。
倉庫内作業や工場での作業にフォークリフトは不可欠。さまざまな現場で活躍していることもあって、フォークリフト免許は人気資格の1つです。
そんなフォークリフト免許を取るためには資格試験に合格しなければいけません。しかし、資格試験は簡単といわれています。
ここでは資格試験が簡単というのは本当なのか?落ちた人はいるのか?もし落ちた場合どうなるのか?などについて詳しく解説しています。
実際の試験内容や取得までの流れについても解説しているので、これからフォークリフトの資格を取ろうと思っている方、悩んでいる方にピッタリな内容となっているので、ぜひ参考にしてくださいね。
フォークリフトの学科試験と実技試験に落ちることはあるのか?
フォークリフトの資格を取得するためには試験に合格しないといけません。その試験は一発で合格したいものですよね。
そこでフォークリフトの試験の難易度がどれくらいなのか紹介していきましょう。
学科試験の難易度
結論から言えば学科試験で落ちる可能性は低いです。なぜなら試験勉強が必要ないからです。学科試験で出題される内容は事前に講習したところからのみなので、講習をちゃんと聞いてさえいれば合格するといわれています。
あるフォークリフトを扱う職場では、「これまで何百人と試験をうけてきた人がいるけれど、不合格になったものがいない」などと言われるくらいです。
学科試験の合格率は公表されていませんが、98%以上あると言われています。普通に講習を受けていれば、まず落ちることはないでしょう。
実技試験の難易度
実技試験も結論から言えば落ちる可能性は低いです。事前の実技講習で学んだことをそのまま行えば誰でも合格すると言われています。
簡単と言われている理由の1つにほとんどの方が自動車免許を持っていることがあげられます。車とは操縦が少し異なりますが、ハンドルの切り方や加減、アクセルの踏み加減など、自動車の運転経験がある方はすぐに慣れるためです。
フォークリフトの学科試験と実技試験の内容
実際にフォークリフトの試験でどういった内容が出題されるのか紹介していきましょう。
学科試験
学科試験は4肢択一のマークシート方式で問題文の中から正しいもの、もしくは間違っているものを答えるという内容になっています。
試験科目は下記の4つから出題されます。
①フォークリフトの走行に関する装置の構造および取扱いに関する知識
②フォークリフト荷役に関する装置の構造および取扱いに関する知識
③フォークリフトの操縦に必要な力学に関する知識
④フォークリフトに関する法律や規則・規制に関する知識
過去に出題された問題をいくつか紹介しましょう。
Q1:フォークリフトの各部の安全係数で誤ったものを1つあげなさい
1.バックレストの安全係数は2です。
2.フォークの安全係数は3です。
3.リフトチェーンの安全係数は5です。
4.ヘッドガードの安全係数は2です。
この場合の答えは1です。バックレストに安全係数はありません。
Q2:フリーリフト量についての説明で誤ったものを1つあげなさい。
1.フリーリフト量の多いフォークリフトはコンテナ内の作業に適している。
2.フリーリフト量の多いフォークリフトはコンテナ内の作業に適していない。
3.フリーリフト量とはマストを垂直にして、マストの高さを変化させずにリフトブラケットをあげることができる最大揚高のことである。
4.フリーリフト量とは地面からフォークの水平部分の上面までの高さを示している。
この場合の答えは2です。
Q3:力学に関する説明で誤っているものを1つあげなさい。
1.力には大きさ・方向・作用点の3つの要素がある。
2.物体に2以上の力が作用している時には、その2つ以上の力をそれと全く同様の効果を持つ1つの力に置き換えることができる。この置き換えられた1つの力を「合力」という。
3.力の平行四辺形の法則を利用して1つ以上の力を互いにある角度をなす2つ以上の力に分けることを「力の分散」という。
4.合力を求めることを力の合成という。
この場合の答えは3です。「力の分散」ではなく「力の分解」が正解です。
以上のような問題が各試験項目から10問ずつ出題されます。それぞれの項目で4割以上正解すると合格と言われています。ただし、フォークリフト荷役に関する問題は6割以上とされています。
なお、フォークリフト走行に関するところは普通自動車免許を取得している方は免除されます。
Q4:フォークリフトの特徴として誤ったものを1つあげなさい。
1.荷役運搬作業が構内の不特定場所で行える。
2.ハンドル切れ角度が大きく、車体が小型化されているので小回りが効く。
3.マストやフォークなどの荷役装置が前方に装着されているので前方の視界が悪い。
4.積荷を保持する構造が片持ちのために、積荷の長手方向の長さが長くなるにつれて、荷役運搬できる質量が大きくなる。
この場合の答えは4です。質量が大きくなるのではなく小さくなるのが正解です。
実技試験
フォークリフトの実技試験では実際に荷物を運びます。荷物を安全に運べるかどうか、操縦に問題はないかなどを見られます。専用のコースが作られており、そこで荷物の運搬とフォークリフトの操縦を行います。
100点満点からスタートする減点方式で、70点以上残れば合格とされています。試験は一人ずつ行い、残りの受験者は教室で待機となります。
具体的にどういった場合に減点されるのか紹介しましょう。
指さし点検(-3点):乗車前の点検忘れ、または点検箇所に漏れがある
レバーの操作ミス(-3点):前後の入れ間違いなど
接触(-5点):壁などにぶつかる
エンスト(-5点):操縦中に誤ってエンスト(エンジンがとまること)をしてしまった
など内容によって3点減点か5点減点となります。しかし、中には1回のミスで失格扱いとなるものがあります。
・シートベルト未着用のまま操縦する
・パレットへのフォークの差し込みが不十分(40㎝以上など極端な場合)
・フォークの先で荷物を突くこと
・フォークで荷物を高くあげたまま走行する
・フォークリフトを決められた線よりも手前に駐車した場合
どれも重大な事故につながるもののため、一発で落ちてしまいます。
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合格率が98%以上と言われてはいるものの不合格になる場合もあります。もし試験に落ちた場合、どうすればいいでしょうか?
学科試験の場合は、再試験となります。もう一度試験前に講習を受けて追試に臨みます。もし追試にも不合格となれば、もう一度再試験となります。しかし、教習所の中には再度受講料を支払って1からやり直しとなる場合もあるので注意しましょう。
実技試験の場合も学科試験と同様に再試験となります。試験前には補講を受けて、改めて再試験となります。こちらでも何度も落ちるようなことがあれば、受講料を再度支払って1からやり直すという可能性もあるので注意しましょう。
フォークリフトの学科試験と実技試験に落ちずに合格するコツ
簡単とはいえ試験に落ちる可能性があります。そこで学科試験と実技試験それぞれに合格するためのコツについて紹介していきましょう。
授業をしっかり聞く
学科試験に合格するために一番重要なことは授業をしっかりと聞くことです。当たり前のことですが、逆にいえばこれさえできれば合格できます。
その理由は先生が授業内で試験に出る範囲をしっかりと教えてくれるからです。試験が毎回異なりますが、おおよそは同じです。そのため、どこが試験に出るのかを先生は把握しているため、テスト範囲を中心に授業を行ってくれます。
予習を行う
学科試験に不安を感じる方は予習を行うといいでしょう。テキストはアマゾンや楽天、全国の書店で販売されています。
講習を受ける際に同じようなテキストが配られますが、事前に知識を仕入れておくことで授業がすんなりと頭に入ってくるでしょう。
学科が苦手という方は先に知識を取り入れておくことをおすすめします。
手順を把握する
実技試験に合格するためのコツとしては手順を覚えることが重要です。実技試験は特に難しくありませんが、焦ったりパニックになったりすると落ちる可能性が出てきます。
実技試験で怖いのは一発失格になるパターンです。
上述したような
・シートベルト未着用のまま操縦する
・パレットへのフォークの差し込みが不十分で持ち上げる(40㎝以上など極端な場合)
・フォークの先で荷物を突く
・フォークで荷物を高くあげたまま走行する
・フォークリフトを決められた線よりも手前に駐車してしまう
を行ってしまうと他が問題なくとも失格となってしまいます。焦らないように手順を頭に入れておきましょう。
手順を簡単に紹介すると、
①車体回りの点検
前輪や後輪、マストやフォークなどに問題はないか、水や油は十分にあるか、燃料キャップはしまっているかなどを確認します。
②コースを走行する
フォークリフトに乗車し、シート調節、前後方の確認、ミラーの調整、シートベルトをしてエンジンをかけます。そのあとリフトを少し上げてマストを運転席側に寄せます。
再度前後左右を確認し、ギアを入れて前進します。
パレットまで移動し、前で停止します。サイドブレーキを引いてギアをニュートラルにします。フォークを水平にしてパレットが入る位置まであげる。前進して少しパレットにフォークを指します。少し後進して一度パレットを置きます。再度パレットにフォークを奥までさします。フォークをあげて後進します。フォークを下げてマストを手前に引きます。
③所定の位置までパレットを持っていく
前後左右を確認して、所定の位置までパレットを運びます。台の前で一度停車し、サイドブレーキとギアをニュートラルにします。
フォークを水平にして台の上の高さまであげます。前後左右確認して前進して停車。そのあとフォークを降ろしてパレットを置きます。少しフォークを下げて後退します。
後進しながらゴールまで向かい、所定の位置まで移動します。フォークとマストを調整してフォークの先が地面に当たるようにします。エンジンを止めて降車します。
フォークリフトの資格取得の流れ
フォークリフトの資格を取るまでの流れについて紹介していきましょう。
フォークリフトの資格の種類
フォークリフトの資格は、積載量が1t未満のフォークリフトを操縦できる「フォークリフト運転特別教育修了証」と、積載量1t以上のフォークリフトを操縦できる「フォークリフト運転技能講習修了証」の2種類あります。
一般的にフォークリフトの資格というと後者のフォークリフト運転技能講習修了証を指しますので、今回はこちらの取得までの流れについて詳しく解説していきます。
受験資格
フォークリフトの資格を取得するためには満18歳以上でなければいけません。ただし、これ以外では特に条件がありません。
年齢制限もないため、40代、50代の方でも資格を取得できますし、実際に受験している方も多くいます。
取得方法
フォークリフトの資格を取るためには、各都道府県の労働局長に登録をうけた教習所などに通う必要があります。
取得に必要な日数と費用
資格取得費用は教習所によって異なります。ただし、所持している資格や免許によって講習が免除されるため、日数や費用が変わってきます。
取得に必要な講習時間と費用(相場金額)を表にまとめました。
資格 | 学科講習 | 技能講習 | 取得費用 |
資格なし | 11時間 | 24時間 | 約50,000円 |
普通・準中型・中型・大型免許 | 7時間 | 24時間 | 約40,000円 |
フォークリフト運転特別教育修了証(3か月以上の実務経験あり) | 11時間 | 4時間 | 約25,000円 |
普通~大型免許+フォークリフト運転特別教育修了証(3か月以上の実務経験あり)大型特殊免許 | 7時間 | 4時間 | 約15,000円 |
申込み方法
①自分の住んでいる地域の教習所でフォークリフトを取り扱っている場所を探します。見つけたら資格取得の旨を伝えて入港手続きを行います。
②申込みは電話・FAX・ネット・直接訪問などさまざまありますが、いずれにせよ申込用紙と本人確認書類、講習料金が必要となります。
③入校が終われば、学科講習と実技講習をそれぞれ受講し、最後に学科試験と実技試験を受けます。
④両方に合格すれば資格が与えられます。
関連記事:フォークリフト免許について丸ごと解説!免許の種類、取得方法や費用、無免許で運転した場合など一挙解説します!
フォークリフトの学科試験と実技試験に落ちないための注意点
いざフォークリフトの資格を取得したらどこでも運転できると勘違いしている方が時々います。しかし、フォークリフトの資格だけでは公道を走ることができないということを覚えておきましょう。
フォークリフトは基本的に敷地内でのみ操縦するものとされています。そのため、フォークリフトの資格で公道を走ることは想定されていません。しかし、時には公道を走る必要が出てくることもあるでしょう。
フォークリフトで操縦して公道を走る際は小型or大型特殊免許が必要となります。大型特殊免許はあらゆるサイズのフォークリフトを運転できますが、小型は規格に制限があります。詳しくは表を参照してください。
小型特殊免許 | 大型特殊免許 | |
全長 | 4.7m以下 | 12m以下 |
全幅 | 1.7m以下 | 2m以下 |
全高 | 2m以下 | 3m以下 |
最高速度 | 15km/h以下 | 35km/h以下 |
ただし、特殊免許を所持している場合でも、下記の行為は禁止されています。
・荷物を積載しての走行(過積載として罰則が与えられる)
・荷物の積み下ろしといった荷役作業(管轄する警察署長の許可を取れば可能)
フォークリフトの学科試験と実技試験に落ちずに合格するコツ
結論から言えばフォークリフトの学科試験と実技試験は難しくありません。まじめに講習を受けていれば誰でも合格できるとまで言われています。
落ちた場合はお金や時間が無駄になってしますので、しっかりと講習を受けるようにしてくださいね。
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