軽貨物ドライバーはきつい？楽しい？現役で稼ぐ人の声も

軽貨物ドライバーの仕事は「稼げるイメージもあるけどきついのでは？」と考えている方も多いようです。

働き方次第では実際に稼げますが、予想以上にしんどくて早く辞めたいという方もいるでしょう。本記事では軽貨物ドライバーとして失敗しないように、楽しい面ときつい面を包み隠さず解説していきます。

軽貨物ドライバーはきつい？楽しい？

トラックドライバーの経験者からすれば、配達の荷物が軽く、体力的な負担は少ないため楽に感じることも多いでしょう。

一方、未経験者からすれば、軽貨物を運転しながら荷物を配達するだけで、体力的にきつく感じる方もいると思います。

収入面においては、配達件数を増やす工夫やルートの最適化をしないと多くの収入を得ることは難しいです。軽貨物ドライバーは稼ぎにくいと感じる人もいれば、大きく稼げると感じる方もいるでしょう。

ドライバー自身の適性や目的、取り組み方によっても働きやすさは変わるのではないでしょうか。軽貨物ドライバーについての詳しい内容は、次章から解説していくのでチェックしてみてください。

関連記事：【軽貨物運送業】とは。個人事業主として業務委託ドライバーを始める方へ

軽貨物ドライバーがきついと言われる理由

軽貨物ドライバーがきついと言われる理由は4つあります。

• 配達件数を増やすのが大変だから
• 体力的に辛いから
• 苦労の割に稼げないから
• クレームがあるから

詳しく解説します。

配達件数を増やすのが大変だから

軽貨物ドライバーがきついと言われる理由のひとつは、配達件数を増やすのが大変だからです。軽貨物ドライバーの収入は、配達件数によって決まります。

配達件数が多ければ多いほど収入も高くなります。
しかし、配達件数を増やすには以下のような課題を解決しなくてはいけません。

• 配送エリアが広いと移動時間が長くなり、効率が悪くなる
• 集合住宅やビルなどの場合、荷物を階段で運ぶため体力的にしんどい
• 配送先が不在の場合、再配達の手配や連絡するため時間を消費する
• 配送先に指定時間や指定場所がある場合、思い通りのルートで走れない

また、軽貨物ドライバーの仕事は、天候や交通状況などによっても配送にかかる時間は変動します。

自分が思ったとおりに配達数を増やせないのも、軽貨物ドライバーがきついと言われている要因になるでしょう。

体力的に辛いから

軽貨物ドライバーの仕事は、体力的な負担が大きいと言われています。荷物を積み下ろしたり、狭い道を集中して運転したりと自分では気づかないうちに体力を消耗しています。

軽貨物車両はトラックに比べて小型なため、大きい荷物を積み込むことはありません。
とはいえ、何十個、何百個と配達していたら、徐々に重さを感じるでしょう。

軽貨物ドライバーは荷物の積み込みや配達など、体を動かす仕事なので体力が必要です。
そのため、軽貨物ドライバーは体力的にきついと言われています。

苦労の割に稼げないから

軽貨物ドライバーは長時間労働や体力的な負担が大きいのに、平均的な収入水準にとどまっています。

経済産業省「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」によると、中小型トラックドライバーの仕事で得られる平均収入は、約388万〜431万円になっています。月収換算すると約32万〜35万円です。

出典：経済産業省「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」

一方、国土交通省「イノベーションや地域の課題に応えるラストワンマイル配送の実現」では、中小型ドライバーの平均的な労働時間について記載しており、他の業種に比べると労働時間は年間約2,500時間と、約2割多くなっています。

出典：国土交通省「イノベーションや地域の課題に応えるラストワンマイル配送の実現」

調査データからみても軽貨物ドライバーは、他の職種に比べて労働時間が長く、体力的な負担が大きいのに、収入は平均的な水準にとどまっていることがきついと言われている理由のひとつです。

関連記事：軽貨物ドライバーは稼げない？手取り収入と業界事情について徹底解説！

クレームがあるから

軽貨物ドライバーはクレーム対応する場面も多く、精神的にも体力的にも負担が大きい仕事です。

荷物の配達先が不在だったり、再配達の指定時間に間に合わなかったりすると、顧客からクレームを受けます。

また、委託元からも配達件数や時間などに関して、厳しい要求や指摘されることもあるでしょう。軽貨物ドライバーは日々の業務中、さまざまなクレームと向き合わなければなりません。

クレームによる精神的ストレスが大きいのもきついと言われている理由になるでしょう。

出典：経済産業省「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」
出典：国土交通省「イノベーションや地域の課題に応えるラストワンマイル配送の実現」

関連記事：軽貨物ドライバーが会社を辞めたいと思う理由やその共通点とは？やめる前にやっておくことも合わせて紹介します

軽貨物ドライバーが楽しいと言われる理由

軽貨物ドライバーのきつい部分を紹介してきましたが、楽しい側面もあります。

きついと言われている理由はさまざまですが、楽しいと言われている部分もあるので、軽貨物ドライバーを目指している方は参考にしてみてください。

軽貨物ドライバーが楽しいと言われる、以下5つの理由について紹介していきます。

• 荷物が軽量だから
• 自由なスタイルで働けるから
• 職場や人間関係のストレスがないから
• 学歴や年齢を問われないから
• 競合が少ないから

荷物が軽量だから

軽貨物ドライバーとしての仕事は多くの場合、軽量の荷物を取り扱うので、力がなくても取り組めます。

荷物が軽量であるため、積み下ろしも行いやすく大型トラック運転手の方と比べると、体力を維持しやすく効率的に業務に取り組めるでしょう。

また、軽貨物車両は小回りが利くため、狭い道でも運転しやすいです。

重量物と比べて軽量な荷物の取り扱いは、事故やケガのリスクが低く、配送がより安全に行える点も大きなメリットと言えるでしょう。

自由なスタイルで働けるから

軽貨物ドライバーは自由なスタイルで働けるので、自分のライフスタイルを作りたい方にはおすすめの職業です。

仕事のスケジュールに関しても、以下のように自由に決められます。

• どの時間帯で働くのか
• どのルートで走るのか
• どのくらいの荷物を運ぶのか

また、軽貨物ドライバーは業務委託での取引ができるため、休日も自由に決められます。
自由に働ける分、責任も重くなりますが、自由なライフスタイルを楽しみに変えられる人にはおすすめの仕事と言えるでしょう。

職場や人間関係のストレスがないから

軽貨物ドライバーの魅力として、人間関係のストレスが少ないこともあげられます。
荷物も1人で運ぶことが多く、自分のペースで仕事に取り組めます。

人間関係のストレスがないということは、仕事に集中できる環境で働けるので、仕事効率も向上するでしょう。

1人で黙々と働ける方や運転が好きな方であれば、軽貨物ドライバーは楽しく働けるおすすめの仕事です。

学歴や年齢を問われないから

軽貨物ドライバーは学歴や年齢を問わず誰でもなれます。昨今の配達需要の増加で、未経験や高齢の方を受け入れる運送会社も多くなっており、挑戦しやすい環境になっています。

また、学歴や年齢が関係ないことから、中高年の転職や異業種からのキャリアチェンジを考える人々に対して再チャレンジの場になっています。

軽貨物ドライバーという職業は、学歴や年齢といった一般的なハードルをこえて挑戦できるおすすめの仕事です。

競合が少ないから

軽貨物ドライバーは大型トラックや中型トラックに比べて、免許や資格取得のハードルが低く参入しやすいです。

競合が多いように思われますが、軽貨物ドライバーの需要は年々増加しており、需要が供給を上回っています。

国土交通省「過疎地等における物流サービスの現状分析及び検討にあたっての問題意識について」の資料からも少子高齢化に伴い、宅配サービスの需要が高くなっていると記載されています。

出典：国土交通省「過疎地等における物流サービスの現状分析及び検討にあたっての問題意識について」

需要が高く供給が少ないということは、競合と戦わずに大型案件を受注しやすいでしょう。

また、軽貨物車両はトラックに比べて燃費がよく、維持費も安いため女性やシニアの方も働きやすい仕事です。

軽貨物ドライバーとして高収入を目指したい方には、チャレンジしやすい環境になっているでしょう。

出典：国土交通省「過疎地等における物流サービスの現状分析及び検討にあたっての問題意識について」

軽貨物ドライバーの1日の流れ

軽貨物ドライバーの1日の流れは状況によって異なりますが、一般的な流れを本記事ではご紹介します。

時間帯	活動内容
6:00～7:00	・荷物の積み込み
7:00～12:00	・配達
12:00～13:00	・昼食休憩
13:00～18:00	・配達
18:00～18:30	・車両点検
18:30～19:00	・事務処理

軽貨物ドライバーは荷物を運ぶのがメインの仕事ですが、荷物の積み込みや車両点検、事務処理など、さまざまな業務をこなさなくてはいけません。

とはいえ、頑張れば頑張ったほど収入につながるので、やりがいのある仕事と言えるでしょう。

きついと言われる軽貨物ドライバーの手取り額とは

軽貨物ドライバーの手取り額は、稼働時間や単価によって異なりますが、一般的には月収25万円〜50万円程度が多いです。

軽貨物ドライバーの手取り額の事例を紹介します。

項目	内訳	金額
売上	・100個 × 250円 × 26日	650,000円
事務手数料	・売上の10%	65,000円
車のリース費用	・1日800円×26日	20,800円
車の保険料	・固定経費	10,000円
ガソリン代	・固定経費	30,000円
手取り	・売上 - 合計経費 - 事務手数料	524,200円

上記の手取り額はあくまでも参考事例であり、稼げる額は経験やスキル、仕事量によって大きく変わります。

また、手取り金額から税金や保険料も支払うので、自身の生活スタイルによって計算することが大切です。

「軽貨物ドライバーはきつい？」現役ドライバーの口コミ

実際、軽貨物ドライバーの仕事はきついのか口コミを集めてみました。

Aさん

 Bさん

Cさん

Dさん

軽貨物ドライバーに向いている人の特徴

軽貨物ドライバーに向いている人の特徴を5つまとめてみました。

• 運転が好き・得意
• 地図を読むのが得意
• 1人で仕事をするのが好き
• 体力に自信がある
• 責任感がある

以上に5つについて詳しく解説していきます。

運転が好き・得意

軽貨物ドライバーに向いている人の特徴は、運転が好き・得意な人です。
長時間運転することが多いため、運転を仕事にできることにやりがいを感じるでしょう。

また、運転が好き・得意であれば安全運転への意識が強いかもしれません。
一方で、運転が得意と過信すると油断しやすくなるので注意が必要です。

運転が好き・得意な方は、軽貨物ドライバーの仕事を視野に入れてみてくださいね。

地図を読むのが得意

軽貨物ドライバーには、地図を読むのが得意な人が向いています。地図を読むのが得意な人は、効率的な配送ルートを作成したり、迷わずに目的地にたどり着けたりできます。

軽貨物ドライバーの業務は、さまざまなエリアに荷物を配達しなければなりません。

とくに新しいエリアや混雑した都市部の配送時には、地図をうまく利用できる能力は業務の効率化や時間短縮に直結するでしょう。

地図がスムーズに読めると、配送業務をスムーズに行えるだけでなく、時間や燃料の節約にもつながります。

地図を読むのが得意な方は、軽貨物ドライバーに挑戦すると大きく収入をあげられるチャンスがあるかもしれません。

1人で仕事をするのが好き

1人作業が好きな方も、軽貨物ドライバーの仕事に向いているでしょう。
軽貨物ドライバーは、基本的に1人で車両に乗って荷物を配送する仕事です。

業務内容は「荷物の積み込み・配達」などを1日中行い、チームで動くことが少ないです。
配送先は委託先から指定されますが、与えられた業務の中で自分自身で配送ルートを組み立てられます。

また、配送先のお客様と接する機会もありますが、長時間の話をすることはありません。自分のペースで仕事を進めながら、あまり多くの人と関わりたくない方には軽貨物ドライバーが向いていると言えるでしょう。

体力に自信がある

軽貨物ドライバーの仕事は体力的な負担が伴うため、体力に自信のある人の方がより業務をスムーズに行えます。

軽貨物ドライバーは、1日に多くの荷物を配送します。
多くの荷物を配送するには、積み込みや荷下ろしの数も増やさなくてはいけません。

また、階段の昇り降りを繰り返すことも多くあり、軽い荷物といえど体への負担はかかります。体力があれば多くの荷物を効率的に配達できるので、自然に収入アップにもつながります。

軽貨物ドライバーの仕事は体力がある方にとって、稼ぎながら運動不足も解消できるやりがいのある仕事と言えるでしょう。

責任感がある

軽貨物ドライバーは、責任感がある人に向いています。
配送時には時間指定がある場合もあるので、荷物に損害を与えないように運転しなければなりません。

また、荷物の遅延や紛失、破損などが発生した場合は自分で対応したり、損害賠償を支払ったりする可能性があります。

軽貨物ドライバーの業務は、確実な配達やトラブル対応など、多くの場面で責任感が求められるでしょう。

自由な働き方で稼げる分、責任感が求められます。スケジュール管理やトラブル対応など、しっかりと行える責任感がある方に向いている仕事です。

「軽貨物ドライバーはきつい？」に関してよくある質問

軽貨物ドライバーはきついとよく言われます。
よくある質問を4つ厳選してみました。

• 軽貨物ドライバーになるために必要な資格や条件は？
• 軽貨物ドライバーは女性でもできますか？
• 軽貨物ドライバーは儲かりますか？
• 軽貨物ドライバーは何歳までできますか？

それぞれ解説していきます。

軽貨物ドライバーになるために必要な資格や条件は？

軽貨物ドライバーになるための必要な資格や条件は、普通自動車免許と貨物軽自動車運送事業経営届出書の提出です。

普通自動車免許は満18歳以上であれば誰でも取得できます。
また、AT車両を使用すれば、AT限定の免許だけで仕事が行えます。

しかし、委託先の業務内容に応じて一定の条件を満たさないと働けない場合もあるので注意が必要です。

軽貨物ドライバーの求人に応募する際には、希望する企業の求人内容をしっかりと確認してみてください。

軽貨物ドライバーは女性でもできますか？

軽貨物ドライバーはきついと言われていますが、女性でも問題なく働けます。

女性は男性に比べて体力的な面で劣ると思われがちですが、軽貨物ドライバーとして活躍している女性は多くいます。

軽貨物ドライバーは、普通自動車免許があれば誰でも始められる仕事です。
荷物の重さも軽いものが多いので、力がない方でも問題なく取り組めるでしょう。

また、女性ならではの細やかな気配りや丁寧な対応が顧客から好評を得ることもあります。
軽貨物ドライバーに興味を持った女性は、1度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

軽貨物ドライバーは儲かりますか？

軽貨物ドライバーの収入は業務内容や勤務時間、委託先によっても変わるため、一概に儲かる仕事とは言えません。とはいえ、適切なルートや仕事の選び方で大きな収入を得ることは可能です。

軽貨物ドライバーとして売上をあげるためには、いくつかの条件があります。

要因	詳細
・契約する企業	・大手運送会社からの委託は収入が高いが、競争率が高く条件も厳しい
・配達する地域	・都市部：荷物件数が多く、短距離での効率的に配達が可能だが渋滞や駐車場問題がある
	・田舎：荷物件数が少なく、長距離での配達が必要だが道路状況や駐車場問題が少ない
・荷物の種類や件数	・大きいサイズ、再配達が必要な荷物は単価が高いが、積み込みや再配達で効率が悪くなる
・労働時間	・長時間労働すれば収入が増えるが、体力的、精神的負担が大きくなる

軽貨物ドライバーは儲かるとは言い切れませんが、頑張り次第で収入を増やすことはできます。しかし、収入を増やすためには、労働条件や体力的な負担も考慮しなければなりません。

自分に合った運送会社や地域、荷物の件数を選ぶことが重要になるでしょう。

軽貨物ドライバーは何歳までできますか？

軽貨物ドライバーは定年がないので、体力と健康状態が許す限り何歳まででもできます。実際に、軽貨物ドライバーとして働いている人の中には、60代や70代の高齢者の方も多くいます。

軽貨物ドライバーの仕事は、自分のペースで仕事量を調整できる点もあり、高齢者の方でも働きやすい環境が整っています。

また、仕事を通じて人との交流や運動不足の解消もできるので、健康面を維持するのにもおすすめの仕事です。

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「軽貨物ドライバーはきつい？」についてのまとめ

軽貨物ドライバーの仕事内容や収入には、運送会社や配達地域、荷物の件数など、さまざまな要因が影響します。

きついと言われがちですが、収入や時間のバランスを総合的に考えて、効率的に仕事をこなすことで、楽しく働きながら高収入を目指せるでしょう。

軽貨物ドライバーとして働くことを検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。