施工管理の仕事には大きなやりがいがあります。施工管理は工事現場のすべてを取り仕切り、プロジェクトの成功に大きく貢献する役割を担うため、責任は重いですが、それだけ達成感も大きいです。
建物が無事に完成したとき、施工管理者としての成果が目に見える形で現れ、その瞬間が何よりのやりがいとなります。
そこで本記事では、施工管理のやりがいや、困難な状況でも多くの人が続ける理由について解説します。施工管理の仕事に興味がある方は参考にしてください。
施工管理のやりがい
施工管理の仕事をしているときにやりがいを感じ、施工管理の仕事をしていてよかったと改めて魅力に気づく瞬間は必ずと言っていいほど訪れます。
では、具体的にどういった瞬間やタイミングでやりがいや魅力を感じるのか紹介していきましょう。
建造物が完成した時の達成感
自分が携わって建造物が完成した瞬間は施工管理として働く中で一番やりがいを感じる瞬間といっても過言ではありません。高層ビルを作り上げた、大きな橋がかかった、長いトンネルが開通した、立派な家が完成したなど、施工管理は工事の最初から終わりまで担当するので、早くとも数か月、長いと数年間そのプロジェクトに携わります。
1つのプロジェクトをずっと行っているため、それが完了したときは毎回大きな達成感を感じることとなるでしょう。時間がかかっただけでなく、工事期間中にさまざまなトラブルが起こっていたのであれば尚更です。かかった苦労の分だけ達成感に変わるものです。大変だったことが報われる瞬間というのは施工管理にとっておおきなやりがいを感じる瞬間でもあるでしょう。
自分が作った建造物が人々の役に立っているとき
施工管理として自分が作った建造物がたくさんの人々の役に立っているのを見たときにおおきなやりがいを感じます。例えば、公共施設を利用している人を生やテレビで見たとき、大きな橋を作ったことで住民の利便性が上がったり、観光客が往来し賑わいを見せているとき、夢のマイホームを手に入れたお客様の笑顔を見たときなど。
建造物は必要であるからこそ作られるものですが、実際に利用している人を見ると自分が作ったものが役に立っているのを感じて誇りが生まれるでしょう。また、多くの人が喜んで利用しているということは社会貢献度も高いと言えます。
現場リーダーとしてたくさんの職人を動かしているとき
施工管理の仕事は現場監督として工事全体を指揮することです。工事に携わる人は規模にもよりますが、数十人、多いと数百人にも及びます。それぞれ担当する仕事を割り振り、指示することも施工管理の仕事です。
何十人、何百人の職人を管理するには強いリーダーシップが必要です。現場の士気を高めて活気ある環境を作り上げることができたのであれば、会社からも良い評価を受けるでしょう。周りから認められるようなリーダーとなればおおきなやりがいを感じます。
アクシデントを乗り切ったとき
工事期間中にアクシデントが起きることは日常茶飯事です。悪天候で工事が中止となった、資材が届かない、重機トラブルで作業が中断したなど、さまざまなアクシデントによって工事スケジュールが遅れることはよくあることです。
しかし、工期は絶対に守らなくてはいけないので、遅れたスケジュールは取り戻さないといけません。残業をしたり、休日出勤をしたりと現場で働く職人にも無理をお願いして工事を進めないといけません。時には不満も生まれるかもしれませんが、このアクシデントを乗り切ったときには士気もあがって、施工管理であるあなたも大きなやりがいを感じるでしょう。
安定した収入を得られているとき
給料というのは仕事においてモチベーションとなるものです。施工管理の年収は約500万円と一般企業と比較しても高収入となっています。
その分仕事は大変ですが、安定した給料を得ることは大きなやりがいや魅力を感じるでしょう。家族がいるものは生活基盤を整えることができる、旅行に連れていける、独身の方は自分の趣味にお金を投下できるなどお金に困ることなく生活ができるので、周囲から見ても魅力的に映るでしょう。
身につくスキルが得られる
施工管理として働いているとリーダーシップやコミュニケーション能力、管理能力などさまざまなスキルが身についていきます。このスキルは施工管理以外でも役に立つスキルです。日常生活においてもコミュニケーション能力が発揮することがありますし、リーダーシップもなにかと役に立つこともあるでしょう。
また、施工管理として働く中で施工管理技士の資格を取得するとキャリアアップも可能です。施工管理技士は1級と2級があるのですが、1級を取得すると大きな工事を管理することができるようになります。
身につくスキルが上がると給料や工事の規模が大きくなり、同時にやりがいも上がっていくでしょう。
やりがいのある施工管理の仕事とは
施工管理の仕事は、工事現場において4つの管理業務を通して全体の進行を統括する重要な役割を担います。
これらの業務は、工程管理、安全管理、品質管理、そして原価管理の4つに分けられます。
4つの管理業務
工程管理:資材や人員を適切に手配し、スケジュール通りに工事が進むよう調整します。
安全管理:作業員の安全を確保するため、設備や作業環境の整備を行います。
品質管理:使用する材料や建築物の品質が設計図書通りであることを確認する重要な業務です。
原価管理:予算内で工事が進むよう、経費の調整や管理が求められます。
各所でのコミュニケーション
施工管理は各施工業者や関係者とのコミュニケーションも非常に重要です。
工事は天候や予期せぬトラブルによって遅れることがあり、工期内に工事を完了させるために、施工管理者は各所と連携しながら、問題の解決に向けて迅速に対応します。
関連記事:施工管理がきついといわれる理由は?やりがいやきつさを解消するための方法なども併せて紹介!
施工管理に向いている人
施工管理は大きなやりがいのある仕事です。しかし、当然ながら向いている人・向いていない人というものがあります。やりがいがあるからと言って向いていない人が施工管理をすると体や精神を壊してしまう恐れがあります。
まだ施工管理として働いたことがない人は自分に適性があるのかどうか確認することをおすすめします。これから紹介するのは施工管理に向いている人の特徴です。これに全く当てはまらないという人は施工管理に向いていない可能性が高いということを頭にいれながら読み進めてください。
リーダーシップがある人
施工管理は現場監督として全体を指揮し、まとめていかないといけないのでリーダーシップが必要となります。リーダーとは一言でいうと責任のとれる人です。
なにかあったときに自分が矢面に立って受け止める度量や強い責任感がないと皆から信頼を集めることはできないでしょう。またチームを引っ張る力がないと工事がうまく進みません。
学生時代に部活のキャプテンをしていた、バイト先でリーダーのポジションにいた、これまでの職歴で管理職についていた人などはリーダー経験があるので役に立つでしょう。
コミュニケーション能力がある人
施工管理技士は現場で働く職人さんと良い関係を築かないといけません。仲良しクラブではなくお互いいい仕事をするための信頼関係を構築することが重要で、そのためには日頃からのコミュニケーションが重要となります。
また、施工管理は職人さんだけでなく関連会社とのやり取りも必要です。材料の発注、重機の手配、会議や打ち合わせなどコミュニケーションを取る機会が毎日あります。工事にかかわる人から信頼を得るためには人の意見ばかりを聞くだけでなく、自分の意見を言って納得してもらわないといけません。意見の伝え方や言葉の選び方はコミュニケーション能力がないとうまくいきづらいです。
相手の意見も正確に切り取る必要があるので、話す力だけでなく、聞く力も施工管理には必要です。
体力に自信のある人
施工管理の仕事は体力勝負な部分があります。施工管理の勤務時間は一般的な企業と比較しても長い傾向にあります。
朝は職人さんよりも早く出社し、現場の状況を把握する。夕方に工事が終了したあとは事務所で事務作業と毎日残業することが当たり前となっています。
施工管理は仕事量が膨大であるため、休日出勤を行うこともあります。肉体的にも精神的にも体力が必要な仕事であるため、体力にないと施工管理の仕事を続けることが難しいかもしれません。
頭の回転が速い人
工事中にはトラブルが起きることは日常茶飯事です。材料が届かない、重機が故障した、悪天候で工事が中断した、人手が足りなくなったなど、いろんなトラブルが起きてしまいます。
そういったときに迅速に対応できないと工事がどんどん遅れていき、工期に間に合わない状況が生まれてしまう恐れがあります。また、現場作業員や会社からもクレームが入ってしまうこともあるでしょう。
トラブルの対処方法は仕事経験を重ねることで覚えていきますが、慣れないうちはわからないことばかりでしょう。頭の回転の速さがある人は経験値が少なくても瞬時に最善策を見つけることができるので、施工管理に向いています。
関連記事:施工管理に向いていない性格30選!なぜ向いていないのかを細かく解説するとともに改善方法を紹介します
施工管理のキャリアパス
施工管理のキャリアパスは、主に以下の3つのパターンが考えられます。
未経験からのスタート
施工管理のキャリアは、まず現場での基本的な知識とスキルを習得することから始まります。
安全管理、品質管理、工程管理といった基礎的な業務を学び、現場での実践を通じて施工管理の全体像を理解することが求められます。
経験を積んでのキャリアアップ
現場での経験を積み重ねることで、より大規模なプロジェクトや多様な業務を担当するチャンスが増えていきます。
プロジェクトマネージャーや大型プロジェクトのリーダーとして活躍するためには、日々の業務で培った知識やスキルを活かし、コスト管理や効率的な工程管理を行う能力が必要です。
資格取得による専門性の向上
施工管理技士の国家資格取得は、キャリアアップの大きな鍵です。1級建築施工管理技士や1級土木施工管理技士といった資格を取得することで、より専門性の高いポジションや責任のある役割を担えるようになります。
やりがいに関する現役の施工管理の声
今実際に施工管理として従事している人たちがどういった部分にやりがいを感じたのか、生の声を紹介していきましょう。
昇給や資格手当で還元されることがうれしい
先月1級施工管理技士の資格を取得することができました。施工管理技士の資格は仕事を行いながら勉強をしないといけないので、大変ですが資格を取得すると昇給したり、資格手当をいただけたりと給料で還元されたので頑張ったかいがありました。
1級施工管理技士になるまでは時間がかかりますが、一度取得すれば一生ものなのでホッとしています。1級施工管理技士として大きな工事を担当できるときが来るのが待ち遠しいです。
任される業務が増えていくことが楽しい
入社したてのころは上司の後ろについて仕事の補助を行うことばかりですが、少しずつ仕事を任されていくことにやりがいを感じるようになりました。
うちの会社の方針が1度にたくさんの仕事をやらせるのではなく、1つ1つ確実に教育していくというものなので、仕事を覚えないと次のステップにいけません。その分自分の成長具合がわかりやすいので、頑張りがいがあります。
職人さんとの関係をいかにうまく作れるかが大切
施工管理として働く中で大切なことは職人さんとのうまく関係を築くことです。というのも施工管理は指示を行う立場で実際の工事を行うのは職人さんであるので、職人さんとの関係が悪いと工事がスムーズに進みません。
入社したての頃は自分の知識が不足しており指示の出し方が良くなかったため、職人さんからクレームが入ったり、怒られたりしましたが、今では的確な指示を行えるようになり、職人さんからも信頼されるようになりました。
信頼されるまでは時間がかかりますが、その分やりがいを感じれるので頑張りがいのある仕事だなと感じています。
いろんな人とコミュニケーションをとりながら現場を作り上げていくことが面白い
自分の手がけている工事の規模が大きいので、他社の施工管理技士の方とも連携しながら工事を進めています。会社は違うけれど、良いものを作り上げるという目的は同じなので協力して仕事を進めていくことが楽しいです。
最初はうまく連携をとれなかったですが、細かくコミュニケーションを取りながら工事を進めていくことで、良い感じにまとまっていくのを目の当たりしていると達成感を感じています。
施工管理のやりがいについてのまとめ
施工管理は、責任感と達成感が大きな仕事です。工事現場全体を統括し、建物やインフラの完成を目指す過程で、さまざまな管理業務や多くの関係者との連携が求められます。
それらの困難を乗り越えて、プロジェクトが無事に完了し、自分が携わった建造物が社会に役立っているのを実感する瞬間は、大きなやりがいを感じられるはずです。
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