施工管理

電気工事施工管理の仕事内容|1級と2級の違い、1日の流れや求人例

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施工管理者が仕事をしている様子

電気工事施工管理の主な仕事は、設計図に基づいた施工計画の立案、工事の進捗管理、品質チェック、安全管理などです。

しかし、これらの業務はさらに細かく分かれており、工事種別によっても異なります。

本記事では、電気工事施工管理の仕事内容を工事種別ごとにわかりやすく紹介します。

また、1級と2級による仕事内容の違い、1日の流れ、働き方改革が仕事内容に与える影響なども解説していきます。

電気工事施工管理への転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

電気工事施工管理技士の仕事内容

設計図を確認する様子

まずは、電気工事施工管理技士の仕事内容について解説します。

主な仕事内容

電気工事施工管理技士の主な仕事内容は、以下の通りです。

種類内容
電気工事の施工計画の作成工事の内容や進行予定、予算などを考慮して、施工計画を立てます。 
施工管理業務の指導・監督現場で働く作業員や職人の指導や監督を行い、工事が予定通り進行するように管理します。
工事の品質管理適切な材料の使用や施工方法の指導、検査・検収業務の遂行など、工事の品質を管理します。
原価管理予算を把握し、必要な場合はコスト削減などの提案などを行うなど、予算内で工事が進むよう資材や人件費などを管理します。
安全管理作業現場の安全確保や、労働災害の予防に努める重要な仕事です。

これらの業務を通じて、電気工事施工管理技士は、安全かつスムーズに電気工事を進める役割を担っています。

電気工事の種類

電気工事の種類は、大きく7つに分けられます。

種類内容
照明設備工事住宅や施設などの照明を設置する仕事です。設計のレイアウトや美しさにもこだわる必要があり、美的センスも必要とされます。
変電設備工事発電所から送られてきた電力を、施設で利用できる電圧まで下げる変電設備の設置に携わる仕事です。
送配電線工事発電所から電気を送る際に必要な送配電線を工事・管理する仕事です。
発電設備工事大型ショッピングセンター、病院、工場など、自家発電で電力をまかなっている施設の常用発電設備と非常用発電設備に関わる仕事です。
構内電気設備工事住居や施設内のスイッチやコンセント、非常用照明、電話線、火災報知器などの設備を計画通りに設置します。
鉄道電気設備変電所から送られてきた電気を、電車のパンタグラフに伝える電線の設置・維持管理の仕事です。
信号機設備道路や鉄道に設置される信号設備の工事をします。

1級と2級による仕事内容の違い

電気工事施工管理技士の1級と2級による仕事内容の違いは、主に工事の規模の大きさが関係しています。

まず1級電気工事施工管理技士は、4,500万円をこえる大規模な建設・工事現場で主任技術者・管理技術者として幅広い業務を行うことが許されます。

また、建設業の許可を受けるために必要な「専任の技術者」として認められるため、建設会社にとって確保しておきたい人材です。

2級の電気工事施工管理技士は、小〜中規模の現場の主任技術者として業務にあたることができます。

主に、工事の元請け、下請け業者が2級電気工事施工管理技士を現場に配置しなければなりません。

1日の流れ

電気工事施工管理技士の仕事の1日の流れは、大まかに以下のようになります。

時間帯仕事内容
午前7時〜8時現場の鍵を開け、工事の手配や準備などを行います。朝礼で工事の流れの共有や安全確認などを行うのも重要な仕事です。
8時〜11時頃現場の巡回や作業員の指導などを行います。
11時〜12時他の現場との翌日の作業内容の調整などを行います。
12時頃〜13時お昼休憩(会社に戻ることもあり)
13時〜18時クライアントとの打ち合わせや現場指導、会社に戻って施工図や工程表の作成、翌日の作業計画を立てるなどの仕事をします。

関連記事:電気施工管理はきつい?やめとけ?そうとも言えない4つの理由

業界別の電気工事施工管理技士の仕事内容

技術者が打合せする様子

電気工事施工管理技士の仕事内容は、業界選びで変わると言っても過言ではありません。

どんな施工管理の仕事をしたいのか、会社選びの前に明確にしておくことも大事です。

電力会社

電力会社で電気工事施工管理技士が必要とされている現場は、発電所の建設などです。

近年は、再生可能エネルギーを利用した発電プラントの立案・建設などが必要とされ、会社の中でも重要なポジションになりつつあります。

総合住宅機器メーカー

総合住宅機器メーカーでも、電気工事施工管理技士の需要は高まっています。

住宅を建設する際にも、電気工事の総合的な視点から現場を管理できるのがその理由です。

電気工事施工管理技師として、大手の住宅機器メーカーでキャリアを積んでいくことも可能でしょう。

内装業者

内装業者と電気工事管理技士は一見関わりがないようにも見えますが、内装業者の中には電気工事も請け負う会社もあるため、電気工事管理技士を必要としています。

中古住宅や居抜き物件などの工事も行うため、新築にはない魅力や面白さを感じられ、仕事の幅も広がるでしょう。

工場・プラント

工場やプラントでは、複雑かつ高度な知識や技術が必要なため、それ相応の経験値のある電気工事管理技士を募集しています。

工場内で電気工事管理の専門家として活躍することができます。

求人別の電気工事施工管理技士の仕事内容

技術者が腕を組む様子

電気工事施工管理技士の仕事内容は、求人で大きく変わります

ここでは求人の例を3つ挙げますので、それぞれの特徴を見比べてみてください。

求人例⑴

仕事内容各建設案件の施工および設計
電気設備の施工管理など太陽光発電や各発電所などの現場の施工・設計など
勤務地首都圏および全国主要都市・全国各拠点
※希望勤務地を限定可能
給与月給:50万円〜100万円(残業代全額支給)
年収例:⚪︎33歳/入社1年目・・年収730万円    ⚪︎45歳/入社4年目・・年収980万円
勤務時間および休日勤務時間:基本9:00〜18:00(実働8時間)※開始時間の希望考慮
休日・休暇:完全週休2日制(土日祝休み)
年間休日120日、有給10日〜20日、各長期休暇制度あり(GW・お盆・年末年始)

求人例⑵

仕事内容電気施工管理のアシスタント
※未経験可!一から研修・資格取得のサポートあり
勤務地全国各地
※勤務地は希望を考慮。転勤・出張などなしも可
給与月給:30万円〜
年収例:⚪︎22歳/入社2年目・・年収400万円
勤務時間および休日勤務時間:9:00〜18:00     休日・休暇:完全週休2日制(土日祝休み)、各休暇制度あり(GW・お盆・年末年始など)

求人例⑶

仕事内容空調・電気設備などの設計および施行
※電気設備・空調いずれかに経験のある方
勤務地東海地方(転勤・出張先の希望は考慮します)
給与月給:25万円〜+賞与・諸手当・残業代全額支給
年収例:⚪︎35歳主任・・年収650万円    ⚪︎48歳管理者・・年収890万円
勤務時間および休日勤務時間:基本9:00〜18:00(現場により残業あり)
休日・休暇:完全週休2日制(土日祝休み)、有給15日、各休暇制度あり(GW・お盆・年末年始)

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働き方改革で変わる電気工事施工管理技士の仕事内容

技術者が腕を組む様子

これからの電気工事施工管理技士の仕事内容は、働き方改革でも変わります

休暇も取りやすく、若手も活躍しやすい職場環境を作るため、建設業界も国土交通省の『建設業働き方改革加速化プログラム』を基に変化しつつあります。

長時間労働ができなくなる

働き方改革で変わることの1つ目が、長時間労働ができなくなることです。

2024年4月から、残業時間の上限が法律で定められ、違反した企業などには罰則を設けるなど、経営側により厳しい政策となりました。

また、週休2日制の標準化も同じく進められています。

技能者が評価されやすくなる

働き改革で変わることの2つ目が、技能者が評価されやすくなることです。

具体的には、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の導入により、技能者の就業履歴や保有資格などをデータベース化し、その人の能力の評価を明確化できるようになります。

デジタルやIoTによる業務効率化が進む

働き方改革で変わるものの3つ目に、デジタルやloTによる業務効率化が進むということがあります。

ペーパーレスのためのタブレット導入や、遠隔での作業支援のためにウェアラブルカメラを導入するなど、生産性やコストカットに向けてICTが活用され始めています。

仕事内容以外で知っておきたい電気工事施工管理技士のこと

技術者が腕を組む様子

これまでのことを踏まえて、電気工事施工管理技士になるなら知っておきたい仕事内容以外のことも把握しておきましょう。

電気工事施工管理技士になるメリット

電気工事施工管理技士になるメリットは、電気工事の現場の監督や管理、技術指導を行うことができ、幅広い業務に携われる点です。

この積み上げた経験値は、会社に勤めている間は昇給や給与面での待遇向上も期待できます。

加えて、第1種・第2種の資格を取得すれば、企業からの信頼度が増し、入札の案件なども有利に働く可能性があります。

資格保有者として資格手当なども支給される場合があり、本人と企業側の双方にとってもメリットのある国家資格といえます。

また、資格を取得することで、独立・開業という希望も大きくなるでしょう。

電気工事施工管理技士の年収事情

電気工事施工管理技士の年収事情は、民間企業に勤める人の平均的な給与所得に比べて高く推移しています。

国税庁が令和3年分の国民全体の給与を調査した内容によると、全国の給与所得者の平均年間所得が443万円という結果でした。

一方、電気工事施工管理技士の正社員の平均年収は約500万円で、480万円から550万円の年収を得ている人の割合が最も多いというデータもあります。

ただし、経験や資格で給与面の差も開きやすく、330万円〜920万円と同じ職種でありながら年収の幅が広いのも特徴といえます。

関連記事:電気工事施工管理技士の年収相場|キャリアアップや収入アップのコツ

出典:令和3年分民間給与実態統計調査|国税庁

令和6年度から始まった受験資格の変更

令和6年度から始まった受検資格の変更があるため、これまでの旧制度の資格内容を参考にしていた人は再度確認が必要です。

変更後の受験資格は下記の通りです。

電気工事施工管理技士1級⚪︎第一次検定:19歳以上 (試験実施年度末時点で)⚪︎第二次検定: ※1級第一次検定合格後の場合特定実務経験を含む実務経験3年以上監理技術補佐の実務経験1年以上その他実務経験5年以上
※2級第二次検定合格後の場合
実務経験5年以上特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上   (いずれも1級一次合格者に限る)
電気工事施工管理技士2級⚪︎第一次検定:17歳以上 (試験実施年度末時点で)⚪︎第二次検定: 2級第一次検定合格後に実務経験3年または、1級第一次検定合格後に実務経験1年

出典:令和6年度以降の技術検定制度概要(改訂概要)|国土交通省

関連記事:電気工事施工管理技士の難易度は高い?電験三種との違いや合格率、勉強方法

電気工事施工管理技士の仕事内容についてのまとめ

会議をしている様子

今回は、電気工事施工管理技士の仕事内容についてまとめました。

電気工事施工管理技士の仕事内容は多岐にわたり、施工計画の立案、進捗管理、品質チェック、安全管理などを含みます。

現場での技術的な知識が求められるだけでなく、協力業者や作業員とのコミュニケーション能力も重要です。

電気工事施工管理技士の資格の取得や、就職・再就職などを検討している方は、本記事を参考にして、ぜひ電気工事施工管理技士の就職に挑戦してみてください。

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