建築施工管理の仕事は、建築業界全体と比べても高収入でやりがいもあります。
一方で工事全体を管理する中で辛いこともたくさんあり、中には辞めたいと感じる人も少なくありません。
しかし「こんな理由で辞めるのは後悔するかもしれない」「辞めたくても辞め方が分からない」という方も中にはいるのではないでしょうか。
今回は建築施工管理について、辞めたい理由などを詳しく解説していきます。
現役で建築施工管理の仕事をしている方はもちろん、これから目指す人もぜひ参考にしてみてください。
この記事のまとめ
・辞めずに建築施工管理の仕事を続ける人の理由
・建築施工管理に向いている人とそうでない人の特徴
・建築施工管理を辞めたい場合のアクションプランと注意点
・おすすめの転職先
建築施工管理の離職率:9.5%
厚生労働省が実施した「令和2年雇用動向調査」で公表された、建設業の離職率に関するデータは以下の通りです。
他の産業と比べて、離職率が突出して高いわけではありませんが、その分入職率も非常に少なく、建設業を担う人材は不足しているのが現状です。
専門的な知識・技術が必要であり、誰でも簡単に挑戦できるわけではないこと「3K:危険・きつい・汚い」のイメージが根強いことが原因と考えられます。
建築施工管理の仕事は力仕事が少なく、工事現場の管理がメイン業務となります。
建設業界の中でも比較的高収入であり、やりがいのある仕事です。
実際に建築施工管理の仕事をしている人はどのような理由で転職を考えるのか、次章ではその具体的な原因について解説していきます。
関連記事:施工管理に向いてない?辞めたいと感じたときにやるべき行動6選
建築施工管理の仕事をやめたい15の理由
この記事を読んでいるということは、建築施工管理の仕事を辞めたいと思っているのではないでしょうか。
しかし、建築施工管理の仕事は将来性もあるため、自分の持つ不満ですぐに辞めるべきか悩んでいる方もいるでしょう。
建築施工管理の仕事をしている方が「仕事を辞めたい」と感じる理由はさまざまあります。
ここでは建築施工管理の仕事を辞めたいと感じる理由について、詳しく解説していきます。
業務量が多い
建築施工管理の仕事は、工事全体を建物が完成するまで管理します。
主な管理内容は品質・工程・安全・予算に分かれており、工事の各工程でこれらの項目ごとに作業をチェックしていきます。
その日のチェックが終わった後には、報告書類の作成といった事務作業も行わなければなりません。
また、資材の到着遅れや天候不良による作業の延期が発生した場合には、予定を再度組み直します。
必要に応じて依頼主との話し合いも行う必要があり、工事が終わるまで忙しい毎日が続きます。
あまりに業務量が多すぎてついていけず、辞めたいと感じる人も中にはいるでしょう。
残業の頻度が高い
建築施工管理の仕事量はとても多く、工事に合わせて各仕事を終わらせるのはとても大変です。
工事全体を管理しているため、ちょっとした仕事の遅れが工事全体にも影響します。
また、工事の途中で作業の延期や近隣住民からのクレームがあった場合には、迅速に解決し対策もしなければなりません。
そのため業務を次の日に持ち越すのは難しく、残業が続くケースも珍しくありません。
忙しい上に定時で帰れず毎日遅くまで仕事が続けば、辞めたいと考える人もいるでしょう。
休日出勤の頻度が高い
工事の一部だけを管理しているのであれば、作業がない日に休みやすくなります。
しかし建築施工管理の仕事は工事の全工程を管理しなければならず、何かしらの作業があれば必ずチェックを行います。
また、工事に遅れは出せないので、依頼主との話し合いや報告書類の作成は工事がない日に行うケースも珍しくありません。
こうした忙しい状況が長期的に続くため、残業はもちろん休日出勤せざるを得ません。
休みたい日に休めず連勤が続くと、心身ともに疲れてしまい転職を考える方もいるでしょう。
特に最近では冒頭でも説明した通り、建設業界全体が人手不足なため余裕を持って工事を進められず、個人の負担も増加しています。
稼働時間に対して給料が低い
建築施工管理の収入は、建設業界全体と比べても高い傾向にあります。
ただし、業務量が多く毎日の拘束時間が長いため、時給換算すると高収入とは言えないケースもあります。
特に建築施工管理の見習いやなりたての場合は、給料もそこまで高くないので尚更です。
「こんなに働いているのにたったこれだけの給料では納得いかない」と感じて、別の会社や業界への転職を考える人も中にはいるでしょう。
責任が重い
建築施工管理は工事全体で4大管理を行い、何か問題が発生すれば迅速に対処しなければなりません。
特に安全面は重量物の取り扱いや、高所での作業もあるため、ちょっとしたミスが大事故に繋がる恐れがあります。
一概に建築施工管理者だけが悪いわけではありませんが、責任は重大です。
品質管理に関しても、後から建物に問題が発覚した場合には、大掛かりなやり直し作業が発生します。
そのため、普段の職人への指示やチェック作業では一切気を抜けません。
このようなプレッシャーに耐えきれず、転職を考える方も中にはいます。
業務範囲が広い
建築施工管理はあらゆる工事で4大管理を行わなければならず、求められる知識や技術は幅広くなります。
勉強して建築施工管理技士の資格を取得したからといって、すぐに的確な指示が出せるわけではありません。
工程ごとに作業をスムーズに進めるためには、作業の難しさや職人の辛さも管理業務を通じて学んでいく必要があります。
業務範囲が広く学ぶ内容が多すぎて、疲れてしまう方も中にはいるでしょう。
体調を崩しやすい
施工管理の仕事は業務範囲が広く仕事量が多いため、精神的・肉体的負担がとても大きい仕事です。
いくら管理するのが仕事とはいえ、年上の経験豊富な職人に指示を出すのは気を使います。
上手く指示できず思った通りに仕事が進まなかったり、不満そうな顔をする職人にストレスを感じたりもするでしょう。
そのようなストレスを抱えながらも、依頼主の要望に答えなければならず、板挟みのような状態になることもあります。
また、大掛かりな工事では高層階まで階段で上ったり、端から端まで歩き回ったりと体力も必要です。
心身ともに負担の大きい状態が続き、体調を崩してしまう方も中にはいます。
現場仕事を求められることがある
建築施工管理の仕事は、工事全体の管理であり基本的に現場の作業は手伝いません。
しかし、最近では人手不足が深刻化しているため、工期が迫っている中で職人に欠員が出た場合などには作業を手伝うこともあります。
専門的な知識も経験もないため作業そのものは行いませんが、ちょっとした助手作業を手伝います。
手伝ったことで工期には間に合ったとしても、自分の仕事が減るわけではありません。
身体を動かして疲れた後でも、書類作成やその他のチェック業務は通常通り行います。
このような状況に嫌気がさして転職を考える方もいます。
作業に危険を伴う
建築施工管理の業務は工事現場で行われるため、作業はしなくても危険は伴います。
建築工事現場では主に3つの危険があります。
建築現場の中で多いのが転落事故です。高層ビルなど高所作業がある場合には、施工管理者も作業現場のチェックのため一緒に上がります。
建設中の建物は足元に注意が必要で、道具や資材につまずいてバランスを崩す事故も多く発生しています。
建設工事ではブルドーザーやクレーン、ショベルカーなどあらゆる重機が常に動いています。
運転手の視界は限られており、誤って近づいてしまうと重機と接触する危険性があります。
また、クレーンで資材を上層階に運ぶ場合には、落下するリスクもあり注意が必要です。
工事中の建物は建築中のため、強度が完全ではありません。建物以外でも足場は強風により倒壊する可能性があり非常に危険です。
建築施工管理者ではありませんが、クレーンのワイヤーが足場に引っかかったことで倒壊し、作業員が下敷きになる事故も起きています。
さまざまな工事現場をチェックしながら、これらの危険を事前に防止するのが建築施工管理の仕事ではありますが、普段の業務では十分注意が必要です。
万が一大きなケガを負ってしまった場合、退職を余儀なくされるケースもあります。
人間関係に疲れる
建築施工管理の役割は工事全体を管理して、計画通りに工事を進めることです。
そのためには、実際に作業を進めてくれる協力会社の職人との連携が必須となります。
職人の中には上手く指示を出しづらい人や不愛想な人もいます。
言いたい内容をなかなか言えなかったり、言っても反論されたりしてストレスを感じることもあるでしょう。
また、依頼主から以前とは違う内容を言われて困ったり、上司から無理難題を言われたりする時もあります。
このような人間関係に疲弊してしまい、辞めたいと考える方も中にはいます。
メンタルがもたない
建築施工管理は、あらゆる視点で工事をチェックする必要があります。
工事の途中で複数の問題を同時に抱えることも珍しくありません。
また、さまざまな人を相手にするためストレスも溜まりやすくなります。
数日だけならまだしも、工事期間中は常に忙しく長期間このような負担が続くとメンタルが持たない方も出てくるでしょう。
精神的な余裕がなくなり、仕事にやりがいを持てなくなると辞めたいと感じてしまいます。
転勤が多い
建築施工管理の仕事は全国で需要があり、地方に支店がある大手企業では転勤も珍しくありません。
地元を離れての1人暮らしは何かと大変で、新しい職場で人間関係を築くことはもちろん、私生活でも生活リズムを整える必要があります。
家族がいる場合などは毎日会えなくなりますし、転勤ではなかったとしても遠方での建設工事を担当する場合には、長期間の出張もあります。
子供の成長と共に学校の転入なども考える必要が出てくるため、全員で引越しするのも難しく、転職を考える方もいます。
新しいことに挑戦したい
建築施工管理の仕事に従事している中で、何かしらの出会いがあり別で目指したい仕事ができるのは決して珍しいことではありません。
全く別の業界を目指す方もいれば、建築業界に関連する仕事を目指したくなる方もいます。
建築施工管理の仕事に不満がない場合には、目指したい仕事のリサーチを行いどちらが良いのか考えて判断しましょう。
その上で新しい仕事に挑戦すると決めたのであれば、早めに転職することをおすすめします。
資格を取得するハードルが高い
建築施工管理の業務を行う上で必要な資格はありません。
ただし元請の場合は、請負代金が4,500万円以上の建築現場では、監理技術者の選任配置が義務付けられています。
監理技術者として選任されるためには、1級建築施工管理技士の資格が必要です。
また、主任技術者として選任されるにも2級建築施工管理技士の資格が必要となります。
はじめに受ける2級建築施工管理技士の場合、2次試験では学歴ごとに定められた実務経験がなければ受験できません。
また、試験の出題範囲はとても広く、専門知識について勉強する必要があります。
合格率は約4割と低く、誰でも簡単に取得できないので諦めて転職を目指す方もいます。
関連記事:施工管理の転職理由7選!仕事を続けるか悩んでいる方、離職率の高い企業は必見です。
建築施工管理の仕事をやめたくても続ける理由
さまざまな理由で建築施工管理を辞めたいと感じることがあっても、中には思いとどまり仕事を続ける方もいます。
ここでは、大変でも建築施工管理の仕事を続ける理由について解説していきます。
建築施工管理の仕事を辞めるべきか迷っている方は、参考にしてみてください。
ものづくりが好きだから
ものづくりの中でも建築物は完成後に長期間形として残り、多くの人の役に立ちます。
自分たちの手で少しずつ建物が出来上がっていき、立派な建築物として完成した時には大きな達成感を得られます。
ものづくりが大好きな人にとって、この瞬間は他の仕事では味わえないものと言えます。
辛く不満に思うことが続いても、ものづくりの楽しみと達成感が好きで転職しない方もいます。
培った知識や経験をムダにしたくないから
建築施工管理の仕事は専門性が高く、経験を積めば手に職をつけられる仕事の1つです。
建築工事において欠かせない存在であり、今後も需要が落ちにくいと言えます。
一人前の建築施工管理技士になるまでには、大変なことがあったりモチベーションが維持できなかったりする時期もあるかもしれません。
しかし「今ここで辞めてしまったら、これまでの努力が無駄になってしまう」と堪えて、辛くてもそのまま辞めずに頑張る人もいます。
仮に給料などの待遇に不満があったとしても、辞めずに経験を積んで建築施工管理技士の資格を取得すれば、キャリアアップを目的とした転職もしやすくなります。
達成感が大きいから
建築施工管理の仕事は工事全体を管理しなければならず、完成するまでには多くの作業をこなしていく必要があります。
途中工事に関するクレームや、職人のミスがあった場合には、先頭に立って解決策を考え対処していきます。
そうやって多くの職人たちと連携して、建物が完成した時には大きな達成感を味わえるでしょう。
工事の後、多くの人が建物を利用している光景を目にした時には、充実感とやりがいを感じられます。
社会貢献の実感も持てるため、辛いことがあっても辞めずに続けている方もいます。
チームで仕事するのが好きだから
建築施工管理の仕事は、さまざまな人との繋がりを持てます。
会社の上司はもちろん多くの職人へ指示を出したり、依頼主と話し合いをしたりしながら工事を進めていきます。
時には指示の内容で揉めるなどして、関係が悪くなるかもしれません。
その一方で、多くの人と出会い同じチームのメンバーとして仕事をこなしていけば、たくさんの学びと喜びもあります。
みんなで協力して難しいことも乗り越えていく仕事が好きで、建築施工管理の仕事を続けている方もいます。
建築施工管理の仕事に向いている人の特徴
建築業界に憧れて施工管理の職についたものの、予想していた以上に大変で全くついていけない、という方もいます。
初めのうちは仕事を覚えることで精一杯なものですが、このまま続けて本当に成長できるのか、不安になる方もいるでしょう。
ここではどのような人が建築施工管理に向いているのか、3つの特徴について紹介していきます。
自分が当てはまっているかどうかチェックしてみてください。
コミュニケーションが得意な人
建築施工管理の仕事を行う上で必須と言えるのがコミュニケーション力です。
工事全体を管理して計画通りに進めていくためには、現場で働く職人への指示がとても重要だからです。
また、一方的に指示を出すだけではなく工程ごとに職人の声を聞き、最善の方法で進めていくことも大切です。
自分の考えを相手に伝えるだけでなく、相手の意見に耳を傾けるなど高度なコミュニケーション能力が求められます。
人と話すのが好きで、相手を選ばずに会話ができるような方は施工管理の仕事が向いていると言えるでしょう。
リーダーシップを発揮できる人
建築施工管理技士として工事全体を管理するためには、先頭に立ってメンバーをけん引していくようなリーダーシップが必要です。
建築施工管理の仕事は、たとえ自分が全く関与していないミスであったとしても、責任を取り迅速に対策を取らなければならない立場にあるからです。
自分のことだけ考えるのではなく、チーム全体で物事を考えられるような、リーダーシップを持った人が向いています。
これまでに部活のキャプテンや生徒会長などの経験があり、長期間仲間と一緒に頑張った経験がある人は、やりがいを持って仕事に従事できるでしょう。
忍耐力がある人
建築施工管理の仕事は、業務の範囲がとても広く毎日が多忙です。
現場を歩き回って工程ごとに作業のチェックをしたり、会社に戻って依頼主と話をしたりします。
その日の工事が終わる頃には、報告書類の作成などの事務作業も行います。
現場仕事と事務作業を両立できる体力と忍耐力が必要と言えるでしょう。
また、工事現場の管理者として誰かを叱ることもあれば、クレームで逆に自分が叱られることもあります。
納得いかないような辛いことがあっても最後まで耐えて、工事を計画通りに進めていける強い忍耐力を持った人は、建築施工管理に向いていると言えるでしょう。
建築施工管理の仕事に向いていない人の特徴
次は建築施工管理に向いていない人の特徴について、3つ紹介していきます。
以下に挙げる特徴を「やりたくない」と感じる人は、転職した方が良い可能性が高いと言えます。
該当したら必ず転職しなければならないわけではありませんが、転職する判断材料の1つとして考えてみましょう。
責任あるポジションが苦手な人
責任のあるポジションにつくのが嫌だったり、責任のある仕事をしたくなかったりする人は、建築施工管理の仕事が向いていないと言えます。
建築施工管理の仕事は、工事全体を管理する責任者の役割を担っているからです。
一部ではなく全体を漏れなくチェックするには、最後まで計画通りに工事を進ませる大きな責任感が必須となります。
建設工事は管理する規模も大きく、たくさんの人が関わるものなので、責任感のないまま仕事に携わると多くの人に迷惑をかけてしまう恐れもあります。
縦社会の文化が苦手な人
建築業界はまだまだ男性が多く、縦社会で体育会系の職場が多いと言えます。
急に上司や職人から理不尽な指示があることも珍しくありません。
そういった指示に対して心の中では理不尽と感じていても「はい、なんとかやってみます」と返事できるような人が、建築施工管理に向いていると言えます。
理不尽な指示全てに従う必要はありませんが、思わず反論したり不満が態度に出てしまったりするような人は、周りとの連携が難しくなるでしょう。
労働時間も長めになるため、縦社会の文化に耐性がある人が建築施工管理の仕事に向いていると言えます。
計画性がなく要領が悪い人
長期間に及ぶ建築工事を決められた予算内に抑え、限られた工期の中で終わらせるためには綿密な計画を立てる必要があります。
建築工事は工程ごとに協力会社が異なり、工事の全工程を把握して動いてくれるわけではないからです。
事前に話し合いを行い、予算や工期内に収まるように使用する機材や資材を発注していきます。
また、天候悪化などのイレギュラーが起きた際にも再度計画を組み直し、立て直せる要領の良さが求められます。
先々を考えて仕事をするのが嫌いで、複数の作業を同時進行させながら働くのが苦手な人は、建築施工管理の仕事に向いていないと言えるでしょう。
建築施工管理の仕事をやめたい時のアクションプラン
建築施工管理を辞めたいと感じる理由や、向いていない人の特徴を見た上で、転職すると決めた方もいるでしょう。
ここでは転職すると決めた場合に、どのような流れで準備を進めていけばいいのかを解説していきます。
建築施工管理の仕事はすぐに代わりを用意できるような仕事ではないため、スムーズに辞めるためには事前の準備がとても大切です。
これから紹介するプランを事前に進めていきましょう。
根本的な問題を明確にする
仕事を辞めたい理由を本人に聞くと「あの人と合わないから」「仕事が辛いから」といった不満が出てきやすいものです。
しかし、本当に辞めたい理由を明確化できていないと、転職先でも同じ失敗をしてしまう恐れがあります。
対策を考えるためにも、まずは何が嫌で辞めたいのか理由を明確化しましょう。
周囲に相談する
仕事に関する悩みは1人で考えず、周りに相談することで客観的な意見をもらえます。
職場に相談できる人がいない場合には、親や友人に話してみると良いでしょう。
特に同じ仕事をしている先輩は、同じような辛い思いを経験してきているはずなので、今後のことも含めアドバイスを貰えるでしょう。
また、悩みを打ち明ければ周りが協力してくれるなどして業務負担も軽減され、辞める必要がなくなるかもしれません。
スケジュールを立てる
一度辞めると決めてしまうとすぐに辞めたくなるものですが、まずは退職を決定するまでのスケジュールを立ててみましょう。
問題を明確化した上で、周りからのアドバイスを仕事の中で試してみると、今までとは違う考えになるかもしれません。
本当に辞めるかどうか判断するための期間中は、辞めたいという感情をなるべくなくして仕事に取り組むことが大切です。
期間中に辞めなくてもいいかもと少しでも感じたのであれば、一時的な感情である可能性が高いと言えます。
そのような場合は、更に期間を伸ばして様子を見てみましょう。
行動に移す
辞めたいと思う問題や理由が明確化できたのであれば、その対策を考え行動に移すことも大切です。
仕事量がきついと感じているのであれば、効率的に作業が進められるように考えたり早めに出勤して余裕をもって業務に取り組んだりしてみましょう。
新しいことに挑戦すれば、失敗成功に関係なく必ず何かの発見があるはずです。
人間関係に関してもこれまでとは違ったアクションを取ってみれば、新たな展開があるかもしれません。
異動を打診する
人間関係で悩んでいる場合、こちら側が態度を工夫して接したとしても、相手が変わらなければ意味がありません。
また、仕事自体がどうしても嫌いで限界の方は、転職ではなく異動を上司に打診するのも1つの方法です。
ただし、異動の理由としてネガティブなことばかりを言いすぎると、その後会社で働きにくくなってしまう恐れがあります。
悩みを打ち明けることも大切ですが、場合によっては「他の部署で更に経験を積んでいきたい」などのポジティブな理由で異動を打診するようにしましょう。
関連記事:施工管理をなぜ辞めたいのか?続かない理由や辞める際の流れを細かく紹介!
建築施工管理の仕事をやめたい時の注意点
辞めたい理由を明確化して、対策しながら働いてみたものの辞めたい気持ちに変化がない場合には、思い切って転職するべきです。
ただし、建築施工管理の仕事を辞める場合には3つの注意点があります。
注意点を守らないと円満な退職ができず、同じ業界で働きにくくなる可能性もあるので、必ずチェックしておきましょう。
就業規則をチェックする
会社ごとにある就業規則の中には、退職に関するルールが定められている可能性があります。
例えば「退職の意思は3ヵ月前までに伝えること」といった内容です。
この場合、職場でお世話になった方へ迷惑をかけないためにも、なるべく就業規則のルールに合わせるようにしましょう。
ちなみに就業規則に法的な効力はなく、退職日に関しては法律で以下のように定められています。
民法第627条
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。
ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、3箇月前にしなければならない。
引用:wikibooks|民法第627条
つまり最短では2週間前までに会社に退職の意思を伝えれば辞めることができます。ただし、契約期間を定めた契約社員の場合だと原則認められません。
また、民法第628条では以下のように定められています。
民法第628条
この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
引用:wikibooks|民法第628条
やむを得ない事由とは本人の体調不良や家族の看病などが該当します。
そのため、建築施工管理の仕事を続けていて我慢の限界を迎えており、これ以上頑張れそうにないといった場合には無理して就業規則を守る必要はありません。
体調不良で動けなかったり、上司が退職を認めてくれなかったりして困っている場合には「退職代行サービス」を利用する方法もあります。
まず直属の上司に話す
会社を辞めるのであれば、まず直属の上司へと退職の意思を伝えるようにしましょう。
以前から退職に関する悩みや相談をしていたとしても、必ず別ではっきりと退職の意思を伝えます。
上司は現状などを踏まえて、代わりの人材を用意するために必要な期間を考えます。
もし「〇ヵ月くらい待ってほしい」と言われた場合には、円満退職のためにも無理のない範囲で応えてあげるようにしましょう。
辞める話を簡潔にまとめておく
建築施工管理の仕事は誰でも簡単に従事できるものではないため、代わりの人材を見つけるには時間が必要です。
そのため、上司に退職の意思を伝えた直後に、引き継ぎなどで職場全体に退職の情報が伝わる可能性があります。
そのままでは仕事をやりにくく、引き継ぎもスムーズにできないからという理由で、朝礼などでメンバーに退職の旨を伝える機会が用意されることがあります。
メンバーに向けて退職の気持ちを伝えられるよう、簡単に話の内容を考えておくようにしましょう。
退職後の進路を早めに決める
退職する場合には、次の進路を早めに考えておく必要があります。
建築施工管理で培った知識・経験・スキルは、同じ業界ではもちろん、全く別の職種であっても活かせるでしょう。
退職後に転職活動をすると、焦って次の会社を決めてしまい、転職に失敗してしまう可能性もあります。
無理のない範囲で、建築施工管理の仕事を続けながら、次の進路に向けての準備を進めていきましょう。
関連記事:施工管理をすぐに辞めるのが不安な方へ。辞めるべき理由や辞めても大丈夫な理由を紹介!
建築施工管理を辞めた後の転職先
建築施工管理を辞める場合、建設業界の別職種に転職するケースと、全く別業界へ転職するケースがあります。
ここでは転職先ごとにおすすめの職種や方法を解説していきます。
建築施工管理を完全に辞める場合
建築施工管理で身に付けた高いコミュニケーション能力や管理スキルは、さまざまな職種で活かせます。
特におすすめする職種は3つあります。
【不動産仲介会社の営業職】
家やビルなどを販売する仕事であり、建物を正当に見極めて評価する目が求められます。
また、お客様とのコミュニケーションスキルも必須と言えます。
建築施工管理の経験があればどちらも満たしているため、即戦力として活躍できるでしょう。
【ビルの設備管理】
ビルの設備管理は、建物内の設備や施設が適切に維持できるように管理する仕事です。
具体的には以下のような業務があります。
- 空調設備や給排水設備など各設備の保守点検
- 設備メンテナンスや専門修理を行う協力業者との契約管理
- 設備管理のための予算管理
- 建物のセキュリティ確保と安全の確保を目的とした安全管理
このようにビルの設備管理ではさまざまな管理業務があり、建築施工管理の仕事経験を十分活かせます。
各種設備の専門的な知識は学び直す必要がありますが、即戦力として活躍できるでしょう。
【ディベロッパー】
ディベロッパーとは、新しいリゾート地や住宅地の開発から設計、建設、販売までの全てをこなします。
マーケットリサーチや資材調達に関する知識などは身に付ける必要がありますが、建設管理ではそのまま建築施工管理の仕事を活かせるでしょう。
ディベロッパーは仕事の範囲が広く高いスキルと専門知識を求められますが、平均年収が1,000万円を超えるようなケースもあり、高収入を目指せるという特徴があります。
一方で、中途採用の数や求人の件数は少ないので、他の職種と平行して探してみるのがおすすめです。
関連記事:施工管理を一年目でやめたい方に教えたいオススメの転職先や業種
今の会社以外で建築施工管理を続ける場合
今の会社に不満があるものの建築施工管理の仕事自体は続けたい場合、別の会社に転職するか起業する2つの方法があります。
転職するのであれば、同じ失敗を繰り返さないように、退職理由の解決を第一に転職先を選ぶようにしましょう。
給料や年間休日の多さ、残業の有無といった条件で企業を絞っていけば理想の会社と出会えます。
独立したい場合には最低でも「2級建築施工管理技士」の資格が必要です。
また、独立後に仕事がもらえるように、さまざまな企業との関係構築・維持が必須と言えるでしょう。
関連記事:施工管理をする女性の人が辞めたいと思う4つの理由と具体的な対処法を紹介
建築施工管理の仕事がやめたいに関するまとめ
今回は建築施工管理技士について解説してきました。
人間関係や仕事量、プライベートとの両立などさまざまな理由で建築施工管理の仕事を辞める方がいます。
一方で、やりがいを持って建築施工管理の仕事を続けている方も中にはいます。
建築施工管理の仕事に対する不満は退職せずに解決できないのか、後悔しないかを考えた上で退職の決断をするようにしましょう。
建築施工管理の仕事は代わりの人材を見つけるのが難しく、辞める場合には早めに上司へ伝える必要があります。
建築施工管理の経験があれば建設業界はもちろん、その他の業界でも活躍できるでしょう。
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