街中を走る路線バスや夜行バス、観光バスなど人々の暮らしにバスは欠かせません。そのバスを陰で支えているのが運行管理者です。
ここではバス運行管理者の仕事内容や資格の取得方法、魅力などについて詳しく紹介しています。運行管理者に興味のある人にピッタリな内容となっているので、ぜひ参考にしてくださいね。
運行管理者とは?
バスやタクシー、トラックといった「人」や「貨物」を運んでいる仕事を運送業と言います。これら運送業において、バスやトラックなどの車両やドライバーを管理しているのが運行管理者です。
運行管理者は国家資格であるため、資格を取得しないと職につくことができません。
バス運行管理者の仕事内容
ドライバーや車両を管理することがバス運行管理者の仕事です。しかし、これだけでは分かりづらいので、実際の仕事内容についてもう少し詳しく紹介していきましょう。
点呼
バスドライバーは毎日出勤時に点呼を行います。ここで報告事項や注意事項などを共有するほか、ドライバーの体調面の確認やアルコールチェックを行います。
点呼は誰か同席しなければいけない決まりがあります。ただし、必ずしも運行管理者ではなくてもいけないという決まりはありませんが、基本的には運行管理者が同席のもと、行われるのが一般的です。
ドライバーの管理
バスドライバーのスケジュール管理や仕事の管理、労務管理などを行います。バスといっても貸切バスや路線バス、夜行バスなどさまざまな種類があるので、ここでは路線バスに絞って説明しましょう。
路線バスはいくつもルートがあるので、どのルートにどの運転手をあてはめるのかを運行管理者が指示決定をします。運転手の経験や能力、運行時間などを加味してスケジュールを作っていきます。
また、ドライバーは4時間ごとに休憩を取ることが義務付けられているので、休憩時間を考慮してスケジュールを立てないといけません。
その他、安全に運行するための安全指導や講習などを入れることや、日々の仕事状況をみて、指導することもあります。
車両管理
営業所が保有しているバスの管理を行うことも仕事の1つです。バスの状態がおかしくないか、ドライバーから聞いたり、点検が行われているかの確認をしたりすることが仕事です。
実際の点検や修理は整備士が行うのですが、バスの状態や台数を把握しておく必要があります。
もしバスが故障して使えなくなっているのであれば、他の営業所から借りるなどして日々の運行に支障がないように調整しなければいけません。
書類の管理
点呼記録簿や運転記録簿、日報などの書類を管理することも運行管理者の仕事です。これらは監査の際に必要になるので、きちんと月別、年別でわけるなどして整えておくことが重要です。
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バス運行管理者になるまでの流れ
バス運行管理者になるためには資格を取得しなければいけません。運行管理者の資格は「旅客」と「貨物」の2種類あります。バスの場合、旅客の方になるので間違いないようにしましょう。
資格の取得は試験に合格する方法と一定の条件を満たす方法の2つ方法があります。試験に合格して取得する方法が一般的なので、ここではその方法や流れを紹介していきましょう。
受験資格
試験を受けるためには下記のどちらかの条件をクリアしておく必要があります。
①運行管理に関する業務を1年以上経験している
②試験2週間前までに基礎講習を修了している
①の業務は運行管理者の補助的な仕事にあたります。運行管理者の指示のもと業務を1年以上経験していれば受験資格が与えられます。
②の場合は、実務経験がなくとも国土交通大臣の認可を受けた機関で基礎講習を受講すれば受験資格が与えられます。
試験内容
試験では法令関係や運行管理者として必要な知識が問われます。詳しい出題分野と問題数を表にまとめました。
出題分野 | 出題数 |
道路運送法関係 | 8問 |
道路運送車両法関係 | 4問 |
道路交通法関係 | 5問 |
労働基準法関係 | 6問 |
運行管理者として実務上の必要な知識や能力 | 7問 |
難易度
運行管理者の試験問題数は全30問あり、6割以上の18問以上正解すれば合格すると言われています。ただし、各出題分野で1問以上正解すること、運行管理者としての知識分野に関しては2問以上の正解が求められています
過去の合格率は以下の通りです。
年度 | 合格率 |
2017年 | 35.3% |
2018年 | 34.1% |
2019年 | 31.8% |
2020年 | 31.2% |
2021年 | 32.6% |
ここ5年の合格率は30%台前半止まりとなっています。資格が誕生した当時は50%以上あったそうですが、近年の自動車事故の多発を受けてコンプライアンス遵守の機運が高まってきたことがあげられています。
テキストの熟読や過去問題を何度も解くことが合格の鍵となるでしょう。
バス運行管理者になることのメリット
バス運行管理者になることのメリットや仕事の魅力について紹介していきましょう。
安定した仕事である
運行管理者はどの営業所にも必ず1名以上配置しないといけない規定があります。バス会社は社会インフラを支えるものとして今後も需要があることから、運行管理者も同じように需要が続くでしょう。
一度資格を取得すると2年に1度の講習さえ受講すれば一生使用できます。今後も安定して求人が出される見込みがあるので、仕事にあぶれるという心配はないところがバス運行管理者の魅力の1つです。
キャリアアップしやすい
運行管理者はバスドライバーを管理する立場であるため、管理者としてのキャリアを積み、将来的に昇進昇級を目指しやすい職種です。
会社の中心的な立場であるから全体像を見ているので、経営層にも食い込みやすいですし、営業所においては営業所長の次のポジションであることが多いため、昇進すれば営業所長になることも可能です。
将来性の高い職業なので、キャリアアップしたいという人には魅力を感じるでしょう。
内勤仕事である
運行管理者は内勤仕事であるため体力面できつさを感じにくいです。バスドライバーであれば、ずっと運転し続けているので体力を酷使することになります。
また、常に事故のリスクを考慮して運転しなければいけないため、神経を使います。
そのため、年齢を重ねていくうちにきつさを感じてやめていく方も少なくありません。しかし、運行管理者は内勤であるため、長期的にも働きやすいです。夏場の暑い時期でも冬場の寒いときでも冷暖房の効いたところで働けるというのも魅力でしょう。
バス運行管理者の給料
バス運行管理者の平均年収は300~400万円です。
一般的なサラリーマンと比較すると少し低い金額ですが、大手企業であれば600万円以上も可能です。
バス運行管理者の求人内容
バス運行管理者がどういった求人が出されているのか、求人BOXで掲載されていた実際の求人内容を紹介していきましょう。
仕事内容 | 観光バスの運行管理 |
勤務地 | 東京都 |
給与 | 月給20万円以上 |
勤務時間 | 7:00~21:00(実働8時間)シフト制(4週8休) |
福利厚生 | 社保完備・賞与年2回・有給休暇・家族手当など |
仕事内容 | 観光バスの運行管理 |
勤務地 | 静岡県 |
給与 | 時給1,000円~ |
勤務時間 | 5:00~9:0018:00~23:30週4日以上できる方歓迎 |
福利厚生 | 昇給あり、資格取得支援制度 |
仕事内容 | 夜行/観光バスの運行管理 |
勤務地 | 東京都/埼玉県/大阪府のいずか |
給与 | 月給24~35万円※経験・資格を考慮 |
勤務時間 | 5:00~14:009:30~18:3012:30~21:30※シフト制休日:月9回のシフト制 |
福利厚生 | 社保完備・賞与年2回・有給休暇・健康診断 |
仕事内容 | 路線バスの運行管理 |
勤務地 | 東京都(23区内) |
給与 | 月給19.8万円~ |
勤務時間 | 8:00~16:4013:20~22:008:50~翌9:05(仮眠あり)シフト制休日:4週8日 |
福利厚生 | 社保完備・賞与年2回・有給休暇・特定休暇(毎年20日間)など |
バス運行管理者についてのまとめ
バス運行管理者は将来性があり、今後需要のある魅力的な職業です。資格の取得難易度は高いですが、一度取ってしまえば一生ものです。しっかり勉強すれば十分合格できるので、頑張ってみましょう。不安な方は資格学校に通うことも手です。
将来キャリアアップしたい人、バスが好きな人、安定した仕事に就きたい人にバス運行管理者はおすすめです。興味のある人はぜひ資格取得に挑戦してくださいね。
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