これまでにバス運行管理者はきついということを一度は聞いたことがあるかもしれません。でも具体的にどういったところがきついのかまでは聞いたことがある人は少ないでしょう。
確かにバス運行管理者の仕事は大変です。ここではバス運行管理者の仕事内容、そしてキツイと言われるところについて詳しく紹介しています。
その他には、転職したくなった場合はどうしたらいいのか?転職活動のポイントまで解説しています。
バス運行管理者に興味のある人、これから働こうと思っている人、現在働いている人は参考になることが書かれているので、ぜひ最後まで読み進めていただけると幸いです。
バスの運行管理者はきつい?具体的な仕事内容
運行管理者とは、事業者の車両や乗務員の管理をする人を指します。運行管理者は国家資格であるため、資格を取得するためには国家試験である運行管理試験に合格しないといけません。
バスの運行管理者の主な仕事内容は下記の3つです。
ドライバーのスケジュール管理や監督指導
バスドライバーの勤務スケジュールや運行スケジュールの管理、勤務の指導などを行います。運行スケジュールとは、路線バスの場合、どの路線を走ってもらうのか?はもちろん、休憩ポイントの設定や交代する運転手を考えなければいけません。
監督指導とは、事故を起こさないように安全運転の指導や講習会の参加、危機予知トレーニングなどを行います。
点呼と記録簿の管理
ドライバーは毎日出勤時と退勤時に点呼を行います。点呼ではアルコールチェックや体調の確認、伝達項目の確認、ドライバーからの報告などを受けます。
点呼自体は運行管理者以外のものが行ってもいいとされていますが、基本的には運行管理者が担当することが多いです。
また、点呼した記録は保管することが義務付けられています。その記録簿は運行管理者が管理しなければいけません。
車両の管理
バスの管理も運行管理者が行います。点検や修理は整備士や外部に依頼しますが、バスの状態を管理するのは運行管理者です。
運行に支障がないようにバスの確保をしておくこと、もしバスが足りなくなるのであれば他の営業所から回すように手配するなどといった対応を行わなければいけません。
バスの運行管理者のきついところ|5選
バスの運行管理者の仕事はキツイとよく言われます。大変と言われている部分は主に5つです。それぞれ紹介していきましょう。
勤務が不規則
バス運行管理者は不規則な勤務の場合があります。市内を走るような路線バスであれば日中の仕事になりますが、夜行バスを走らせる会社の場合は夜勤なども勤務に含まれます。
早番や遅番、泊まり勤務である夜勤がシフトで回されると、体がついてこずキツイと感じてしまうかもしれません。
運行管理者はバスの運行が終わるまで営業所にいないといけません。道路状況や天候によっては大幅にダイヤが乱れてしまうことがあり、どうなると残業が発生してしまいます。
翌日も通常通りに出勤しないといけないので、体力的にしんどくなりやめていくという方も少なくありません。
業務量が多すぎる
運行管理者の仕事は上記で紹介しましたが、細かく上げるともっとたくさんあります。お客様の電話応対や得意先との連絡対応、ドライバーの管理から他の部署との連携業務など仕事が多岐にわたっています。
バスの台数によっては1営業所に運行管理者は1人しかいないため、全て1人で対応するとなるとかなり大変です。
あまりの仕事量の多さに嫌気がさして辞めていくという人もいます。運行管理者をするのであればマルチタスクをこなすくらいの要領の良さが必要です。
人間関係が面倒
運行管理者は会社内で中間管理職のような立場です。ドライバーと上層部、他の部署の人達の間に立たなければいけないので、ストレスがたまりやすいです。
言いにくいこともドライバーに伝えないといけませんが、そういったときに文句を言われるのは運行管理者です。特に年配のドライバーは若い人に指示されることを嫌がったり、嫌なことはしたくないという人が多かったりします。そういった人と上手くやりとりするのは一苦労でしょう。
また、ドライバーからの要望などを上層部に伝えないといけないので、嫌な役回りをすることも多いです。板挟みになることがストレスになって耐えきれずに辞めていってしまいます。
クレーム対応がしんどい
運行管理者はお客様の電話対応をしないといけません。その中にはクレーム対応が含まれています。
「予定時間にバスが来なかった」、「運転が荒かった」、「運転手の対応が悪かった」などさまざまなことでクレームが届きます。仕事のストレス以外にも第三者からのストレスで精神的に参ってしまうこともあります。
また、クレームによってはドライバーに指導を行わないといけないこともあります。そのことで気が重くなってやめていく人もいます。
責任が重い
運行管理者の責任が重た過ぎてきつく感じる人もいます。特にバスの事故が起きた際に運行管理者が責任を問われることがあります。
過去にバスの事故でドライバーの勤務状態が問題で運行管理者に逮捕状が出たという事件が起きています。その事故では人手不足からバス運転手が休日を取らずに勤務を行っていたことが事故の一因として運行管理者に管理責任が問われてしまいました。
運行管理者は安全運転のため、ドライバーの体調管理や法律で定められた通りの休日回数や休憩時間を確保しなければいけません。
しかし、人手不足だった場合でもバスの運行はストップできないため、無理強いをしなければいけないこともあります。
そういったときに会社の責任だけでなく、1個人として運行管理者に罪が問われてしまうような場合だと、あまりに責任が重大と感じる人も少なくないでしょう。
犯罪者になるリスクをかかえたまま仕事をするのはあまりに重責すぎてやめていく人も少なくありません。
バスの運行管理者がきつい:辞める前にやるべきこと|3選
運行管理者がきつい!早くやめたい!と思ってしまった場合、すぐにやめる前にやっておくべきことがあります。衝動に駆られてしまい、やめる前に次のことを一度試してみてください。
異動できないか相談する
もしやめたいと思った理由が人間関係のトラブルであれば、やめる前に部署異動できないかの相談をしてみましょう。同じ営業所内での人間関係の問題の場合、異動すれば解決することが多いです。
会社側としては人材を減らすことはしたくないはずです。今の悩みを上司に相談すれば、異動や配置変更などなんらかの対応をしてくれるかもしれません。
いきなり辞めるのではなく、一度上司と話をしてみましょう。
転職先を探す
どうしてもすぐにやめないと体がもたない、なんていう理由でないのであれば、やめてから転職先を探すのではなく、仕事をしながら転職先を探すことをおすすめします。
仕事をやめてから転職先を探すということは、その間収入が途絶えてしまうことになります。収入がなくなることへの焦りから冷静に転職先を探すことができなくなり、良い条件の企業を見逃してしまう…なんてことも起こってしまいます。
転職サイトに登録をして、仕事をしながらゆっくりと良い条件の企業が出るまで待つという方法が転職方法としては最適です。
資格を取る
もし運行管理者以外の仕事をしたいのであれば資格を取ることを検討してはどうでしょうか。資格によって異なりますが、取得までにはそれなりに時間はかかるはずです。また、テキスト代や講習代などいろいろと費用もかかります。
仕事をつづけながらであれば、費用面の負担は軽減されるので、やめてからではなく在職中に資格の取得を試みましょう。
関連記事:バス運転手を辞めたいと感じる理由とは?経験が役に立つ転職先も紹介
バスの運行管理者がきつい:転職する際のポイント
どうしてもバスの運行管理者をやめたい、会社をやめたいというのであれば転職しましょう。転職する際はこれから紹介する3つのポイントに気を付けて転職活動を進めていきましょう。
やりたいことのバランスに気をつける
まず初めに行いたいのは、自分のやりたいことと自分の能力でできることを見極めることです。
極端な話ですが、バスの運行管理者をやめた後にNASAで働きたい!なんて思っても転職できそうにないですよね?
やりたいことはもちろんやった方がいいですが、それだけでなくこれまでの経験を活かせること、自分の能力に見合ったもののバランスを考えて転職活動をしないと一向に転職先が見つからない、良い企業に巡り合えない可能性が高いでしょう。
もしこれまで経験したことがない仕事がしたいのであれば、資格を取る、職業訓練学校に通って勉強するなどといった方法がありますが時間がかかります。
スムーズに転職したいのであれば、一度自分のことを振り返って自己分析を行うことをおすすめします。
適切な方法で転職先を探す
転職先の探し方は主に3つあります。
1つ目は転職サイトから見つける、2つ目はハローワークに通う、3つ目は知人の紹介を受けることです。それぞれメリットデメリットがあるので自分に合った方法を考えましょう。
転職サイト
転職サイトを使った方法は最も手軽で転職活動ができます。サイトに登録することで自分の希望年収や勤務先、仕事内容にあった情報だけを見つけることができます。
マイナビやdodaといった大手転職サイトはさまざまな種類の企業を紹介していますが、中には専門分野に特化したサイトもあります。
運送ドライバー専門の転職サイトやエンジニア専門の転職サイトなどといったところでは、より細かい条件を入力して企業を探すことができます。
転職サイトの欠点は自分で1から10までやらないといけないところです。応募から面接まで全部自分で行わないといけないので、転職経験がない方は不安に感じるかもしれません。
ただし、転職エージェントという新しいタイプの転職サイトはサポーターがついてくれて、転職のナビゲートをしてくれます。自分の能力とやりたいことが合致する職種や企業を探してくれるので、もし不安に感じる方は転職エージェントの利用をおすすめします。
ハローワーク
ハローワークは会社を辞めた後に失業保険の手続きなどで必ずいきます。ここで転職活動することもできるので、転職サイトと併用して行ってもいいでしょう。
ハローワークは専門の相談員が希望条件をもとに転職先をいくつか候補に挙げてくれます。ハローワークに来る求人は特に地元の求人が多いです。全国各地の求人を見ることができますが、特に地元の求人が多く届くので、引っ越しをしたくない、近いところで働きたいという方におすすめです。
また、ハローワークでは相談や面接対策を無料で受けることができます。初めて転職する人や自分の能力に合う企業の探し方がわからない人などにピッタリな求人を探してくれるので、不安の解消につながります。
面接や履歴書の作成といった転職活動のかなめとなる部分もしっかりサポートしてくれます。履歴書は添削、面接は模擬面接を実施してくれるので、スムーズに転職活動が進められるでしょう。
自己分析や職業訓練学校の斡旋も行っています。何かと使えるサービスが多いのがハローワークの良いところです。
ただし、求人件数の多さでは転職サイトには及ばないので、併用して進めていくのがおすすめとなります。
知人の紹介
知人の紹介を受ける方法もおすすめです。知人の紹介だと、あらかじめ会社の雰囲気をつかみやすい(人間関係、社内の雰囲気など)だけでなく、給与面、福利厚生、昇給などの実際のところまで聞くことができます。
そのため、入社してから思っていたのと違っていた、イメージと違っていたなどといった誤差のリスクを減らすことができます。
会社の規模や知人にもよりますが、あらかじめ口利きをしてくれた場合、面接で問題なければスムーズに採用されます。
ただし、知人の紹介を受けた場合は仕事をやめにくいというマイナス面もあります。すぐに辞めてしまうと知人の顔に泥をぬってしまうからです。責任を持って仕事を続けるという覚悟がない限り、紹介は受けないほうがいいかもしれません。
会社情報をしっかりと仕入れる
転職する際は事前に会社情報を仕入れることが大事です。求人欄にはいい情報ばかり書かれていることが多く、入社してから全然違ったということがよく起こっています。
求人欄に書かれていることを鵜呑みにせずに自分の手足を使って会社情報を仕入れましょう。
例えば会社のHPを見るといった方法です。ここには会社の大まかな情報が書かれています。理念や社風、どういった事業を展開しているのかなどといった会社の基本的なことを知ることができます。
HPによっては働いている人のインタビューが掲載されていることがあります。生の声が書かれているので、どういった雰囲気なのか掴めるかもしれません。
ただし、HPも求人欄と同様あまりマイナス面が書かれていません。もしマイナス面も知りたいのであれば、会社の口コミを見るといいでしょう。検索エンジンで知りたい会社名と口コミを入力してみれば、いくつかの口コミサイトが表示されます。
過去に働いていた人、今働いている人が口コミを書いており、企業の裏側を知ることができます。ただし、マイナスな情報が偏っている傾向があるので、知りたくないところまで知ってしまう可能性もあります。
関連記事:もしもバスの運転手になったら!本当にきつい仕事なのか?
関連記事:運行管理者として就職する前に知っておきたい年収事情や注意点
バスの運行管理者がきついと言われる理由に関するまとめ
きついと言われているバス運行管理者ですが、実際のところやりがいを感じている人もたくさんいます。バスドライバーをまとめること、ドライバーの間に立って上層部とやり取りをするなど、運行管理者の仕事は営業所内で中心的な立場です。
仕事がこなせるようになると周りから頼りにされるので、それが喜びになり、やりがいに変化していきます。
大変な仕事ですが、人によっては楽しい仕事と思えるので一概にキツイと思い込まないようにしてくださいね。
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