バスやトラックなど車両を使って事業を運営している企業にはドライバーや車両などを管理する運行管理者という職種の人が働いています。
タクシー会社にも同じように運行管理者が必要です。ここでは運行管理者の仕事内容や向いている性格、給料や資格の取得方法などについて詳しく解説しています。
タクシー業界で働いてみたい、タクシードライバーの経験を活かした仕事がしたい、内勤で働きたい人はこの記事がピッタリです。参考になるのでぜひ最後まで読み進めていってください。
運行管理者とは?
タクシーに限らず、バスやトラックなどの運送業においては運行管理者と呼ばれる人が働いています。運行管理者を一言で表すと車両を安全に運行させるための業務を行っている人のことです。
運行管理者は国家資格であるため、資格がないと業務を行うことができません。タクシー会社の場合、5台以上車両を保有している営業所は1名以上の運行管理者を配置することが法律で定められています。配置しない場合、行政処分が課せられてしまいます。
タクシー運行管理者の仕事内容について
タクシー会社に勤める運行管理者が日々どのような仕事を行っているのか紹介していきましょう。仕事は主に5つあります。
タクシードライバーの指導
日々事故がなく安全に運行するためにはタクシードライバーの教育が必要です。その教育を担当するのが運行管理者です。勉強会を開いたり、危機予知訓練を行ったりし、安全運転の方法と意識付けを行います。
また、お客様の満足度を上げるために接客マナーを指導することもあります。自ら指導する場合や接遇研修を開催し、接客レベルの向上を目指します。
タクシードライバーのスケジュール管理
運行管理者の主な仕事としてタクシードライバーのスケジュール管理があります。
乗務員の勤務シフトを作成し、勤務状況を把握します。タクシードライバーが1か月間で勤務できる時間数は決まっており、それを越えてしまうと法律違反となり、行政処分が下されることがあります。
また、自社が保有するタクシーの台数と勤務する人数のバランスを考えて、多すぎないように、少なすぎないように調整する必要があります。
点呼や記録簿の保管
タクシードライバーは出勤時と退勤時に運行管理者のもと必ず点呼を行います。点呼では健康状態の確認やアルコールチェック、伝達事項の確認、ドライバーからの報告事項の確認などを行います。
点呼は運行管理者以外のものが担当してもいいのですが、多くのタクシー会社では運行管理者が担当しています。この点呼は記録簿に残す必要があり、この記録簿は運行管理者が保管することが義務付けられています。
車両の管理
タクシー車両の管理を行います。故障や点検は整備士、もしくは整備工場などに依頼しますが、法定点検や車検、日々の点検などの指示・対応は運行管理者が行っています。
また、乗務員から異常がないかなどの確認も日々行い、安全に運行できるよう管理することが求められています。
電話対応や配車手配
得意先からの電話対応や配車の手配なども運行管理者が行います。配車依頼は一般的にオペレーターのいる配車センターへ電話をしますが、お客様のなかには営業所に直接電話をかけてくることがあります。
その時は運行管理者が対応し、配車センターに配車の指示を与えます。
また、営業所にはクレームが届くことがあります。運転手の対応が雑だった、運転が荒かったなどさまざまな理由でクレームが入ります。その際はお客様には謝罪をし、クレームのあった乗務員とは原因と指導、今後の対策を話し合わなければいけません。
タクシー運行管理者の必要人数
タクシーの運行管理者は営業所が保有する車両の台数によって必要人数が異なります。台数が多いほど、管理の手間や業務量が増えるため、人数が多くなります。詳しくは表にまとめました。
保有台数 | 必要人数 |
5~39台 | 1人 |
40~79台 | 2人 |
80~119台 | 3人 |
120台以降 | 4人~(40台ごとに1人追加) |
タクシーの場合、40台ごとに1人増やす必要があります。ただし、5人未満の場合は運行管理者の配置が義務付けられていないことを覚えておきましょう。
タクシーの運行管理者に向いている性格
タクシーの運行管理者にはどういった人が向いているのか紹介していきましょう。
責任感のある人
運行管理者として働くためには責任感が必要です。運送業において一番重要なことは事故を起こさないことです。人の命を預かって車を運転しているのは乗務員ですが、乗務員の管理を行うのは運行管理者です。
安全運転の指導や乗務員の体調管理、無理のないシフト作成を行うことで事故のリスクを下げることができます。自分は運転するから関係ないということではなく、自分がしっかり管理していれば事故は起こらないといった責任感を持って仕事ができる人が運行管理者に向いています。
マルチタスクができる人
運行管理者の仕事内容は上記で紹介した通りです。仕事量が多いために、いろんな仕事を同時に行うこともたびたびあります。焦ってしまうと逆に遅くなってしまい、仕事に支障がでるため、いろんな仕事を同時にできるマルチタスクができる人の方が運行管理者に向いています。
頭の回転が早い人
運行管理者は頭の回転が早い人が向いています。仕事中に事故があった、トラブルが起きた、クレームの電話がかかってきたなど連絡があった際には迅速な判断が求められます。
すぐさま適切な判断ができる人とそうでない人では解決力が全く異なるので頭の回転が早い人が運行管理者に向いています。
細かい気配りができる人
細かい気配りができる人は運行管理者に向いています。運行管理者は中間管理職のような立場です。タクシードライバーや、整備士や整備工場、得意先、自分の上司などの間に立って仕事を回していきます。
上手く立ち回りをしていくためには細かい気遣いができる人の方がいいです。連携をはかることで業務がスムーズに行え、売上アップや無駄な出費の改善などにつながります。
タクシー運行管理者の年収
タクシー運行管理者の平均年収は350~400万円と言われています。決して高給取りではありませんが、生活するには十分な給料です。
タクシー運転手は基本給+歩合給であるため、人によっては乗務員の方が稼ぐことができますが、運行管理者は固定給であるために安定した生活を送りやすいです。
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関連記事:運行管理者の給料相場は?年収や求人例について詳しく解説
タクシーの運行管理者になるためには
タクシー運行管理者になるためには、国家資格を取得しなければいけません。運行管理者の国家資格は「旅客」と「貨物」の2種類あり、タクシーの場合は旅客になります。
取得方法を紹介しましょう。
国家試験に合格する
1つ目は国家試験を受験し、合格する方法です。運行管理者になる方法としてはこちらの方が一般的です。
試験を受けるためには1年以上の実務経験、または認定機関で基礎講習を修了しておく必要があります。
これらの条件をクリアした後、年に2回開催される国家試験に合格すると資格が与えられます。
試験の平均合格率は30%前半と決して高くありません。合格するためにはテキストをしっかり読むこと、過去問題集を繰り返し解くことです。簡単ではありませんが、対策をすれば合格できるので、諦めずに勉強しましょう。
一定の条件をクリアする
もう1つの方法は一定の条件をクリアすることです。この条件とは、「運行管理者の実務経験が5年以上あること」、「講習を5回以上受講していること」の2つです。
実務経験は運行管理者のもと、補助的な仕事を行います。講習は基礎講習と一般講習をそれぞれ合計し、5回以上受講(どちらか一方のみではなく、少なくとも片方を1回以上受講しなければいけない)が必要となります。
この方法は資格取得までに時間がかかる点であまり一般的ではありません。
まとめ
運行管理者はタクシー会社にとって中心的な役割をはたしているポジションです。仕事量は多いですが、その分やりがいのある仕事です。経験を重ねていけば上層部に昇りつめていくことも可能なので、キャリアアップしたい人におすすめです。
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関連記事:運行管理者の資格は試験を受けなくとも取得することができる!?
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