大型自動車免許は、大型トラックや観光バスの運転手として働く際に必要な資格です。
しかし「免許取得にかかる費用が心配でチャレンジできない」という人も多いのではないでしょうか。
そこで紹介したいのが、厚生労働省が定めている「教育訓練給付金制度」「人材開発支援助成金」です。
本記事では、この中の「教育訓練給付金制度」を利用した補助金の受け取りについて、詳しく解説していきます。
本記事を読めば、補助金を受け取るための条件、申請方法、注意点などを知ることができます。
大型自動車免許の取得を考えている人は、参考にしてみてください。
大型自動車免許に関する補助金は2種類
大型自動車免許に関する補助金には「教育訓練給付金制度」「人材開発支援助成金」の2種類が存在します。
教育訓練給付金制度は、労働者の自発的なスキルアップやキャリアアップを後押しし、雇用環境の安定や求職活動の支援を目的とした制度です。
この制度により、厚生労働大臣によって認定された特定の教育訓練プログラムを完了した人は、受講にかかった費用の一部を給付金として受け取ることができます。
一方、人材開発支援助成金は、労働者がキャリアを通じて段階的かつ体系的に職業能力を開発できるよう支援することを目的とした制度です。
この制度は、事業主が自社の従業員に職務関連の専門知識や技術の習得を目指して職業訓練を計画的に実施する際に、その訓練にかかる費用や訓練期間中の賃金の一部を補助します。
なお、本記事では教育訓練給付制度に絞って、受け取り方や補助金額について解説します。
出典:教育訓練給付制度|厚生労働省
出典:人材開発支援助成金|厚生労働省
関連記事:大型特殊自動車免許の取得費用は?取得方法や必要な日数も
大型自動車免許の補助金は最大20万円
厚生労働省が定めた教育訓練給付制度を利用し、正しい手続きをすることで、免許取得にかかる費用の一部が補助されます。
教育訓練給付制度を利用して大型自動車免許を取得する際に受け取れる補助金は、特定一般教育訓練で最大20万円、一般教育訓練で最大10万円です。
具体的には、指定の教習所で受講して免許を取得した後、ハローワークに申請することで、特定一般教育訓練で取得費用の40%(上限20万円)、一般教育訓練で取得費用の20%(上限10万円)が支給される仕組みです。
なお、受講費用が4,000円を超えない場合は補助金の対象となりません。
大型自動車免許の補助金を受け取る2つの条件
大型自動車免許取得の補助金を受け取るには、以下の2つの条件があります。
- 65歳未満であること
- 雇用保険に1年以上加入している
それぞれの条件について詳しく解説します。
65歳未満である
大型自動車免許取得の補助金を受け取る条件の1つ目は、65歳未満であることです。
教育訓練給付制度の目的は、働く人の能力開発を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることです。
65歳になると「一般被保険者」から「高年齢継続被保険者」に移行するため、教育訓練給付金の対象外になります。
なお、資格が切り替わるのは「65歳になる誕生日の前日」ですので覚えておきましょう。
雇用保険に1年以上加入している
大型自動車免許取得の補助金を受け取る条件の2つ目は、雇用保険に1年以上加入していることです。
在職中の人は、教習所での受講開始日時点で、雇用保険に通算1年以上加入している必要があります。
この場合、働いていない期間があっても、通算で1年以上の被保険者期間があれば支給可能です。
仕事をしていない人は、離職の翌日から受講開始日までが1年以内で、前職で雇用保険に通算3年以上加入していることが条件となります。
過去に教育訓練給付金制度を利用したことがある人は、利用後3年以上が経過し、通算3年以上雇用保険に加入していることが条件です。
自分が補助金対象かどうかは、自身の住所を管轄するハローワークに問い合わせてみましょう。
大型自動車免許の補助金申請|3ステップ
大型自動車免許取得の補助金申請は、正しい順序での手続きが必要です。
ここからは、補助金申請の具体的な流れを以下の3つのステップに分けて解説します。
- ハローワークで教育訓練給付金制度を申請する
- 受講前に全額講座費用を教習所に支払う
- 教習所を卒業した後に教育訓練給付金申請書を提出する
1.ハローワークで教育訓練給付金制度を申請する
教育訓練給付金制度を利用したい場合、事前にハローワークで「自分に受給資格があるかどうか」を確認する必要があります。
ハローワークで「教育訓練給付金支給要件照会票」に必要事項を記入して提出し「教育訓練給付金支給要件回答書」を取得します。
この「教育訓練給付金支給要件回答書」は補助金申請に必要な書類のため、大切に保管しておきましょう。
2.受講前に全額講座費用を教習所に支払う
受講する教習所が決まったら、受講前に全額口座費用を教習所に支払います。
受講終了後にハローワークから補助金が支払われるため、いったん費用全額を負担する必要があります。
3.教習所卒業後に教育訓練給付金申請書を提出する
教習所を卒業した後、受講修了日の翌日から1か月以内にハローワークへ「教育訓練給付金申請書」を提出します。
提出の際、教習所で発行される「教育訓練給付金支給申請書」「教育訓練修了証明書」「領収書」「本人・住所確認書類」「雇用保険被保険者証」の5つを持参してください。
申請後、10日から1か月のうちに補助金が支払われます。
なお、補助金受け取りの適用期間延長を申請していた場合は「教育訓練給付対象期間延長通知書」が必要となります。
大型自動車免許:補助金にならない4つの費用
大型自動車免許取得に関する補助金申請をする上で、補助金の対象にならない費用があることに注意しましょう。
教育訓練給付制度を利用した免許取得の補助金対象は、受講する人が教習所に支払う「入学料」「最大1年分の受講料」です。
そのため、「受講に必ずしも必要ではない、追加で支払った費用」は対象になりません。ここでは、補助金対象にならない4つの費用について解説します。
補助教材費
大型自動車免許取得に関する補助金にならない費用の1つ目は、補助教材費です。
補助教材費とは、主たる教材とは別の、必ずしも必要とされない補助的な教材の費用を指します。
補講費
大型自動車免許取得に関する補助金にならない費用の2つ目は、補講費です。
教習所で補講を受けた際の補講費は補助金対象になりません。
再試験料
大型自動車免許取得に関する補助金にならない費用の3つ目は、再試験料です。
再試験になった場合の再試験料は対象外のため、注意しましょう。
クレジットカード会社の手数料
大型自動車免許取得に関する補助金にならない費用の4つ目は、クレジットカード会社の手数料です。
支払いにクレジットカードを利用した際の利用手数料は、自己負担となります。
大型自動車免許の補助金に関するよくある質問
最後に、大型自動車免許の補助金についてよくある質問をピックアップして回答します。
大型自動車免許取得の補助金申請を考えている人は、参考にしてみてください。
大型免許の取得費用は補助されるの?
一定の条件を満たせば、教育訓練給付金制度を利用して大型免許取得の費用が補助されます。
ただし指定された教習所での教習が必要です。事前に通いたい教習所が対象校かどうかの確認が必要です。
大型免許の補助金はいくら戻ってくる?
教育訓練給付金制度を活用すれば、教習所に支払った受講料のうち最大20%、金額にして上限20万円が戻ってきます。
まずはハローワークで自身の受給資格と手続き方法を確認するのがおすすめです。
補助金申請に必要な書類は何ですか?
ハローワークへの申請時には「教育訓練給付金支給申請書」「教育訓練修了証明書」「領収書」「本人確認書類」「雇用保険被保険者証」の5点が必要です。
このうち、前者3つは教習所で発行されます。
「本人・住所確認書類」は、運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証、住民票の写しなどで、すべてコピー不可です。
教習所を卒業した翌日から1か月以内に、これらの書類を用意してハローワークへ行き、「教育訓練給付金申請書」を提出して補助金を申請します。
大型自動車免許の補助金に関するまとめ
今回は、大型自動車免許に関する補助金について解説しました。
人手不足の運送業において、大型自動車免許の所持者は貴重な存在です。
免許取得にはある程度の費用がかかりますが、補助金があれば負担を軽減できます。
補助金の制度をうまく活用して、大型自動車免許取得を目指しましょう。
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