機械設計エンジニアを目指している人の中には、周囲に「やめとけ」と言われて心配になっているケースもあるのではないでしょうか。
実際に「機械設計エンジニアへの就職はやめとけ」と言われる理由は5つあります。
この記事では、機械設計エンジニアはやめとけと言われる5つの理由を紹介します。また、辞めたくなった場合の対処法についても紹介しているので、あわせて読んでみてください。
機械設計エンジニアはやめとけと言われる理由
機械設計エンジニアは「やめとけ」と言われる可能性のある仕事です。やめとけと言われる理由は主に5つです。
- 機械設計以外の仕事も複数ある
- 地味な作業に飽きる
- 長時間のパソコン作業で運動不足になる
- 細かなミスが大きな損失につながるのでプレッシャーがある
- 納期に間にあわせないといけないので残業が多い
それぞれについて解説します。
機械設計以外の仕事も複数ある
機械設計エンジニアは、パソコンに向かう業務だけではありません。機械設計以外にも、次の業務などがあります。
- 会議・打ち合わせ
- 試験・調整
- トラブル対応
機械設計エンジニアは専門知識やスキルを持ち合わせており、さまざまな場面で重宝されています。その結果、機械設計以外の仕事も複数対応しなければなりません。
地味な作業に飽きる
機械設計エンジニアは多岐にわたる仕事をこなす一方で、地味な作業が多いのも事実です。地味な作業を忍耐強くこなす根気がなければ、機械設計エンジニアの仕事に飽きてしまう人もいるでしょう。
機械設計エンジニアは、細かい作業が得意で、忍耐力のある人に向いている仕事です。
長時間のパソコン作業で運動不足になる
機械設計エンジニアは、設計や図面作成のパソコン作業がメインです。したがって、長時間座りっぱなしになります。
また、運動不足は、健康への悪影響だけでなく、集中力低下やストレスの原因でもあります。機械設計エンジニアに就職した場合は、運動不足にならないように意識的に体を動かす時間を作りましょう。
細かなミスが大きな損失につながるのでプレッシャーがある
機械設計エンジニアの仕事は、細かなミスが大きな損失につながる可能性があります。
設計ミスは、製品の品質低下・納期の遅延・コスト増加などの問題を引き起こし、企業に大きな損害を与えてしまうかもしれません。
機械設計エンジニアは常に高い集中力と責任感を持って仕事に取り組む必要があり、プレッシャーを感じる人もいるでしょう。
納期に間にあわせないといけないので残業が多い
機械設計エンジニアの仕事は、納期に間に合わなければ後の工程に悪影響を及ぼします。したがって、場合によっては、残業しなければなりません。
ワークライフバランスを重視する人にとっては、大きな負担となるでしょう。
一方で、昨今は、ワークライフバランスを重視した働き方を取り入れる企業も増えています。就職活動の際は、求人票や労働条件などを確認して情報収集しておくとよいでしょう。
関連記事:機械設計エンジニアはきつい?5つの理由ときついと感じたときの対処法
やめとけと言われる機械設計エンジニアの仕事内容
機械設計エンジニアの仕事は、さまざまな機械や設備の開発から保守に至るまで、ものづくりの全過程に関わることです。そこで、機械設計エンジニアの仕事内容を4つの段階に分けて解説します。
企画立案・構想設計
まず、機械の開発や製造を進めるための企画立案があります。顧客や社内の開発部門と連携し、機械に求められる機能や性能を整理するのが仕事です。
必要な技術や素材を選定したら、次の設計段階に進みます。企画段階では、市場調査や消費者のニーズの調査をし、それらを設計に反映させる力が求められます。
基本設計・レビュー
次に、CADツールを使いながら機械の基本設計を進めます。寸法や部品の配置を決定し、設計が完了すると機能性や安全性をレビュー・評価し、必要に応じて修正します。このプロセスを繰り返すことで、設計の精度を高めるのが「基本設計・レビュー」の仕事です。
詳細設計
基本設計を元に、機械の部品ごとの寸法や公差を定める詳細設計を行います。製品の品質と安全性を維持するために、誤差が許容範囲内であることを確認するのが目的です。詳細設計にしっかりこだわることで、不良品を減らし、効率的な製造が可能になります。
生産設計
最後におこなうのが生産設計です。量産に移る前にプロトタイプを製作し、その性能を評価、問題がなければ量産に移行します。
やめとけと言われる機械設計エンジニアのやりがい
機械設計エンジニアの仕事は決して楽ではありませんが、その中で得られるやりがいも大きいものです。以下の3つのポイントが、機械設計エンジニアの大きなやりがいとなります。
自分が設計したものが世の中で使われる喜び
機械設計エンジニアの醍醐味の一つは、設計した製品が世の中に出て、人々の生活や産業に役立つ瞬間に立ち会えることです。
自分が手掛けた製品が市場に出回り、実際に使用されている光景を見ると、これまでの努力が報われたことを実感できます。またそれが、次のプロジェクトに向けたモチベーションにも繋がります。
新しいものを自分で生み出せる楽しさ
機械設計エンジニアのもう一つの魅力は、新しい技術や製品を生み出すクリエイティブなところです。既存の製品の改善だけでなく、ゼロから新しい設計を生み出す機会も多くあります。単調なルーティーン作業とは異なり、創造的な問題解決に取り組めることが、大きなやりがいを感じさせてくれます。
チームで仕事をする達成感
機械設計エンジニアは、他の技術者や部署と連携しながらプロジェクトを進めることが多いです。そのため、複数の専門家が協力し合って困難な課題を乗り越えるとき、チーム全体としての達成感を得られます。
やめとけと言われる機械設計エンジニアの将来性
機械設計エンジニアの将来性は高いです。それを示す3つの根拠を解説します。
機械設計エンジニアの需要の拡大
近年、機械設計エンジニアの需要は大幅に広がっています。特に、円安の影響で日本の製品輸出が増加しており、それに伴って製造業も勢いを増しています。その結果、機械設備の設計や保守運用に対する需要が高まりました。
一方で、国内の技術者の数は減少傾向にあるため、優秀なエンジニアの需要はますます拡大しています。
求人動向の変化
機械設計エンジニアの需要は拡大していることは、求人動向からも見て取れます。
株式会社メイテックネクストのエンジニア求人動向調査によると、2020年と比較して2022年7月には求人件数が1.5倍以上増加しました。特に半導体やEV車関連のニーズ拡大が機械設計設計職の求人を押し上げています。
これらのことから、機械設計エンジニアのキャリアは今後も需要が高く、将来性があると考えられます。
日本製品の信頼性
日本製の製品は世界中で高く評価されています。特に、自動車や産業用ロボットの分野では、その技術力と品質の高さが認められています。
日本のものづくりに対する信頼性が高いことから、機械設計エンジニアの需要は国内外で安定する見込みが高いです。
関連記事:機械設計に将来性はある?今後の需要や必要とされるスキルとは
機械設計エンジニアに向いている人の特徴
機械設計エンジニアのキャリアを成功させられる人の特徴は次の3つです。
- 自分で調べながら改善ができる
- 同じ職場の人から積極的に学べる
- 本を読んで勉強できる
それぞれの特徴について解説します。
自分で調べながら改善ができる
機械設計は常に進化する分野であり、新しい技術や材料が次々と登場します。そのため、常に最新の情報を取り入れ、スキルをアップデートしなければなりません。
また、問題に直面した時にすぐ周囲に聞くのではなく、まずは原因を分析し解決策を探る意欲が必要です。自分で調べる習慣は、思考力の醸成につながります。
情報収集の際は、インターネットや書籍で調べるのが一般的です。
さらに、収集した情報は論理的に分析し、自分の仕事に活かせる知識に変換する必要があります。学んだ知識を自身の仕事に活かし、改善していきましょう。
同じ職場の人から積極的に学べる
同じ職場の先輩は、豊富な知識と経験を持っています。知識や経験が豊富な人の仕事ぶりを観察したり質問したりして、積極的に学びましょう。
自分の知識や経験に自信を持つことは大切ですが、同時に謙虚な姿勢も忘れないことが重要です。先輩の意見に耳を傾け自分の知らないことを積極的に学べると、成長スピードが速まります。
本を読んで勉強できる
機械設計に関する書籍は、技術的な知識やスキルを学ぶための貴重な資源です。本を読むと、自分の知識を体系的に構築できます。
また、本を読むためには、周囲の環境を整え、集中できる時間を作りましょう。
機械設計エンジニアをやめたくなったときの対処法
機械設計エンジニアとして働くうちに「やめたい」と感じることもあるかもしれません。機械設計エンジニアをやめたくなったときの対処法は主に3つです。
- 機械設計の仕事があわない場合は別業界へ転職する
- 職場の環境があわない場合は同業種へ転職する
- 給料を上げたい場合は大企業へ転職か独立を目指す
それぞれの方法について解説します。
機械設計の仕事があわない場合は別業界へ転職する
機械設計の仕事が自分にあわないと感じている場合は、思い切って別業界へ転職するのもひとつの選択肢です。機械設計エンジニアの専門知識やスキルは、さまざまな業界で活かせます。
転職活動する際は、自分のスキルや経験を棚卸しし、どのような業界・職種に活かせるかを分析しましょう。
職場の環境があわない場合は同業種へ転職する
職場の環境があわず、今の会社で働き続けるのが難しいと感じている場合は、同業種への転職も可能です。
同業種・同職種への転職の場合、過去の経験を高く評価してもらえるため、他業界に挑戦するより良い待遇を受けられるかもしれません。
転職活動する際には、自分がどのような職場環境を求めているかを明確にしておきましょう。
給料を上げたい場合は大企業へ転職か独立を目指す
給料を上げたい場合は、大企業への転職か独立を目指しましょう。
大企業は中小企業と比較して、給与水準が高い傾向があります。さらに、独立すれば、案件次第では会社員で働く以上の収入を得られるかもしれません。
ただし、大企業への転職は競争率が高く、独立には多くのリスクが伴います。
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関連記事:機械設計エンジニアは30代未経験でもなれる?転職成功のコツ
機械設計エンジニアはやめとけに関してよくある質問
機械設計エンジニアに関してよくある質問は次の3つです。
- 機械設計エンジニアに向いている人は?
- 機械設計エンジニアの平均年収はどの程度ですか?
- 機械設計エンジニアは人手不足ですか?
それぞれの質問について解説します。
機械設計エンジニアに向いている人は?
機械設計エンジニアに向いている人の特徴は、「細かい作業が得意」・「高いコミュニケーション能力」などです。
また、先ほど紹介した通り、機械設計エンジニアのキャリアを成功させられる人の特徴は次の3つです。
- 自分で調べながら改善ができる
- 同じ職場の人から積極的に学べる
- 本を読んで勉強できる
したがって、コツコツ努力できる人も機械設計エンジニアに向いているでしょう。
機械設計エンジニアの平均年収はどの程度ですか?
令和4年賃金構造基本統計調査を踏まえたデータによると、機械設計エンジニアの平均年収は606.2万円です。
一方で、令和4年分の民間給与実態統計調査によると、日本の給与所得者全体の平均年収は458万円です。
したがって、機械設計エンジニアに転職すると、高年収を狙える可能性があります。
参考:機械設計技術者 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
参考:令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁
関連記事:
・機械設計エンジニアで年収1,000万円|稼げるかは環境による
・【2024年最新】機械設計エンジニア年収ランキング|トップ5
機械設計エンジニアは人手不足ですか?
機械設計エンジニアは人手不足です。令和4年度の機械設計エンジニアの有効求人倍率は、2.64でした。
一方で、令和5年の日本全体の有効求人倍率は1.31です。
人材不足の影響もあり、機械設計エンジニアには未経験でも転職可能と言われています。したがって、知識やスキルは実務を通して学ぶケースが一般的です。
参考:機械設計技術者 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
参考:一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)について | 厚生労働省
機械設計エンジニアはやめとけについてのまとめ
今回は、機械設計エンジニアはやめとけと言われる5つの理由を中心に解説しました。
機械設計エンジニアは「やめとけ」と言われる可能性のある仕事です。やめとけと言われる理由は主に5つです。
- 機械設計以外の仕事も複数ある
- 地味な作業に飽きる
- 長時間のパソコン作業で運動不足になる
- 細かなミスが大きな損失につながるのでプレッシャーがある
- 納期に間にあわせないといけないので残業が多い
また、仕事をやめたいと感じた場合は、転職や独立でキャリアの再構築が可能です。一方で、機械設計エンジニアの平均年収は日本の給与所得者全体と比較して高い傾向があります。
これから機械設計エンジニアを目指しているのであれば、メーカーキャリアを活用して就職を検討してはいかがでしょうか。
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