あらゆるものを製造している製造業は、人々の生活に欠かせない業界の1つです。
需要が高く、未経験でも挑戦しやすいこともあり、人気の転職先と言えます。
そのため、異業種からの転職者も少なくありません。
しかし、未経験から製造業に転職する上で悩むのが「面接における自己PR」です。
「これから製造業で働く上で何をPRするべきなのか分からない」という人もいるのではないでしょうか。
今回は、製造業へ転職する場合の自己PRの書き方について、分かりやすく解説していきます。
【この記事でわかること】 ・自己PRを書く上で事前に行う準備 ・製造業に転職する際の自己PRを書くコツ ・自己PRを書く際の注意点 ・境遇別、業種別、業務別の製造業の自己PR例文 ・自己PRのNG例 |
製造業の自己PRを書く前の準備
魅力的な自己PRを考えるためには、3つの準備から始めていきましょう。
・自己分析
・企業分析
・要点を整理
どのような分析を行えばいいのか、各準備の詳細について解説していきます。
自己分析
自分を上手にPRするためには、自分を理解しておく必要があります。
頭の中で整理するのは難しいため、自分の特徴や経験について箇条書きしていきます。
箇条書きにする内容は多い方が良いため、レベルの高さや知識の深さに関係なく、思いついたものは全て書き出していきましょう。
資格や経験を重視しがちですが、人間性に関する特徴も書き出していきます。
企業分析
次は応募する業種や企業を分析していきます。
製造業には、食品製造業や自動車製造業などさまざまな業種があり、それぞれで求められる人材は異なります。各企業に関しても同様です。
業種ごとの主な仕事内容、各企業の経営理念などを詳しく調べた上で、どのような人材が活躍できるのか、必要となるのかを書き出していきましょう。
要点を整理
自分の強みや特徴、業界が求める人材の特徴を全て書き出した後は、共通する特徴を整理していきます。
共通する特徴は、積極的に自己PRすべき内容となりますので、まずはここで紹介した3つの準備から始めていきましょう。
製造業の自己PRを書くコツ
3つの準備が終った後は、製造業への転職で自己PRを書く際のコツを理解していきましょう。
主なコツは5つあります。
・製造業を選んだ理由を明確にする
・その会社を選んだ理由を明確にする
・貢献できることや目標を提示
・魅力的なエピソードを盛り込む
・集中力と体力をアピールする
ここでは5つのコツについて、製造業の特徴も踏まえながら解説していきます。
製造業を選んだ理由を明確にする
製造業は、他の職種にはない特殊な仕事内容が多く、良くも悪くもクセのある業種と言えます。
採用担当者にとって、なぜ他の仕事ではなく製造業を選んだのかは、重要なチェック項目となりますので、事前に考えた上で明確にしておきましょう。
製造業にもさまざまな業種があるため、なぜこの業種や職種を選んだのか、整理していきます。
その会社を選んだ理由を明確にする
なぜ当該の企業を志望したのかも、採用担当者にとっては大切なチェック項目です。
採用担当者は自社を希望した理由によって、会社に合っているのか、長続きしそうかを判断します。
明確に答えられない場合には、会社のホームページで事業内容や仕事内容、経営理念などを詳しく調べた上で、企業の特徴を理解することから始めていきましょう。
会社を選んだ理由を明確にすることで、自分の中での仕事に対する優先順位も定まりやすく、転職の失敗も防ぎやすくなります。
貢献できることや目標を提示
企業リサーチを行う場合は、具体的な仕事内容や業務について調べておくようにします。
どのような人材やスキルが求められているのか、理解できます。
理解した後は、自分がそれに対してどのように貢献できるのかを考えていきましょう。
全くの未経験で、何も貢献できる知識やスキルがない場合は、自分の人間性をどのように仕事へ活かしたいのかを考えていきます。
採用担当者は、採用時点でのスキルや知識だけでなく、仕事に対する熱意や姿勢もチェックしています。
魅力的なエピソードを盛り込む
経験や人間性を自己PRする際は、具体的なエピソードを盛り込むことで印象を強めやすくなります。
・「手先が器用」←プラモデル作りが得意であり、細かい部品加工や組み立てが好き
・「コミュニケーション能力が高い」←営業で顧客の要望をしっかり聞き出して対応した結果、売上で一位になった
このように、自分の特徴や人間性をただ伝えるだけでなく、なぜそのように言えるのか、魅力的なエピソードを盛り込むようにしましょう。
どうしても思い浮かばない場合には、家族や友人に過去のエピソードを聞いてみるのもおすすめです。
自分の客観的な評価ポイントを知ることができます。
集中力と体力をアピールする
製造業の仕事の多くは高い集中力と体力が求められます。
過去にどちらかの特性を表す魅力的なエピソードがあれば、積極的にPRしましょう。
・小物やアクセサリーを作るのが得意であり、細かい作業でも長時間集中し続けられる
・体を鍛えるのが好きで、健康的な食生活や毎日の筋トレを日課としている
中にはデスクワークもあり、全ての職種で集中力や体力が重視されるわけではないため、仕事内容に応じてPR内容を考えてみましょう。
高い集中力や体力が重視される仕事としては「製造業務・組立業務・検品業務」といった技能職があります。
製造業の自己PRを書く上での注意点
自己PRを書く際には、3つのことに注意が必要です。
・アピールポイントを厳選する
・短く簡潔にまとめる
・面接を意識して書く
自己PRでありがちな失敗も踏まえながら、3つの注意点について解説していきます。
アピールポイントを厳選する
自己PRでよくある失敗に「自分の特徴を多くPRしすぎる」といった内容があります。
たくさんPRポイントがあること自体は悪くないものの、文字数が限られており、エピソードなどが盛り込めなくなってしまいます。
結果、どの特徴も強い印象を残せなくては、意味がありません。
PRポイントは1〜2個に絞った上で、バランスの良い内容に仕上げていきます。
ただし、面接時に他のPRポイントについて質問される可能性もあるため、応えられるように準備しておきましょう。
短く簡潔にまとめる
次によくある失敗が「細かく伝えようとしすぎて何が言いたいか分からない」といった内容です。
採用面接官は、多くの応募者の履歴書を確認した上で、面接を行わなければなりません。
1人1人じっくり読んでいる時間がないため、短く簡潔にまとめるようにしましょう。
簡潔に分かりやすくまとめるコツとしては、文章を「結論→理由→根拠→再度結論」の順番で考えるようにしてみましょう。
面接官に口頭で答える場合も同様です。
面接を意識して書く
自己PRを考える場合、相手にバレないからと話を盛ったり、嘘の特徴を記入する人がいます。
話を盛るほど面接官にとっては、興味のある内容となりやすく、面接中に質問される可能性があります。
質問の際に、詳しく答えられなかった場合、自己PRのためだけに考えた内容だと思われてしまい印象が悪くなります。
自己PRの内容について質問されても、より詳しく説明できるような内容を書くようにしましょう。
関連記事:製造業の志望動機を書く7つのコツ|経験の有無別で例文も紹介
【境遇別】製造業の自己PRの例文
自己PRのコツや注意点について理解したものの、具体的なPR文が思いつかないといった人向けに、ここでは境遇別の例文を紹介していきます。
・同じ業界の同業種から転職する場合
・同じ業界だが別業種から転職する場合
・未経験から転職する場合
該当する境遇の例文を参考にしながら、自己PRを考えてみましょう。
同じ業界の同業種から転職する場合
まずは、製造業の同業種から転職する場合の自己PR例文です。
この経験で培った分析力とコミュニケーション能力を活かし、貴社の発展に貢献したいと考えております。
何が得意かだけを記載するのではなく、具体的な実績も載せることにより、採用後にどのような部署が最適なのかイメージしやすくなります。
同じ業界だが別業種から転職する場合
次は、製造業の別業種から転職する場合の自己PR例文です。
結果、部署ごとに決められた目標値を、3年間一度もオーバーしたことがありません。 貴社の組立作業に関しても、どのように動けば無駄がないかを考えながら、一定の品質を維持できるような作業者を目指します。
別業種に転職する場合は、過去の実績や経験を説明した上で、次の職場で活かせそうなスキルや自分の考えを伝えるようにしましょう。
未経験から転職する場合
未経験から転職する場合の自己PR例文は、以下のような内容となります。
従事していた3年の間、仕上がりに関してのクレームを受けたことは一度もありません。貴社の営業職でも、お客様の要望をくみ取り満足していただけるような営業マンになりたいと考えています。
過去の仕事で、応募する仕事に活かせそうな経験があれば、分かりやすく伝えるようにしましょう。
関連記事:製造業の志望動機が思いつかない未経験者向けの例文5選
【業種別】製造業の自己PRの例文
製造業には、主に以下のような業種が存在します。
・生産管理
・品質管理
・制御系のエンジニア
・電気系のエンジニア
・生産技術
・技術営業
ここでは、各業種別で自己PRの例文を紹介していきます。
生産管理
生産管理職に転職する場合の自己PR例文は、以下のような内容となります。
手荷物担当やフォークリフト集荷担当の集荷フローを見直した結果、集荷に掛かる時間の3割ほどの削減に成功しました。製造業での生産管理経験はありませんが、工程ごとに問題を見つけながら改善できた経験を活かし、円滑な製品製造に役立ちたいと考えております。
生産管理の仕事は、予想される需要や工場の生産能力を考慮した上で生産計画を立てるだけでなく、各工程の生産性の改善業務も行います。
そのため、過去にマネジメント経験がある場合は、経験を踏まえた自己PRを考えてみましょう。
品質管理
品質管理職に転職する場合の自己PR例文は、以下のような内容となります。
製造業の経験はありませんが、商品の機能性を理解した上で、工程ごとに品質チェックする業務でこれまでの経験を役立てたいと考えております。現在は、製造業における品質管理について学ぶため、QC検定に向けて勉強を進めています。
品質管理は、製品の品質基準を維持するための各種管理を行います。
完成した商品の検査はもちろん、組立前の部品ごとでも定められた品質を満たしているかのチェックが必要です。
過去に管理業務や、各種点検業務を行った経験がある場合には、自己PRに取り入れてみましょう。
制御系のエンジニア
制御系のエンジニアに転職する場合の自己PR例文は、以下のような内容となります。
電子機器などのプログラムを行い、ゼロからシステムを作り上げていくエンジニア業務では、問題解決能力が必須となります。
機械系のモノづくり経験などがある場合には、具体的な経験を踏まえながら自己PRを考えてみましょう。
電気系のエンジニア
電気系のエンジニアに転職する場合の自己PR例文は、以下のような内容となります。
電気系のエンジニアは、家電製品などの機械の電気や電子回路に特化した知識が求められます。
設計や開発を行うこともあるため、過去に設計ソフトや開発業務に携わった経験がある場合には、自己PRに取り入れてみましょう。
生産技術
生産技術に転職する場合の自己PR例文は、以下のような内容となります。
生産技術は、各製造工程の管理を行いながら、生産性の向上を目的とした設備設計などを行います。
職場を何らかの形で管理していたような経験がある人や、システムなどの管理を行っていた人は、経験を踏まえた自己PRにしてみましょう。
技術営業
技術営業に転職する場合の自己PR例文は、以下のような内容となります。
技術営業は、扱う機械の専門的な知識の他に、顧客の要望を汲み取るコミュニケーション能力や課題解決スキルが求められます。
過去に営業の経験がある人は、活かせそうなエピソードを踏まえた自己PRを考えてみましょう。
【業務別】製造業の自己PRの例文
最後は業務別・製造業の自己PR例文について紹介していきます。
具体的な仕事内容も踏まえて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
組み立て・加工
組み立て・加工業務に転職する場合の自己PR例文は以下の通りです。
組み立て・加工業務では、材料の加工や組み立て作業を行います。そのため、モノづくりに関する経験がある場合は、エピソードを交えながら得意な作業をPRしましょう。
また、体力仕事でもあるため、体を動かすような仕事に従事していた経験も自己PRに取り入れられます。
ライン作業
ライン作業に転職する場合の自己PR例文は以下の通りです。
ライン作業は、業種によって具体的な作業内容が異なります。
自動車や機械製造は、体を動かす大きな作業が多く、食品製造などは細かい作業がメインとなります。
ライン作業は自分が担当する工程を繰り返し行うため、単純作業の繰り返しなどを得意としている人は、エピソードを踏まえて自己PRを考えてみましょう。
機械オペレーション
機械オペレーションに転職する場合の自己PR例文は以下の通りです。
機械オペレーションの仕事は、機械に材料をセットしたり、加工データを入力したりします。
作業自体は機械が行うものの、研削スピードなどの微調整はオペレーターが行います。
過去に加工関係の経験がある人は、具体的な作業内容などを踏まえた自己PRを考えて見ましょう。
製造業の自己PRのNG内容
ここまで、製造業に転職する場合の自己PRの内容やコツについて解説してきましたが、記載してはいけない内容もあります。
具体的な内容は以下の通りです。
・不安を煽っている
・責任感を感じられない
・伝え方がネガティブ
・発言に根拠がない
・抽象的過ぎる
具体的にどのようなことを記載してはいけないのか、なぜNGなのか、詳しく解説していきます。
不安を煽っている
1つ目のNGポイントは「不安を煽っている」内容です。
自己PRできているものの、不安材料も同時にアピールしてしまっているため、採用担当者は本当に大丈夫なのか不安に感じてしまいます。
不安があること自体は問題ありませんが、自己PRへの記載は避けましょう。
責任感を感じられない
2つ目のNGな内容ポイントは「責任感を感じられない内容」であることです。
人を管理したり、余計な気を遣ったりする必要があまりない点も、適性があると感じています。
他の仕事の責任が重いから、製造業に来たような印象があり、採用担当者からすればいい気はしません。
いずれは管理職となっていくため、指示出しなどの業務も、こなしていかなければなりません。
伝え方がネガティブ
3つ目のNGな内容ポイントは「伝え方がネガティブ」であることです。
・人と話すのがとても苦手であり、黙々と作業に打ち込める製造業務が最適だと感じております
・頭で考えることが全くできないため、繰り返し作業の多いライン作業が向いていると思います。
考え自体は決して悪くないものの、ネガティブなことを例に適性をPRしてしまっています。
マイナス面も同時に伝わってしまっているため、採用されにくくなってしまいます。
発言に根拠がない
4つ目のNGな内容ポイントは「発言に根拠がない」自己PR文です。
自分に自信をもって自己PRすること自体は問題ないのですが、根拠が全くないため、説得力がありません。
また、具体的なエピソードがないと、入社後にどのような仕事を任せられそうであるかのイメージも湧きにくくなります。
抽象的過ぎる
5つ目のNGな内容ポイントは「抽象的過ぎる」自己PR文です。
自分をPRしたい気持ちは伝わってくるのですが、我慢強く頑張った結果、どのような実績があるのかが分からず、どのような人材なのかがイメージできません。
転職先の仕事内容を理解した上で、活かせるような経験やエピソードを詳しく記載するようにしましょう。
製造業の自己PRについてのまとめ
製造業の自己PRを考える際は、転職を希望する業種について理解することから始めましょう。
その後は、自分の長所や魅力を整理した上で、自己PRできそうな内容を1~2つピックアップしていきます。
自身の特徴をPRする際には、具体的なエピソードを取り入れながら簡潔にまとめていきます。
面接の際には、内容についての質問も予想されるため、質問を予想した上ですぐに答えられるようにしておきましょう。
製造・工場の仕事をお探しの方へ
メーカーキャリアは、製造業界に特化した転職支援サービスです 。
- 希望条件に合う求人のご紹介
- 履歴書など書類作成のサポート
- 企業との条件交渉/面接日程の調整
無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください。
求人を検索する(無料)