サービスエンジニアへの転職を考えている人の中には、よく似た職種である整備士との違いがわからない人も多いのではないでしょうか。
サービスエンジニアと整備士は働き方や資格の取り方などが異なります。サービスエンジニアは1人、もしくは少人数で出張して機械の保守やメンテナンスをする仕事です。一方、整備士は、行う作業内容自体はほとんど変わりませんが、自社の整備場内で作業します。
そこで今回は、サービスエンジニアと整備士の違いを仕事内容や必要な能力などの観点から解説していきます。両者の違いを理解したうえで、自分に合った方の職種に転職しましょう。
サービスエンジニアと整備士の違い
サービスエンジニアと整備士の主な違いは「働き方」と「資格の取得方法」の2つです。ここでは、働き方と資格の取得方法、それぞれがどのように異なるのか解説していきます。
働き方の違い
サービスエンジニアも整備士も機械の保守、メンテナンスや修理などを行う仕事です。サービスエンジニアは出張で行い、整備士は自社内の整備場で作業します。
サービスエンジニアは1人で出張して作業するため、顧客とコミュニケーションを取ったり作業場の環境にあわせて工具を使ったりする必要があります。
資格の取得方法の違い
整備士になるには、扱う機械(自動車、船舶、飛行機、など)ごとに必要な国家資格を取得する必要があります。しかし、サービスエンジニアは無資格でも就職可能です。
整備士の国家資格を取得するためには、大学や専門学校に通い、規定のカリキュラムに沿って学習しなければなりません。そのため、資格を取得し、卒業して働き始めるまでに3〜4年ほどかかります。
無資格でもサービスエンジニアにはなれますが、その分、入社後に受ける研修や講習が多いようです。また、働き始めた後も実務経験を積む中で自ら自主的に勉強する必要もあるでしょう。
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サービスエンジニアとは
サービスエンジニアは、機械の保守、点検、修理を行う専門職で、顧客の元に出向き、設備や機械のトラブルを迅速に解決する役割を担います。
整備士と似た職種ですが、工場など特定の拠点に留まらず、顧客先に赴いて作業をする点が大きな違いです。そこで、サービスエンジニアの仕事内容と必要とされる能力について解説します。
サービスエンジニアの仕事内容
サービスエンジニアの主な業務は、機械や設備の点検、保守、修理ですが、それに留まらず、機器の設置や導入時のセットアップ、操作指導なども行います。具体的には、次のような業務があります。
機械の定期点検:トラブルを未然に防ぐため、機械やシステムを定期的にチェックし、異常がないか確認します。
機械の保守・メンテナンス:長期的に機械を正常に稼働させるために、必要なメンテナンスを行います。特に摩耗部品の交換やオーバーホールが含まれます。
トラブル発生時の対応:急なトラブルが発生した場合は、迅速に原因を特定し修理することが求められます。
部品の交換やアップグレード:故障した部品の交換だけでなく、性能向上のためのアップグレードを行う場合もあります。
このような幅広い業務に対応するため、サービスエンジニアは顧客先での柔軟な対応が求められます。
場合によっては夜間や休日に対応が必要になることもあるため、時間管理やストレスへの対処も重要です。
サービスエンジニアに必要な能力
サービスエンジニアには、以下のような能力が求められます。
技術的知識:機械工学や電気工学の基礎知識はもちろん、最新の技術や機器の構造に関する知識が不可欠です。これにより、様々なトラブルに迅速かつ的確に対応できます。
コミュニケーション能力:顧客と直接やり取りをする機会が多いため、適切なコミュニケーション能力が重要です。トラブルの状況を的確に説明したり、修理後の使い方を教えたりする際に、分かりやすく説明する力が求められます。
柔軟性と問題解決能力:サービスエンジニアは、現場ごとに異なる状況に対応することが求められます。限られた時間や資源の中で、最適な解決策を見つけ出す問題解決能力が欠かせません。
顧客対応スキル:機械の修理やメンテナンスに対して、顧客が不安や疑問を抱えることも少なくありません。そのため、顧客の要望に寄り添い、丁寧な対応を行うことで信頼関係を築くことが大切です。
時間管理能力:出張が多いため、訪問先や作業時間を効率的に管理することが求められます。特に、複数の顧客を同日に対応する際は、スケジュールの調整力が重要です。
整備士とは
整備士とは、自動車などの機械の点検や修理を行う仕事です。基本的には、自社内の作業環境が整っている場所で作業します。そのため、チームで作業できたりさまざまな工具を使い分けたりできます。
整備士の仕事内容
整備士の主な仕事は、車両やその他の機械を安全に動作させるための点検や修理、メンテナンスです。具体的には以下の作業が含まれます。
機械の定期点検:定期的な車両点検を通して、異常がないかを確認します。例えば、エンジンオイルやブレーキパッドの状態を確認し、必要に応じて交換します。
保守メンテナンス:車両を最適な状態で維持するために、オイル交換やフィルター交換などの保守作業を行います。
部品の交換:消耗品や故障した部品を交換し、車両の性能を維持します。これには、タイヤ交換、バッテリーの交換、エアフィルターの取り換えなどが含まれます。
トラブル発生時の対応:エンジンの異音や警告灯の点灯など、顧客が直面したトラブルに対し、問題を特定して迅速に修理することが求められます。
安全検査:法的に定められた車検など、車両の安全性を確認し、道路運行に問題がないかを検査します。
整備士の仕事は、主に決められた勤務時間内で行われることが多く、出張や夜間・休日の対応が必要になることはほとんどありません。
整備士に必要な能力
整備士として働くためには、次のような能力が重要です。
チームワーク:整備士は、通常複数人でチームを組んで作業を行うため、メンバーとの円滑なコミュニケーションが求められます。大規模な修理やメンテナンスでは、各メンバーがそれぞれの役割を的確に果たすことが大切です。
専門知識:エンジン、電気系統、ブレーキシステムなど、車両の様々な部分を扱うため、専門的な知識が必要です。また、故障の原因を特定し迅速に対応できる分析力も求められます。
問題解決能力:車両のトラブルを迅速に診断し、最適な解決策を見つけ出す能力が不可欠です。限られた時間内で問題を解決し、顧客に満足してもらうためにも重要なものです。
効率的な作業管理:特に繁忙期などは多くの車両を短期間で修理・整備する必要があります。そのため、効率的に作業を進めるスキルも不可欠です。各作業の優先順位をつけ、限られた時間内でスムーズに作業を進めることが求められます。
関連記事:自動車整備士への転職は何歳まで?社会人から転職するコツと年齢制限
整備士がサービスエンジニアに転職するときの注意点
サービスエンジニアへの転職を考えている人の中には、すでに整備士などの技術職で働いている人もいるかもしれません。ここでは、整備士がサービスエンジニアに転職する際の注意点を4つ紹介します。
- 1人での作業が多い
- コミュニケーション能力が重要
- メインの仕事場が変わる
- 使える機器や工具が限られる
1人での作業が多い
自社内で作業を行う整備士とは異なり、出張するサービスエンジニアは基本的に1人で作業します。業務内容によっては2〜3人で行う場合もありますが、自分1人で全ての作業をこなせるようになっておくことが必要です。
整備士の場合、もし苦手な作業があっても他人の力を借りられますが、サービスエンジニアは自力で解決しなければなりません。今、苦手な作業やできない作業がある人は、転職前にできるようにしておきましょう。
コミュニケーション能力が重要
全ての作業を1人で行うサービスエンジニアはコミュニケーション能力も必要です。
作業前に顧客から問題や要望などをヒアリングしたり、作業が終わったら「どんな状態だったか」「何をしたか」「今後何に気を付けるべきか」などを説明したりする必要があります。
作業遂行力だけでなく、顧客とコミュニケーションをスムーズに取るスキルも身につけておきましょう。
メインの仕事場が変わる
サービスエンジニアは出張先で作業するため、作業環境が整備士とは異なります。具体的には、例えば「振動や騒音などで近所に迷惑をかけない」「壁や床を傷つけない」「汚さない」などの配慮が必要です。
特に、病院や介護施設、食品などの工場では、衛生面や安全面により深く注意する必要があります。
そのため、責任感を持つことが重要です。
使える機器や工具が限られる
出張先で作業するサービスエンジニアは、自社で作業する整備士とは異なり、使える工具が限られてきます。特に、持ち運びしにくい、大きな道具は使えないことも多いでしょう。
また、住宅や病院、学校などが近くにある場合は静かにする必要があります。そのため、騒音や振動が生じる工具、技術は控えるようにしましょう。
サービスエンジニアと整備士の違いについてのまとめ
サービスエンジニアと整備士の違いは、主に「働き方」と「職場環境」に現れます。サービスエンジニアは、出張して顧客のもとで機械の保守・修理を行うため、現場ごとに柔軟な対応が求められます。
一方で整備士は、自社内の整備場で作業を行い、決められた環境でチームとして働くことが多い職種です。両者は業務内容が似ているものの、作業場所やスタイルが異なる点が特徴です。
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