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フィールドエンジニアとサービスエンジニアに大きな違いはない|それぞれの仕事内容など

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エンジニアとは、特定の分野に特化して設計や開発、保守などに携わる技術者の総称です。

IoTエンジニア・ITエンジニア・システムエンジニアなど、約20種類のエンジニア職が存在します。

役割が似ているものもあり、具体的な違いが分からず悩む人も少なくありません。

中でも、フィールドエンジニアとサービスエンジニアの違いが気になる方もいるでしょう。

今回は、フィールドエンジニアとサービスエンジニアの違いについて、分かりやすく解説していきます。

この記事のまとめ
・フィールド、サービスエンジニアに大きな違いはない
・仕事内容は製品トラブルの解決や保守、メンテナンス、製品の営業がメイン
・MCPやITパスポートなど普段の仕事に活かせる資格がある

フィールドエンジニアとサービスエンジニアに大きな違いはない

現場作業員が会話する様子

結論から述べると、フィールドエンジニアとサービスエンジニアはほぼ一緒の職種です。

どちらも顧客の元に向かい、自社製品の保守・メンテナンス作業をしたり、故障した際に部品交換したりします。

強いて2つの違いを述べるとすれば、フィールドエンジニアの方が仕事の幅が広いと言えます。

新商品の営業や、製品導入に関する顧客サポートもフィールドエンジニアの仕事です。

ただし、サービスエンジニアとして、製品導入のサポートをしている人もいるため、明確な定義は存在しません。

「フィールド・サービス」エンジニアと似たエンジニア職種は3つある

2人の作業員が話し合う様子

フィールドエンジニアとサービスエンジニアは、ほぼ一緒の職種と解説しましたが、他にも似たような業務のエンジニア職が3つ存在します。

・カスタマーエンジニア
・サポートエンジニア
・セールスエンジニア

各エンジニア職がどのような業務をこなしているのか、解説していきます。

カスタマーエンジニア

カスタマーエンジニアも、顧客からの連絡を受けて現場に駆け付け、故障などに対応するのが役割です。

故障や異常よりも保守メンテナンスや使い方に関するサポートの方が多いと言えるでしょう。

明確な定義はないものの、複合機やPOSレジといったメーカーでは、この名前が普及しているイメージです。

サポートエンジニア

サポートエンジニアも、顧客やユーザーからトラブルなどの連絡が入った際に、対応する役割を担っています。

全ての現場に向かうわけではなく、チャットや電話にて症状をヒアリングしたうえで、解決方法を指示します。

ソフトウェアなどの場合は、リモートアクセスなどにより問題解決することも珍しくありません。

カスタマーエンジニアと同様に、使い方に関するサポートが多く、顧客からのフィードバックを収集し、状況共有する役割もはたしています。

セールスエンジニア

セールスエンジニアは、機械の保守・メンテナンスよりも、顧客のニーズに合わせて最適な製品やサービスを提案する業務の割合が多くなります。

一般的な営業職よりも、さらに詳しく機械の特徴や機能を説明するために、デモンストレーションを行うこともあります。

商品を紹介するだけでなく、顧客のニーズや課題をヒアリングしたうえで、具体的な解決アドバイスを提供するのが特徴と言えるでしょう。

あらゆる課題を顧客と一緒に解決しながら、良好な関係を維持する役割も担っています。

「フィールド・サービス」エンジニアの仕事内容|5選

デスクワークの様子

フィールド・サービスエンジニアは、機械の保守やトラブルを解消するなかで、具体的には以下のような仕事をこなします。

・製品のトラブルを解決する
・製品の設置をサポートする
・製品の保全・メンテナンスをする
・製品を営業する
・製品に関する「説明・報告」資料を作成する

ここでは、各仕事内容の詳細について解説していきます。

製品のトラブルを解決する

フィールド・サービスエンジニアならではの業務と言えるのが、故障や異常の解決です。

カスタマーサービスや、営業マンでは解決しきれないような問題が発生した際に、顧客の元へ向かい最短での解決を目指します。

扱う機械にもよるものの、普段の使用方法や問題の具体的な症状をヒアリングしたうえで、点検をしながら原因を追究します。

機械トラブルの主な原因
・設計ミスによる故障
・部品の劣化による故障
・現地の使用環境による故障
・誤った使用方法による故障

機械トラブルの原因が分かった後は、必要に応じて部品交換などを行い問題を最短で解決していきます。

大きな機械の場合は、部品交換における分解作業が難しく、高度なメカニカルスキルが求められます。

製品の設置をサポートする

操作に専門的な知識が必要な機械の場合、設置の際に顧客の元へ向かい各種サポートも行います。

具体的には、使用頻度などに応じた設置場所の提案や、設置後の各種設定があります。

操作が複雑な場合は、現地スタッフに対して操作教育を行うことも珍しくありません。

製品の保全・メンテナンスをする

機械を良好な状態で維持するための、定期的なメンテナンス業務も仕事の1つです。

対象となる機械を分解しながら、消耗品の交換や部品の洗浄を行います。

ただ、メンテナンスをこなすだけでなく、普段使用する中で気になる点がないかヒアリングを行い、必要に応じてアドバイスします。

製品を営業する

新商品や新しいサービスプランがでた際には、顧客のニーズに合わせて営業を行い、機械の導入やプランの変更を提案します。

ただ商品を紹介するのではなく、実際の業務でどのように活かせるのか、どう変わるのか顧客に合わせて詳しくプレゼンします。

しつこく営業をかけすぎると、他社へ切り替えられる可能性もあるため、顧客と良好な関係を維持するためのバランス調整も重要です。

製品に関する「説明・報告」資料を作成する

顧客のニーズを最も理解している立場を活かして、営業する際にはより具体的な資料を作成します。

顧客に納得してもらうには、普段から課題やニーズについてヒアリングを行い、良好な関係を保ち続けていなければなりません。

必要に応じて、開発部署や営業部署と連携しながら仕事を進めることもあります。

「フィールド・サービス」エンジニアに求められる3つのスキル

クリップボードを持つ技術者

フィールド・サービスエンジニアとして働くうえで、必須となる資格はありません。

しかし、機械のあらゆる異常を解決し、顧客と良好な関係を保ち続けるには、以下のようなスキルが欠かせません。

・製品に関しての知識
・クレーム対処能力
・コミュニケーション能力

上記3つのスキルについて、具体的な業務内容を踏まえながら解説していきます。

製品に関しての知識

フィールド・サービスエンジニアは、機械の設置や設定、導入後の保守・メンテナンスなどさまざまな業務をこなします。

故障した際には、細かく点検しながら原因を見つけ出さなければならず、製品に関する幅広い知識が必要です。

機械に関する構造だけでなく、各種設定や機能の詳細について理解しておく必要があります。

一度覚えてしまえばいいというわけではなく、商品が改良されるたびに学び直さなければなりません。

クレーム対処能力

機械の故障などで顧客のもとへ向かう場合、叱責されることも珍しくありません。

故障の原因に関係なく、会社の代表として顧客からの意見を素直に受け止めます。

良好な関係を保つためには、たとえ相手が悪いような状況でも、反論することなく大人の対応が求められます。

開発部署や営業部署との板挟みになるケースもあり、ストレス耐性もエンジニアにとっては必要な能力と言えるでしょう。

コミュニケーション能力

フィールド・サービスエンジニアは、ただ機械をなおすだけでなく顧客と良好な関係を築く役割を担っています。

保守・メンテナンスの際には、積極的に話しを聞くようにして、信頼を得ることが重要です。

故障した際は、顧客に納得してもらうための分かりやすい説明が求められます。

「フィールド・サービス」エンジニアが取得すべき資格|3選

女性がデスクワークをこなす様子

フィールド・サービスエンジニアとして働くうえで、必須となる資格はないものの、業務に活かせる関連資格は複数あります。

・MCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)
・機械設計技術者試験
・ITパスポート

資格を取得することで、エンジニアとしての実力の証明にもなり、キャリアアップにも役立ちます。

ここでは、3つの資格について解説していきます。

MCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)

MCPとは、マイクロソフト社が提供する技術者認定プログラムで、Microsoftの製品に関する知識や関連スキルを証明するためのものです。

マイクロソフトの製品を扱うIT機器メーカーで働く場合におすすめの資格と言えるでしょう。

フィールド・サービスエンジニア以外にも、AIエンジニアやセキュリティエンジニアなどの仕事でも活かせます。

参考:ベンダー資格一覧|専門学校二ホン国際ITガレッジ

機械設計技術者試験

機械設計技術者は、設計者としてのスキルや知識を証明するための資格です。

機械工学についてより詳しく学べることから、故障の診断や最適な修理方法の選択などに役立ちます。

資格は1級・2級・3級に分けられており、入門編となる3級には特別な受験資格が設けられていないため、誰でも受験できます。

参考:一般社団法人 日本機械設計工業会

ITパスポート

ITパスポートは、情報処理技術者試験の1つで、ITに関する基礎的な知識を証明できる資格です。

IT系エンジニアを目指す人を中心に、毎年20万人が受験する人気資格です。

毎年の合格率は5割前後で推移しており、現役エンジニアはもちろん、これから転職活動を始めるという人にもおすすめです。

参考:ITパスポート試験|IPA独立行政法人 情報処理推進機構

「フィールド・サービス」エンジニアの求人探しは転職エージェントがおすすめ

オフィスを社員が歩く様子

これからエンジニア職への転職活動を進める場合、転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントとは、経験豊富なキャリアアドバイザーによる転職サポートを受けられるサービスで、無料で誰でも利用できます。

希望条件に応じた求人の紹介を受けられたり面接日程の調整・各種書類の添削などを受けたりできます。

エンジニア職への転職に関しては、製造業の求人を中心に扱う「メーカーキャリア」がおすすめです。

アドバイザーの丁寧なサポートが受けられるのはもちろん、非公開求人を多数扱っています。

「フィールド・サービス」エンジニアに関するよくある質問

パソコンで調べ物をする様子

最後は、フィールド・サービスエンジニアに関する、3つのよくある質問に答えていきます。

・「フィールド・サービス」エンジニアに向いている人は?
・「フィールド・サービス」エンジニアの年収はいくら?
・「フィールド・サービス」エンジニアがやめとけと言われる理由は?

エンジニアを目指すかどうか検討するうえで役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。

「フィールド・サービス」エンジニアに向いている人は?

エンジニア職に向いているのは、以下のような人です。

・機械をいじるのが好きな人
・人の役に立つのが好きな人
・人と話すのが好きな人
・ストレス耐性のある人

エンジニアの仕事をこなすうえで必須と言えるのが「機械が好きであること」です。

また、直接顧客と向き合う仕事であるため、人と話すのが好きで叱責されることがあっても耐えられる、ストレス耐性のある人も向いています。

無事にサポートできた際は、直接顧客から感謝の言葉をかけてもらえる機会も多く、人の役に立つのが好きな人も向いていると言えるでしょう。

「フィールド・サービス」エンジニアの年収はいくら?

フィールド・サービスエンジニアの年収は、所属する業種やメーカーによって異なります。

令和4年における、産業用ロボットの保守・メンテナンスに従事するエンジニアの平均年収は、515万2,000円です。

全産業の平均年収が500万円に満たないことから、収入は高水準と言えるでしょう。

出典:職業情報提供サイトjobtag|産業用ロボットの保守・メンテナンス|厚生労働省

「フィールド・サービス」エンジニアがやめとけと言われる理由は?

フィールド・サービスエンジニアについて調べると「やめとけ・底辺職」といった、ネガティブな情報もあります。

エンジニアはやめとけと言われている主な理由は、以下の通りです。

・トラブルに対するプレッシャーが大きい
・顧客の都合に合わせるので勤務時間が不規則
・クレーム対応が大変
・常に学び続けなければならない

エンジニアは、機械のあらゆる異常に対応しなければならず、修理が長引くほど顧客に迷惑がかかります。

基本的に1人で対処しなければならず、プレッシャーの大きい仕事と言えるでしょう。

故障の原因に関係なく、メーカーの代表として顧客に対応するため、クレーム対応も大変です。

一方で、メーカーにとって欠かせない存在で需要が高く、高収入を目指せるといった魅力もあります。

決して楽な仕事ではないものの、底辺職ではありません。

「フィールド・サービス」エンジニアの違いに関するまとめ

作業員が遠くを見つめる様子

フィールドエンジニアとサービスエンジニアは、機械のメンテナンスや修理対応する役割を担っており、仕事内容に大きな違いはありません。

カスタマーエンジニアやセールスエンジニアに関しても、具体的な業務内容に若干の違いはありますが、機械に関するサポートがメイン業務です。

さまざまな問い合わせや故障に対応しなければならず、製品に関する知識や顧客と良好な関係を保つコミュニケーション能力が求められます。

しかしながら、転職するうえで必須となる資格はなく、未経験者でも応募可能な求人も多くあります。

転職エージェントを活用するなどして、フィールド・サービスエンジニアへの転職活動を進めてみてください。

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この記事を書いたライター

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