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消防設備士の業務範囲と具体的な仕事内容|甲種と乙種の違い

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消防設備士の業務範囲と具体的な仕事内容|甲種と乙種の違い

消防設備士について紹介している記事です。消防設備士の資格は細かく分かれているため、それぞれでできる範囲が異なっています。

資格の種類や、その資格でできること、資格の取り方などを解説しています。

この記事を読めば、消防設備士の大枠を理解することができるので、最後まで一読してください。

関連記事:危険物取扱者とは?仕事内容や資格の取得方法を詳しく解説

消防設備士とは:消火・警報設備の点検整備する人

消防設備士とは:消火・警報設備の点検整備する人

消防設備士とは、劇場や商業施設や、ホテルなどの建物に備え付けられている消火栓やスプリンクラーなど、

消防用設備の設置工事や整備を行うために必要な国家資格を持っている者を指します。

関連記事:主任技術者って何?なり方や仕事内容、関連資格を解説!

消防設備士の仕事内容

消防設備士の仕事内容

消防設備士の主な仕事は、消防用設備などの工事や整備、点検などです。

各項目ごとに点検を行い、消防用設備が正常に動くか確認したり、整備を行ったりすることが主な仕事内容となります。

関連記事:施工管理技士とは?種類や仕事内容について詳しく解説!

消防設備士の種類

消防設備士の種類

まず、消防設備士は「甲類」「乙類」に分けられています。甲類消防設備士は、消防用設備の工事・整備・点検ができます。

乙類消防設備士は、消防用設備などの整備と点検ができます。つまり甲類と乙類の違いは工事ができるかできないかです。

その中で消防設備士の資格には「特類・1類・2類・3類・4類・5類・6類・7類」と合計で8種類あり、それぞれ扱える消防設備が異なります。

どう違うか紹介していきましょう。

特類消防設備士

特類消防設備士は、特殊消防設備などを扱える資格を持っています。

特殊消防設備とは、従来の消防用設備などと比較したときに、総務大臣が同等以上の性能があると認定した設備のこと指します。

特殊消防設備は、超高層建築物や巨大複合施設など大規模な建物に配置されていることが多いです。

第1類消防設備士

第1類消防設備士は、消火栓やスプリンクラーなど、誰もが目にしたことのある消防設備を取りあつかえる資格を持ちます。

消火栓やスプリンクラーは、ホテルや商業施設、学校などさまざまな建物に設置されています。

たくさんの建物に設置されている分、活用する場面も多いため、持っておいて損のない資格と言えるでしょう。

第2類消防設備士

第2類消防設備士は、泡系の消火設備を取りあつかえる資格を持っています。

泡消火設備が用いられているところは、商業施設などの駐車場やヘリポートなどです。

こういったところは水による消火方法では適さない油火災であるため、泡の冷却効果と油膜を泡で覆うことで窒息効果が発揮するので使われています。

第3類消防設備士

第3類消防設備士は、ガスを使った消火設備を取りあつかえる資格を持っています。

ガスを用いる消火設備は、IGガス設備・ハロゲン化物消火設備などです。

水や泡の消火設備と違い、消火後に電気製品(PC・サーバーなど)や美術品の汚染が少なく、消火後の復旧も早いのが特徴です。

電気室や美術館、精密機械、電気通信室などに設置されています。

第4類消防設備士

第4類消防設備士は、火災報知設備を取りあつかえる資格を持っています。

火災報知設備は、商業施設やホテル、映画館だけでなく、マンションや住宅などにも設置されているため、消火設備の中でも特に設置数の多いものです。

ほとんどの建物に設置されているので、特に需要の高い資格と言えるでしょう。

消火設備に関わる会社で働く人であれば、必ず取得しておきたい資格であるとともに、電気工事関係の会社で働く人も持っておきたい資格です。

第5類消防設備士

第5類消防設備士は、災害時などに建物から避難するときに使用する避難器具を取りあつかえる資格を持ちます。

学校や病院、ホテルなどに設置されていることが多いですが、消火栓や火災報知器と比べると設置箇所が少ないため、あまり需要のある資格とは言えません。

しかし、避難器具は火災などの災害時に人々の命を助ける大切な設備であるため、消防設備士として働くのであれば持っておいて損のない資格です。

第6類消防設備士

第6類消防設備士は、消火器を取りあつかえる資格を持ちます。第6類は消防設備士は、乙種だけの資格となります。

普段見かけることの多い消化器だけに設置している施設はとても多いので、消防設備士の中で特に需要の高い資格と言えるでしょう。

実際受験資格もないので、誰でもとれるということで人気の高い資格です。初めて消防設備士の資格を取得する人におすすめです。

第7類消防設備士

第7類消防設備士は、漏電火災報知器を取りあつかえる資格を持っています。

第6類と同じく甲種がなく、乙種のみの資格となります。漏電火災報知器とは、漏電を検知し警報を発報する装置のことを指します。

ラスモルタル造の建築物(下地などが準不燃材料以外のものでつくられた鉄網入りの壁、床または天井のある建築物)に漏電電流が流れると、

鉄網が熱せられて火災が起こる危険性があるため、この漏電電流を検出し、発報することを目的としています。

関連記事:【建設業界まるごと解説③】建設業の資格を取ろう!役立つ18の資格と効率的な勉強方法まとめ

消防設備士の受験資格

消防設備士の受験資格

消防設備士の資格の取り方について紹介していきましょう。

消防設備士は工事・点検・整備のできる「甲類」点検・整備のできる(つまり工事ができない)「乙類」の2種類に分かれています。

その2つも受験資格が異なってくるため、それぞれ説明していきましょう。 

乙類の消防設備士になるための受験資格は特にありません。希望すれば誰でも受験することができます。

しかし、甲類の消防設備士になるためには受験資格の条件があります。下記のどれか1つに当てはまれば受験が可能になるので、しっかり確認しましょう。

  1. 大学・短期大学・高等専門学校で機械・電気・工業化学・土木・建築に関する学科を修めて卒業したもの
  2. 電気工事士・建築士の資格を持つ者
  3. 乙種消防設備士の資格を取得後、2年以上の実務経験を有する者

また、特類消防設備士の受験資格を得るためには、甲類第1類から第3類までのいずれか1つ、甲類第4類および甲類第5類の計3種類以上の免状の交付を受けていることが条件となります。

消防設備士の試験内容

消防設備士の試験内容

資格試験の内容や合格基準は、乙類と甲類で異なっています。

乙種

乙種の資格試験は、筆記試験と実技試験の2種類あります。

筆記試験

4者択のマークシート方式で、消防関係法令、基礎的知識、構造・機能・整備の3科目から出題され、問題数の合計は30問あります。

合格基準は、各科目が40%以上、合計で60%以上の成績を修めることとされています。

実技試験

乙種の実技試験では、鑑別などを行います。

実技という名前がついてますが、実際はペーパーテストで、消化器やスプリンクラーなどの写真やイラストなどを見ながら、記述式で回答する問題が出題されます。

消火設備の操作方法や作業手順など、実際の現場で必要な知識が問題として出題されるため、実技試験と呼ばれています。

全部で5問出題され、60%以上の成績を修めることが合格の基準とされています。

乙種の合格率は、種類によって全く異なります。

過去5年間の合格率をまとめました。

種類 合格率
第1類 30.8%
第2類 36.6%
第3類 29.9%
第4類 32.4%
第5類 42.5%
第6類 37.9%
第7類 59.1%

甲種

甲種の資格試験は、乙種と同様に筆記試験と実技試験の2種類あります。ただし特類だけは、筆記試験のみとなり、出題科目も少し異なります。

筆記試験

4者択一のマートシート方式で、消防関係法令、基礎的知識、消防用設備などの構造・機能・整備の3科目から出題され、問題数の合計は45問あります。

特類も4者択一のマートシート方式ですが、出題科目が工事設備対象設備などの構造・機能・工事・設備、火災および防火、消防関係法令の3科目となっています。

各科目15問で合計45問出題されます。

合格基準は、各科目が40%以上、合計で60%以上の成績を修めることとされています。

実技試験

甲種の実技試験は、鑑別などから5問、製図から2問出題されます。

実技という名前ですが、記述式のペーパーテストで鑑別などは消火設備の写真やイラストを見ながら機器の名称や用途を答える問題が出題されます。

製図では、解答用紙に配線などを書き込む問題が出題されます。乙種と違い、甲種のみにある製図が、こちらが難題とされ受験生を苦しめているそうです。

合格基準は、各科目が40%以上、合計で60%以上の成績を修めることとされています。

甲種の合格率は乙種よりやや低い傾向にあります。過去5年間の合格率をまとめました。

種類 合格率
特類 23.2%
第1類 25.5%
第2類 35.1%
第3類 30.4%
第4類 32.3%
第5類 34.5%

消防設備士の筆記試験が免除される資格

消防設備士の筆記試験が免除される資格

消防設備士試験では、電気工事士の資格などを持っている場合、それぞれの筆記試験の一部が免除とされます。

詳しく紹介していきましょう。

電気工事士

電気工事士の資格を持っている人は、消防関係法令を除く「基礎的知識」「構造・機能および工事・整備」の「電気に関する部分」が免除となります。

さらに実技試験では、甲種・乙種の第4類「鑑別試験の1問」、乙種第7類では全問が免除となります。

電気主任技術者

電気主任技術者の資格を持っている人は、消防関係法令を除く「基礎的知識」「構造・機能および工事・整備」の「電気に関する部分」が免除となります。

技術士

技術士の資格を持っている人は、「基礎的知識」「構造・機能および工事・整備」が免除となります。

関連記事:技術士って何?仕事内容やなり方についてわかりやすく解説

消防設備士に関するまとめ

消防設備士に関するまとめ

消防設備士は甲類・乙類を含めると全部で8種類ととても細かく分かれています。

全部を取得する必要はありませんが、1つだけでなく自分にとって必要なものをいくつか取得すれば大きな武器になるでしょう。

まずは1種類から始めて、2種類目3種類目とチャレンジしていってくださいね。

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