不動産業界に就職、転職を検討している方の中には、「業界で働く前に、内部情報を把握しておきたい」と考えている人もいるでしょう。
不動産屋で働いていてわかったことの例として、「実力主義である」「昔、ヤンチャだった人が多い」「暇そうな不動産屋でも普通に食べていけている」などがあります。
業務内容や構造が複雑な不動産会社ですが、働いている人は業界についてどう思っているのでしょうか。デベロッパーや街の不動産屋さんで働いている人の意見を参考に解説します。不動産業界を深く知りたい人は、ぜひ最後まで読んでください。
【不動産屋に聞いた】働いていてわかったこと
不動産屋に聞いた働いていてわかったことは、次の7つです。
- 実力主義である
- 拘束時間は長いが体力的なきつさはない
- 学生時代、わんぱくだった人が多い
- 勉強が苦手な人が多い
- 高度な知識が要求されるわけではない
- お客さんの利益より会社の利益を優先するような風潮がある
- 暇そうな不動産屋でも普通に食べていけている
それぞれについて解説します。
1. 実力主義である
不動産業界は、一般的に実力主義です。実際に、多くの不動産会社が実力主義を取り入れており、営業成績によって給与が決まります。
実力主義は、個人の努力が収入に直結しやすいメリットがある一方、プレッシャーが大きかったり給料の変動が激しかったりするデメリットもあります。
2. 拘束時間は長いが体力的なきつさはない
不動産会社の拘束時間は、一般的な企業よりも長いのが特徴です。土日祝日も営業している場合が多く、夜勤や早朝勤務もあるため、ワークライフバランスが取りにくいデメリットがあります。
ただし、「体力的なきつさはない」との意見が多いです。
3. 学生時代、わんぱくだった人が多い
不動産業界は、コミュニケーション能力や交渉力などが重要視されるので、活発な性格の人が多いと言われています。その結果、「学生時代、わんぱくだった」との声も多いようです。
一方で、幼少期から真面目で誠実だった人も多く働いています。
4. 勉強が苦手な人が多い
不動産業界は実力主義のため、高度な学歴や専門知識がなくても働ける職種があります。その結果、不動産会社では、「勉強が苦手な人が多い」という声も聞かれます。
ただし、法令や建築に関する知識が求められるので、入社後に勉強に注力する人も多いです。
5. 高度な知識が要求されるわけではない
業務内容によっては、高度な知識や専門スキルが要求される場合もありますが、基本的にはOJTで学べます。
※OJTとは、On the Job Trainingの略で、上司などが部下などに対して、業務を通じて知識やスキルの指導をする方法です。
6. お客さまの利益より会社の利益を優先するような風潮がある
会社によって異なりますが、お客さまの利益より会社の利益を優先するような風潮があるようです。お客さまとの信頼関係を築くためには、相手の目線に立った対応が重要です。
7. 暇そうな不動産屋でも普通に食べていけている
地域や会社によって状況は異なりますが、不動産の売買や賃貸の仲介は高額な手数料が発生します。その結果、暇そうな不動産屋でも一定の取引があれば、大きな収益を得られます。
したがって、一見すると暇そうな会社に見えても、実は十分な収入を得ている可能性があります。
働いてわかった街の不動産屋が潰れない理由
街の不動産屋が潰れない本当の理由は、主に5つです。
- シンプルなビジネスモデル
- ストックとフロー収益がある
- 固定費が少ない
- 参入障壁の高さ
- 不動産を多数保有しているケースがある
それぞれについて解説します。
1. ビジネスモデルが非常にシンプル
不動産屋のビジネスモデルは、基本的に「仲介手数料」と「管理手数料」で成り立っています。具体的には、売り手と買い手、あるいは貸し手と借り手の間を仲介して手数料を得る仕組みです。
不動産のビジネスモデルは非常にシンプルで、理解しやすいと言われています。
2. ストックとフロー収益がある
不動産屋の収益は、大きく分けて「ストック収益」と「フロー収益」の2つがあります。ストック収益は、所有する不動産から得られる賃料収入です。一方、フロー収益は、不動産売買や賃貸の仲介で得られる手数料収入です。
ストック収益は安定して得られる収入のため、経営の安定化に貢献します。一方、フロー収益は変動性がありますが、ストック収益と組み合わせることで、全体収益の底上げにつながります。
3. 固定費が低い
不動産屋の固定費は、人件費と家賃が主なものです。街の不動産屋は小規模で営み、人件費を抑えているケースが多いです。また、所有するビルの一角を事務所にしているケースも多いので、家賃も抑えられます。
さらに近年では、IT技術の発展により、オンラインでの業務効率化が進んでいます。その結果、人件費や家賃などの固定費をさらに削減できるかもしれません。
4. 参入障壁の高さ
不動産業は、事業を営むために、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けなければなりません。その結果、不動産業への参入障壁が高くなります。
また、不動産事業には、仕入れが必要です。不動産の仕入れは、一般的な情報だけでは不十分と言われています。長年、地域に根付いてビジネスを営んできた街の不動産屋だからこそ、得られる情報が数多くあるようです。
参考:建設産業・不動産業:宅地建物取引の免許について|国土交通省
5. 不動産を多数保有しているケースがある
多くの街の不動産屋は、自ら不動産を保有しています。保有する不動産は、収益を生み出す資産です。所有する不動産から得られる賃料収入は、経営の安定化につながります。
また、保有する不動産を売却すれば、まとまった利益を得ることもできるでしょう。
街の不動産屋で働くのはありか?
街の不動産屋への就職は、一般的には、「あり」と言われています。ただし、街の不動産屋での勤務はメリットだけでなく、デメリットもあります。
地域の人と関わったり、さまざまな業務に携わったりしたいのであれば、街の不動産屋への就職は適しているのかもしれません。
街の不動産屋で働くメリット
小規模な不動産屋で働くメリットは、次の通りです。
- 地域密着型の仕事で、お客さまとの深い信頼関係を築ける
- 幅広い業務に携わり、さまざまなスキルを身につけられる
- 独立開業への道が開ける
街の不動産屋は、地域に根差した営業活動を行うため、お客さまとの距離が近く、深い信頼関係を築きやすい環境です。また、街の不動産屋では、大手企業のように業務を細分化していないケースが多く、一気通貫して経験を積める可能性が高くあります。
街の不動産屋で働くデメリット
街の不動産屋で働くデメリットは、次の通りです。
- 収入が安定しない
- 転職したいときのアピールに苦戦する場合がある
- ノルマやプレッシャーがある
街の不動産屋の収益は、成約件数に大きく左右される可能性があります。景気の影響を受けやすく、売買や賃貸の需要が低迷すると給料への影響もあるでしょう。
また、街の不動産屋では、過度なノルマを課せられる場合があり、プレッシャーを感じる人もいるようです。
不動産屋で働いててわかったことに関してよくある質問
不動産屋への就職や勤務を検討する際に、よくある質問は主に5つです。
- Q.インセンティブの比重が多い企業を狙うべきですか?
- Q.女性でも不動産屋に就職して大丈夫ですか?
- Q.不動産業界ならびに営業経験もないのですが就職できるでしょうか?
- Q.給与体系はどうなっていますか?
- Q.不動産業界の経験がなくても独立してやっていけますか?
それぞれについて解説します。
Q.インセンティブの比重が多い企業を狙うべきですか?
A. 一概には言えないようです。
インセンティブの比重が多い企業は、高い収入を得られる可能性がある一方、安定した収入を得にくいリスクもあります。
もし、高い収入を目指したいのであれば、インセンティブの比重が多い企業を選択しましょう。
Q.女性でも不動産屋に就職して大丈夫ですか?
A. 不動産業界で働く女性の割合は増えてきています。
近年、女性でも働きやすい環境を整える企業が増えています。不動産業界で働く女性の割合は、2015年時点で女性が41.4%でした。女性の割合は、ますます増えているようです。
就職を検討する場合は、職場に占める女性の割合や労働環境に関する社内制度などを事前に確認しておきましょう。
Q.不動産業界ならびに営業経験もないのですが就職できるでしょうか?
A. 不動産業界ならびに営業経験がなくても、就職できるケースは多くあると言われています。
不動産業界は、未経験者でも若い世代を中心に採用している企業が多いです。研修制度が充実している企業も多いので、安心して働けます。
一方で、40代以降の転職では、業界に関する資格取得有無などが問われるかもしれません。
Q.給与体系はどうなっていますか?
A. 企業によって異なりますが、「基本給+インセンティブ」が一般的と言われています。
基本給は、勤続年数や役職に応じた定額支給です。一方のインセンティブは、営業成績によって支給されます。その結果、成績次第では、若い時期から高い給料を得られる可能性も十分にあるようです。
Q.不動産業界の経験がなくても独立してやっていけますか?
A. 可能ですが、簡単ではないと言われています。
不動産業界は、専門知識や経験が重視される業界です。不動産屋での勤務経験がない場合は、独立前に必要な専門知識や経験を身につける必要があります。
また、不動産屋での勤務経験がない場合、集客に苦労する人が多いと言われています。
不動産屋で働いててわかったことについてのまとめ
今回は、不動産屋で働いている人の知見を中心に解説しました。
不動産屋に聞いた「働いてみてわかったこと」は次の7つです。
- 実力主義である
- 拘束時間は長いが体力的なきつさはない
- 学生時代、わんぱくだった人が多い
- 勉強が苦手な人が多い
- 高度な知識が要求されるわけではない
- お客さんの利益より会社の利益を優先するような風潮がある
- 暇そうな不動産屋でも普通に食べていけている
不動産業界の内部を理解でき、これから「やっていけそう」と感じているのであれば、チャレンジしてはいかがでしょうか。
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