トラック運転手の向き不向きは短中距離か長距離かで変わる

あらゆる業界に欠かせない存在で需要が高く、高収入も目指せるトラック運転手は、人気の転職先となっています。

近年は運転手不足が深刻化しており、未経験からでも転職しやすいタイミングと言えるでしょう。

しかしながら「本当にトラック運転手としてやっていけるのか」と、自分に適性があるのか不安に感じている人もいるのではないでしょうか。

今回は、トラック運転手に向いている人や向いていない人の特徴を中心に、分かりやすく解説していきます。

トラック運転手の離職率や求められるスキルなども解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること ・短距離トラック運転手の向き不向きについて ・長距離トラック運転手の向き不向きについて ・トラック運転手自体が向いていない人の特徴 ・トラック運転手に求められるスキル

トラック運転手の仕事に向き不向きはある

トラック運転手には、さまざまな魅力がありやりがいのある仕事ですが、決して楽しいことばかりではありません。

トラック運転手として働き始めた人の中には、仕事が合わずに辞めてしまう人も少なからずいます。

トラック運転手への転職で失敗しないためには、具体的な仕事内容について理解しておくことが大切です。

ここでは、トラック運転手の離職率や、具体的な仕事内容を解説していきます。

トラック運転手の離職率

厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、高卒で就職後3年以内に離職した人の割合は、運輸業・郵便業で32.8%となります。

全産業の平均は35.9%であることから、突出して離職率が高いと言うわけではありません。

ちなみに離職率が最も高いのは「宿泊業・飲食サービス業」の61.1%であり、最も低いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」で9.2%でした。

運輸業・郵便業は18業種のうち14番目に位置しており、離職率は高くないと言えるでしょう。

しかしながら、3人に1人は3年以内に辞めていることになります。

ちなみに大卒で運輸業を3年以内に離職した人の割合は25%であり、こちらも他の産業と比べると低いと言えます。

出典：新規学卒就職者の離職状況｜厚生労働省

トラック運転手の主な仕事内容

トラック運転手は、文字通りトラックを運転するのが仕事であり、さまざまな荷物を配達先まで送り届ける役割を担っています。

集配先で荷物を積み込み、配達先まで運転を行い、到着した後は荷物を降ろすまでが主な仕事内容となります。

しかし、一口にトラック運転手と言っても、運転する車両のサイズや配送距離は会社によって異なります。

また、配送する荷物によっても具体的な業務内容に違いがあり、辛さや大変さは全員同じというわけではありません。

【短中距離トラック運転手の場合】

短中距離トラック運転手の主な種類	・宅配便運転手：集配所で荷物を積み込み個人宅やオフィスに荷物を届ける ・ルート配送運転手：毎回決まったコンビニやスーパーへ時間通り商品を送り届ける ・廃棄物収集運転手：指定のゴミ収集を行い、集積所へ運ぶ
短中距離トラック運転手の辛さ	・手積みが多く、再配達などにも対応しなければならない ・ルート配送の場合は、仕事がマンネリ化しやすい ・長距離配送に比べて給料が低い傾向にある
短中距離トラック運転手の魅力やメリット	・長時間労働になりにくく、自宅に帰れる ・車両サイズが小さいため、未経験でも挑戦しやすい ・スケジュールがある程度決まっており、プライベートの計画を立てやすい

【長距離トラック運転手の場合】

長距離トラック運転手の主な種類	・ルート配送運転手：各地方の拠点間の幹線輸送を行う ・引越し業者の運転手：遠方の引越し先へ荷物を送り届ける
長距離トラック運転手の辛さ	・泊りがけで配達先に向かうことが多く、長時間拘束が当たり前にある ・長時間の運転が続く ・積載量が多く、手積みの場合は体力的に辛い
長距離トラック運転手の魅力やメリット	・仕事でさまざまな地方へ行けて、マンネリ化しにくい ・一人の時間が長く人間関係を気にする必要がない ・短中距離運転手と比べて収入が高い

このように短中距離と長距離では仕事の辛さが異なるため、トラック運転手としての適性は同じではありません。

短中距離トラック運転手の向き不向き

短中距離のトラック運転手は以下のような人が向いています。

・プライベートを大事にしたい人
・体を動かしたい人

なぜこのような人が向いているのか、仕事の特徴も踏まえながら解説していきます。

プライベートを大事にしたい人

トラック運転手として働きながら、プライベートもしっかり楽しみたいという方は短中距離運転手が最適と言えます。

一日のスケジュールがある程度決まっており、泊りがけで配送先へ向かうようなことはありません。

配送距離が短い分、天候や交通トラブルの影響も受けにくく、休みや仕事終わりの計画が立てやすいと言えます。

一方で、トラック運転手の仕事をガッツリとこなし、高収入を目指したい人は向いていない可能性があります。

体を動かしたい人

短中距離は、手積みの荷物が多く一日に数十件の配達を行うのが当たり前です。

荷物の積み下ろしを頻繁に行うため、体を動かしながら働きたいという人に向いていると言えます。

配達先で人と話すことも多く、会話が好きな人にも向いていると言えるでしょう。

一方で、運転だけになるべく集中したい人や、一人で黙々と仕事をこなしたいという方は向いていない可能性があります。

長距離トラック運転手の向き不向き

長距離配送のトラック運転手に向いているのは、以下のような人です。

・長時間運転が苦ではない人
・体力に自信がある人
・1人での単純作業が好きな人
・一般常識がある人

なぜこのような人が向いているのか、具体的な業務内容も踏まえながら解説していきます。

長時間運転が苦ではない人

長距離配送のトラック運転手は、勤務時間のほとんどが運転業務となります。

長時間の運転であっても苦痛に感じないような人は、向いていると言えるでしょう。

一方で、運転自体が好きではなく、長時間集中して運転できないといった人は向いていません。

短中距離のトラック運転手の方がおすすめと言えます。

体力に自信がある人

長距離の配送では、途中で悪天候や交通トラブルの影響を受けることも珍しくありません。

また、荷主の都合に合わせる必要もあり、自分でスケジュール調整をしながら泊まり込みで配達先へ向かいます。

まとまってゆっくり休めないこともあり、体力に自信のある人が向いていると言えるでしょう。

これまで長時間の運転経験がなく、不安な人は短中距離の運転手から始めて、最終的に長距離配送を目指す方法もあります。

1人での単純作業が好きな人

トラック運転手は荷物の積み降ろしと運転の繰り返しとなり、長距離配送の場合は人と話すこともほとんどありません。

一人で黙々と仕事に打ち込み、長時間集中したまま運転できるような人が、向いていると言えるでしょう。

周りとコミュニケーションを取りながら、協力して作業を進めたいような人は、複数人で行動する引越し業者のトラック運転手がおすすめです。

一般常識がある人

運送業界では、荷物を丁寧に扱ったり時間通りに配達したりする必要があり、責任感のない人や常識のない人は向いていないと言えます。

近年は、トラック運転手の運転モラルも問題視されており、急いでいてもあおり運転や急な割り込みをしないような常識ある人でなければ務まりません。

普段は温厚なのに、運転するとスピードを出しすぎたり、頻繁に交通違反をしてしまったりするような人は、トラック運転手に向いていないと言えるでしょう。

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トラック運転手に向いていない人の特徴

短中距離や長距離トラック運転手に関係なく、トラック運転手に向いていない人の特徴としては以下のようなものがあります。

・短気な人
・チームプレイが好きな人

なぜこのような人がトラック運転手に向いていないのか、詳しく解説していきます。

短気な人

普段車を運転している中で、渋滞に巻き込まれたり、急に割り込まれたりしてイライラすることは誰しもが経験することです。

長時間の運転を毎日行うトラック運転手にとっては、当たり前といっても過言ではないほどです。

このようなイライラが運転に現れてしまうと、ちょっとしたミスが大事故に繋がる恐れがあります。

事故まではいかないものの、スピードを出し過ぎてしまい交通違反となる可能性もあるでしょう。

短期で運転にイライラが現れてしまうような人は、運転で何らかのミスを引き起こしてしまう可能性が高いため、向いていないと言えます。

チームプレイが好きな人

トラック運転手は、仕事中の大半を一人ですごすこととなり、基本的に周りと一緒に作業をこなすようなことはありません。

そのため、周りと協力しながらチームで働きたいといった方には向いていない可能性があります。

なるべく複数人で仕事をしたいような人は、引越しのトラック運転手を選ぶことをおすすめします。

トラック運転手全般に求められるスキル

トラック運転手になる上で適性も大切ですが、求められるスキルがあるかどうかも重要です。

配送距離に関係なく、トラック運転手全般に求められるスキルは主に2つあります。

・自己管理スキル
・コミュニケーションスキル

トラック運転手として働く上で、なぜこのようなスキルが求められるのか、詳しく解説していきます。

自己管理スキル

トラック運転手は、ほとんどの仕事を一人でこなすこともあり、時間や行動、健康面といったあらゆる自己管理が求められます。

些細なミスが大事故に繋がる可能性が高く、プライベートの健康管理や仕事中の適切な休憩は、重要な仕事の1つと言えるでしょう。

また、トラック運転手は時間通りに荷物を配達しなければならず、その日の天候や時間帯による交通量を踏まえたスケジュール管理が必要です。

コミュニケーションスキル

一人で仕事をこなすことの多いトラック運転手ですが、積み込み時や配達時には荷主や作業員と話す機会があります。

荷物を積み込む際には、集荷先の作業員と協力して作業をすることも珍しくなく、良好な人間関係を築く必要があります。

会話が得意である必要はありませんが、会社の顔として明るく挨拶するなど、最低限のコミュニケーションスキルは必要と言えるでしょう。

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トラック運転手の向き不向きについてのまとめ

トラック運転手には短中距離や長距離配送の仕事があり、一日の流れが全く異なります。

そのため、配送内容によってトラック運転手の適性は変わります。

配送内容に関係なく短気で機嫌が運転にでてしまう人や、周りと協力しながら働きたいような人は向いていないと言えるでしょう。

向き不向きとは別に、トラック運転手は自己管理スキルや配達先でのコミュニケーションスキルも求められます。

今回紹介した内容を踏まえて、トラック運転手が合っていると感じた方は、積極的に転職を検討してみてはいかがでしょうか。