トラック運転手の高齢化や物流の増加に伴い、現在トラックドライバーの人材不足が深刻となっています。
そのため、求人が増えたことにより運送業界以外からの転職が増えてきています。
トラック運転手と言えば一人で仕事をこなしたり、拘束時間が長かったりというイメージを持つ方が多いのですが、自分に向いているのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
今回はトラック運転手の仕事内容や向いている性格、直した方がいい性格などについて詳しく解説していきます。
単純作業が好きな人はトラックドライバーに向いている
トラックドライバーに向いている人の特徴のうち、特に重要なのは「単純作業が好き」であることです。
なぜなら、トラックドライバーの業務の多くは、運転と荷物の積み下ろしといった単純作業の繰り返しだからです。
複数の業務を同時にこなしたり、複雑な業務を任されたりするよりも、単純作業を淡々と繰り返す方が得意という人は、トラックドライバーとしての適性がかなり高いと言えるでしょう。
トラックドライバーに向いている人の仕事内容
トラック運転手は文字通りトラックを運転するのが仕事となるのですが、トラック大きさや運搬物などによって特徴や仕事内容が少し違います。
大型トラック運転手は比較的長距離の運転になることが多く、拘束時間も長くなりがちです。
大型貨物を運ぶことが多く、積み下ろしはパレットやコンテナのけん引で運転がメインとなります。
中型トラック運転手は最も使用されているサイズのトラックで、長距離運転もあればルート配送などの業務もあります。
パレットの荷物もあれば、手積みの荷物も多く体力が必要です。
引っ越し業務などでも使用されやすく、場合によっては複数人で作業を進めることもあります。
小型トラック運転手は基本的に短距離の配送が多く、積載量が少ない分女性でもチャレンジしやすいことが特徴です。
最近ではEC事業などの急成長により、個人事業主として開業するドライバーも増えてきており、配送だけではなく営業なども同時に進める人もいます。
荷物の積み込み方法や運搬する荷物はそれぞれですが、基本的にどのサイズでも荷物を集荷して届け先まで運転して下ろす作業の繰り返しとなります。
トラックドライバーに向いている性格や特徴|17選
トラック運転手は一人で仕事をすることが多く、運転中は高い集中力が必要であり、積み下ろしもあるため体力仕事でもあり、取引相手との連携なども大切となります。
このような作業内容であるトラック運転手に向いている性格とはどのようなものか説明していきます。
1人が好きである
チームで仕事をする引越し業務や家電の配送業務などを除けば、トラックドライバーは基本的に1人で仕事をするのが一般的です。
そのため、1人でいることを好む人には向いている働き方と言えます。オフィスで同僚や上司に気を使いながら仕事をするより、1人で黙々と作業をする方が良いという方にはピッタリの仕事と言えるでしょう。
集中力がある
集中力はどの仕事でも大切なのですがトラック運転手の場合、ちょっとしたミスが人の命にかかわります。
大きな事故を起こした場合、賠償金額は多額となることが多いですし、人身事故では最悪の場合、その後の人生が大きく変わるとっても過言ではありません。
そのため、普通の仕事以上に集中できる性格が必要であり、短期的ではなく常に集中できるような性格の人の方が向いていると言えます。
運転以外でも荷物の積み下ろしでは、混載といって様々なお客様の荷物を一緒に運ぶ場合があります。
そのような場合でも配達先ごとで荷物を間違って下ろしたりした場合、戻って再配達をしなければならないので集中が高い性格の人が向いています。
車の運転が好き
トラックのサイズ関係なく、トラック運転手のメインの作業は運転です。
そのため、乗り物の運転が好きという性格の人には向いていると言えます。
運転操作であったり乗り物自体が好きな性格の場合は、キャリアカーやクレーン車、タンクローリーなどの運転手が向いており、大きなものを動かしたりするのが好きな性格の場合はダンプや大型トラックの運転が向いています。
トラック運転手にはなりたくても、運転自体はあまり好きじゃないという性格の場合は、引っ越しやルート配送などの職種であったり、運送会社以外でトラックドライバーになると積み込みや梱包作業の方が多いこともあります。
忍耐強い
トラック運転手をしていてイライラすることは珍しくなく、例えば高速道路が渋滞していたり前の車がとにかく遅い、集荷先で荷物がなかなか出てこないので予定がずれるなど様々なことが起こります。
このようなことに対して感情を出してしまう性格では、取引先に迷惑をかけたり焦って事故やミスの原因となりえます。
このような時に複数人でいれば、お互いに文句を言えたりして落ち着きやすいのですが、トラック運転手は基本的に出先では一人で全てをこなさなければならなりません。
ちょっとしたことでは怒らない忍耐強い性格の人が向いていると言えます。
整理好き
拘束時間が長くトラック内で過ごす時間が多いトラック運転手は、泊りがけで仕事をしたりすることもあります。
そのため、仕事以外でも身の回りを整理できる性格でないと車内が散らかったり、作業に支障が出る可能性があります。
また、トラック自体も商売道具として普段から洗車をこまめにしている人とそうでない人では、取引先に与える印象が全く変わります。
周りから指摘されなくてもきれいに整理できる性格の人の方がトラック運転手には向いていると言えます。
特に混載トラック運転手の場合は、荷台スペースを荷主ごとに区切るなどして整理しておかないと、荷崩れを起こしたり配達ミスをする可能性が高いので注意が必要です。
音楽を聞くのが好き
トラック運転手は車内で過ごすことが多く、好きな音楽を好きなだけ聞くことができます。
そのため、音楽好きだったり何かを聞きながら作業をするのが好きな性格の人に向いている仕事と言えます。
また、基本的に一人なので自分が聞きたい音楽を聞けるのはもちろん、歌うこともできます。
長距離運転になるほど他人に邪魔されることなく好きな音楽を聴きやすくなります。
音を大きくしすぎると車周辺の異変などに気付きにくくなるので注意しましょう。
自分の意見をしっかりと言える
トラック運転手に限ったことではないのですが、現場系と言えるので嫌なものは嫌と言わないとキツい仕事ばかり任されることもあります。
チームで連携して物事を進めるのではなく、全て個人で作業するため今どのような状態なのか、何時までに配達可能なのかなどしっかりと現状を伝えられる性格の人が向いていると言えます。
どんな内容でも関係なく言いすぎる性格は良くないですが、ある程度自己主張ができる性格の方がいいでしょう。
たくさん稼ぎたい
同じトラックドライバーでも、配送距離やトラックのサイズによって稼ぎは異なります。特に長距離配送で大型トラックを運転するドライバーの収入は、他のトラックドライバーと比べて高めです。
新しい免許や資格を取得すれば、資格手当などによってさらなる収入アップを狙えるでしょう。
正社員を目指したい
トラックドライバーの中には、アルバイトや派遣社員から始めて、後に正社員として採用されるケースがあります。
正社員として採用されやすい理由は、運送業界の圧倒的な人手不足です。
トラックドライバーの高齢化が問題視され、ただでさえ人手不足だった中、昨今のEC通販の浸透によって配送のニーズが上昇したため、需要に供給が追いついていない状況が続いています。
転職を機に正社員を目指したい方には、トラックドライバーはオススメの職業と言えるでしょう。
100日以上の年間休日が欲しい
意外に思う人もいるかもしれませんが、トラックドライバーの休日は年間100日を超えることが珍しくありません。
特に短距離・中距離配送のドライバーは柔軟にシフトが組める傾向があり、休日を取りやすいと言われています。
福利厚生に力を入れている大手の運送会社であれば、より休日を取りやすい環境が整っているでしょう。年間100日以上の休日が欲しい人にとって、トラックドライバーはオススメの仕事と言えます。
短気ですぐに態度に出る
上記で説明したように、普段作業をしているとイライラすることも多々あります。
運転中に煽られたり、前の車が遅かったり自分が悪くなくても荷主の影響で残業になることも当たり前です。
どんな仕事であっても、イライラしてミスをしてしまったりすることはありますが、トラック運転手の場合はちょっとしたミスで大事故につながったり大怪我のリスクがあります。
特に機嫌が運転に出やすい性格の場合は、注意が必要です。
時間にだらしない
トラックドライバーの仕事は、クライアントの貨物を運送し、時間通りに届けることです。指定された時刻を守れなかった場合、会社の信用問題に悪影響を及ぼしかねません。
常に決められた運転スケジュールを守る必要があるため、時間にだらしない人はトラックドライバーに向いていないと言えるでしょう。
単純作業が苦手
運ぶ荷物などが変わっても基本的に作業内容は毎日同じであり、長距離運転の場合はずっと同じ姿勢で運転し続けます。
そのため、体を動かしたかったり単調な作業が苦手な性格の人には、向いていないと言えます。
ルールを守れない
トラック運転手はちょっとした油断やミスが大事故につながり大きな損害をだしてしまうことがあり、最悪の場合は命を失うこともあります。
トラック運転手は特に、細かいルールをどんな状態でも遵守することがとても大切です。
スピードやシートベルト、飲酒の管理など細かいルールを守るのが苦手であったり後回しにしてしまう性格の方は注意が必要です。
運転が嫌い
トラック運転手は仕事の大半が運転となることが多い為、当然運転が嫌いな性格の方には向いていません。
また好きであっても、プライベートで車を擦ったりぶつけがちな方も向いていないと言えます。
一人が嫌い
トラック運転手は出勤してトラックに乗り込むと、帰ってくるまで集荷から配達まで基本的に全て一人でこなします。
そのため誰かと話しながら作業をしたり、連携して動くことはほとんどなく黙々と仕事をこなすため、一人が嫌いな性格の人には向いていないと言えます。
引っ越し業者などの場合であれば、複数人で作業を行うので一人で作業することが少なくなります。
片付けが苦手
トラック運転手の場合、拘束時間が長くなり待機時間も車内で過ごすことがほとんどです。
車内は自分の部屋のようなもので、泊りとなった場合は作業服などの管理も一人でやらなければなりません。
そのため片付けが苦手な性格の人は車内が汚れたり、荷物の積み込みなどで荷崩れを起こしてしまうこともあります。
トラック運転手の向いている人に関するよくある質問
トラック運転手の向いている人に関するよくある質問に関しては、次のとおりです。
「トラック運転手が楽すぎる」って本当?
「トラック運転手の仕事は過酷で辛い」という現場の声がある一方で、「トラック運転手は楽すぎる」という声も少なからずあります。同じトラック運転手の仕事に対して真逆の意見が生まれる理由は、ドライバーによって業務内容が微妙に異なるからです。
例えば、「過酷で辛い」と感じるドライバーの業務内容は、以下が挙げられます。
- 長距離配送
- 休憩が取りにくい
- トラックのトン数が重い
- 運転ルートが固定ではない
- 積み下ろしが全て手作業
一方で「楽すぎる」と感じるドライバーの場合、以下の傾向があります。
- 運転距離が短め
- 休憩が取りやすい
- トラックのトン数が重くない
- 運転ルートが固定
- トラックにゲートがついていて積み下ろしが楽
一言にトラック運転手と言っても、会社の方針や担当業務、トラックの仕様などによってドライバーの負担は異なるので注意して下さい。
NASVAの適性診断って何?受けなければいけない?
トラック運転手やバス、タクシーなど乗り物を運転する仕事の場合、ちょっとしたミスが重大な事故につながる恐れがあるため、どの会社に就職しても適正検査を受けなければなりません。
検査には数種類あり、運送業者で働き始める場合に受けるのが「初任診断」です。
初任診断は、運転事故の防止や事故被害者の支援活動をおこなう独立行政法人NASVAが運営するプログラムになります。
運転シミュレーターを使用した診断となり、以下のような項目が検査されます。
・判断の正確さ
・危険察知する能力
・安全運転に対する態度
・判断のタイミング
身体に関する適性検査では以下のような項目を検査します。
・資格
・眼球運動
・周辺視野
・動体視力
・夜間視力(65歳以上の方)
なお、診断時間は約1時間40分となっており、手数料は4,800円がかかります。
ただし、費用に関しては就職先の会社が準備してくれることがほとんどです。
トラック運転手の向いている人に関するまとめ
今回はトラック運転手に向いている性格と、向いていない性格について解説してきました。
トラック運転手は基本的に一人で作業を行うことが多く、運転する車両は大きい為、どのような状況下でも冷静に集中して運転しなければなりません。
そのため長時間にわたり集中できることはもちろん、忍耐強く一人で黙々と作業を進められる性格の方が向いていると言えます。
また、業務によっては休憩中なども車内で過ごすため、常にきれいにしておく必要があり、整理整頓もしっかりしておく必要があります。
一方で、感情が運転に影響したりスピードやシートベルトなど細かいルールを守れない人は向いておらず、運転が嫌いであったり一人で仕事を進めるのが苦手な性格の人は大変かもしれません。
車両を運転する場合、重大な事故を防止するために就職後必ず適性検査を受ける必要があります。
そのため、今回紹介した性格とは別に向き不向きが判断されます。
向いていない性格に該当していても適正検査で合格すれば仕事は可能ですし、意識をすれば改善して一人前のドライバーとして働くことも可能です。
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