トラックを使用しておこなう配送手段としては、大型トラックを主に使用する長距離配送などが有名ですが、それ以外にも比較的短距離かつ小型トラックを主にした、いわゆる「地場配送」という配送形態もあります。
今この地場配送が、トラックの仕事におけるあらゆる面から注目される存在となっています。
今回はこの地場配送における特徴や仕事内容、またメリットやみなさんも気になる給料事情について解説していきます。
地場配送に興味がある人や転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
地場配送とは
地場配送とは短距離輸送の1つで、主に2tといった小型トラックを使用して配送をおこない、配送範囲は約50~200㎞圏内で、日帰り業務がほとんどになります。
ちなみに地場とは地元のことを意味しており、地場配送とは地元エリアに特化した配送仕事といってもいいでしょう。
仕事内容としては詳細は後述しますが定期便・専属便・フリー便といった主に3つの種類があり、それぞれの特徴に沿って配送をおこないます。
2tを中心とした小型トラックを使用することもあって、いわゆるトラック運転手の仕事における入門編といった側面も持っており、この仕事をキャリアアップの一環として捉えているドライバーもいます。
さらに重たい荷物を運ぶことが少なく、女性や小柄な体型の人でも充分に仕事ができるため、地場配送の仕事はトラックドライバー職の中でも、注目されている配送仕事の1つです。
またドライバー不足に悩んでいる運送会社においても、ドライバー確保や業績などさまざまな面から注目され、多くの運送会社が地場配送をメイン業務として取り扱っています。
関連記事:4tトラック運転手の給料と仕事内容は?手取り額も公開
地場配送の仕事内容を確認しよう
ここまで地場配送おける大まかな特徴や傾向といったことについて述べてきました。
地場配送の仕事内容としては
・定期便
・専属便
・フリー便
の3つに大きく分別されます。
ここからは地場配送における3つの仕事内容を、さらに具体的に解説していくことにします。
【地場配送】定期便
定期便はその名の通り、毎日同じ時間に出発し、配送ルート及び配送先が変わらない、基本的に毎日同じ作業をおこなうスタイルです。
定期便のタイプとしては
・朝積
・夕積または夜積
の2通りがあります。
朝積の1日における流れとしては以下のようになります。
➀7:30車庫出発
②8:00荷主到着及び積み込み開始
③9:30配送へ出発
④配送中(約5~10件)
⑤16:00荷主の元に帰社
⑥17:00帰庫
朝積は毎朝決められている時間に車庫を出発し、その後積み込み作業を経て配送へと出発します。
配送先は約5~10件程で、基本的に配送ルートや配送先も常に同じです。
ただし帰庫時間に関しては、交通事情や仕事におけるイレギュラーなどの理由で多少変化することがあります。
続いて夕積及び夜積の1日における流れとしては以下のようになります。
➀7:30車庫出発→以降は朝積②~④と同じ
②15:00荷主の元に帰社→積み込み開始
④17:30帰庫
夕積及び夜積は朝積+αの業務として、納品先の都合によっておこなわれることが多く、例えば翌日の配達先がいつもより時間が掛かる場所にあるために、いつもより早く出発しなければならないといったように、前日に積み込みをしておく必要があるときにおこないます。
朝積との相違点としては出発時間が一定ではなく、ケースバイケースによって異なるという点が挙げられます。
ただし帰庫時間に関しては、朝積と同様ほぼ定時に定められています。
【地場配送】専属便
専属便は例えば宅急便のドライバーのように、特定の荷主会社における専属ドライバーとして、配送の仕事をおこなう形態をいいます。
そのため日々の配達先は異なりますが、積み荷の内容や配達エリアはほぼ決まっているので、比較的早い段階で業務内容や配送エリアの詳細について覚えていくことができます。
また朝積や夕積及び夜積の作業をおこなうといった点は定期便と同じです。
いつも同じルートではなく、日々異なるルートでちょっとした刺激を求めている人や、仕事においていろいろな人との出会いがあるため、コミュニケーション能力に優れている人などに専属便は向いているのかもしれません。
フリー便
フリー便は「フリー」という名の通り、特定ではなくいろいろな荷主会社にその都度ドライバーとして配送仕事をおこなうことをいいます。
最も一般的にフリー便といえるものは、運送会社が繁忙期のときなどに外部から応援を頼むことがあり、そのヘルプとして従事するケースです。この場合仕事内容については、定期便や専属便の内容とあまりかわりません。
ただし後述しますが、給料体系については異なってくることに注意が必要です。
また運送会社にもよりますが、長距離輸送を依頼される場合があるのも、フリー便における大きな特徴といえるでしょう。
フリー便における注意点としては、給料体系の他に毎回荷主や荷物・配送先等が異なってくるため、その都度臨機応変な対応が求められます。
特に配送仕事においては、毎回違う道を走行する可能性が高いため、道路に詳しくなることも必要といえるでしょう。
関連記事:知らないと損。トラック運転手の労働時間や給与・残業代の真実
地場配送のメリットとは
ここまで地場配送における仕事内容を定期便・専属便・フリー便と3つに分けて述べてきました。
地場配送はトラックドライバーの中でも、長距離ドライバー等と比べてさまざまな面においてメリットがあり、働きやすいということで注目されているドライバー仕事でもあります。
ここからは地場配送ドライバーにおけるメリットを3つの観点からみていくことにします。
①近場配達のため日帰り業務が可能
「地場=地元」というだけあって、地場配送は短距離輸送が基本になっています。
また使用するトラックも2tトラックなど比較的小型のものが多く、小回りが利くため時間も短縮でき、トラックドライバー特有ともいえる長時間にわたる拘束時間がありません。場合によってはサラリーマンの勤務時間とあまり変わらないくらいです。
定期便や専属便における1日の流れを見てわかるように、多少の残業があるとはいえ、仕事自体は1日で完結しているのも、地場配送における大きなメリットといえるでしょう。
②自分だけの時間や家族との時間を作りやすい
先程も述べたように地場配送は、仕事自体が1日で完結することがほとんどなため、長距離ドライバー等における拘束時間がありません。
また多少の残業が発生するとはいえ、勤務時間自体は毎日ほぼ一定です。
さらに運送会社にもよりますが、日祝日が休みであったり、GW及び夏期・年末休暇が設定されているなど、他のドライバー仕事と比べて休みが多いのも地場配送の特徴といえます。
そのためにしっかりとしたプライベートな時間を確保することができるドライバー職でもあります。
このような点からも、仕事と同じくらい家族との時間を大事にしたい人や、子育て中の女性にとっては負担のかからない仕事であるといえ、また昨今の働き方改革に沿った仕事ともいえるのではないでしょうか。
③多くの運送会社が請け負っているため仕事量が多い
多くの運送会社がいろいろな配送形態の1つとして、この「地場配送」に力を入れています。
力を入れている理由の1つとして、ネット通販の普及による荷物量の増加が挙げられます。
多くの運送会社が配送センターから担当地域の個人宅へ荷物を届けるという、比較的運送コストが掛からないということも相成って、この地場配送への参入が増加し、また多くの求人活動もおこなっています。
応募者側の点からみても、求人数が多いためいろいろな運送会社と条件を比べることができたり、後述しますが仕事量に対する給料の面など優遇されている部分もり、ドライバーの仕事として注目されている分野でもあります。
関連記事:配送ドライバーの仕事って簡単?仕事内容と給料事情を解説!
地場配送の給料事情はどうなの?
ここまで地場配送のメリットについて、大きく3つの観点から述べてきました。
では最後にみなさんも気になると思いますが、地場配送における給料事情はどのような感じになるのかを、上記で述べた3つの仕事内容別に解説していくことにします。
【地場配送】定期便の場合
定期便の場合は基本月極となっているため、仕事量の大小に関わらず固定給での支払いが多いです。
多くの仕事をこなすほど給料が増加していく歩合制と比べて物足りなさはあるかもしれませんが、閑散期などにおいても一定の給与が保証されるという利点もあります。
【地場配送】専属便の場合
専属便の場合も定期便と同じく月極となっているため、固定給による支払が一般的となっています。
また配達先の距離や運行時間などによっては、割増賃金が加算されることもあるのが、専属便の特徴ともいえます。
【地場配送】フリー便の場合
フリー便の場合は、定期便や専属便とは異なり、ヘルプといったいわゆる臨時やスポット扱いになるため、仕事を受けた運送会社にもよりますが歩合制のケースが多いようです。
地場配送1つをとっても、給料事情はそれぞれ異なっていると考えた方がよさそうです。
関連記事:4tトラック運転手の給料と仕事内容は?手取り額も公開
地場配送についてのまとめ
いかがでしたでしょうか。以上ここまで地場配送についての特徴やメリット、給料事情について述べてきました。
地場配送という配送形態は、ネット通販の普及などと相成って、今後も需要が増えると見込まれる仕事でもあります。
また働く側にとっては、ある意味今までのトラックドライバーのイメージが大きく変わるほど、勤務形態においてプライベートな時間を確保しやすいといった点や、また固定給が中心といった比較的安定した給与体系であるところが特徴といえます。
私個人の感想ですが、地場配送から今後における運送業界での新しい働き方や、業界自体の新しい姿を少し垣間見えた気がしましたが、みなさんはどのように感じましたか?
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