物流倉庫や工場などではフォークリフトを使って作業を行っています。フォークリフトが絡む事故は毎日どこかで起きています。
そこで本記事ではその事故原因や事故内容、対策などについて解説しています。フォークリフトを扱う上での安全確認について学ぶ参考にしてください。
【要安全確認】フォークリフト事故の全容
フォークリフトが絡んだ事故件数
フォークリフトに起因する労働災害発生件数は下記のとおりです。
年度 | 事故件数 | 死亡者数 |
2016年 | 1,977件 | 28名 |
2017年 | 1,997件 | 30名 |
2018年 | 2,113件 | 26名 |
2019年 | 2,145件 | 20名 |
2020年 | 1,989件 | 31名 |
事故件数は年々減少気味ではありましたが、2018年に大幅に増加しています。死亡事故は2017年をピークに減少気味ではありましたが、2020年に大幅に増加しています。
トラックやクレーンなど大型車両や重機が絡む死亡事故でフォークリフトはトラック、バスに次いで3番目に多い件数です。
特に死亡事故は見過ごせないため、今後事故の型に着目した対策を講じることが求められています。
参考:フォークリフトに起因する労働災害の発生状況|厚生労働省
フォークリフト事故の例
フォークリフトが絡んだ事故の中で特に多いものを紹介していきましょう。
転落事故
フォークリフトから転落する事故というものがあります。スピードを出しすぎた状態でカーブを曲がった際に遠心力によって振り落とされてケガをしたものや、操縦ミスによってフォークリフトごと高台から転落した場合などがあります。
また、フォーク部分に人が乗って作業をする危険行為において、誤ってフォークから転落した際に骨折などの大けがを起こしています。
衝突事故
フォークリフトと人が衝突した事故やフォークリフト同士の衝突事故があります。角を曲がった際に人がいることに気付かずに衝突してしまったり、他のフォークリフトと正面衝突をしてしまったりしています。
人との衝突ではフォークリフトの側面にぶつかるほか、フォークの部分が人に突き刺さるようなことで大ケガを負わせてしまうことがよくあります。
巻き込み事故
他の作業を行っていた作業員を巻き込んだ事故があります。前後左右の確認を怠ったり、スピードを出しすぎたりと、安全走行の意識が欠如した際によく発生します。
人がいることに気づかずにフォーク部分で人を挟んでしまった、荷物に意識が向けられてしまい、人を挟んでしまったなどという事故が起きています。
特に死亡者の多い事故が巻き込み事故です。
フォークリフト事故が起こる原因
フォークリフトが絡む事故が起きる原因について解説していきましょう。
運転ミス
事故原因で特に多いのが運転ミスです。アクセルとブレーキの踏み間違いやハンドルの操作ミスなどといったケアレスミスによって死傷事故を起こしています。
運転ミスを起こしてしまうのには日頃の疲れから集中力が切れてしまうことや経験不足によるミスなどさまざまあります。
運転中は常に安全と事故のリスクを頭に入れておかないといけません。
不十分な安全確認
フォークリフトの資格取得の際には、指差し呼称や目で細かく安全確認を行うことが義務付けられていると勉強してきたかと思います。
しかし、実際の現場ではそういったことを行わない、時間や作業の手順で行っていられないと、指導通りの安全確認を行っていないケースがほとんどでしょう。中にはシートベルトすらしない現場もあります。
細かい安全ルールはそれぞれの現場で異なりますが、作業中は前後左右の確認は必ず行うこと、シートベルトは必ず行うなどは徹底することが必要です。
危険行為
フォークの部分に人を乗せて作業をする、エンジンを止めずに降車する、規定重量以上の荷物を運搬するなど危険行為によって事故が起きています。
どれも実際に死亡事故が起きているものなので、基本ルールや安全ルールの徹底を守ることが重要です。
フォークリフトの日常点検不足
フォークリフトの点検不足によって装置が故障し、事故につながるケースがあります。フォーク部分が勝手に動く、ブレーキがきちんと作動しないなど危険なことが起きるので、定期的なメンテナンスはもちろん、日頃から異音がないかなど意識的に不備・不調を感じられるようにしておきましょう。
基本ルールがあいまい
フォークリフトの作業中は人が近づかないようにする、カーブを曲がる際はスピードを緩めるといった基本ルールがない、徹底されていない現場では事故の件数が多いです。
また、事故が起きないように死角を作らない、見通しが悪い場所を作らないなどといったことも大切です。
毎日作業を行っていると、フォークリフトの危険性を感じにくくなるため、作業範囲には立ち入らない、安全速度を守るなど基本ルールの徹底を作業員に意識させることが重要です。
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事故を減らして安全に作業を行っていくために必要な安全ルールはどういったものがあるのか紹介していきましょう。
安全走行の徹底
スピードを出しすぎない、荷物を積みすぎないといった基本的な安全ルールと乗車中以外はエンジンを切ること、フォークやパレットに人を乗せて走行しないなどといった危険行為の撤廃を行いましょう。
スピードを求めると作業効率化のために安全意識が欠如してしまいます。安全第一で作業を行うようルールを設けましょう。
作業スペースを工夫する
フォークリフトが走行するルートをあらかじめ決めておくといいでしょう。何かテープなどで走行するルートを指定しておくと分かりやすいかと思います。
また、作業場所は整理整頓をしてごちゃごちゃさせない、死角を作らないなどといった工夫も必要です。もしどうしても死角ができるようなら、作業中は回転灯をつけるなどといった対策が有効です。
指さし呼称の徹底
資格取得でも習った基本ルールですが、指差し呼称を徹底することでケアレスミスがなくなります。自分自身だけではく、声を出すことで周りの人もフォークリフトが近づいていると気付くでしょう。
安全ルールは企業によってさまざまありますが、講習で習った基本的な部分が重要です。
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関連記事:フォークリフト事故を防ぐための安全対策のポイントを解説!
フォークリフトの安全確認についてのまとめ
フォークリフトの事故は毎日発生しており、その原因は運転ミスや安全確認不足、危険行為、点検不足、基本ルールの欠如にあります。
安全意識を高め、事故を未然に防ぐために、基本ルールの遵守と定期的な安全確認をおこないましょう。
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