フォークリフトは、製造業や物流業を中心にあらゆる業種で使用されています。
重量物の運搬やトラックへの積み下ろし、倉庫内での蔵置作業などを行えるため、需要もかなり高いと言えます。
しかし、運搬や荷役作業には危険も伴うため、誰でも乗れるというわけではなく、乗務するには運転免許の取得が必要です。
今回は、フォークリフト運転技能講習について、内容や費用を分かりやすく解説していきます。
フォークリフトの免許取得には運転技能講習が必須
フォークリフトに乗務するには、運転操作に関する専門的な知識やスキルが必要です。
そのため、フォークリフトに乗るためには、以下の通り講習を受けなければなりません。
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また、受講後は学科・実技試験が実施され、合格者だけに修了証が発行されます。
ちなみに、フォークリフトや屋内の他に、公道などを走行する機会がありますが、フォークリフト免許だけでは公道を走行できません。
フォークリフトで公道を走行するには、フォークリフト免許とは別に「普通自動車免許・大型特殊免許または小型特殊免許」が必要です。
関連記事:フォークリフト免許について丸ごと解説!免許の種類、取得方法や費用、無免許で運転した場合など一挙解説します!
フォークリフトの運転技能講習を受ける手順と内容
フォークリフト運転技能講習は、各都道府県の労働局に登録された教育機関で受講できます。
教育機関には重機を専門とする教習所のほか、一部の自動車教習所などでも受講可能です。
ここでは、フォークリフト運転技能講習を受講し、修了証を取得するまでの流れについて解説していきます。
教習所に申し込む
まずは、フォークリフト運転技能講習を行っている近くの教習所を探した上で、申し込みします。
申し込み自体は、直接訪問する以外に電話でも問題ありません。
入校手続きの際に必要なものは以下の通りです。
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入校手続きが終われば講習を受けていくことになりますが、受講日は教習所のスケジュールによります。
繁忙期などは、すぐに受けられない可能性もあるため、取得したい日の1〜2週間前までには申し込みしておくようにしましょう。
ちなみに、受講日数は保有資格や経験によって、2~5日となります。
学科講習・試験を受ける
まずは学科講習から受けていきます。
学科の科目 | 受講時間 |
走行に関する装置の構造や取り扱い方法に関する知識 | 4時間 |
荷役に関する装置の構造や取扱い方法に関する知識 | 4時間 |
運転に必要な力学に関する知識 | 2時間 |
フォークリフト運転に関する法令 | 1時間 |
受講後は、学科試験が実施され、科目ごとに10問ずつ出題されます。
荷役に関する科目は6割、その他は正解率4割以上で合格です。
学科試験に落ちてしまった場合、再度簡単な講習を受けた後に追試となります。
実技講習・試験を受ける
学科試験に合格した後は実技講習を受けていきます。
実技の科目 | 講習時間 |
走行の操作 | 20時間 |
荷役の操作 | 4時間 |
走行の操作では、運転をメインとした実技練習が行われ、荷役操作では、フォークの抜き差しや荷物の積み重ねといった内容です。
実技講習が終わった後には、実技試験が実施されます。
講習で使用したコースでの、運転や荷役操作、停車までの作業を行い70点以上であれば合格です。
学科・実技試験の合格率は約99%であり、真面目に講習を受けていれば、ほぼ間違いなく合格できます。
修了証を取得する
学科・実技試験どちらも合格した後は、修了証用の写真撮影を行い、修了証が発行されます。
フォークリフトに乗務する場合、修了証は常に携帯しておかなければなりません。
失くさないように注意しましょう。
関連記事:フォークリフトにはいくつも種類がある!それぞれの特徴や駆動方式、運転に必要な資格などを解説!
フォークリフト運転技能講習:時間割と免除科目
フォークリフト運転技能講習の時間割は、教習所によって異なります。
ここでは重機などの講習を幅広く行っている「コベルコ教習所」の時間割を基に、詳細について解説していきます。
時間割
フォークリフト運転技能講習の時間割と日程は以下の通りです。
1日目・12:30~17:05 | 学科講習 |
2日目・8:25~18:15 | 学科教習及び学科試験 |
3日目・8:25~18:45 | 実技講習 |
4日目・8:25~18:45 | 実技講習 |
5日目・8:25~18:45 | 実技講習及び実技試験・修了証の発行 |
休憩を挟みながら学科試験は4科目、実技試験は2科目の講習を受けていきます。
次に1t未満のフォークリフトに乗務するための、特別教育の時間割と日程は以下の通りです。
1日目・8:25~15:55 | 学科講習 |
2日目・8:25~16:10 | 実技講習 |
詳細な時間割が気になる人は、教習所に問い合わせしてみるようにしましょう。
参考:コベルコ教習所
免除科目
学科講習に関して「走行に関する装置の構造や取り扱い方法に関する知識・4時間」は、大型特殊免許や普通自動車免許を保有している人に限り免除できます。
既に大型特殊免許を持っている人や、1t未満のフォークリフト経験が6ヶ月以上ある人は、実技講習の「走行の操作・20時間」が免除可能です。
具体的な日程は、入校する学校のスケジュールを確認しておくようにしましょう。
講習は連続して受ける必要はなく、土日だけ受講して3週かけて取得することも可能です。
関連記事:フォークリフトの免許を再発行する方法を4つの状況別に解説
フォークリフト運転技能講習の受講費用
フォークリフトの受講費用は、免除科目の有無によって異なり、2〜4万円が相場です。
受講費用の主な項目は以下の通りです。
- 受講代:1.7〜4万円程度
- テキスト代:2,000円程度
- 補助試験代
- 証明写真代
各項目の費用について解説していきます。
受講代:1.7〜4万円程度
フォークリフト運転技能講習の受講料は、以下の通りです。
フォークリフト運転経験が3ヶ月以上で大型特殊自動車免許・普通自動車免許を保有 | 1万7,000円前後 |
フォークリフト運転経験が6ヶ月以上で普通免許なし | 2万円前後 |
普通自動車免許の保有 | 3万8,000円前後 |
所有資格なし | 4万円前後 |
フォークリフト特別教育の受講料金は、15,000〜20,000円が相場です。
テキスト代:2,000円程度
講習で使用するテキスト代は2,000円ほどです。
保有資格によって変わることはなく、会社の先輩社員が以前に受けた際にもらったようなテキストの使用はできません。
補助試験代:3,000〜5,000円程度
補助試験代とは、学科・実技試験で落ちてしまった場合に再度試験を受けるための費用です。
学科試験の場合は3,000円、実技試験では5,000円ほどが相場です。
教習所によっては受講料に含まれているため、事前に確認しておくようにしましょう。
証明写真代:500〜1,000円程度
修了証で使用する証明写真代は500~1,000円程です。
これに関しても、受講料に含まれている教習所がありますので、確認しておくようにしましょう。
教習所では、フォークリフト免許や大型特殊免許、けん引免許などを同時に取れるパックプランも用意されています。
複数の運転免許を取得予定の方は、プランの利用も検討してみましょう。
関連記事:カウンターフォークリフトとリーチフォークリフトの違いは?それぞれの特徴や資格、運転難易度などを詳しく紹介!
フォークリフト運転技能講習についてのまとめ
フォークリフトの運転技能講習は学科・実技に分かれており、2~5日間に分けて実施されます。
すでに保有している資格や経験によっては、複数の実技や学科を免除することも可能です。
講習後には試験が実施され、学科・実技両方に合格すれば修了証が発行されます。
土日限定で教習所に通うこともできますので、自分のペースで取得にチャレンジしてみましょう。
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