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鳶職の給料は高い?平均年収や収入アップに役立つ資格

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鳶職の給料は高い?平均年収や収入アップに役立つ資格を紹介_

鳶職給料は高いのか、平均年収や給料アップの方法を紹介します。また、鳶職の主な仕事内容や若手が辞めやすい理由、将来性についても解説するので、鳶職への転職を検討中の方は参考にしてください。

鳶職の平均給料

鳶職の平均給料

ここでは鳶職の平均給料を見習い、中堅、親方の3つの段階に分けて紹介します。

鳶職全体の平均給料

経験年数や就業時間、所属する会社により異なりますが、鳶職の給料平均は29万円ほどです。

厚生労働省が公表した令和2年度賃金構造基本統計調査によると、鳶職を含める建設躯体工事従事者の給料は下記の通りです。

・きまって支給する現金給与額の平均:290,100円
・年間賞与、その他特別給与額(賞与)の平均:255,000円

また、アルバイトの短時間労働者の場合は下記の通りとなります。

・実労働日数平均:16.3日
・1日あたりの所定内実労働時間数平均:7.3時間
・1時間あたり所定内給与額(時給)平均:1,405円
・年間賞与その他特別給与額(賞与)平均:110,400円

この数値から算出した、アルバイトの鳶職の平均給料は月額167,189円となります。

参照元:e-stat 政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査 /賃金構造基本統計調査 / 令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

参照元:e-stat 政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査 / 令和2年賃金構造基本統計調査 短時間労働者 職種

見習いの鳶職の平均給料

鳶職として働き始めたばかりである見習いの平均年収から解説していきます。見習いの期間は、親方や先輩から指導を受けながら作業を手伝ったり見たりして学びます。

1人で作業を進められるスキルや知識がないので、収入は最も低いと言えるでしょう。

厚生労働省が公表した「令和2年度賃金構造基本統計調査」によると、経験年数別で下記の収入となっています。

鳶職の経験年数 所定内給与額 年間賞与その他特別給与額 推定年収
1年未満 209,900円 17,900円 2,536,700円
1年~4年 225,600円 171,900円 2,879,100円

※所定内給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給付額により算出

いつまでの期間を見習いとするのかは会社によって違いますが、鳶職になって1年未満の平均年収は約250万円となります。

経験年数が1〜4年であれば約290万円です。鳶職は実力やスキルが収入に直結するため、経験年数が少なくても仕事を早く覚えれば、年収を上げることは可能です。

参照元:e-stat 政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査 /令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

中堅の鳶職の平均給料

次に中堅鳶職人の年収について解説していきます。

この時期なれば任せられる仕事も増えるので、見習い期間に比べても年収が上がります。

鳶職の経験年数 所定内給与額 年間賞与その他特別給与額 推定年収
5年~9年 311,300円 471,400円 4,207,000円
10年~14年 341,600円 392,400円 4,491,600円

※所定内給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給付額により算出

中堅クラスの鳶職の平均年収は5〜9年目で約420万円、10年〜14年で約450万円です。

見習い期間と比べると給与はもちろん、賞与もかなり上がります。

参照元:e-stat 政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査 /令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

親方の鳶職の平均給料

経験を通じてスキルをしっかりと身につければ、一人前の親方として鳶職に従事できるようになります。

一般的な会社とは違い役職がないので、現場を任されたり独立したりした時点で親方と考えていいでしょう。

ここでは経験年数をもとに平均年収を紹介していきます。

鳶職の経験年数 所定内給与額 年間賞与その他特別給与額 推定年収
15年以上 336,900円 382,300円 4,425,100円

※所定内給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給付額により算出

ベテランとも言える15年以上の鳶職人の平均年収は約440万円です。

中堅よりも少し年収が下がっているのは、体力が落ちて仕事量が少なくなってきていることが考えられます。

鳶職人として独立すれば、平均年収が500万円を超えることも珍しくはありません。

ただし、独立後は仕事を取るための営業や経営に関する知識も必要です。従業員を雇い経営にも成功すれば年収1,000万円を超える可能性もあります。

参照元:e-stat 政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査 /令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

鳶職が給料をアップさせる3つの方法

鳶職が給料をアップさせる3つの方法

鳶職として給料をアップさせるには主に3つの方法があるので、それぞれ解説します。

⑴資格の取得

鳶職人の仕事に関連する資格を取得すれば、実力を証明できます。

実力を証明できれば好条件の求人でも採用されやすくなり、収入アップを目指せます。

具体的には下記のような資格がおすすめです。

・玉掛け技能講習
・建築物等の鉄骨の組立て等作業責任者
・足場組み立て等作業責任者

この3つの資格は実際の作業の中で活かすことができます。

鳶職人として更にキャリアアップを目指す場合には、下記の資格もおすすめです。

・職長・安全衛生責任者
・1級とび技能士

これらの資格について詳しく解説していきます。

とび技能士

とび技能士とは、鳶職が行う作業全般の能力を証明する国家資格です。

資格には3級・2級・1級があり受験条件が設けられています。

・とび技能士3級:受験条件なし

・とび技能士2級:3級の合格者で実務経験2年以上

・とび技能士1級:実務経験7年以上か2級の合格者で実務経験2年以上

年収アップを目指すのであれば、2級以上の取得を目指すといいでしょう。

とび技能士1級を取得すれば、独立する際もかなり有利になります。

作業主任者

鳶職の仕事は危険が伴うため、各工程・作業ごとに『作業主任者』がいなければいけません。

【足場の組立て等作業主任者】

足場鳶の作業現場に必ず1人はいなければなりません。

足場の組立て等作業主任者になるには、足場の組立て等作業主任者技能講習を受ける必要があります。

受講資格は下記の通りです。

・満21歳以上であり3年以上足場作業に従事している

・満20歳以上であり、大学・高専・高校・中等教育学校において土木、建築又は造船に関する学科を専攻して卒業しており、2年以上足場作業に従事している

満18歳未満の経験年数は含まれないので注意しましょう。

詳しい受講資格や試験日程・場所は『建設業労働災害防止協会(建災防)』で知ることができます。

参考:足場の組立て等作業主任者技能講習|建設業労働災害防止協会

【建築物等の鉄骨組立等作業主任者】

高さ5メートル以上の現場で鉄骨の組立や解体を行う現場に必ず1人はいなければなりません。

受験資格は下記の通りです。

・建築物の骨組みや塔であり金属製の部材により構成されるものの組立てや解体、又は変更の作業に関する作業に3年以上従事している

・大学・高専・高校・中等教育学校において土木、建築又は造船に関する学科を専攻して卒業しており、2年以上建築物等の鉄骨の組立作業に従事している

詳しい受講資格や試験日程・場所は『建設業労働災害防止協会(建災防)』で知ることができます。

参考:足場の組立て等作業主任者技能講習|建設業労働災害防止協会

工事用エレベーター組立解体作業指揮者

工事用エレベーターの組立・解体作業に伴う労働災害を防止するための資格となります。

高層建築の現場で活躍する鉄骨鳶が取っておきたい資格です。

18歳以上で工事用エレベーターの組立・解体等の作業を指揮するために選任された者、又は新たに選任される予定であれば受講できます。

鋼橋梁架設等作業主任者

鋼橋の組立てや架設を行う現場で活躍できる資格であり、必ず現場に1人は配置しなければなりません。

受講資格は下記の通りです。

・橋梁の上部構造であって金属性の部材によって構成されるものの架設や解体、変更に関する作業に3年以上従事している

・大学・高専・高校・中等教育学校において土木、建築に関する学科を専攻後に卒業した者で、2年以上鋼橋架設塔の作業に従事した経験がある

このような資格を取得すれば、実力の証明にもなり昇給しやすくなるでしょう。

⑵転職する

今よりも給与条件が良い会社への転職でも給料は上げられます。

鳶職になりたてで経験も知識も少ない状態では難しいのですが、ある程度経験を積んだ後であれば十分可能です。

給料とは別にこれまでに経験のない現場を行っている会社であれば、更に鳶職人として学び成長できるでしょう。

⑶独立開業する

鳶職人として独立開業をすれば、売上の分だけ収入を上げられるので高収入を目指せます。

売上を確保し従業員を雇い上手に経営できれば、年収1,000万円も無理な数字ではありません。

独立には鳶職人としての経験や知識はもちろん、会社を経営する場合には営業スキルや関連の法律も勉強しなければなりません。

決して楽な道のりではありませんが、給料を上げたいのであれば視野に入れておくようにしましょう。

鳶職の給料アップに必要な能力

鳶職として給料を上げる方法を紹介してきましたが、実現するには3つの能力が必須となります。

・体力
・忍耐力
・向上心

この3つの能力について、具体的にどう必要なのかを解説していきます。

体力

鳶職の種類に関係なく、成長して給料を上げていくには体力が必須と言えます。鳶職は重い資材を運搬したり夏冬関係なく野外で動き回ったりするからです。

上記で紹介した『とび技能士』でも実技試験があり、真夏の7月に120分かけて行われます。炎天下や極寒の中で作業を長時間こなせる体力は、鳶職に欠かせない能力と言えるでしょう。

忍耐力

鳶職として給料を上げるには、辛い下積み期間を耐え抜ける忍耐力が必要です。下積み期間には先輩に強く叱られ、雑用ばかり任せられることが当たり前だからです。

辛いと感じながらも一人前の鳶職人になるために、このような厳しい世界でも耐え抜く忍耐力はとても重要となります。

向上心

鳶職として成長するには辛さに耐えるだけではなく、向上心をもって作業に取り組むことが大切です。

仕事中に気になったことがあれば積極的に質問したり、空いた時間に復習したりしていけば最短で成長できるでしょう。

鳶職で年収1000万円超えは可能か

 作業中の鳶職 

鳶職の平均年収は中堅職人で450万円ほどですが、中には年収1,000万円を超える職人も存在します。ここでは年収1,000万円を超えている鳶職人の特徴について解説していきます。

独立している

鳶職人として独立すれば年収1,000万円も決して無理な数字ではありません。仕事をこなした分、売上は全て自分のものとなるからです。

鳶職人としてのスキル以外にも営業力や経営に関する知識は必要ですが、年収1,000万円も目指せるでしょう。

人を雇っている

独立後に人を雇えば、1人親方よりも年収1,000万円を達成しやすくなります。従業員を雇うことで、こなせる仕事が増えて売上も上がるからです。

初めのうちは従業員の教育で仕事量は減るかもしれませんが、順調に成長すれば今まで以上に仕事をこなせるようになるでしょう。

従業員が現場で仕事を進めてくれれば、自分は営業や経営業務に専念しやすくもなります。今まで以上に仕事を取れるようになるので、年収1,000万円以上を目指せます。

関連記事:建設業で働く個人事業主の給料ランキングを職種別に紹介

関連記事:建設業の給料は安いのか高いのか?金額を決める10の基準を解説

鳶職に転職するなら知っておきたい給料以外のこと

作業中の鳶職

ここでは、鳶職に転職するなら知っておきたいこととして、鳶職の仕事内容や1日の流れ、若手が辞める理由、鳶職の将来性が高い理由について解説します。

鳶職の仕事内容

鳶職の仕事には足場の組み立てや解体がありますが、その他にも種類があり、作業内容から主に3つに分けることができます。

・足場担当の『足場鳶』
・鉄骨・橋梁担当の『鉄骨鳶』
・重量担当の『重量鳶』

これから鳶職人に就職する場合には、どの鳶職人を目指すのかを決めておくといいでしょう。

各鳶職の仕事内容について解説していきます。

鳶職とは

鳶職は『工事全般の作業が安全に進められるように、環境を整える』のが仕事です。

足場鳶は足場を作り、鉄骨鳶は建物の基礎、重量鳶は今後必要となる機器の設置をおこないます。大工も同じような格好で一緒に働いているイメージがあるので、鳶職と一緒にされることがあります。

しかし、鳶職と大工は全く違う職種です。大工はまず事前に用意された設計図をもとに、木材を調達して加工します。

その後に現場で木材などの資材を使用して建物を組み立てていく流れです。大工には『型枠大工』や『建築大工』の2種類があります。

鳶職は、建築作業が安全かつスムーズに進められるよう環境を整備する一方で、大工は実際に建物を建築していくのが仕事です。

足場担当

足場担当の足場鳶は、作業スペースとなる足場を工事現場に設置していきます。足場を必要とする全ての作業が終われば解体というのが一連の流れです。

足場組みがしっかりしていないと、作業がスムーズに進められず後の工事全体に影響が出てしまいます。そのため、形状や作業内容に応じた足場を組まなければなりません。

建築工事は高所作業が多く、しっかりと足場が組めていないと命に関わる大事故へと繋がるため、責任重大な仕事です。

足場鳶は足場工事とよく勘違いされますが、足場工事はステージや舞台の設営を専門としている職業であり、建築工事全般で足場を組む足場鳶とは違います。

鉄骨・橋梁担当

鉄骨造の建物を作る場合、骨組み作業から進めていきます。この骨組み作業を担当するのが『鉄骨鳶』です。

クレーンで吊り上げられた鉄骨を、高所で慎重に組み立てていきます。

一番初めの作業となることから必要最低限の足場しかありません。高所作業が当たり前で、常に落下の危険と隣り合わせと言えます。

鉄骨鳶はさらに2種類に分類でき、高所での組み立て作業を行うのが『取り付け職人』、地上で資材をクレーンのワイヤーに取り付ける人を『玉掛職人』と言います。

玉掛職人は地上での作業となることから、落下の危険はありません。

一方で、バランスを考えて資材を固定しなければ引き上げの途中で落下の恐れがあります。大事故に繋がるリスクがあり責任重大です。

この他にも、鉄骨を組む鳶職の中でも高架線や橋、ダムの骨組みを専門としている『橋梁鳶』があります。

重量担当

重量鳶は大型設備や機械を建設物の内外部に運搬したり、設置・解体したりする作業を担当します。取り扱う機器は数百キロから数十トンの重さがあり、形状もバラバラです。

搬入場所によっては数センチ単位で位置を調整する必要があります。他の鳶職とは異なる専門知識・技術・経験が必須の仕事です。

設置する重量物は給水設備や電気設備など多岐にわたり、さまざまな工事現場で必要とされます。

鳶職の1日の流れ

鳶職の1日の流れは下記のような流れとなります。

7:00:現場に到着し、仕事の準備
8:00:ラジオ体操後に他の職人も含め全体で朝礼
8:15~10:15:作業
10:15~10:45:休憩
10:45~12:30:作業
12:30~13:30:お昼休憩
13:30~15:30:作業
15:30~16:00:休憩
16:00~17:00:作業と片付け
17:00~:帰宅

鳶職人の仕事は高所での作業が多く、足場が見えやすい日中の作業となります。工事現場にもよりますが早朝出勤が当たり前です。

到着すると道具を降ろすなどして準備を進め、工事に携わる他の職人が集まった頃にラジオ体操を行います。

その後スケジュール確認のために朝礼を行い、各々の職場に分かれて作業開始です。2時間ほど作業を進めた後は休憩があり、水分補給などを行います。

休憩が終わると作業を再開して、キリの良いタイミングでお昼休憩です。休憩時間に決まりはなく、スケジュールや進行具合によって決定します。お昼以降も同じ流れで、作業をこなしながら適度な休憩を取り工事を進めていきます。

最後には現場の片づけを行い一日の作業は終了です。高所での作業は足元に物が置いてあると、つまずいたり転んだりして非常に危険です。そのため、最後の片づけは大事な仕事の1つとなります。

足場鳶・鉄骨鳶・重量鳶で作業内容は異なりますが、1日の流れで大きな違いはありません。外で作業する鳶職は、大雨で危険と判断されない限り仕事を進めていきます。

ただし、強風の日はクレーンの使用や高所での作業は危険なので、作業中止となります。

若手の鳶職が辞める5つの理由

若手の鳶職が仕事を辞める理由は主に5つあります

・雇用が不安定である
・遠方の作業場が多い
・休みが取りづらい
・労働に対して賃金が低い
・作業に危険がともなう

これらの理由について詳しく解説していきます。

 1位「雇用が不安定である」

鳶職は日給制であることが多く、天候によっては仕事が休みになるので収入が安定しません。このような雇用の不安定さが退職の原因となっています。

基本的な社会保障のない会社は近年減少傾向にありますが、昇給やボーナスがない会社は未だ多いのが現状です。

将来的に安定した収入が見込めないことから、退職を検討するのは当然の流れです。

2位「遠方の作業場が多い」

遠方の作業場だからといって労働時間が短くなることはありません。現場に間に合うよう早朝に出発して帰りは遅くなるので、拘束時間は長くなります。

作業現場は頻繁に変わるため、生活リズムを整えるのが大変です。

3位「休みが取りづらい」

鳶職人は工事現場のスケジュールに合わせなければいけないので、休みが取りづらいと言えます。

建設工事はコスト削減のため、職人にとって厳しいスケジュールが組まれがちです。

「休みたいけど休めない」という状態が続けば、休みを自由に取れる職業へと転職したいと考えるのは当たり前です。

4位「労働に対して賃金が低い」

鳶職は年間出勤日数や労働時間が他の業種と比べて高い一方で、賃金が高い水準にあるわけではありません。

また、普段使用する工具や服も自分で負担することが多く、自由に使えるお金は更に下がってしまいます。

国土交通省が公表している『年間所定労働時間の水位』と『年間所定内労働時間の水位』は下記の通りです。

【年間所定労働時間の推移】

業界 2007年度 2015年度
調査産業計 1,675時間 1,603時間
製造業 1,795時間 1,768時間
建設業 1,937時間 1,891時間

【年間所定外労働時間の推移】

業界 2007年度 2015年度
調査産業計 132時間 131時間
製造業 198時間 191時間
建設業 128時間 164時間

引用元:国土交通省|建設業の働き方として目指していくべき方向性(参考資料)|所定内労働時間及び所定外労働時間の推移(建設業と他産業の比較)

データの通り労働時間が長く、遠方の現場であれば早朝に出て帰りも遅くなります。

これに加え定期的に自費で道具を買い替えるとなれば、生活が苦しく転職を考える方も少なくないでしょう。

5位「作業に危険がともなう」

鳶職人の仕事は高所作業が多く、落下の危険が伴います。

また、地上で資材を玉掛けする場合もバランスを崩したことによる落下には注意が必要です。

事故防止の対策を取っていても、リスクをゼロにするのは難しいと言えます。

危険な作業が多い鳶職人の仕事に不満を感じて辞めてしまう人も多くいます。

鳶職の将来性が高い理由

鳶職は若手人材が少ないという課題を抱える一方で、将来性がとても高い職種の1つと言えます。

将来性が高い理由は主に3つあります。

・需要がなくならない
・人手不足はむしろチャンス
・機械化が困難

この3つの理由について見ていきましょう。

需要がなくならない

鳶職は新築工事・リフォーム工事・解体作業など、あらゆる施設の建築工事で必要なので今後も需要がなくなることはありません。

既に完成した建物でも、性能や美観を維持するには15年〜20年スパンでのメンテナンスが必要です。

国内の建物ほとんどが該当するため、鳶職はとても需要が高い状態で推移するでしょう。

人手不足はむしろチャンス

人材不足解消のため各建設会社はさまざまな取り組みをスタートしており、昔に比べて働きやすくなってきています。

具体的な取り組みは下記の通りです。

・資格やスキルを反映させた賃金
・社会保険への加入
・資格取得や技能教育の推進
・職場の人間関係の工場

このような取り組みが今後も進められている一方で、建設業界の有効求人倍率は未だに高い数値で推移しています。

業種 有効求人倍率(平成27年5月)
建築・土木・測量技能者 3.56倍
建設躯体工事の職業(鳶職) 6.53倍
建設の職業 2.68倍
電気工事の職業 1.90倍
土木の職業 2.52倍
全職業計 0.88倍

参照元:厚生労働省|建設労働者を取り巻く状況について

人手不足である以上、競争率は低く経験の有無関係なく転職しやすい状況と言えるでしょう。

機械化が困難

鳶職の仕事は人の手でなければ行えない作業が多く機械化ができません。

そのため需要が下がったり職業自体がなくなったりすることはないと考えられます。

建築工事を行う上で最も大切なのが建物の安全性であり、職人の長年の経験によって維持されているからです。このような作業をロボットに任せるわけにはいきません。

一方でデジタル技術や最新設備は積極的に取り入れられてきています。デジタル技術と職人のスキルが組み合わされば、今まで以上に鳶職として活躍しやすくなるでしょう。

鳶職の給料に関してよくある質問

作業中の鳶職

ここでは鳶職の給料に関してよくある質問について解説していきます。

鳶職にはなぜヤンキーが多いのですか?

一概には言えないのですが、比較的ヤンキーには体力があり忍耐力がある人が多いからです。

他には学歴不問であることが主な理由と言えるでしょう。下積み時代には、体力的にも精神的にも辛いことが続きます。

また、高所作業も当たり前にあるので度胸がある人が向いていると言えます。

鳶職の高卒の給料は?

厚生労働省が公表した令和2年度賃金構造基本統計調査によると、鳶職の経験年数1年未満の所定内給与額は209,900円となっています。会社にもよりますが、高卒で鳶職になった場合は額面で約21万円ほどと予想されます。

参照元:e-stat 政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査 /令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

鳶職の中卒の給料は?

中卒の鳶職の給料はおよそ15万円前後と言われています。高卒よりも低い理由は、18歳未満の場合高所での作業が禁止されているからです。作業の内容が制限されているので給料は低くなります。

関連記事:建設機械オペレーターの仕事内容と年収とは?なるにはどんな資格がいる?

鳶職の給料についてのまとめ

今回は鳶職給料について解説してきました。全体の平均年収は他の職種と比べて低いものではないと言えます。

見習いの時期は低めではありますが、経験を積み親方を任せられたり独立したりすれば年収を上げられます。経験を積む中で資格を取得すれば、給料を上げたり条件のいい会社へ転職したりしやすくなるでしょう。

体力的にも精神的にも辛い鳶職ですが、最近では人手不足解消のため働き方や待遇も改善されつつあります。将来性も高い職業なので、これから未経験で挑戦する方でも十分活躍できると言えます。

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