バス運転手として日々働いていると、さまざまなできごとに遭遇します。楽しいことや嬉しいこと、嫌なことなどたくさんの「あるある」があります。
今回は、多くのバス運転手が共感できるであろう「バス運転手あるある」を21個、シーン別に紹介します。
バス運転手の日常あるある|9選
まずは日々の業務の中にある「日常あるある」を紹介します。すでにバス運転手として働いている人は「あるある〜」と共感しながら読み進めてください。
- 後続バスと同じタイミングで出発する
-
すれ違いに手をあげてあいさつする
- メーターを拭く
- ハンドルを叩く
- 自家用車もマニュアルを使用する
- 無賃乗車がまれに現れる
- 急な睡魔がくる
- フロントガラスにカメラが設置されている
- 狭い道に入ると憂鬱になる
1.後続バスと同じタイミングで出発する
朝、営業所を出発するタイミングが他の担当者と被ることがあります。他のバスと同時に出発しようとすると出口付近で詰まってしまいます。
時間に余裕があるときほど1人でスムーズに出ることができますが、急いでいるときほど同じ時間に出ることが多いようです。朝から焦らずに済むよう、早めに出発したいものです。
2.すれ違いに手をあげてあいさつする
運転中、他のバスとすれ違うことがあります。その際、手を上げてあいさつをする人が多いようです。
会社員がオフィスですれ違うときに「お疲れ様です」とあいさつするのと同じ感覚です。
また、道を歩いている子どもが手を振ってくれることもあります。笑顔で元気いっぱいに手を振ってくれると、運転手としても嬉しくなります。
3.メーターを拭く
毎日、朝と夜に車内を清掃しますが、意外と汚れるのが速度メーターです。普段はあまり気にならなくても、いざ速度を確認しようとしたときに見づらい、ということがよくあります。
信号で止まっている間や休憩中などにメーターを拭くのもバス運転手あるあるかもしれません。
4.ハンドルを叩く
バスを運転していると嬉しいことや楽しいこともありますが、反対に嫌なことも起こりうるため、日々ストレスが溜まります。
しかし、運転中は好きなものを食べたり好きな音楽を聴いたりといったストレス発散ができません。
そのため、乗客のいない休憩中や帰路でハンドルを叩いてしまうことがあるのです。
5.自家用車もマニュアルを使用する
バス業界では依然としてマニュアルトランスミッション(MT)車が主流です。
そのため、日々業務でMT車を運転しているバス運転手は自家用車でもMT車を試用していることが多いようです。
たまにAT車を運転すると違和感を覚えることもあるのだそう。
6.無賃乗車がまれに現れる
人が多いときなどに、ごくまれに無賃乗車しようとする人がいます。
無賃乗車は犯罪ですから、基本的には発見次第、警察に通報されます。しかし、初犯であれば見逃されることもあり、コツを知った人は常習的になることもあります。
7.急な睡魔がくる
普段、自家用車を運転する人ならわかるかもしれませんが、運転中に急に睡魔に襲われることがあります。バス運転手も同じです。
居眠り運転しないよう適度に休憩を取ってはいますが、バス運転手の場合、パーキングエリアなどで休憩時間を過ごすことも多く、十分な休憩を取れないことも多いのです。
8.フロントガラスにカメラが設置されている
多くのバスには、防犯やトラブル防止のためにカメラが設置されています。
防犯カメラはフロントガラスの中央上部に設置されていることが多いため、やや見づらく感じる人もいます。
また近年はドライブレコーダーの設置も義務付けられています。
防犯カメラの代わりにドライブレコーダーが設置されていることもありますが、設置場所によっては気になる運転手もいるようです。
9.狭い道に入ると憂鬱になる
運転手の中には、狭い道や小道、脇道に入ると憂鬱になる人もいます。
確かに開けた道や大きな道では視界が明るく、周りも人や車が多く通っているのに対し、住宅街などの狭い道では暗くなりがちです。人や車の通りも少なくなります。
一方でカーブが多かったり陰から子どもが飛び出してきたりと事故につながるリスクは高くなります。
当然、運転も慎重になります。このようなことから、狭い道に入ると憂鬱になる運転手がいるのです。
バス運転手の嬉しいことあるある|3選
次は、バス運転手が仕事をしていて嬉しい場面を3つ紹介します。多くの人は、以下の場面で嬉しさを感じるようです。
- 乗客がバス酔いをしていないとき
- 乗客に運転技術を褒められたとき
- 運転の上達が実感できたとき
1.乗客がバス酔いをしていないとき
1つ目は、乗客がバス酔いをしていないときです。こちらは嬉しいというよりは安心できる、といった方が適切かもしれませんね。
乗客がバス酔いしてしまうと、窓を開けたり停車したりと運転手が直接サポートする必要があります。吐いてしまったときは嘔吐物を処理する必要もあります。
運転手は、乗客が何事もなく乗っているときが、一番安心して運転できるのです。
2.乗客に運転技術を褒められたとき
乗客から運転技術を褒められたとき、多くのバス運転手は嬉しく感じます。
同時に「バス運転手をやっていて良かった!」と、やりがいや達成感も感じるのではないでしょうか。
嬉しい言葉をもらうためにも、乗客のことを第一に考えた運転をしたいものです。
参考:お客様からの「ありがとう」の声にやりがいを感じます!|濃飛バス
3.運転の上達が実感できたとき
周りの人に認められなくても、自分で自分の成長を感じられた場合でも嬉しさを実感できます。
「長時間運転しても前ほど疲れなくなった」「狭い道でも通れるようになった」「キレイに駐車できるようになった」など、ささいなことでも嬉しさを実感できることはあります。
バス運転手の職業的あるある|3選
ここからはバス運転手だからこそ気になる、やってしまうことを3つ紹介します。いわゆる職業病です。
- プライベートでもバスの運転が気になる
- ギアの感触が車両によって違う
- タイヤの種類によって走りやすさが違う
1.プライベートでもバスの運転が気になる
どの職業の人でも、休日に自分と同じ仕事をしている人と遭遇したら、気になってしまうのではないでしょうか。
バス運転手も同じです。自分のシフトが入っていない日でも、他の人がバスを運転していることがあります。すれ違うときやバスの後ろを走っているときなどは特に気になるでしょう。
2.ギアの感触が車両によって違う
複数の車を担当する運転手ですと、車両によって異なるギアの感触が気になることもあります。特に最初のうちは操作感の違いに戸惑ってしまうかもしれません。
しかし長く働いて、いろいろなギアの感触に慣れてくれば、次第に気にならなくなるでしょう。
3.タイヤの種類によって走りやすさが違う
ギアだけではなくタイヤの種類も車両によって違います。タイヤによって走りやすさが異なるため、こちらも最初のうちは戸惑うかもしれません。
しかし、慣れてくればそれほど気にならなくなってくるでしょう。
バス運転手の焦る瞬間あるある|3選
バスを運転していて焦ってしまう瞬間を3つ紹介します。
- トイレを我慢できない乗客が現れる
- 吹雪が吹いて前が見えない
- 1台しか通れない道で対向車がくる
1.トイレを我慢できない乗客が現れる
多くのバス運転手は、トイレを我慢できない乗客が現れると焦ります。
特に高速道路など、近くにトイレがなかったり止まれなかったりすると、運転手としてはどうしようもありません。途中で降ろすわけにもいきません。
乗客に「トイレを我慢できないからバスを止めてくれないか」と言われても、他の乗客が乗っている状況ではバスを長時間止めるわけにはいきません。
運転手にはどうすることもできないため、乗客がトイレを我慢できなくなると困るのです。
2.吹雪が吹いて前が見えない
車を運転したことのある人ならお分かりかと思いますが、悪天候の日は前が見えにくくなります。
特に北海道や東北地方など雪の降るエリアでは、雪が降ったり、積もった雪が風に吹かれたりして前が見えなくなってしまうこともあります。
雪は雨とは異なり前が見えにくくなるだけではなく、車の上に積もったりツルツルに凍った地面で滑ったりすることもあるため、より注意しなければなりません。
また、雪が積もっている所では天気がよかったとしても雪が太陽光を反射してまぶしくて前が見えにくい場合もあります。
天気が急に変わって視界が悪くなる、というのは多くのバス運転手が経験しているあるあるです。
3.1台しか通れない道で対向車がくる
住宅街などには、車1台分の広さしかない道もあります。そのような小道は、いつもはそこまで車通りが多くなく、混雑することはめったにありません。
しかし、なぜかバスを運転していると、頻繁に対向車と遭遇することがあるようです。
もしも小道で対向車と遭遇したら、自分はバックしたり待避所に異動したりして、相手の車に道を譲りましょう。
バス運転手の嫌なことあるある|3選
次は、バス運転手がよく経験する「嫌なこと」あるあるを3つ紹介します。
- 車内にゴミを放置される
- 乗客同士が揉めてトラブルになる
- 乗客がバス酔いで嘔吐する
もし、乗客としてバスに乗ることがあったら上記のことをしないよう、気をつけましょう。
1.車内にゴミを放置される
観光など長距離を走る場合や大人数の団体客が乗る場合、乗客を目的地まで送り届けた後、座席でゴミを見つけることがあります。
ゴミが放置されているのを見ると、忘れ物を見つけた時とは違うショックを受けます。
特にお菓子や飲み物がこぼされていると清掃時の手間が増えるため、嫌に思っている人も多いでしょう。
参考:自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う 一般的な指導及び監督の実施マニュアル|国土交通省
2.乗客同士が揉めてトラブルになる
さまざまな人が乗る路線バスでは、乗客同士での揉め事やトラブルが発生することもあります。そのようなとき、バス運転手としてははやく解決するために注意喚起や仲介をします。
しかし、バス運転手が関わることで当事者たちを怒らせてしまったり問題が複雑になってしまったりすることもあります。
周りの乗客にも迷惑がかかってしまうため、バス運転手としてはあまり起きてほしくないのが心情です。
3.乗客がバス酔いで嘔吐する
乗客がバスに酔ってしまい、吐いてしまうことがあります。一度バスを止めて対処にあたる必要があるため、バス運転手としてはできれば遭遇したくないできごとの1つです。
バス運転者あるあるに関するよくある質問
ここでは、バス運転手のあるあるに関するよくある質問を紹介します。
- バス運転手は減っていますか?
- バスの運転手の年収は?
- 日本のバス運転手は何人くらいいますか?
バス運転手は減っていますか?
バス運転手の数は年々減少しています。平成10年以降、8万人を切っています。
参考:『運転者不足問題』に対する 今後の対応方策について|公益社団法人 日本バス協会
バスの運転手の年収は?
日本人の平均年収と比べると低いです。厚生労働省によるとバス運転手の年間所得額は令和3年が404万円、令和2年が428万円といずれも平均年収よりも低い金額となっています。
日本のバス運転手は何人くらいいますか?
国土交通省によると、2021年時点で約12万人いるようです(運転手・整備要員含む)。トラックやタクシーの運転手数と比較すると少ないです。
バス運転手あるあるに関するまとめ
バス運転手は日々乗客とのふれあいや道路上のさまざまなできごとと真剣に向き合っています。
今回紹介した21個の「バス運転手あるある」からは、バス運転手たちの日々の業務の端々を垣間見ることができます。
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