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二級自動車整備士の合格率は約22〜95%|資格取得には独学と通学がある

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二級自動車整備士の合格率は約22〜95%|資格取得には独学と通学がある

乗用車やトラックといった車両の点検や修理を行うには、自動車整備士の資格が必要です。

整備士資格は一級・二級・三級に分かれており、整備業務全般をこなすには二級整備士の資格が必須となります。

整備業務は、些細なミスが人の命にも関わるため、誰でも簡単に取得できるわけではありません。

今回は、二級自動車整備士の合格率を中心に、取得方法などを分かりやすく解説していきます。

この記事のまとめ
  • 二級自動車整備士の合格率:約22〜95%
  • 二級自動車整備士の勉強方法は独学・養成施設
  • 二級自動車整備士の受験資格は事前い確認しておく

二級自動車整備士の合格率:約22〜95%

二級自動車整備士の合格率:約22〜95%

二級整備士は、扱える車や箇所によって「ガソリン・ジーゼル・シャシ・二輪」の4種類に分けられています。

各試験では学科試験と実技試験が行われ、どちらも合格すれば資格取得できます。

各試験の合格率は、以下の通りです。

二級・学科試験 令和4年 令和3年 令和2年
二級・ジーゼル 96.3% 94.8% 95.5%
二級・ガソリン 88.3% 87.1% 89.8%
二級・シャシ 73.7% 91.8% 90.7%
二級・二輪 73.1% 83.1% 83.8%
二級・実技試験 令和5年 令和3年 令和元年
二級ジーゼル 33.3% 33.3% 0%
二級・実技試験 令和4年 令和2年 平成30年
二級ガソリン 41.7% 46.2% 22%

学科試験に関しては、資格の種類に関係なく8〜9割の合格率で推移しています。

一方で、実技試験に関しては合格率が3〜4割と低い状況です。

ちなみに、実技試験は自動車学校の養成カリキュラムを修了している場合は免除されます。

また、それ以外の受験者も整備振興会による、実技講習を受講することで免除が可能です。

どちらも該当しない受験者のみが実技試験を受けます。

ちなみに、二輪自動車の実技試験に関しては、全ての受験者が実技講習を受けているため、試験自体が開催されていないとのことでした。

参考:試験結果(受験者及び合格者数等)|一般社団法人日本自動車整備振興会連合会

二級自動車整備士に合格するまでの勉強方法

二級自動車整備士に合格するまでの勉強方法

整備士資格を取得する場合、自動車学校に通う方法と独学で学んで試験に合格する方法の2種類があります。

ここでは、各方法の流れやメリット・デメリットについて解説していきます。

独学

整備士資格の取得条件で必須となるのは実務経験のみであるため、必ずしも自動車学校に通う必要はありません。

独学で資格取得する場合は、実務経験を積むために指定の自動車整備工場で働きながら、勉強を進めます。

学科試験に関しては、テキスト本が販売されており近年では通信講座も利用可能です。

実技試験は、仕事中に練習できるわけではないため、整備士振興会が実施する技術講習の受講をおすすめします。

働いている方向けに、平日の夜間や日曜の昼間に講習を受けられるコースもあり、教育期間は半年ほどです。

未経験者の場合は、三級整備士から取得していく必要があり時間がかかる一方で、自動車学校に通う費用がかからない点がメリットと言えるでしょう。

養成施設

整備士の養成施設には、一種養成施設と二種養成施設があり、自動車学校は一種になります。

自動車学校の二級整備士養成カリキュラムを修了している場合、学校卒業と同時に試験に挑戦できます。

整備士についてしっかり学べて、2年で資格取得できることは大きなメリットと言えるでしょう。

通学費用は学校にもよりますが、約200〜250万円ほどの学費が必要です。

二級自動車整備士:合格率以外で知るべきこと|5選

二級自動車整備士:合格率以外で知るべきこと|5選

ここからは、二級整備士試験の合格率以外で知っておくべき内容について解説していきます。

  • 二級自動車整備士の試験概要
  • 二級自動車整備士の受験資格
  • 二級自動車整備士の平均年収
  • 二級自動車整備士の仕事内容
  • 二級自動車整備士のキャリアの展望

資格取得後のキャリアに関しても解説していますので、整備業界への就職を検討するうえで参考にしてみてください。

試験概要

二級自動車整備士試験は、学科試験と実技試験に分かれています。

学科試験の時間は、ガソリン・ジーゼル・二輪試験の場合で80分シャシ試験は60分で実施されます。

修理や調査、点検などの方法や、整備で使用する計量器や試験機、工具の取扱い方法が主な出題内容です。

実技試験では3問が出題され、基本考査や一般的な修理スキルが判定されます。

実技試験は、整備士養成カリキュラムを自動車学校で修了するか、整備士振興会の技術講習を半年間受講すれば免除されます。

受験資格

二級試験を受けるには、指定の科目や実務経験を満たす必要があります。

受験条件は資格の種類によって異なるため、注意が必要です。

ガソリン・ジーゼル・二輪自動車整備士

ガソリン・ジーゼル・二輪自動車の2級試験の受験資格は以下の通りです。

学歴 受験条件
自動車学校で二級整備士養成課程を修了 卒業と同時に受験可能
大学や高等専門学校で機械工学系の学科を修了 三級整備士として1年6ヵ月の実務経験が必要
高校で機械工学系の学科を修了 三級整備士として2年の実務経験が必要
大学、専門学校、高校で自動車科や整備科を修了 三級整備士として2年の実務経験が必要
普通科など関連学科を卒業していない場合 三級整備士として3年の実務経験が必要

自動車学校で専用カリキュラムを学ぶ場合を除き、まずは三級整備士の資格を取得していなければなりません。

三級整備士になるにも、各種受験条件があるため、国土交通省または整備士振興会のホームページで確認してみましょう。

シャシ整備士

二級シャシ整備士試験を受けるための条件は、以下の通りです。

学歴 受験条件
自動車学校で二級整備士養成課程を修了 卒業と同時に受験可能
大学や高等専門学校で機械工学系の学科を修了 三級車体またはタイヤ整備士として1年の実務経験が必要
高校で機械工学系の学科を修了 三級車体またはタイヤ整備士として1年6ヶ月の実務経験が必要
大学、専門学校、高校で自動車科や整備科を修了 三級車体またはタイヤ整備士として1年6ヶ月の実務経験が必要
普通科など関連学科を卒業していない場合 三級車体またはタイヤ整備士として2年の実務経験が必要

ちなみに実務経験は、指定の自動車整備工場での業務のみが認められるため、カー用品店などでのアルバイト業務は実務経験にはなりません。

平均年収

厚生労働省の令和4年度・賃金構造基本統計調査のデータをもとにした、自動車整備士の推計年収は441万8,800円です。

平均給与が30万3,600円平均賞与が77万5,600円という内容です。

近年、自動車整備士は人材不足が問題となっており、各社で待遇面の改善が進められています。

そのため、今後さらに整備士の平均年収は上がっていく可能性があります。

出典:令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|厚生労働省

仕事内容

二級自動車整備士は、整備できる車種に制限があるものの、整備内容には基本的に制限がありません。

普段の業務でこなす整備業務には、以下のような種類があります。

  • 点検整備:定期的に行うメンテナンスにより、車両を良好な状態で保つための整備
  • 分解整備:車両点検の中で劣化や故障が見つかった場合に、さらに細かく分解したうえで部品などを交換する作業
  • 緊急整備:事故車両や走行中に故障してしまった車両の整備

このような整備業務を行いながら、就職先によって板金や塗装作業、フロント業務をこなすこともあります。

自動二輪整備士に関しても、扱う車両が異なるだけで、整備内容に大きな違いはありません。

キャリア

二級整備士資格を取得し、整備業務の経験を積むことで、さまざまな仕事へのキャリアアップも目指せます。

具体的には「技術者・専門家・経営者・開発、管理・教育者」などがあります。

各仕事の詳細について見ていきましょう。

技術者

二級自動車整備士として経験を積み、一級整備士や特殊整備士の資格を取得することで、技術者としてリーダーポジションに付けるようになります。

自身で整備するだけでなく、後輩整備士の教育なども担当します。

技術者ではないものの、ディーラーなどでは整備士経験を活かして、人事部や営業部で働くことも可能です。

専門家

二級整備士として、あらゆる車両の整備経験を積むことで、特定箇所の整備や点検に特化した会社への転職も可能です。

具体的には、カー用品の取り付けや電気装置を専門とした修理・取り付け会社等があります。

板金塗装屋やカー用品商社などで、整備士資格を優遇している求人も多くあります。

経営者

整備士として経験を積み、独立開業する人も少なくありません。

経営者兼整備士として、自分の理想とする整備工場を作り上げられます。

経営者として、営業やマーケティング、事務作業もこなさなければならないものの、経営が安定すれば高収入も目指せます。

開発・管理者

整備士として身に付けた知識や経験は、自動車開発や自動車関連の工場における品質管理業務でも活かせます。

製品の開発やテストなどの仕事をこなします。

部品だけでなく、カー用品の開発などにも従事可能です。

二級自動車整備士資格試験の過去問題

二級自動車整備士資格試験の過去問題については、以下のとおりです。

【二級・学科試験の問題例】

Q・排気装置の過給機に関する説明として適切なものは次のうちどれか

1・2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、過給圧が規定値になった場合、圧の一部を吸入側に逃がして、規定値を制御するエア・バイパス・バルブが設置されている

2・2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、ローターが1回転するごとに1回の吸入と吐出が行われる

3・ターボ・チャージャは、タービンホイール、タービンハウジング、コンプレッサハウジング、コンプレッサホイール及びドライブギアなどで構成されている

4・ターボ・チャージャーで用いられるコンプレッサホイールの回転速度は、タービンホイールの2倍の速さである

【正解は1番】

このように、複数の選択肢から正解や不正解のものを選ぶ問題が出題されます。

参考:過去の問題と回答|一般社団法人日本自動車整備振興会

二級自動車整備士の合格率に関するまとめ

二級自動車整備士の合格率に関するまとめ

二級自動車整備士の合格率は、筆記試験が9割前後、実技試験が4割前後で推移しています。

試験は誰でも受験できるわけではなく、修了科目や学歴によって実務経験を満たす必要があります。

今回紹介した資格取得のステップを参考に、現在の学歴に応じた方法で自動車整備士を目指してみましょう。

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