サービスエンジニアの年収は約504万円と高く、その理由や年収アップの方法に関心を持つ方も多いでしょう。
サービスエンジニアは、顧客先で機械のメンテナンスや保守を担当する重要な仕事で、未経験者を歓迎する求人も増えています。
また年収が高い背景には、専門知識やスキルが求められることが挙げられます。
そこで今回は、サービスエンジニアの年収事情や、年収アップに役立つ資格について解説します。
サービスエンジニアへの転職を検討中の方は参考にしてください。
【この記事のまとめ】 ・サービスエンジニアの年収は500万超えで好待遇といえる ・エンジニアは高度なスキルや大きな責任が伴うため年収が高めに設定されている ・技術者として経緯県と実績を積めば年収をさらに上げることも可能 ・昇給や昇格に役立つ資格もある |
サービスエンジニアの平均年収は約504万円
サービスエンジニアが扱う機械は、複合機・医療機器・ソフトウェア・家電など多岐にわたり、幅広い業種で活躍しています。
平均年収の傾向は業種によって異なるものの、2024年3月に求人ボックスが公表したデータによると、サービスエンジニアの平均年収は504万円でした。
また、同年度における賃金構造基本統計調査の結果によると、産業用ロボットの保守・メンテナンス職の平均年収は、515万2,000円です。
全産業の平均年収は461万円であるため、他の職種よりも収入は高水準と言えます。
ちなみに、年代別で最も年収が高かったのは50代後半で626万8,400円でした。
参考:サービスエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス給料ナビ
出典:職業情報提供サイトjobtag|産業用ロボットの保守・メンテナンス|厚生労働省
サービスエンジニアの年収が高い理由
機械メーカーには、研究開発職・設計職・品質管理職・営業職などの職種がありますが、サービスエンジニアの平均年収はその中でも高水準と言えます。
他の産業や職種と比べて収入が高い理由は、主に3つあります。
・業務に対して重い責任がある
・高度なスキルが求められる
・複雑なトラブルに対処しないければいけない
上記3つの理由について、サービスエンジニアの仕事内容を踏まえながら解説していきます。
業務に対して重い責任がある
サービスエンジニアは、自社で扱う機械のあらゆる異常を解決する役割を担っています。
顧客から連絡があると、必要に応じて現地へ出向き、症状について詳しくヒアリングしたうえで点検を開始します。
異常の原因を見つけたあとは、必要に応じて部品の交換といったメンテナンスを行い、問題を解消しなければなりません。
基本的に1人で向かうため、全ての問題を自分だけで解決しなければならず、作業が遅れるほど顧客に対し迷惑がかかります。
特に医療機器に関しては、トラブル解消までの時間が人の命にも関わるため、作業ミスは許されません。
機械の構造や設定などについて熟知している必要があり、誰でもできる仕事ではないことから収入も高めに設定されています。
高度なスキルが求められる
機械が故障してしまう原因は、各種部品の劣化や設置環境による不具合、誤った使用方法などさまざまです。
構造が非常に複雑であり、どの箇所でどのように異常が起きているのか、毎回異なります。
サービスエンジニアは、全ての症状に対応しなければならず、機械の構造について熟知していなければなりません。
また、原因が発覚した後は自分で分解したうえで部品交換などをこなすため、高度なメンテナンス技術が必須であることも収入が高い理由の1つです。
複雑なトラブルに対処しないければいけない
サービスエンジニアは、ただ機械に起きた問題を解消すればいいというわけではありません。
顧客の要望に応じて、応急処置だけ済ませて最短で稼働できるようにしたり、同じ問題が発生しないように細部まで分解して修理したりします。
顧客のニーズに柔軟に対応するには、機械に関する知識だけでなく高い問題解決能力も必要です。
このように、サービスエンジニアはさまざまなスキルが求められることから、収入が高めに設定されています。
会社によって出張手当が支給されることも、年収が高い理由の1つと言えるでしょう。
関連記事:サービスエンジニアとは?仕事内容や必要な能力・求人例など
サービスエンジニアが年収をアップさせる方法
サービスエンジニアの年収は、他の職種よりも高水準ではあるものの、必ずしも全員が高収入というわけではありません。
収入を上げていくには、サービスエンジニアとしてキャリアアップしていく必要があります。
キャリアアップにより、年収を上げていく具体的な方法は以下の通りです。
・社内でチームリーダーや管理職を目指す
・プロジェクト管理の資格を取得する
・給料が高い企業に転職する
・フリーランスになる
・海外で働く
ここでは、上記5つの方法について詳しく解説していきます。
社内でチームリーダーや管理職を目指す
年収を上げる1つ目の方法は、サービスエンジニアとして経験を積み、チームリーダーや管理職へ出世するというものです。
多くの現場で実績を積むほど、社内での評価が高まり出世へと繋がります。
管理職になると役職手当がつくようになり、給与や賞与の支給額を大きくアップさせることも可能です。
50代で年収のピークを迎えるのも、管理職への出世により収入が増えたことが影響していると考えられます。
管理職を目指したい場合は、人材育成や業務管理に関する勉強も進めていきましょう。
プロジェクト管理の資格を取得する
管理職への出世だけでなく、活躍の幅を大きく広げられるのが専門資格の取得です。
サービスエンジニアとしてのキャリアアップでおすすめする資格の1つに「PMP(Project Management Professional)」があります。
予算や納期に制約がある中で、プロジェクトを成功させるために最適な計画を立て、進歩・品質・コストを管理する能力を証明する資格です。
エンジニアリングやITなど、さまざまな業界で注目されている資格であるため、別業種への転職にも役立ちます。
サービスエンジニアとしてのスキルを高めたい場合には、以下のような資格もおすすめです。
・基本情報技術者
・応用情報技術者
・家電製品エンジニア
・電気工事施工管理技士
・エックス線作業主任者
所属する業種によって、活かせる資格が異なるため、リサーチしたうえで取得にチャレンジしてみましょう。
給料が高い企業に転職する
サービスエンジニアとして経験を積み上げていけば、より好待遇の企業へ転職することも十分可能です。
エンジニア経験が条件となっている求人の中には、想定年収が600万円を超えるものも珍しくなく、中には年収1,000万円を超える求人もあります。
必ず収入が上がるとは限らないものの、社内での昇給が低い場合などは定期的に求人をチェックしてみましょう。
フリーランスになる
サービスエンジニアとして経験を積み上げていくと、独立してフリーランスに仕事をこなすこともできるようになります。
フリーランスのエンジニアに保守・メンテナンスを業務委託している企業も少なくありません。
会社員と異なり、保証がなく賞与などの福利厚生もないものの、報酬が高めに設定されています。
また、稼働日を自分で調整できるため、プライベートを充実させたい人や兼業で別の仕事もこなしたいような人におすすめです。
海外で働く
サービスエンジニアとして経験を積み、海外で働くことでも年収を上げられます。
【海外勤務のパターン】
・日系企業に現地採用してもらう
・海外企業に現地採用してもらう
・日系企業の海外支社に出向する
報酬は企業によって異なりますが、アメリカやイギリスといった国は全体の平均年収が日本の倍近くあるため、年収を上げやすいと言えるでしょう。
また、外国では日本以上に実力主義であるため、技術が伴っていればさらに高収入も目指せます。
日系企業であれば日本人スタッフが多いため、最低限の語学力でも挑戦可能です。
サービスエンジニアの年収アップに役立つ資格
前述した通り、サービスエンジニアは国内だけでなく世界各国で活躍可能です。
転職の際にエンジニアとしての実力を証明できる資格があれば、採用確率を上げられます。
先ほど紹介したPMP以外にも、世界で実力を証明できる資格は複数あります。
・CCNA(Cisco Certified Network Associate)
・CompTIA Security+
上記2つの資格について、解説していきます。
CCNA(Cisco Certified Network Associate)
CCNAは、ネットワークエンジニアを目指す人向けの資格で、世界的に有名なネット機器メーカー「シスコ」による認定資格です。
レイヤー2のスイッチングや、レイヤー3の無線接続・ルーティング・セキュリティに関する最低限の知識を有していることを証明できます。
特別な受験条件は設けられていないものの、3つの条件を満たしたうえでの受験を推奨しています。
- シスコソリューションの管理、実装経験1年以上
- ネットワークの基礎を理解している
- IPアドレス指定の基本的な知識を有している
Web関連のサービスエンジニアを目指している方は、取得を検討してみましょう。
CompTIA Security+
CompTIA Security+は、情報セキュリティに関する資格でデジタルフォレンジックやインシデントレスポンスなどの分野に関する知識を証明できます。
欧米を中心に世界中でIT関連資格の認定を行っている「CompTIA」が試験を開催しています。
特別な受験条件はないものの、受験者のレベルとして以下の項目を満たしたうえでの受験を推奨しています。
- セキュリティ関連のITシステム管理業務に2年従事している
- 技術的情報セキュリティに関連する業務経験
- セキュリティコンセプトに関する知識を有している
CCNAと同様にWeb関連のサービスエンジニア職で活かせる資格です。
公的な資格とは別に、独自で認定試験が用意されている企業もありますので、積極的に挑戦してみましょう。
関連記事:サービスエンジニアに必要なスキルは?仕事内容や役立つ資格も
サービスエンジニアの年収に関するよくある質問
最後はサービスエンジニアに関する、5つのよくある質問に答えていきます。
・サービスエンジニアに向いてる人の特徴は?
・サービスエンジニアは底辺で稼げませんか?
・サービスエンジニアの離職率は?
・サービスエンジニアはやめとけと言われる理由は何ですか?
・サービスエンジニアの給料は高いですか?
サービスエンジニアを目指すかどうかを検討するうえで役立つ内容ですので、参考にしてみてください。
サービスエンジニアに向いてる人の特徴は?
サービスエンジニアに向いている人の特徴は、以下の通りです。
- 機械をいじるのが好きな人
- 自分で判断して問題解決するのが得意な人
- 1人で黙々と仕事に打ち込みたい人
- 人と話すのが好きな人
サービスエンジニアのメイン業務は、機械の保守・メンテナンスであるため、機械に対しての興味は必須と言えるでしょう。
基本的に1人で現場へ向かうため、指示を仰ぐのではなく自分で判断して黙々と仕事をこなしたいような人も適性があると言えるでしょう。
作業の前後には、顧客に異常の状況をヒアリングしたり、故障の原因について分かりやすく説明したりするため、人と話すのが好きであることも重要です。
サービスエンジニアは底辺で稼げませんか?
サービスエンジニアは、決して底辺の仕事ではなく経験を積むことで高収入を目指せます。
機械の保守・メンテナンスは製造業を中心に欠かせないものであり、それを支えるサービスエンジニアは貴重な存在と言えるでしょう。
誰でもこなせる簡単な仕事ではなく、将来性も高いため底辺の仕事ではありません。
収入面に関しても平均年収は500万円を超えており、さらに高収入を目指すことも可能です。
サービスエンジニアの離職率は?
サービスエンジニアに特化した離職率のデータはないものの、他の職種と大きな差はないと推測されます。
多くのエンジニアが所属する製造業の離職率は9.7%、情報通信業では9.1%程です。
「きつい・やめとけ」といったネガティブな声も見受けられますが、その分やりがいや魅力もたくさんあるため、離職率はそこまで高くないと言えるでしょう。
サービスエンジニアはやめとけと言われる理由は何ですか?
サービスエンジニアについてネット上で調べると「やめとけ」といったネガティブな情報も見受けられます。
このようなネガティブな声があがる主な理由には、以下のような内容があります。
- 1人で問題を解決しなければならず責任が大きい
- 顧客の都合に合わせなければならず勤務時間が不規則
- 新しい商品がでるたびに学び直さなければならない
- 顧客とのコミュニケーションが面倒
機械の保守・メンテナンス作業は、1人でこなすことが多く、故障の対応でも自分で判断して解決しなければなりません。
修理が遅れるほど、顧客に迷惑がかかってしまうため仕事には大きな責任が伴います。
担当する機械が新しくなった場合は、構造や各種設定方法について再度学び直さなければなりません。
一方で、問題を解決できた時には、大きな達成感を感じられるだけでなく、顧客から直接感謝してもらえます。
経験を積み重ねていくほど高収入も目指しやすくやりがいのある仕事と言えるでしょう。
サービスエンジニアの給料は高いですか?
令和4年における、サービスエンジニアの平均年収は約504万円で、賞与が40万円として計算すると、給料は38万6,700円です。
平均年収が全体の平均を上回っていることから、収入は高水準と言えるでしょう。
ちなみに、ハローワーク求人統計データによると、令和4年における産業用ロボットの保守・メンテナンス職の求人賃金は24万2,000円です。
出典:職業情報提供サイトjobtag 産業用ロボットの保守・メンテナンス|厚生労働省
サービスエンジニアの年収についてのまとめ
サービスエンジニアの平均年収は約504万円で、全産業の平均と比べて高水準と言えます。
ただし、最初から高収入を目指せるわけではなく、機械メンテナンスに関する知識やスキルを身に付けていく必要があります。
転職自体は、未経験からでも応募可能な求人もあり、過去の経歴に関係なく挑戦可能です。
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