サービスエンジニアへ転職するうえで、どのようなスキルが必要なのか気になる人もいるのではないでしょうか。
機械の保守・メンテナンスや故障に対応するサービスエンジニアは、各メーカーにとって必要不可欠な存在と言えます。
人材不足が続いていることもあり、未経験者を歓迎する求人も増えてきています。
今回は、サービスエンジニアに必要なスキルを中心に、仕事内容や年収についても分かりやすく解説していきます。
【この記事のまとめ】 ・サービスエンジニアには製品に関する知識やコミュニケーション能力が欠かせない ・普段の仕事では分析力や判断力が求められる ・サービスエンジニアの平均年収は515万円 ・関連資格を取得することでキャリアアップも狙える |
サービスエンジニアに必要なスキル
サービスエンジニアは、機械の保守・メンテナンスだけでなく、さまざまなトラブルに対応しなければなりません。
また、メーカーの代表として顧客と良好な関係を保つ役割も担っており、以下のような知識やスキルが求められます。
・製品についての知識
・コミュニケーション能力
・分析力
・判断力
・語学力
ここでは、上記スキルについて、実際の業務内容も踏まえながら解説していきます。
製品についての知識
サービスエンジニアは、自社で扱う製品について以下のような業務をこなします。
・保守、メンテナンス作業 ・故障の対応 ・機械を設置する際の各種設定 ・納入先での操作説明 |
これらの業務をこなすには製品の構造や機能について熟知していなければなりません。
そのため、機械が改良されたり新商品がでるたびに、製品についての知識を学ぶ必要があります。
コミュニケーション能力
サービスエンジニアは、顧客の元へ向かいさまざまなトラブルに対応します。
作業後は、具体的な原因や対処方法について、顧客に分かりやすく説明するまでが仕事です。
トラブルによって顧客が怒っていることも珍しくなく、納得してもらい良好な関係を崩さないためには、高いコミュニケーション能力も必須と言えるでしょう。
普段の業務における課題について話しを聞くなどして、商品開発に役立つ生の声を社内で共有する役割も担っています。
分析力
機械トラブルには、さまざまな症状があり、原因も異なります。
複数の原因が重なってトラブルが起きているケースもあり、何が原因なのか細かくチェックしていきながら分析します。
現地で原因を追究しながら最短で復旧させるには、高い分析力も必要です。
判断力
顧客に納得してもらうには、何を望んでいるのかを理解したうえで最善の対処を選択しなければなりません。
応急処置を施し、最短での復旧を優先させるのか、今後同じトラブルが起きないように各部品を全て交換するのか、正解は都度変わります。
どのような状況であっても、冷静に考えられる判断力も求められます。
語学力
外国でも使用されている機械を扱う場合、海外への出張も珍しくありません。
そのため、就職先によっては語学力も必要です。
海外支社がある場合は、転勤となる可能性もあるため、求人を選ぶ際には出張先についてもチェックしておくようにしましょう。
サービスエンジニアの仕事内容
サービスエンジニアの仕事内容は、主に3つあります。
具体的にどのような業務をこなしているのか、見ていきましょう。
サービスの運用・保守
各種機械を扱う場合、定期的な保守・メンテナンスが欠かせません。
製造機械などは、使用し続けていくうちに各部品が劣化していくため、消耗部品を交換したり、分解したうえで洗浄したりします。
ソフトウェアなどの場合は、システムの変更によりアプリを新しくダウンロードしたり、設定を変更したりします。
顧客対応
サービスエンジニアは、機械に何らかのトラブルが起きた際に、現地へ向かい対応します。
原因によって設定の変更や部品交換などを行い、最短でトラブルを解決しなければなりません。
また、顧客が抱える課題をヒアリングしたうえで、最適な製品を提案することもあります。
ちなみに、課題に対する具体策の提示や、そのデモンストレーションをメイン業務とする職種にセールスエンジニアがあります。
サービスの改善
日々のメンテナンスやトラブルに対応する中で、顧客から得た声を社内で共有し、商品改善を促すのもサービスエンジニアの仕事です。
開発業務に関わることはないものの、試作品についてアドバイスしたり、顧客に紹介したりします。
関連記事:フィールドエンジニアとサービスエンジニアの違いは?
サービスエンジニアに役立つ資格
サービスエンジニアとして仕事をこなすうえで役立つ資格を保有していれば、より転職しやすくなります。
より専門的な知識やスキルを身に付けられれば、社内でのキャリアアップにも役立ちます。
ここでは、サービスエンジニアの仕事に役立てられる資格を4つ紹介していきますので、取得を検討してみましょう。
普通自動車免許
サービスエンジニアは、メンテナンスで使用する機械や部品を車に積み込み、顧客のもとへ向かいます。
普通自動車免許は、エンジニアとして働くうえで必須と言えます。
未経験者を歓迎している企業でも、普通自動車免許の保有を応募条件としている求人がほとんどです。
基本情報技術者試験
基本情報技術者は、ITに関する基本的な知識と技術を証明する資格で、IT関連の企業へ転職する際に役立つ資格です。
試験の合格率は4割ほどで推移しており、特別な受験条件もないため、未経験者でも挑戦可能です。
企業によっては、基本情報技術者手当に対して、資格手当を支給しているため、収入アップにも繋がります。
自動ドア保守メンテナンス管理者
自動ドア保守メンテナンス管理者とは、あらゆる自動ドアの保守やメンテナンスに携われる知識と技能を証明する資格です。
自動ドアは、多くの商業施設に設置されており、誤作動などによる事故を防ぐには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
自動ドア関連の企業で働きたいと考えている人は、取得を検討してみましょう。
自動ドア施工技能士
自動ドアを扱うサービスエンジニアとして、キャリアアップを目指す場合におすすめするのが、自動ドア施工技能士です。
厚生労働省が認定する国家資格であり、1級と2級があります。
2級試験に挑戦するには、2年以上の実務経験が必要であるため、未経験者は取得できません。
サービスエンジニアに向いている人
以下のような特徴がある方は、サービスエンジニアに向いている可能性があります。
機械や技術に興味がある人
サービスエンジニアは、さまざまな機械や技術に携わる仕事です。製品やサービスにより取り扱う機械は異なりますが、基本的に最新の技術に触れる機会が多いため、新しい知識をインプットしてトレンドをキャッチし続ける姿勢が求められます。
機械や技術に対して興味を持ち、積極的に学ぶ意欲がある方は、この仕事に向いているでしょう。
コミュニケーションを大切にする人
サービスエンジニアは、顧客とのやり取りが頻繁に発生する職種です。問い合わせ対応や訪問時に、技術的な内容を分かりやすく説明するスキルが求められるため、単に技術力だけでなく、コミュニケーション能力も重要です。
営業や接客経験がある方は、そのスキルを活かして顧客との良好な関係を築けるでしょう。
問題解決が得意な人
トラブルが発生した際、状況を的確に把握し、迅速に原因を特定して解決策を見つける能力が求められます。問題解決に興味があり、状況に応じて適切な対応ができる方は、サービスエンジニアとしての適性が高いといえます。
冷静な判断ができる人
顧客の業務に影響を与えるトラブルが発生した際には、迅速かつ冷静な対応が求められます。クレームや緊急事態が発生しても、感情に左右されず、論理的に問題を解決できる方は、この仕事で活躍できるでしょう。
関連記事:サービスエンジニアは楽しい?向いている人の特徴も紹介
サービスエンジニアのやりがいや大変なところ
サービスエンジニアの仕事は、クライアントとの信頼を築き、トラブルを解決することで得られる達成感が大きな魅力です。一方で、緊急対応や出張が多く、体力的な負担も伴います。そこで、サービスエンジニアのやりがいや大変なところを紹介します。
サービスエンジニアのやりがい
サービスエンジニアはクライアントの現場に行き、定期的なメンテナンスやトラブル対応などを行います。クライアントと直接対面でサービスを提供する機会が多いため、信頼関係を築ける職業です。
提供したサービスに満足してもらえる瞬間は大きなやりがいにつながります。また、予期せぬトラブルを解決することで感謝される場面も多く、そのたびに達成感を味わえます。
業務に慣れると1人で対応できることが増え、自身の成長を実感できる場面が多くなるでしょう。
サービスエンジニアの大変なところ
サービスエンジニアの業務には体力的な負担がかかることもあります。企業や業務内容によっては、夜間や休日の対応や出張が頻繁に発生するため、長時間勤務や移動が求められる場合もあります。
また、クライアントの業務が停止している場合には、一刻も早く復旧しなければならず、緊急性の高い状況でプレッシャーを感じながら作業を行うこともあるでしょう。
このように、業務を迅速かつ正確にこなすことが求められる場面では、技術力だけでなく、冷静な判断力とストレス耐性も必要になります。
緊張感のある現場での対応にプレッシャーを感じることもありますが、その分問題を解決したときの達成感も非常に大きい仕事です。
関連記事:サービスエンジニアが激務できつい理由は?働くメリットや将来性も
サービスエンジニアに必要なスキルに関してよくある質問
最後にサービスエンジニアに必要なスキルに関してよくある質問に回答します。
サービスエンジニアに将来性はありますか?
サービスエンジニアの将来性は非常に高いといえます。企業が使用しているハードウェア機器は、クライアントの業務に不可欠なため、急激に変わる可能性は低いです。
また、自動化が進んでいる現代でも、サービスエンジニアは自動化された機器の保守やメンテナンスを担当するため、AIや技術の進化によって仕事が減少するリスクは低いと考えられます。
サービスエンジニアとしての経験を積めば、管理職やマネジメントへの道も開けますし、「ITコンサルタント」や「セールスエンジニア」など他の職種への転職も可能です。キャリアの選択肢が多く、職業としての将来性も高いといえるでしょう。
サービスエンジニアの年収はいくらくらいですか?
サービスエンジニアの年収は、勤務先や経験、担当する業務によって異なります。
大手求人サイト求人ボックスの調査によると、一般的に正社員のサービスエンジニアの平均年収は約549万円です(2024年10月8日時点)。
技術的なスキルや専門知識が必要な職種であるため、日本の平均年収と比較してやや高い傾向にあります。
年収の範囲は364万円から1,060万円程度で、経験が浅いときには比較的低い年収からスタートしますが、スキルを積み上げていくことで、高収入を狙うことも可能です。
特に高い専門性やマネジメントスキルが求められるポジションでは、年収1,000万円以上を期待できるケースもあります。
参考:セールスエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス
サービスエンジニアに必要なスキルについてのまとめ
サービスエンジニアとして働くには、製品に関する知識やコミュニケーション能力が必須と言えます。
ただし、入社前から身に付けておく必要はなく、企業内での研修が用意されているため、未経験者でも応募可能です。
必要なスキルだけでなく、仕事内容や辛さを理解したうえで転職を検討してみましょう。
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