職種 電気主任技術者

電気主任技術者と電気工事士の違いは業務内容|役割・年収・資格の比較

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作業現場の人

電気主任技術者と電気工事士は、一体何が違うのか気になる人もいるでしょう。

実際に、電気主任技術者と電気工事士の業務内容は関連する部分も多くあります。ただし、電気主任技術者の役割は事業用電気工作物の保安・監督ですが、電気工事士の任務は電気工作物の工事です。

この記事では、電気主任技術者と電気工事士の違いについてわかりやすく紹介します。電気関係の職種を志している人は、ぜひチェックしてみてください。

電気主任技術者は「管理役」電気工事士は「作業役」の違いがある

電気工事士から電気主任技術者を目指す人たち

電気主任技術者と電気工事士はどちらも電気に関する国家資格ですが、担っている役割が大きく異なっています。

電気主任技術者は事業用電気工作物を保安・監督する責任者です。一方で、電気工事士は電気工作物の工事を担当する専門家です。

2つの免状は出題範囲が重複する部分があるため、両方の保有を目指してみてもよいでしょう。月並みには、電気工事士の難易度は電験三種より易しいと言われています。

参考:電験三種とは?取得するメリットや試験概要・合格率を詳細解説 | JTEX 職業訓練法人日本技能教育開発センター

電気主任技術者と電気工事士の違い|3選

電気工事士の免状を保有している人たち

それぞれの免状は役割以外にも異なる点があります。他に、異なる点は主に3つです。

  • 業務内容
  • 年収
  • 合格難易度

それぞれのポイントについて紹介します。

業務内容

電気主任技術者は事業用電気工作物の保安・監督をしています。一方で、電気工事士は電気工作物の工事を担当する専門家です。

具体的には、電気主任技術者が電気設備の点検・検査・工事監督を担当します。電気工事士は送電線やケーブルを敷設したりブレーカーやコンセントを取り付けたりしています。

年収

令和4年賃金構造基本統計調査の結果を踏まえたデータによると、電気技術者全体の平均年収は644.5万円です。また、電気工事士全体の平均年収は506.8万円です。

電気主任技術者は電気工事士以上に稼げる可能性の高い免状と言えるでしょう。

一方で、令和4年分の民間給与実態統計調査によると、給与所得者全体の平均年収は458万円でした。

したがって、電気関係の免状が求められる職種に就くと、比較的高い年収を期待できるでしょう。

参考:電気技術者 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
参考:電気工事士 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
参考:令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁

合格難易度

一般的に、電気主任技術者は電気工事士より難易度の高い免状と言われています。

電気主任技術者の免状は次の3種類あります。

  • 第一種
  • 第二種
  • 第三種

また、第三種のテストは一次のみですが、第一種・第二種は二次まであります。令和5年度のそれぞれの合格率は次のとおりです。

一次受験者一次合格者一次合格率二次受験者二次合格者二次合格率
第一種1,469人485人33.01%719人129人17.94%
第二種6,318人1,545人24.45%2,682人474人17.67%
第三種
(上期)
28,168人4,683人16.63%
第三種
(下期)
24,567人5,211人21.21%

表を見て取れるように、合格率はそれぞれ15%から30%前後で推移しています。ただし、第一種では免状認定のために、第二種・第三種以上の勉強期間や実務経験が必須です。

また、第三種のテストのみ年2回開催されています。

一方で、電気工事士の免状は第一種と第二種の2種類です。

令和5年度のそれぞれの合格率は次のとおりです。

学科受験者学科合格者学科合格率技能受験者技能合格者技能合格率
第一種33,035人20,361人61.63%26,143人15,834人60.56%
第二種(上期)70,414人42,187人59.91%49,547人36,250人73.16%
第二種(下期)63,611人37,468人58.90%45,790人31,499人68.79%

合格率は第一種・第二種ともに約60%ほどで推移しています。

テストは学科と技能に分かれています。また、第二種のテストは、上期と下期の年2回開催です。

それぞれの合格率から見て取れるように、電気主任技術者は電気工事士以上に難易度の高い免状と言えるでしょう。

出典:試験実施状況の推移(第三種電気主任技術者試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
出典:試験実施状況の推移(第二種電気主任技術者試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
出典:試験実施状況の推移(第一種電気主任技術者試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
出典:試験実施状況の推移(第一種電気工事士試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
出典:試験実施状況の推移(第二種電気工事士試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

電気工事士から電気主任技術者の資格取得が一般的

電気主任技術者の免状取得を目指す電気工事士

いずれの免状も保有したいと考えている人もいるでしょう。その場合、電気工事士の免状を先に保有するのが月並みとされています。

理由は電気工事士の免状があれば、電気主任技術者の認定対策が有利になるためです。

たとえば、電気主任技術者のテストでは、電気工作物の技術に関する知識と保安に関する法令・知識などが求められます。電気工事士は、電気工作物の構造や仕組みについて業務をとおして理解を深められるでしょう。

また、電気主任技術者の免状認定には、テストに合格する以外に実務経験を積む方法があります。電気工事士として勤務すると、免状認定に求められる実務経験にカウントしてもらえます。

したがって、電気工事士を取得した後に、電気主任技術者を目指すのが月並みです。

関連記事:電気主任技術者に向いている人の特徴|ホワイトな職場の見つけ方

電気主任技術者を取得していれば電気工事士の筆記試験が免除される

工場で作業する人たち

電気工事士を取得した後に電気主任技術者を目指すケースが月並みです。しかし、電験三種を先に保有して電気工事士を目指すメリットもあります。

具体的には、電験三種の免状があれば、電気工事士の筆記を免除されます。また、電験三種を保有して5年以上の実務経験があれば、申請により第一種電気工事士の免状認定が可能です。

電気工事士が主任技術者になれるケースがある

電気主任技術者が点検する様子

電気工事士を電気主任技術者に登用できるケースがあります。

具体的には、電気工事士がビルやテナントで常駐している場合、選任許可申請の手続きをもって許可主任技術者になれます。

ただし、電気工事士として取り扱っている電力の大きさや免状の種類によって許可主任技術者になれる条件が異なるので、注意しておきましょう。

電気主任技術者と電気工事士の違いについてよくある質問

電験三種を保有している人

電気主任技術者と電気工事士の違いに関して、よくある質問は次のとおりです。

  • 電気主任技術者は電気工事ができますか?
  • 電気主任技術者と電気工事士はどちらが体力的にきついですか?
  • 電気工事士と電気主任技術者ではどちらが難しいですか?

それぞれの質問について紹介します。

電気主任技術者は電気工事ができますか?

電気主任技術者は事業用電気工作物を保安・監督する責任者です。一方で、電気工事士は電気工作物の工事を担当する作業員です。

したがって、工事を担当するには、電気工事士の免状を取得が求められています。

電気主任技術者と電気工事士はどちらが体力的にきついですか?

結論、どちらも体力が求められる業務内容です。

ただし、電気工事士は電気主任技術者と比較して、体を動かして業務するケースが多いので体力的にきつい可能性が高いでしょう。

電気工事士と電気主任技術者ではどちらが難しいですか?

一般的に、電気主任技術者が難易度の高い免状と言われています。

電気主任技術者の合格率はそれぞれ15%から30%前後で推移しています。一方で、電気工事士の合格率は第一種・第二種ともに約60%ほどです。

関連記事:電験三種の難易度は合格率10%前後と難しいが取得価値はある

電気主任技術者と電気工事士の違いに関するまとめ

電気主任技術者のキャリアを積みたい人

この記事では、電気主任技術者と電気工事士の違いに関して紹介してきました。

電気主任技術者は事業用電気工作物を保安・監督する責任者です。一方で、電気工事士は電気工作物の工事を担当する作業員です。

また、業務の役割以外に、平均年収や免状の取得難易度にも大きな違いがあります。一般的に、電気主任技術者が免状の難易度ならびに平均年収は高く推移しています。

したがって、電気工事士の免状を保有して、電気主任技術者を目指すケースもあるようです。

電気関係の業種への就職・転職を検討しているのであれば、それぞれの免状認定も視野に入れながら挑戦してみてはいかがでしょうか。

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