「電験二種の資格を取りたいけど難しいかな…」と不安に感じる方もいるでしょう。
役立つ資格であったとしても、難易度が高すぎて取得できなければ意味がありません。
あらかじめ電験二種の難易度や勉強時間を把握しておきましょう。そうすれば、他の資格取得を含めた最善の判断ができるようになります。
今回は、二種試験の難しさや取得するのが大変と言われている理由について、分かりやすく解説していきます。
【この記事のまとめ】 ・電験二種試験の合格率は20%前後で、難易度は高め ・試験における各種制度を活用すれば、初学者でも取得を狙える ・電気主任技術者には独占業務があり、将来性が高く業界内でのキャリアアップも目指せる |
電験二種試験の合格率は20%前後で簡単ではない
さまざまな施設の電気設備を点検する電気主任技術者は、第一種・第二種・第三種に分かれています。第二種試験は、第一種の次に難易度が高く、合格率は20%ほどで推移しています。
試験は、一次試験と二次試験に分かれており、各試験の合格率は以下の通りです。
【二種・一次試験】
実施年度 | 科目合格率 | 合格率 |
令和4年度 | 49.2% | 35.2% |
令和3年度 | 45.8% | 25.7% |
令和2年度 | 48.9% | 27.2% |
【二種・二次試験】
実施年度 | 受験者数 | 合格率 |
令和4年度 | 2,904人 | 24% |
令和3年度 | 2,407人 | 17.2% |
令和2年度 | 2,512人 | 27.9% |
一次試験・二次試験ともに一発で資格取得できた人の割合は、令和4年度で9%ほどです。ただし、試験には「科目別合格制度」と「一次試験免除制度」があります。
科目別合格制度とは、一次試験で実施される4科目のうち、合格基準を満たした科目は翌年度・翌々年度まで免除される制度です。そのため3年間で4科目全てに合格すれば、二次試験に挑戦できます。
一次試験免除制度とは、特定の資格や条件を満たせば、試験の一部もしくは全てが免除される制度です。そのため、一次試験に合格すれば、翌年度は二次試験から挑戦できます。
二次試験受験者の約4割ほどが、この制度を利用しています。
このような制度が用意されているため、必ずしも一発で合格する必要はなく、複数年かけて合格を目指す人がほとんどです。
ただし、制度を利用しても例年の合格率は約2割であることから、難易度は高いと言えるでしょう。
参照:第二種電気主任技術者試験|一般財団法人 電気技術者試験センター
電験二種大学の電気工学科卒でも不合格になるほど難易度が高い
電気主任技術者の試験は、種類に関係なく特別な受験条件がありません。そのため、現役の技術者だけでなく、全くの未経験者でも挑戦できます。
「電気に関する学科を学んでいれば、簡単に取得できるのでは」と、考える人もいるでしょう。
これに関しては、受験者のレベルによるため一概には言えません。ただし、合格者の声を参考にすると、大学の電気工学科を卒業するレベルの人であっても、すぐに取得するのは難しいと言えるでしょう。
非常に稀ではあるものの、高校生で電験二種に合格した例はあります。ちなみに、電験二種の偏差値は60~65と言われており、難関大学に合格するのと同じくらいの難しさと言えるでしょう。
関連記事:電験三種の難易度は合格率10%前後と難しいが取得価値はある
電験二種の年収相場は約500万円〜750万円
施設の電気工作物の保守・監督業務は、電気主任技術者の独占業務であり、有資格者でなければ業務に携われません。業界内のキャリアアップを目指して二種試験に挑戦する人も多くいます。
第二種電気主任技術者に特化したデータはないものの、資格を取得できた場合の年収相場は500〜700万円ほどです。他の職種と比べても高水準と言えるでしょう。
実際にある求人の中には、想定年収が700〜900万円のものもあります。
関連記事:電験一種の年収は約600〜800万円と上位7%の高年収|キャリアアップする方法
電験二種が難しすぎると言われている3つの理由
二種試験が難しいと言われている理由は、主に3つあります。
・出題範囲が広く計算問題が多い
・400〜1,000時間以上の膨大な勉強時間が必要になる
・働きながら取得する場合モチベーションを保てない
ここでは、効率の良い勉強方法や最短で資格を取得する方法を踏まえながら、上記3つの理由について解説します。
出題範囲が広く計算問題が多い
二種試験の出題科目は、一次試験が「電力、理論、機械、法規」で、二次試験が「電力・管理、機械・制御」です。
出題範囲が広く、全てにおいて応用問題が出題されるため、詳しく理解できていなければ合格できません。また計算問題が多いため、関連の公式も全て暗記しておく必要があります。
初学者で一気に全ての科目を覚えるのが大変な場合は、科目別合格制度を利用して、得意な科目に絞っての合格を目指すのも1つの方法です。
400〜1,000時間以上の膨大な勉強時間が必要になる
第二種試験に合格するために必要な勉強時間は、400〜1,000時間と言われています。初学者の場合は、1,500時間ほど学習に費やす人も珍しくありません。
数年かけて取得することとなるため、社会人として働きながら挑戦する場合、スケジュール調整が難しいと言えるでしょう。
効率良く学習を進めて、最短で合格を目指したい場合は、講師陣に質問できる通信講座がおすすめです。
働きながら取得する場合モチベーションを保てない
前述した通り、第二種試験に合格するには1,000時間を超える学習が必要です。初学者の場合は、数年がかりで資格取得する人がほとんどです。
学生であれば、勉強を中心に一日を過ごせるものの、社会人の場合は仕事をこなしながら勉強を進めなければなりません。
出題範囲が広く、内容も難しいことからモチベーションを保つのはかなり大変と言えるでしょう。
関連記事:
・電気主任技術者はやめとけ?そうとも言えない6つの理由やメリット・年収・将来性
・電気主任技術者に向いている人の特徴|ホワイトな職場の見つけ方
二種試験の難しさに関係するよくある質問
最後は、第二種試験の難易度や将来性に関する、3つのよくある質問に答えていきます。
・電験三種と電験二種ではどちらが難しいですか?
・電験二種を取得すると人生が変わりますか?
・電験二種は将来性のある資格ですか?
受験するかを検討するうえで役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
電験三種と電験二種ではどちらが難しいですか?
三種試験と二種試験では、二種試験の方が難易度は高めです。問題のレベルが上がるだけでなく、二種試験からは一次試験と二次試験に分かれます。
出題内容に大きな違いはないものの、なるべく合格率を上げたいという人は、電験三種から目指してみましょう。
ちなみに、三種試験も合格率は低く毎年10%前後で推移しています。
電験二種を取得すると人生が変わりますか?
電気主任技術者は、電気工作物の保守・監督業務に欠かせない存在です。取得できれば、勤めている会社での昇格や、より好待遇な会社への転職も可能です。
大きく人生が変わるとは言えないものの、仕事の幅を広げられる価値のある資格と言えるでしょう。
電験二種は将来性のある資格ですか?
電気主任技術者にしか保守・監督できない電気工作物は、商業施設・病院・マンションなど、あらゆる建物に設置されています。
電気設備の異常を未然に防ぐには、機器の些細な変化に気付く必要があり、ロボットによる代行が難しい仕事です。
そのため、今後も仕事が無くなる可能性は低く、将来性のある資格と言えるでしょう。
電験二種の難易度に関するまとめ
二種試験の合格率は20%前後と低く、多くの勉強時間を確保する必要があることから、取得難易度はかなり高いと言えます。
ただし、優遇制度を上手く利用すれば、初学者であっても合格を目指せる資格です。
将来性が高く、年収アップも目指せる資格であるため、電気業界で働きたい方は取得を検討してみてください。
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