設備管理の仕事に就くにあたって、どのような資格が役に立つのか気になっている人もいるのではないでしょうか。
実際、設備管理の仕事に役立つ資格は多岐にわたります。たとえば、安全管理の面で言えば、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者や労働安全コンサルタントなどです。
ただし、設備管理として働く業界・求人内容によって求められる資格は異なります。
この記事では、設備管理に役立つ資格を「安全管理」「環境衛生」「その他」のジャンル別の一覧で紹介します。設備管理への転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
設備管理に役立つ安全管理に関する資格一覧
設備管理に役立つと言われている安全管理に関する資格一覧は次のとおりです。
- 防火管理者
- 防災士
- 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
- 労働安全コンサルタント
- 自衛消防技術試験
- ロボットセーフティアセッサ安全資格認証制度
- セーフティアセッサ(SSA/SA/SEA/SLA)安全資格認証制度
- セーフティベーシックアセッサ 機械運用安全分野資格(SBA-Mo)
- セーフティベーシックアセッサ 防爆電気機器安全分野資格(SBA-Ex)
それぞれの資格について解説します。
防火管理者
防火管理者とは、複数人が利用する建物などの火災被害を防止するために、消防計画を作成し、防火管理業務を計画的に行う責任者を指します。
防火管理者の資格は、各市町村が運営する講習を受講すれば誰でも取得できます。一般的に、取得に必要な講習は10時間程度です。
防災士
防災士は、名のとおり防災に関する知識・技能を有していることを示す資格です。
防災士の資格を取得するには、次の3つのステップをクリアしなければなりません。
- 日本防災士機構が認証した研修機関の講座を受講する
- 防災士資格取得試験に合格する
- 救急救命講習を受講し、修了証を取得する
参考:防災士になるには|認定特定非営利活動法人日本防災士機構
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者は、地下道・下水道での作業で活かせる資格です。具体的には、高圧室内などで作業主任者の選定が求められる際に役立ちます。
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の資格は、学科と実技の講習を受講して修了試験に合格すれば取得できます。
参考:酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習|建設業労働災害防止協会大阪府支部
労働安全コンサルタント
労働安全コンサルタントは、厚生労働大臣が認めた労働安全・労働衛生の専門家として、事業場の安全衛生水準を診断したり指導を担当したりする国家資格です。
労働安全コンサルタントの資格を取得するには、数ある受験要件のいずれかを満たした上で筆記ならびに口述試験に合格しなければなりません。
参考:受験資格(労働安全コンサルタント)|公益財団法人安全衛生技術試験協会
自衛消防技術試験
自衛消防技術試験は、東京都内の一定規模を有する建物や事業所で自衛消防活動の中核要員として認められる資格です。
東京都の条例では、自衛消防活動中核要員の配置を義務付けしています。
自衛消防技術試験の受験資格は無く、誰でも取得を目指せます。
参考:東京消防庁<試験・講習><自衛消防技術試験とは>|東京消防庁
ロボットセーフティアセッサ安全資格認証制度
ロボットセーフティアセッサ安全資格認証制度は、ロボットシステムのオペレーション・インテグレーションの知識とスキルを認証するものです。
ロボットセーフティアセッサ安全資格認証制度では受験要件が設けられており、セーフティアセッサ(SSA/SA/SEA/SLA)を取得しておかなければなりません。そして、試験に合格すれば、資格を取得できます。
参考:ロボットセーフティアセッサ | 資格認証試験 | 日本認証株式会社
セーフティアセッサ(SSA/SA/SEA/SLA)安全資格認証制度
セーフティアセッサ資格制度は、主に機械設計者を対象にしている資格です。資格の種類は次の4つです。
- セーフティサブアセッサ(SSA)
- セーフティアセッサ(SA)
- セーフティシニアアセッサ(SEA)
- セーフティリードアセッサ(SLA)
受験要件は設けられていないものの、たとえばSSAを取得するには、学科ならびにケーススタディの試験に合格しなければなりません。
その後、SAを取得できると、SEAもしくはSLAを目指せます。
セーフティベーシックアセッサ 機械運用安全分野資格(SBA-Mo)
セーフティベーシックアセッサ 機械運用安全分野資格(SBA-Mo)は、機械を使用する人と設計者のリスクコミュニケーションを助けるものです。
セーフティベーシックアセッサ 機械運用安全分野資格(SBA-Mo)を取得するには、講習と試験を受けなければなりません。また、1日で講習と試験を完結できるのも特徴です。
参考:機械運用安全分野(SBA-Mo) | 日本認証株式会社
セーフティベーシックアセッサ 防爆電気機器安全分野資格(SBA-Ex)
セーフティベーシックアセッサ 防爆電気機器安全分野資格(SBA-Ex)は、防爆電気機器を安全に扱うための知識習得を目的としています。
SBA-ExもSBA-Mo同様に、1日で講習と試験を完結できます。
参考:防爆電気機器安全分野(SBA-Ex) | 日本認証株式会社
関連記事:
・設備管理に向いている人の特徴|仕事内容や役立つ資格、やりがい
設備管理に役立つ環境衛生に関する資格一覧
設備管理に役立つ環境衛生に関する資格は次のとおりです。
- 廃棄物処理施設技術管理者
- 作業環境測定士
- 浄化槽管理士
- 建築物環境衛生管理技術者
- 浄化槽設備士
それぞれの資格について解説します。
廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物処理施設技術管理者は、廃棄物処理施設における技術管理者の設置の際に役立つ資格です。
講習を修了すると、廃棄物処理施設技術管理士の認定証が交付されます。
参考:廃棄物処理施設技術管理者講習|一般財団法人日本環境衛生センター
作業環境測定士
作業環境測定士は職場の有害物質などを測定して、労働者の安全を図っています。
作業環境測定士の資格を取得するには、数ある受験要件のいずれかを満たした上で、試験に合格しなければなりません。
参考:受験資格(作業環境測定士(第一種及び第二種)||公益財団法人安全衛生技術試験協会
浄化槽管理士
浄化槽管理士は、 浄化槽の保守点検・修理業務にあたって専門知識を有していることを証明する資格です。
浄化槽管理士を取得するには、試験に合格する必要があります。ただし、受験に必要な条件はありません。
参考:浄化槽管理士試験のご案内|公益財団法人日本環境整備教育センター
建築物環境衛生管理技術者
建築物環境衛生管理技術者は、環境衛生上の維持管理に関する業務全般を担っています。
建築物環境衛生管理技術者の試験を受験するには、2年の実務経験が必要です。試験に合格すると、資格を取得できます。
参考:国家試験情報|公益財団法人日本建築衛生管理教育センター
浄化槽設備士
浄化槽設備士はし尿及び雑排水の公共水域への放流にあたって役立つ資格です。浄化槽の設置工事には、浄化槽設備士による実地の監督が必須です。
試験に合格すると、浄化槽設備士の資格を取得できます。
設備管理に役立つその他の資格一覧
設備管理に役立つその他の資格は次のとおりです。
- エネルギー管理士
- 労働衛生コンサルタント
- 非破壊試験技術者資格試験
- 建築設備検査員
- 消防設備士
- 下水道管理技術認定試験/下水道技術検定
- 防犯設備士
- 計装士
- 太陽光発電メンテナンス技士
- 冷凍空調技士
- 自主保全士検定
- 防災管理点検資格
- 機械保全技能検定
- 設備士資格検定試験
- 消防設備点検資格者
- 地下タンク等定期点検技術者
- 河川技術者資格
- 自転車安全整備士
- 自転車技士
それぞれの資格について解説します。
エネルギー管理士
エネルギー管理士は、エネルギーの使用状況を分析し、省エネを推進する知識を有していることを証明する資格です。さらには、環境負荷低減にも貢献しています。
労働衛生コンサルタント
労働衛生コンサルタントは、職場環境の改善や労働災害防止を指導・助言する際の専門知識を証明する資格です。労働者の健康と安全を守るために役立っています。
非破壊試験技術者資格試験
非破壊試験技術者資格試験は、放射線や超音波などの技術を用いて材料や部品を傷つけずに検査する技術を有するのかを判断します。
非破壊試験技術者資格試験に合格すると、設備の劣化や破損を早期発見し安全性を確保できる能力があると言えるでしょう。
建築設備検査員
建築設備検査員は、建築設備の設計、施工、検査に関する専門知識を有していることを示す資格です。建築設備の検査を行い、その結果を特定行政庁へ報告する業務を担っています。
建築設備検査員の資格は、講習を受講すると取得できます。
消防設備士
消防設備士は、消火設備・警報設備・避難設備の設置工事や点検整備を担当できる資格です。取り扱う設備の例として、消火器・スプリンクラー・救助袋などがあります。
試験に合格すると、消防設備士の資格を取得できます。
下水道管理技術認定試験/下水道技術検定
下水道管理技術認定試験・下水道技術検定は、下水道施設の管理・運営に関する専門知識を有しているのかを判断するものです。
下水道管理技術認定試験・下水道技術検定に合格すると、下水道維持管理業者登録ができます。
防犯設備士
防犯設備士は、防犯設備の設置・点検・保守に関する専門知識を有していることを示す資格です。
防犯設備士の資格は、試験に合格すると取得できます。また、試験はCBT方式のため、自分のスケジュールに合わせて受験できます。
※CBT方式とは、全国47都道府県にある約300か所の会場で自分の都合に合わせて、パソコンで受験するテスト形式です。
計装士
計装士は、計測・制御機器の選定・設置・調整に関する業務を担当する資格です。
計装士の資格を取得すると、年収アップにつながる可能性があると言われています。ただし、計装士の試験を受験するには、実務経験が必要です。
太陽光発電メンテナンス技士
太陽光発電メンテナンス技士は、太陽光発電システムの点検・整備・修理に関する専門知識を証明する資格です。
太陽光発電メンテナンス技士の受験にあたって、必要な条件は設けられていません。したがって、実務経験が無くても取得できる可能性があります。
冷凍空調技士
冷凍空調技士は、冷凍空調設備の設計・施工・保守に関する業務を担当する専門資格です。
受験するにあたっての要件はありませんが、冷凍空調技士として認められるには通算2年以上の実務経験が求められています。
自主保全士検定
自主保全士検定とは、製造部門が担当する保全の機能や管理技術を評価する認定制度です。
自主保全士検定に合格すると、知識やスキルの向上につながるでしょう。
防災管理点検資格
防災管理点検資格は、消防法施行規則で大規模建築物等に実施が義務付けられている防災管理業務の実施状況を点検できることを示すものです。
防災管理点検資格は講習を受講すれば取得できます。しかし、受講資格を満たさなければなりません。受講資格の例は、防災管理者としての実務経験3年などです。
機械保全技能検定
機械保全技能検定とは、機械の点検・整備・修理における知識と技能を証明する試験です。
資格の種類は4つに分かれています。3級を受験する際にあたって実務経験は必要ありません。しかし、2級以上の場合には複数年の実務経験が求められています。
設備士資格検定試験
整備士資格検定試験では、建築設備の空気調和および給排水衛生設備に関する専門スキルの有無を判断しています。
整備士資格検定試験に合格すると、転職にも有利になるでしょう。
消防設備点検資格者
消防設備点検資格者とは、消防法に則って消防用設備等の点検・報告業務を担当できる資格です。
消防設備点検資格を取得するには、講習の受講と修了検定の合格が求められています。
地下タンク等定期点検技術者
地下タンク等定期点検技術者は、地下タンクなどのある危険物施設の設備点検を行う専門家です。
講習後の修了考査に合格すると、地下タンク等定期点検技術者の修了証を受け取れます。ただし、5年ごとに講習を受講して、修了証を更新しなければなりません。
河川技術者資格
河川技術者資格は、河川の調査・設計・施工・管理に関する専門知識を証明する資格です。
昨今、災害の甚大化や河川施設の老朽化により、河川技術者資格が重宝されています。
自転車安全整備士
自転車安全整備士は、自転車の点検・整備、交通安全指導を行う専門知識と技能を証明する資格です。自転車安全整備店と認めてもらうために必要な資格です。
自転車技士
自転車技士を取得していると、自転車の組立・検査・整備を担当する知識とスキルを証明できます。
日本車両検査協会の試験に合格すると、自転車技士を取得できます。
設備管理に役立つ資格一覧についてのまとめ
この記事では、設備管理に役立つ資格を一覧で紹介してきました。
設備管理に役立つ資格一覧は次のとおりです。
- 防火管理者
- 防災士
- 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
- 労働安全コンサルタント
- 自衛消防技術試験
- ロボットセーフティアセッサ安全資格認証制度
- セーフティアセッサ(SSA/SA/SEA/SLA)安全資格認証制度
- セーフティベーシックアセッサ 機械運用安全分野資格(SBA-Mo)
- セーフティベーシックアセッサ 防爆電気機器安全分野資格(SBA-Ex)
- 廃棄物処理施設技術管理者
- 作業環境測定士
- 浄化槽管理士
- 建築物環境衛生管理技術者
- 浄化槽設備士
- エネルギー管理士
- 労働衛生コンサルタント
- 非破壊試験技術者資格試験
- 建築設備検査員
- 消防設備士
- 下水道管理技術認定試験/下水道技術検定
- 防犯設備士
- 計装士
- 太陽光発電メンテナンス技士
- 冷凍空調技士
- 自主保全士検定
- 防災管理点検資格
- 機械保全技能検定
- 設備士資格検定試験
- 消防設備点検資格者
- 地下タンク等定期点検技術者
- 河川技術者資格
- 自転車安全整備士
- 自転車技士
これから設備管理でのキャリアを検討しているのであれば、資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
建設領域のお仕事をお探しの方へ
建職キャリアは、建設業界に特化した転職支援サービスです。
- 希望条件に合う求人のご紹介
- 履歴書など書類作成のサポート
- 企業との条件交渉/面接日程の調整
無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください。
求人を検索する(無料)