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建築士はどんな仕事?建築士の仕事内容と1日のスケジュールを紹介

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建築士の仕事道具の画像

建築業界の仕事というと、大工や技術職などが思い浮かびますが、それだけではありません。

設計や管理、各種手続きといった事務作業をメインに行う仕事もあります。それが「建築士」という職種です。

今回は、建築士の仕事内容やスケジュール、年収などを紹介していきます。

建築業界への就職を検討している人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

建築士はどんな仕事?

設計図を書く建築士たち

建築士とは、住宅、マンション、ビルなど、いろいろな建物の設計をしながら、その設計をもとに建築現場で指揮・監督などの業務を行う仕事です。

また、お客様から「こんな建物を造ってほしい」という依頼を受け、具体的にどんな建物にしたいのか相談し合ったり、予算に合った見積りをしたりすることも建築士の仕事の1つです。

関連記事:建築士・建築家・設計士の違いは?やりがいと仕事内容を詳しく解説

建築士:4つの仕事内容

スマホとパソコンを見比べる男性

建築士の仕事は大きく次の4ステップに分けられます。

  • 受注
  • ヒアリング
  • 設計
  • 打ち合わせ

また、完成した建造物を最終的にチェックする役割もあります。詳しく見ていきましょう。

1.依頼を受注する

建築士の仕事は、まず依頼を受注することから始まります。クライアントの要望を聞き、自社で受けられそうであれば正式に受注します。

後になってトラブルにならないためにも、この時、受注したことを証明できる書類を残しておくと良いでしょう。

2.建物についてヒアリングをする

依頼を受けると決めたら、まずはクライアントと打ち合わせをします。

建築する建物に関する情報をヒアリング・整理するのです。

ヒアリングで確認すべきことは以下の8点です。

  • 建物の用途
  • 立地・面積
  • 階数・高さ
  • 想定収容人数
  • 部屋の数と構造
  • 階段やエスカレーター、エレベーターの数と配置
  • クライアントの予算
  • その他、クライアントの希望

クライアントと認識の祖語が生じないよう、ヒアリングの段階で細かいところまで確認しておくと良いでしょう。

こうすることで以降の業務をスムーズに進められます。

3.設計をしていく

ヒアリングした内容をもとに、建物の設計をしていきます。

ひとくちに設計といっても「意匠設計」「構造設計」「設備設計」に分けられます。

  • 意匠設計:建物のデザイン面を決める
  • 構造設計:建物内部の骨組みを決める
  • 設備設計:電気や水道などのインフラ整備を決める

周囲の環境や予算などを考慮したり、クライアントの希望に合わせたりするとともに、法律を遵守し設計図にまとめます。

4.施工について打ち合わせする

設計図が完成した段階で、クライアントや工事担当者と施工に関する打ち合わせをします。

ここでお互いに認識に齟齬が生じないようにしておかないと、後々トラブルにつながる可能性があるため、細かい所まで打ち合わせておきます。

また、工事中も、きちんと設計図通りに作られているかを確認する「工事監理」という業務があります。

建築士が実際に現場に立ち合って資材の数や配置、接合などを目で見たり、施工記録や写真・書類などを見たりして確認します。

5.完成した建物の最終確認をする

工事担当者から工事完了の報告を受けたら、建造物の最終確認をします。

建造物が設計図通りに作られているかどうか、法律を遵守しているか、安全基準を満たしているか、など重要な項目を確認します。

会社によってはクライアントと一緒に確認する所もあるかもしれません。

関連記事:建築士になるには?資格の違いについても紹介

【業種別】建築士の1日のスケジュール

現場管理をする男性建築士

建築士の1日のスケジュールは勤務先によって異なり、大きく以下の3パターンに分けられます。

  • ゼネコン会社に勤務しているケース
  • ハウスメーカーに勤務しているケース
  • 個人で独立しているケース

出社時間や昼休みの時間は共通していますが、午前・午後の業務内容・量や帰宅時間が異なります。

ただし、以下のスケジュールは一例であり、関わる案件の数や納期などによっても変わってきます。

特に独立して個人でやっている場合は人によって大きく違うでしょう。

ゼネコン会社に勤務しているケース

8:00 出社
  朝礼・メールチェックなどの軽い業務
10:00 見積もり・工程表作成などの内部業務
12:00~13:00 昼休み・昼食
13:00~15:00 工事現場の調査・管理
15:00~18:00 クライアントとの打ち合わせ
18:00~ 会社に戻り内部業務の続き・翌日の準備など
19:00 帰宅

ハウスメーカーに勤務しているケース

8:00 出社
9:00 朝礼・メールチェック
9:30~12:00 担当案件の図面作成
12:00~13:00 昼休み・昼食
13:00~14:00 現場で工事監督と打ち合わせ
14:30~17:00 会社に戻り、引き続き図面作成
17:00~ 翌日の準備など
17:30 帰宅

個人で独立しているケース

8:30 朝食・支度・メールチェック
10:00 現場での打ち合わせ
12:00~13:00 クライアントとの打ち合わせ・昼食
13:00~14:00 事務所で打ち合わせ・図面作成
14:30~19:30 デザイナー・構造事務所などと打ち合わせ
19:30 帰宅

関連記事:建築士に向いてる人の特徴とは?必要なスキルも含めて紹介

建築士のきつい場面|3選

朝礼する社員たち

建築士は、人の人生を大きく変えることのできる、やりがいのある仕事です。

しかし、反対に大変なことやきついこともあります。

ここでは、建築士がきついと感じる場面を3つ紹介します。

  • 資格取得の難易度が高い
  • ミスをしてクレームを受ける
  • 納期に追われる

資格取得の難易度が高い

建築士は人の人生を左右する仕事ですので、一級建築士や二級建築士などの資格が必要です。

建築士以外にも建築・建設関連の資格はありますが、いずれも簡単に合格できるわけではありません。

一級建築士の合格率は毎年10%程度、二級建築士でも25%程度となっており、いずれも難関です。

仕事をしながら勉強し、合格するのは至難の業だと言えるでしょう。

ミスをしてクレームを受ける

建築士の仕事は、建造物の設計や完成した建造物の最終確認などの重要なものが多いです。

わずか数ミリの差、一か所の間違いでも大きなトラブルにつながる可能性があるため、クライアントや上司から注意を受けることもあります。

納期に追われる

建築士の仕事は多岐にわたるため、日々やることが多いです。また、大きな会社だと抱えているクライアントの数も多いです。

そのため、毎日納期に追われながら急いで仕事をしなければならないこともしばしばあるようです。

仕事が立て込んでいるときは残業をすることもあるでしょう。

事務作業がメインだからといっても、ある程度体力は必要です。

関連記事:建築士になるには?社会人から最短で建築士になる方法を紹介

建築士の年収目安:約560〜650万円

笑顔を見せる女性

厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査」によると、一級建築士の年収は男女で大きな差があるようです。

  • 男性の平均年収:653.5万円(月収換算43.2万円)
  • 女性の平均年収:560.9万円(月収換算36.3万円)

男女比で見ると、月収は約7万円も差があります。ボーナスの支給額は男性が約150万円、女性が約138万円となっています。

ただし、勤務先の規模によっても、次の通り差があります。

  • 従業員1,000人以上の場合:月51万円+賞与228万円(年間で800万円を超える)
  • 100~999人の場合:月38.9万円+賞与151万円(年間で617万円程度になる)
  • 100人未満の場合:月38.8万円+賞与103万円(年間で568万円程度になる)

より多く稼ぎたいのであれば、できるだけ規模の大きな会社に就職すると良いでしょう。

参考: e-stat

関連記事:【2024年最新】建築士の平均年収はいくら?一級建築士の年収ランキングも紹介

建築士の仕事がなくならない3つの理由

パソコンで作業する男性

近年、テクノロジーの発達によって「AIに仕事を奪われる」という話を聞きますが、建築士の仕事はなくなることはない、とみられています。その主な理由は次の3つです。

  • 人材不足だから
  • AIで代替えができない部分が多いから
  • インフラ整備は常にあるから

1つずつ詳しく解説していきます。

人材不足で建築士の需要は大きい

建築業界は、業務遂行に必要な国家資格の取得が難しいこともあり、人手不足となっています。

そのため、資格を持っているだけでも就職に有利になるでしょう。

AIで代替えができない部分が多い

近年、chatGPTなどのAIの発達によって将来的には仕事が減ると言われていますが、建築士の仕事にはAIではできないことが多いため、奪われる心配がありません。

また、建物を建てなくなるということも考えられないため、建築士の需要も今後、減ることはないと考えられます。

インフラ整備は常にある

建築士が関わるのは、家やビルなどの建物だけではありません。水道、電気、ガスなどのインフラ整備も仕事の範疇(はんちゅう)です。

これらのインフラは人間が生活している限り必要なものなので、ニーズが途切れることはありません。

インフラ整備に関わることは「社会貢献できている」というやりがいや達成感も味わえます。

関連記事:建築士に高卒でなるには?取得条件や合格者の年齢傾向を解説

建築士の仕事に関するよくある質問

作業着姿でOKサインを出している男性

建築士として楽しいことは何ですか?

人によって楽しさややりがいを感じるポイントは違いますが、以下のものが挙げられます。

  • クライアントを満足させ、笑顔にできる
  • 社会貢献できる
  • 自分がかかわった建物が長く残る
  • 高収入を得られる

なぜ1級建築士は難しいのでしょうか?

試験の出題範囲が広く、さらに法改正によって試験内容が変わったためです。

合格を目指すなら、最新版の参考書や問題集を使って勉強し、直近の過去問から傾向をつかむことが大切です。

建築士の高齢化は進んでいますか?

はい、建築士は高齢化が進んでいます。

一級建築士の人数を年齢別にみてみると50〜60代が最も多く、35,000人ほど(令和3年4月1日時点)で、半数以上の割合を占めています。

40代は3万人弱、20〜30代では2万人を切っています。

出典:建築行政に係る最近の動向

関連記事:女性建築士の割合は?一級建築士になった場合の年収と需要がある3つの理由を説明

建築士に関するまとめ

コピー機で印刷をかける人

今回は、建築士の仕事内容やスケジュールを解説してきました。建築士はニーズがあり、まだまだこれからも残り続けるであろう仕事の1つであり、収入も比較的高めです。

ただしその分、業務の範囲は広く、専門的な知識が求められます。建築士は専門知識を活かして社会に貢献したい人、人を喜ばせてやりがいを感じたい人におすすめの仕事だと言えるでしょう。

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