消防設備士として年収1,000万円を実現できるのか気になっている人もいるのではないでしょうか。
結論、消防設備士として年収1,000万円の実現はハードルが高いですが、不可能ではありません。消防設備士として働く場合、年収は300万円から400万円の範囲に収まるケースが一般的です。
ただし、経験を積んだり役職に就いたりすると、年収アップも期待できます。さらに、消防設備士は今後も需要があるため、将来性のある職種です。
この記事では、消防設備士に転職した場合の年収がどれくらいなのか、年収1,000万円を目指せるのかについて解説します。消防設備士を目指している人は、ぜひ参考にしてください。
消防設備士の年収は300~400万円が一般的
消防設備士の平均年収は300万円から400万円のケースが一般的です。消防設備士としての経験年数や資格の種類、働く地域、会社の規模などによって年収の差が出るようです。
消防設備士として年収1,000万円を目指す方法
消防設備士として年収1,000万円を目指す方法は、いくつかあります。
たとえば、大手企業に就職したり管理職に登用されたりすると、年収を高められるでしょう。ただし、その場合でも年収1,000万円に届かない可能性があります。
また、消防設備士の免状種類によっても目指せる年収は異なるようです。高年収を目指すのであれば、甲種1類もしくは甲種4類がおすすめです。
甲種1種はスプリンクラー設備・屋内消火栓設備、甲種4類は自動火災報知設備を取り扱える資格です。
したがって、消防設備士として少しでも年収を高めたい場合は、取得する資格にも注目しておきましょう。
関連記事:消防設備士・甲種4類の試験概要|受験資格や過去問について
関連記事:消防設備士・乙6類の試験概要|勉強時間や合格率について
消防設備士でフリーランス(独立)になった場合の年収
消防設備士として独立した場合には、月給50万円から100万円も夢ではありません。
実際に、掲載されている求人をもとに業務委託で働く消防設備士の年収を推測します。
たとえば、日当2万円前後の案件は数多くネットに掲載されています。日当2万円で1か月に22日働いた場合、月収は44万円です。さらに、年収に置き換えると、528万円になります。
他にも、月収契約の場合で50万円から170万円の求人もあります。
したがって、消防設備士として独立した場合、月給50万円から100万円も夢ではないでしょう。
消防設備士の年収は下がらない?食いっぱぐれない理由
消防設備士は将来性のある仕事と言われています。したがって、消防設備士として長期的なキャリア形成が可能です。
将来性のある仕事と言われている理由は次の2つです。
- 仕事の需要が常に一定以上ある
- 年齢を重ねても働き続けられる
具体的には、法律により消防設備の設置や点検が義務付けられており、ビルや商業施設、公共施設などでは新築や改修時に必ず消防設備士の仕事が求められます。
また、消防設備士の仕事は体力よりも技術と知識が重視されるため、経験を積むと年齢を重ねても市場価値が増します。さらに、資格取得すると、仕事の幅も広げられるでしょう。
実際にある消防設備士の求人例と想定年収
実際にある消防設備士の求人例と想定年収について3つ紹介します。
- 大阪府/月給18万円から25万円/未経験歓迎/寮・社宅完備
- 東京都/月給25万円から35万円/完全週休2日制
- 愛知県/月給20万円から25万円/賞与あり/第二新卒歓迎
このように求人例を見てみると、年収は300万円から400万円の範囲と想定できるケースが一般的です。未経験からでも経験を積んでいくと、将来的には年収アップが期待できるでしょう。
消防設備士として年収を上げる方法
消防設備士として年収を上げる方法は次のとおりです。
- 関連資格を取得してキャリアアップする
- 経験を積み管理職を目指す
- 経験を積み好待遇な会社へ転職する
それぞれの方法について解説します。
関連資格を取得してキャリアアップする
消防設備士としての年収を上げる方法のひとつが、関連資格の取得です。消防設備士の資格にはいくつかの種類があります。複数の資格を取得すると、専門知識が深まり、より高度な業務に携われるでしょう。
また、関連する他の資格として、電気工事士やボイラー技士などがあります。消防設備士以外の資格取得により、総合的な設備管理のスキルを高められます。その結果、企業からの評価が高まり年収アップにつながるでしょう。
関連記事:【2024年版】第一種電気工事士の試験概要|合格率や勉強時間について
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関連記事:ボイラー技士の難易度と資格取得方法に関する対策|仕事内容と勉強方法
経験を積み管理職を目指す
消防設備士として経験を積み、管理職を目指すのも有効です。現場で実務経験を積み重ねると、技術的なスキルだけでなく、チームの指導やプロジェクトの管理能力も養えます。
また、一定の経験を積んだ後には、チームリーダーやプロジェクトマネージャーなどの役職に就く機会が増えるでしょう。その結果、責任が大きくなる分、年収も上がる可能性があります。
経験を積み好待遇な会社へ転職する
消防設備士としての経験をもとに、より好待遇な会社への転職もひとつの方法です。消防設備士としての実績やスキルをアピールし、より高い給与や良い労働条件を提供する企業への転職を目指すとよいでしょう。
特に、大手や設備管理に力を入れている企業では、提示年収を上げて優秀な人材を求めているケースが少なくありません。
消防設備士資格の種類と年収
消防設備士の資格は種類によって、取り扱える設備が異なります。その結果、資格の種類は年収にも影響を与えると言われています。
消防設備士の資格で、一般的に年収を上げやすいのは甲種1類・4類です。一方で、年収が上がりにくいのは甲種2類・3類・5類と言われています。
それぞれの資格について解説します。
年収を上げやすいのは甲種1類・4類
消防設備士の甲種1類と4類は、一般的に年収を上げやすい資格と言われています。
甲種1類は、屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・屋外消火栓設備等を取り扱える資格です。また、甲種4類は、自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・共同住宅用自動火災報知設備等を取り扱える資格です。
甲種1類と4類は、建物全体を通した工事が必要になったり、設置義務が生じたりするため需要があります。
その結果、年収アップを期待できる資格と言えるでしょう。
年収が上がりにくいのは甲種2類・3類・5類
消防設備士の甲種2類・3類・5類は、年収が上がりにくい資格と言われています。
甲種2類は、泡消火設備・パッケージ型消火設備・特定駐車場用泡消火設備等を取り扱える資格です。また、甲種3類が不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備等、甲種5類は金属製避難はしご・救助袋・緩降機を取り扱える資格です。
甲種2類・3類・5類に至っては、業務に従事できる機会が限られているため、年収アップを目指しにくい資格と言われています。
ただし、甲種2類・3類・5類の資格を特に求められる企業に就職した場合は、年収アップを目指せる可能性が十分にあるでしょう。
消防設備士の年収とは別に理解しておくべき仕事の適性
消防設備士として働く前に認識しておきたいのが、仕事への適性です。
- 消防設備士に向いている人の特徴
- 消防設備士に向いていない人の特徴
それぞれについて解説します。
消防設備士に向いている人の特徴
消防設備士に向いている人の特徴は次のとおりです。
- 体を動かすのが好き
- 日々違う現場での仕事を楽しめる
- 責任のある仕事にやりがいを感じる
- 人と話すのが好き
体を動かすのが好きだったり、現場仕事を楽しめたりする人は消防設備士に向いているかもしれません。
消防設備士に向いていない人の特徴
消防設備士に向いていない人の特徴は次のとおりです。
- 体を動かすのが苦手
- 現場仕事よりも事務作業が好き
- 黙々と仕事をこなしたい
消防設備士の仕事では肉体労働の側面があったり危険な場所での作業が多かったりします。したがって、黙々と事務作業をする仕事に就きたいと考えている人には向いていないかもしれません。
消防設備士の年収とは別に理解しておくべき仕事内容
消防設備士の仕事内容は、建物や施設の火災予防設備の設置・点検・整備・修理です。
具体的には、消防設備士は建物に適した消火設備や警報設備を設計し、設置工事を行っています。たとえば、消火器・スプリンクラー・火災報知器などです。
また、設置された設備の定期点検を行い、正常に作動するかどうか確認しなければなりません。さらに、不具合があれば修理や交換対応をしています。加えて、点検結果は報告書として関係機関に提出しなければなりません。
火災が発生した場合には、迅速に対応し、被害を最小限に抑えるための措置を講じています。
消防設備士の年収や資格に関するよくある質問
消防設備士の年収や資格に関するよくある質問は次のとおりです。
- 消防設備士はやめとけの声がある理由は?
- 消防設備士乙6類を取っても意味ない?
それぞれの質問について解説します。
消防設備士はやめとけの声がある理由は?
消防設備士はやめとけと言われる理由は主に5つです。
- 肉体労働が多く体力面できつい
- 収入が低く仕事内容に見合っていない
- 汚い現場もあり汚れやすい
- 現場によっては危険な作業もある
- やることがたくさんある
たとえば、消防設備士は火災を防ぐための設備や機器の点検・設置・修理をするため、時には高所での作業や重い機材を扱います。そのため、肉体労働が苦手な人にとっては、消防設備士は向いていないかもしれません。
ただし、消防設備士は社会貢献度の高い仕事です。火災から人命や財産を守る重要な役割を担っており、業務を通してやりがいを感じるケースも多いでしょう。
消防設備士乙6類を取っても意味ない?
消防設備士の資格は大きく分けて甲種と乙種に分類できます。さらに、甲種は特類から5類、乙種は1類から7類までに細分化されています。
中でも乙6類は消火器に関する資格です。具体的な業務は、消火器の設置・点検・整備です。
したがって、消防設備士の乙種6類を取得する価値は十分にあります。また、乙種6類の資格は消防設備士のキャリアのスタートに有用です。乙種6類を取得し、現場経験を積むと他の資格へのステップアップがしやすくなるでしょう。
また、消火器は最も基本的な消防設備であり、その知識や技術は他の設備にも応用できるため、乙種6類の資格取得は決して無意味ではありません。
消防設備士として経験を積み年収アップを目指そう
この記事では、消防設備士として経験を積むと、年収1,000万円を実現できるのかどうかを中心に解説してきました。
消防設備士の平均年収は300万円から400万円のケースが一般的です。ただし、消防設備士としての経験年数や資格の種類、働く地域、会社の規模などによって年収の差が出る傾向があります。
消防設備士として年収1,000万円を目指す場合は、大手企業に就職したり管理職に登用されたりするとよいでしょう。
また、保有する消防設備士の資格によっても目指せる年収が変わってくると言われています。一般的に、高年収を目指すのであれば、甲種1類もしくは甲種4類がおすすめです。
これから消防設備士として活躍したいと考えているのであれば、資格の種類や仕事への適性を把握した上で挑戦してみてはいかがでしょうか。
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