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ボイラー技士の難易度は高い?合格率や勉強方法・将来性を解説

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ボイラー技士の資格は国家資格のため、取得するには試験を受ける必要があります。

しかし、「実際のところ、ボイラー技士試験ってどのぐらい難しいの?」と疑問に思っている人は多いのではないでしょうか。

そこで本記事ではボイラー技士試験の難易度ボイラー技士とボイラー整備士の違いボイラー技士試験に合格するための勉強法などについて解説します。

ボイラー技士免許は主に3種類ある

そもそもボイラー技士とはどのような資格なのでしょうか。まずは、ボイラー技士の難易度や、ボイラー整備士との違いについて紹介します。

ボイラー技士とは

ボイラー技士は、ボイラー設備の運転や保守・管理を担当する専門家です。ボイラー技士の主な役割として以下のようなものが挙げられます。

  • ボイラーの運転・管理
  • ボイラー設備の保守・点検
  • 環境保護・省エネルギー対策
  • ボイラー設備に関する教育・研修

なお、ボイラー技士は、発電所や工場、ビルなどのさまざまな施設で活躍しており、エネルギー効率化や環境対策が重視される現代社会において、非常に重要な職種となっています。

ボイラー技士になるには「ボイラー技士免許」を取得する必要があります。ボイラー技士免許は主に「二級ボイラー技士」「一級ボイラー技士」「特級ボイラー技士」の3種類です。

いずれの免許でもボイラー技士として全てのボイラーを取り扱うことができますが、ボイラー取扱い作業の指揮管理を行う役職である「ボイラー取扱作業主任者」になるためには、ボイラーの規模により必要な免許がそれぞれ異なります。

二級ボイラー技士

二級ボイラー技士免許に受験資格はありません。ですが、免許を取得するためには、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。

  • 学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校等においてボイラーに関する学科を修め3ヶ月以上の実地修習を経た者
  • 6ヶ月以上ボイラーの取扱いの実地修習を経た者
  • 都道府県労働局長又は登録教習機関が行ったボイラー取扱技能講習を修了し、4ヶ月以上小規模ボイラーを取扱った経験がある者

詳しくは日本ボイラ協会の公式サイトを参照してください。

一級ボイラー技士

一級ボイラー技士は二級と異なり、受験資格にも以下のような制限があります。

  • 二級ボイラー技士の免許を有する者
  • 学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校等でボイラーに関する学科を修め卒業した者で、その後1年以上の実地修習を経たもの
  • 海技士(機関3級以上)免許を有するもの

また、免許を受け取るための条件として以下の2つが指定されています。

  • 二級ボイラー技士試験免許をうけた後、2年以上ボイラー(小規模ボイラー及び小型ボイラーを除く。以下同じ。)を取り扱った経験がある者又は当該免許をうけた後、1年以上ボイラー取扱作業主任者としての経験がある者で、一級ボイラー技士免許試験に合格したもの
  • ボイラー及び圧力容器安全規則第101条第2号ロ又はハに掲げる者で、一級ボイラー技士免許試験に合格したもの

詳しくは日本ボイラ協会の公式サイトを参照してください。

特級ボイラー技士

特級ボイラー技士も一級同様、受験資格に制限が設けられています。特級ボイラー技士試験の主な受験資格は以下の通りです。

  • 一級ボイラー技士の免許を有する者
  • 学校教育法による大学、高等専門学校でボイラーに関する講座又は学科目を修めて卒業した者で、その後2年以上の実地修習を経たもの
  • 海技士(機関1、2級)免許を有するもの

また、免許を受け取るための条件としては以下の2つが指定されています。

  • 一級ボイラー技士試験免許をうけた後、5年以上ボイラー(小規模ボイラー及び小型ボイラーを除く。以下同じ。)を取り扱った経験がある者又は当該免許をうけた後、3年以上ボイラー取扱作業主任者としての経験がある者で、特級ボイラー技士免許試験に合格したもの
  • ボイラー及び圧力容器安全規則第101条第1号ロ又はハに掲げる者で、特級ボイラー技士免許試験に合格したもの

詳しくは日本ボイラ協会の公式サイトを参照してください。

ボイラー整備士との違い

ここまではボイラー技士について解説してきましたが、ボイラー技士と似た職業として「ボイラー整備士」という職業があります。

よく混同されがちですが、「ボイラー技士」と「ボイラー整備士」は別の職業です。端的に言えば、ボイラー技士とボイラー整備士は、ともにボイラー業界で活躍する専門家ですが、それぞれの役割や専門分野が異なります。

ボイラー技士は、ボイラー設備の運転や保守・管理を担当する専門家です。

主な役割は、ボイラーの効率的かつ安全な運転の確保、トラブル対応、定期的な点検や保守などです。また、環境保護や省エネルギー対策にも関与しており、持続可能なエネルギー供給に貢献しています。

一方ボイラー整備士は、ボイラー設備の修理や改善を行う専門家です。

ボイラー設備の構造や機能に精通しており、故障や損傷が発生した場合に迅速かつ正確に修理を行うことが求められます。また、設備の改善やアップグレードにも携わり、エネルギー効率の向上や安全性の確保に貢献しています。

両者の違いを簡潔にまとめると、ボイラー技士は運転・保守・管理を主に担当し、ボイラー整備士は修理や改善を主に担当していると言えます。

ボイラー技士の難易度

ボイラー技士試験は、基礎知識と実践的なスキルが問われる厳しい試験として知られています。

筆記試験では、ボイラー設備の仕組みや運用方法、安全管理、環境対策など、幅広い分野の知識が求められ、実技試験においては、実際のボイラー設備を操作しながら問題に対処する能力が試されます。

そのため、、ボイラー技士試験は難易度が高いとされており、試験に合格するためには効果的な勉強法と継続的な実践が必要とされています。

では、実際にボイラー技士はどの程度の難易度なのでしょうか。実際の合格率を見ながら解説します。

ボイラー技士の合格率 

令和3年度のボイラー技士試験の合格率は、二級が53.4%、一級が48.5%、特級が21.0%となっています。

国家資格の中では比較的高い合格率と言えますが、特級は入念な対策が必要です。

出典:安全衛生技術試験協会「統計」

なぜ二級と一級の合格率は高いのか?

二級ボイラー技士と一級ボイラー技士の合格率が高い理由は、受験者が減少傾向にあるためです。

他にも、学習範囲が絞れる、試験は一種類しか課されない、対策がしやすい、マーク式で解答しやすいなども合格率が高い理由とされています。

ボイラー技士は二級から取った方が無難

ボイラー技士の資格は、二級、一級、特級の3つのレベルに分かれていますが、初心者にとっては二級から取得することが無難であると言われており、その理由は主に3つあります。

一つ目の理由は、二級ボイラー技士は最も基礎的な知識と技術が求められるからです。

基礎をしっかりと固めることはあらゆる事柄において重要ですが、それはボイラー技士においても同様です。二級から始めることで、初心者でもボイラーに関する理解を深め、実務で必要なスキルを身につけることができます。

二つ目の理由は、資格取得の難易度が最も低いからです。

一級や特級のボイラー技士は、高度な知識と技術が求められますが、前述の通り二級は基礎的な内容が中心のため、ボイラー技士の資格の中では最も取りやすいとされています。

そして、三つ目の理由は就職・キャリアアップのチャンスが広がるからです。

二級ボイラー技士の資格を持っていると、多くの企業や施設で求められる技術者として活躍できるチャンスが広がります。もちろん、一級や特級も就職やキャリアアップに有利にはなりますが、二級でも十分プラスに働きます。

以上の理由から、ボイラー技士の資格は二級から取得することが無難とされています。

危険物乙4とボイラー技士はどちらの難易度が高い?

ここまでボイラー技士の資格について解説してきましたが、ボイラー技士と併せて取得した方がいいと言われている「危険物乙4」の資格について解説していきたいと思います。

危険物乙4とは

危険物取扱者乙種第4類は、危険物の取り扱いに関する専門知識と技能を持つ者を認定する資格の一つです。

危険物取扱者は「甲種」「乙種」「丙種」の3種に分かれており、危険物も第1類〜第6類まで分かれています。乙種第4類は特に、可燃性固体や自己反応性物質、水と反応して可燃性ガスを発生させる物質などの危険物を対象としています。

この資格を取得することで、危険物の適切な保管や運搬、廃棄処理などの業務を担当することが可能になります。また、労働安全衛生法や消防法に基づく規定に従い、危険物取扱者が必要とされる職場で働くことができるようになります。

危険物取扱者乙種第4類の資格を取得するためには、専門の講習を受講し、試験に合格する必要があります。

試験は筆記試験が主で、危険物に関する基本的な知識や法令、取扱い方法などが問われます。資格取得後は、定期的に更新講習を受けることで、資格の維持が可能です。

合格率はボイラー技士の方が高い

令和32年度の合格率では二級ボイラー技士は53.4%、危険物乙4は44.2%と合格率は二級ボイラー技士の方が高くなっているため、ボイラー技士と危険物乙4では、ボイラー技士の方が合格しやすいとされています。

危険物乙4の合格率が低いのは、合格基準が厳しいなどの理由が挙げられます。

出典:安全衛星技術試験協会「統計」

出典:消防試験研究センター「試験実施状況」

受験をしやすいのは危険物乙4

合格率はボイラー技士の方が高いですが、ボイラー技士試験は実務経験またはボイラー実技講習を受講していないと受験することができないため、危険物乙4の方が受験しやすいというメリットはあります。

受験会場も全都道府県で受けることができ、場所によっては毎週のように試験日が設定されています。

関連記事:危険物取扱者とは?仕事内容や資格の取得方法を詳しく解説

関連記事:工場勤務に役立つ国家資格10選|取得のメリットも解説

ボイラー技士に合格するための勉強方法

では、実際にボイラー技士試験に合格するためには、どのように勉強すればいいのでしょうか。ここでは、ボイラー技士に合格するための勉強方法を2つ紹介します。

独学で勉強する

ボイラー技士に合格するための勉強方法の1つ目は、独学で勉強することです。

独学で勉強するメリットは、自分の好きなときに勉強ができることです。

勉強のスケジュールが決められていないため、深夜や休日など自分の好きなタイミングで勉強を始めることができます。教材も自分に合ったものを選ぶことができ、比較的安価に勉強できることもメリットの一つです。

しかし、好きなタイミングで勉強ができる反面、自分でスケジュールを管理しなければならず合格まで時間を要する場合があります。

独学で勉強する方はしっかり自己管理を行いましょう。

有料の講座を受講する

ボイラー技士に合格するための勉強方法の2つ目は、有料の講座を受講することです。

「忙しく独学で勉強する時間がない」「一回で合格する必要がある」という方は有料講座がおすすめです。WebやDVDを使った通信講座であれば、短期で効率よく勉強を進めることが出来ます。

多少費用がかかってしまいますが、最小の努力でスキルを向上させることが可能です。

ボイラー技士の仕事内容

ボイラー技士は、ボイラー設備の運転や保守・管理を行うエネルギー管理の専門家です。彼らは、発電所や工場、ビルなどのさまざまな施設で活躍しており、エネルギー効率化や環境対策が重視される現代社会において、非常に重要な職種となっています。

ボイラー技士の具体的な仕事としては、以下のようなものがあげられます。

ボイラーの運転・管理ボイラー技士は、ボイラーの運転を効率的かつ安全に行うために、運転状況の監視や温度・圧力の調整などを行います。また、トラブルが発生した際には、迅速な対応や原因の特定、修理を行うことも求められます。
ボイラーの保守・点検ボイラー技士は、定期的な点検や保守を通じて、ボイラー設備の性能を維持・向上させることが重要です。具体的には、部品の摩耗や損傷の確認、清掃、潤滑などが含まれます。
環境保護・省エネルギー対策ボイラー技士は、環境保護や省エネルギー対策にも貢献しています。排出される煙やガスに含まれる有害物質を低減する方法や、エネルギーの効率的な利用方法を追求し、持続可能なエネルギー供給に貢献しています。
ボイラー技士の教育・研修ボイラー技士は、他の技術者や従業員に対して、ボイラー設備の適切な運転方法や安全対策を指導する役割も担っています。また、新しい技術や規制についての研修を受けることで、最新の知識と技術を習得し続けることが求められます。
都道府県年収
北海道370万2,000円
青森331万3,000円
秋田423万7,000円
岩手402万5,000円
宮城404万円
福島414万5,000円
山形289万3,000円
茨城413万6,000円
群馬373万7,000円
栃木425万9,000円
埼玉480万8,000円
千葉454万7,000円
東京431万5,000円
神奈川499万8,000円
山梨342万7,000円
長野405万9,000円
福井395万円
石川350万7,000円
富山360万5,000円
新潟371万4,000円
岐阜442万2,000円
静岡380万5,000円
愛知423万7,000円
三重359万1,000円
奈良460万7,000円
京都407万円
滋賀472万7,000円
大阪420万円
和歌山395万2,000円
兵庫508万1,000円
岡山480万9,000円
広島388万4,000円
島根315万7,000円
鳥取432万9,000円
山口408万9,000円
香川384万5,000円
徳島400万2,000円
愛媛391万9,000円
高知339万9,000円
福岡456万5,000円
長崎369万8,000円
佐賀330万2,000円
熊本375万円
大分380万円
鹿児島390万円
宮崎351万7,000円
沖縄340万7,000円
全国平均429万5,000円
企業規模(人数)年収月収ボーナス
10~99人371万9,600円27万7,200円39万3,200円
100~999人370万9,600円25万6,600円63万400円
1000人以上394万500円28万7,400円49万1,700円
合計382万1,500円27万3,400円54万700円

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