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トラック運転手の派遣は禁止されている?法律や仕組みを解説

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私生活の関係で、正社員ではなく派遣社員としてトラック運転手をしたいと考えている方にとって気になるのが法律です。

トラック運転手としての経験や運転免許はあるものの、派遣社員でトラック運転手をする上で何か法的に問題はないのか気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は派遣社員としてトラック運転手に従事する際の法律や仕組みについて解説していきます。

この記事で分かること

・派遣社員としてトラック運転手に従事する場合の法律について
・派遣社員としてトラック運転手に従事した場合の給料
・派遣社員としてトラック運転手に従事するメリット・デメリット

難しい法律関連のルールを分かりやすく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

トラック運転手の派遣は禁止されている?

全日本トラック協会の「改正労働者派遣法の概要」ではトラック運転手の労働者派遣について以下のように解説しています。

派遣会社と労働者との労働契約の期間は30日以内の短期の労働者派遣が原則として禁止されます。

ただし以下の項目に当てはまる場合にはこの限りではありません。

  • 60歳以上
  • 昼間学生
  • 副業として従事する(生業の年収が500万円以上)
  • 主たる生計者でない者(世帯全体の年収が500万以上)

参考元:公益社団法人|全日本トラック協会|改正労働者派遣法の概要

このルールとは別に知っておくべきなのが労働者派遣法です。

ここでは労働者派遣法について分かりやすく解説していきます。

トラック運転手の派遣は禁止されていない

派遣社員としてトラック運転手をすることは基本的に禁止されていません。

ただし派遣社員を雇う会社側のルールとして以下のようなルールが存在しますので、覚えておくようにしましょう。

・日々雇い入れられる者、二月以内の期間を定めて使用される者又は試みの使用期間中の者(十四日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)であってはならない。引用元:e-GOV法令検索|平成二年運輸省令第二十二号貨物自動車運送事業輸送安全規則

つまり、派遣社員を雇うトラック事業者は、2ヵ月以内の短期間で派遣のトラック運転手を使用してはいけないというルールがあるのです。

中には上記ルールを守らずに短期間の労働で募集している会社も存在しますが、違法であるため応募はしないようにしましょう。

上記ルールを満たしていれば、派遣社員としてトラック運転手に従事できます。

労働者派遣法とは

労働者派遣法とは、トラック運転手を含めた人材派遣業の適正な運営のためにある法律です。

  • 運転手が派遣先企業と直接契約するケース
  • 派遣会社の仲介を受けて契約するケース

このような形態ごとで詳しくルールが定められています。

派遣と請負の違い

派遣と似ている形態に「請負」があります。

似ているようで全く違うので、その内容について理解しておきましょう。

【派遣の場合】

  • 派遣先企業と派遣会社が「派遣契約」を結ぶ
  • 派遣会社と派遣社員が「労働契約」を結ぶ
  • 派遣社員は派遣先の企業で仕事の指示を受ける

【請負の場合】

  • 請負会社と企業が「請負契約」を結ぶ
  • 請負会社と社員が「労働契約」を結ぶ
  • 請負会社から社員に対し仕事の指示がある

派遣の場合は、派遣先企業が主導となりますが、請負の場合は請負会社が社員に対して内容を指示します。

労働者派遣の分類

労働者派遣には3つの種類があります。

【一般労働者派遣】

トラック運転手が含まれる分類で、派遣期間は最長で3年となりその後は別の企業や部署へと移動します。

一般労働者派遣は、派遣先と派遣社員の直接的な履歴書の送付や受理、面接は認められていません。

【特定労働者派遣】

法律によって定められている26種の職業が該当し、専門性の高い業種が分類されています。

特定労働者派遣は一般労働者派遣とは違い、派遣期間に上限がありません。

一般労働者派遣と同様に、派遣先と派遣社員の直接的な履歴書の送付や受理、面接は認められていません。

【紹介予定派遣】

派遣先に正社員としての採用を予定した派遣です。

始めから正社員となれるわけではなく、半年以内の契約社員として働いて期間満了となれば正社員になります。

人材派遣の仕組み

人材派遣の仕組みは各立場によって以下のような関係となります。

【派遣先企業と派遣元企業】

派遣先企業と労働者派遣契約を結び、企業から派遣料金の支払いを受ける

【派遣社員と派遣元企業】

雇用契約を結び、派遣元企業が給料を運転手へ支払う

【派遣社員と派遣先企業】

派遣先企業の指示を受けて働く

この3つの仕組みで人材派遣は成り立っています。

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トラック運転手の派遣の給料はいくらか?

派遣のトラック運転手として働く場合、給料は正社員と比べると低めとなります。

変動給と呼ばれる家族手当や住宅手当などが付かないためです。

ただし、深夜勤務であれば時給が上がり、車両サイズによっても支給額は異なります。

ここでは車両サイズごとの給料相場について解説していきます。

2tトラックの場合

2tトラックの派遣トラック運転手の収入相場は以下の通りです。

  • 時給1,000円~
  • 日当8,000円~
  • 月給20万円前後

具体的な求人例には以下のような内容のものがありました。

【百貨店の2tトラック配達運転手】

給与日給13,000円
勤務時間5:00~16:00
福利厚生交通費支給あり、車・バイク通勤OK
仕事内容箱車にて曜日日替わりで百貨店・紙製品の店舗配送

【食肉センターや工場配送の2tトラック運転手】

給与時給1,550円~
勤務時間8:00~17:00
福利厚生社会保険完備、退職金制度あり
仕事内容各配送エリアで仕分けと積み込みを行い加工工場や給食センターへ配送

参照元:indeed

4tトラックの場合

4tトラックは中型トラックに分類され、主に中距離から長距離配送に多く使用されます。

運転するために必要な免許は、準中型~中型免許となります。

4tトラックの派遣トラック運転手の収入相場は以下の通りです。

  • 時給1,200円~
  • 日当10,000円~
  • 月給25万円前後

実際にある4tトラックの派遣運転手の求人詳細は以下の通りです。

【水産物のルート配送・4tトラック運転手】

給与時給1,510円~
勤務時間18:00~3:00、22:00~7:00のいずれか
福利厚生交通費支給あり、社会保険完備
仕事内容魚介類のルート配送(片道30分以内)

【工場間輸送・4tトラック運転手】

給与時給1,500円~
勤務時間7:00~16:00
福利厚生交通費支給あり、社会保険完備
仕事内容1日4~8件程度の工場間配送

参照元:indeed

10tトラックの場合

10tトラックは大型トラックのことで、中距離~長距離配送がメインとなります。

運転するには大型免許が必要であり、トレーラーの場合は別にけん引免許も必要です。

10tトラックの派遣トラック運転手の収入相場は以下の通りです。

  • 時給1,500円~
  • 日当15,000円~
  • 月給35万円前後

10tトラックの派遣運転手求人には以下のような内容がありました。

【工場や店舗への配送・10tトラック運転手】

給与日給16,601円~
勤務時間8:00~17:00など
福利厚生交通費支給あり、社会保険完備、日払いOK
仕事内容10tトラックで工場や店舗へ荷物を配送

【企業での産廃回収・10tトラック運転手】

給与時給1,650円~
勤務時間5:30~14:30(変動アリ)
福利厚生交通費支給あり、社会保険完備
仕事内容仕事内容:企業や事業所への産廃物の回収。スポット業務のため件数は日々変動

参照元:indeed

大型車両となるほど、高度な運転技術が必要なこともあり、収入は高めの傾向です。

しかし、小型・中型免許であっても深夜勤務やフォークリフトなどの作業に役立つ免許を取れば昇給も期待できるでしょう。

トラック運転手の派遣になるメリット・デメリット

派遣社員と聞くと「働く時間がある程度自由で、社員としての責任も少ない」といったイメージがあるかもしれません。

派遣社員としてトラック運転手に従事する場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

具体的な特徴について解説していきます。

トラック運転手の派遣になるメリット

派遣社員としてトラック運転手に従事するメリットは以下の通りです。

  • 運転免許があればなれる
  • 時間や曜日の制約がない
  • 自分で仕事を探す必要がない
  • 相性の良い職場を探しやすい

これらのメリットについて解説していきます。

運転免許があればなれる

派遣社員は正社員と比べて応募条件に縛りがないことが特徴です。

学歴を問われることはほぼなく、面接で志望動機やこれまでの経歴を話す必要もありません。

派遣元で個人情報等の登録は必要ですが、就業する上で必要なのは運転免許のみとなります。

ただし、求人によってはトラック運転手経験の有無を問われるものもあります。

時間や曜日の制約がない

派遣の場合、求人によって異なりますが自分で勤務時間を調整できるものが多くあります。

1日8時間以内であっても全く問題なく、出勤日数も調整できるので、自分のリズムに合わせた働き方ができます。

急に予定が入った場合でも、ある程度事前に伝えれば融通がきくこともメリットと言えるでしょう。

自分で仕事を探す必要がない

直接企業と契約しない限り、派遣元へと登録をしておけば自分に合った求人を仲介スタッフが見つけてくれます。

必ず希望が通るわけではありませんが、仲介スタッフと話し合いながら複数の求人の中から選ぶこともできます。

自分で転職サイトから探したり、ハローワークに行ったりする必要もありません。

相性の良い職場を探しやすい

派遣元の仲介スタッフは派遣先企業の社員と話す機会があるため、別の派遣社員の派遣実績や口コミなどを通して、派遣先の実情も知りやすい立場にあります。

そのため、仲介スタッフを通して、一般的な求人よりも会社の雰囲気や注意点について詳しく知ることが可能です。

「他の社員と話すのが苦手」「重い荷物は持てない」というような悩みがある場合には、仲介スタッフへと相談してみるといいでしょう。

トラック運転手の派遣になるデメリット

次に派遣のトラック運転手として働くデメリットについて解説します。

・経営状態に左右されやすい
・原則3年しか勤務できない
・出勤日数が制限される場合もある

この3つのデメリットについて詳しく解説していきます。

経営状態に左右されやすい

派遣社員の場合は派遣期間が定められており、派遣先の経営状況によっては、満期を迎えたタイミングでその後の更新がない可能性があります。

1つの派遣先でなるべく働きたいと考えていても、必ず働けるとは限りません。

また、閑散期などはいくら働きたくても、自分の希望シフト通りに働けない可能性もゼロではありません。

原則3年しか勤務できない

派遣社員は原則3年までしか同じ職場で働けません。

3年間で仕事を覚え、職場の人たちと仲良くなって気に入られていたとしても、別の職場で働くことになります。

運転するのが仕事とはいえまた新たな職場で細かい業務の流れを覚えたり、新しい人間関係に慣れたりしていく必要があります。

ただしこれには例外があり、3年の期間を迎えた際に派遣会社で派遣社員を無期雇用すれば
、それ以降も同じ職場で働くことが可能です。

出勤日数が制限される場合もある

派遣の場合、派遣先の経営状況や忙しさによっては出勤日数が制限されることがあります。

理想の労働時間があったとしても「今週は正社員で足りているから」などの理由で出勤日数や労働時間が制限される可能性があるのです。

必ず対応してもらえるわけではないですが、出勤日数や労働時間の変更を望まない場合は事前に仲介スタッフに伝えておくといいでしょう。

安定して依頼がある求人を紹介してもらいやすくなります。

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まとめ

今回は派遣としてトラック運転手に従事することに関して解説してきました。

派遣でトラック運転手として働くことは可能であり、派遣会社に登録すれば関連法律に関しても違法がないようにしているので安心です。

派遣される場合には、今回紹介したようなメリット・デメリットがありますが、自分の生活リズムに合わせた働き方ができるでしょう。

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