ドライバーの仕事

大型特殊自動車免許のみでフォークリフトに乗れる?取得条件や流れ

更新日:
 公開日:

運転している様子

倉庫での荷物の積み下ろしや、建築現場の資材の移動などに使われるフォークリフトです。しかし、フォークリフトを操縦するのにはどのような免許が必要なのでしょうか?

フォークリフトは建築現場で使われるような特殊車両と似ているため、クレーン車などを操縦するのに必要な大型特殊自動車免許でフォークリフトを操縦できると思われている方もいるかもれません。

しかし実際は、大型特殊自動車免許だけではフォークリフトの運転は許可されていないのです。

本記事では大型特殊自動車免許でフォークリフトに乗れない理由やフォークリフトを運転するのに必要な資格などについて解説していきます。

大型特殊自動車免許のみでフォークリフトは乗れない

大型車両

たしかに、フォークリフトは大型特殊自動車免許で運転できる車両に含まれています。しかし、大型特殊自動車免許を取得しただけでは、フォークリフトを操縦することはできません。

フォークリフトの運転には、大型特殊自動車免許とは別に、フォークリフト操縦のための特別な講習を受講し、修了証の取得が義務付けられているからです。

つまり、フォークリフトに乗るためには大型特殊自動車免許が必要不可欠ではあるものの、それだけでは十分ではないということです。

公道を走行する際にはこの免許が必須となりますが、フォークリフト運転には追加の資格取得が必要だと覚えておきましょう。

大型特殊自動車におけるフォークリフトの車両区分

トラック

大型特殊自動車免許で運転できるフォークリフトには、大型特殊自動車だけでなく小型特殊自動車に分類されるものもあります。

フォークリフトのサイズや規格によって、車両区分が変わってくるのです。

小型特殊自動車に分類される場合は小型特殊自動車免許の取得が必要ですが、最高時速が15㎞/h以下であることが条件のため、それを越える場合は大型特殊自動車に分類されます。

速度によっては小型特殊自動車免許が必要ですが、倉庫の荷下ろしや農作業に使われるフォークリフトは、ほとんどが大型特殊自動車の規格です。

大型特殊自動車免許の方がフォークリフト以外の大型特殊自動車も運転できるため、小型特殊自動車免許よりも大型特殊自動車の方が取得のメリットは大きいと言えます。

出典:自動車の種類|国土交通省

フォークリフトを仕事で使用する際に必要な資格3選

大型車両

それではフォークリフトを仕事で使用する際に必要な資格3選を見ていきましょう。

  • フォークリフト運転特別教育修了証
  • フォークリフト運転技能講習修了証
  • 大型特殊自動車免許

それでは順番に解説していきます。

フォークリフト運転特別教育修了証

フォークリフトを使用する際に必要な資格1つ目は、フォークリフト運転特別教育修了証です。

このフォークリフト運転特別教育修了証がない場合、フォークリフトを運転できる技術を有していたとしても、雇ってくれる企業はありません

なぜなら、フォークリフトの操縦者には特別教育を受講させなければならないと、厚生労働省によって義務付けられているからです。

なお、フォークリフト運転特別教育修了証を取得している場合、最大荷重1トン未満のフォークリフトを操縦できます。

フォークリフト運転技能講習修了証

フォークリフトを使用する際に必要な資格2つ目は、フォークリフト運転技能講習修了証です。

フォークリフト運転技能講習修了証は、最大荷重1トン以上のフォークリフトを操縦するために必要な修了証です。

フォークリフト運転特別教育修了証だけで事足りる場合もありますが、ほとんどの企業は最大荷重1トン以上のフォークリフトを所有しているため、こちらの方が需要があります。

一般的にフォークリフト免許と呼ばれているのはこの資格のことで、企業が所有するフォークリフトのほとんどが講習修了証を必要とする車両です。求人情報に記載されているのもこの資格になります。

大型特殊自動車免許

フォークリフトを使用する際に必要な資格3つ目は、大型特殊自動車免許です。

フォークリフトを操縦するには必要がないものの、実際に公道を通る際に必要になってきます。

公道を走る場合、フォークリフトにも普通車と同じようにナンバープレートの登録が必須になるので免許がないと無免許運転になります。

小型特殊自動車免許の場合は、普通車免許で追加申請する必要がない場合がありますが、大型特殊自動車免許の場合は再度教習所に通わなければなりません。

フォークリフトにおける小型特殊と大型特殊の違い

大型車両

続いては、フォークリフトにおける小型特殊免許と大型特殊免許の違いについて解説します。

小型特殊自動車免許

小型特殊自動車免許では、最大荷重1トン未満のフォークリフトを操縦できます

小型特殊自動車免許で操縦できるフォークリフトは、小さい荷物などを移動させたり狭いスペースでも動たりなど、機動性に優れている車両が多いです。

そのため、倉庫や工場などでの内部作業や荷役作業の業務を行う方には、小型特殊自動車免許の取得をおすすめします。

大型特殊自動車免許

大型特殊自動車免許では、最大荷重1トン以上のフォークリフトを操縦できます

大型特殊自動車免許で操縦できるフォークリフトは、小型特殊自動車免許で操縦できる車両に比べると、積載量が大きいうえに重心のバランスも複雑になるため、高度な運転技術が必要です。

小型特殊自動車免許に比べて免許取得のハードルが高いものの、持っていると就職に有利になります。

フォークリフトに課せられる2つの税金

大型車両

フォークリフトを扱う上で知っておくべき税金は以下の2つです。

  • 軽自動車税
  • 固定資産税

それでは順番に解説していきます。

軽自動車税

小型特殊自動車に分類されるフォークリフトには、軽自動車税が課税されます。

軽自動車税は公道を走る軽自動車と同じように、軽自動車の税率や評価額によって変動します。

支払い方法は車を買ったときと同じように、自動車の登録更新時や車検時に一括または分割で納付するのが一般的です。

固定資産税

対して大型特殊自動車のフォークリフトは、企業や個人の固定資産として扱われ、固定資産税の対象となります。

小型特殊自動車の場合は軽自動車税として税金が発生しますが、大型特殊自動車の場合は企業や個人の固定資産として扱われます。

そのため、フォークリフトの評価額や市場価値、地方の税率などで支払う金額は変わります。

小型特殊自動車の場合でも、個人や企業の固定資産として登録していれば、大型特殊自動車でも固定資産税を払うケースが出てきます。

大型特殊自動車免許を取得する方法

大型車両

続いては、大型特殊免許を取得する方法を解説します。大型特殊免許を取得する方法は以下の3つです。

  • 一発試験
  • 指定の教習所に通学
  • 合宿形式の講習

では、1つずつ解説します。

一発試験

大型特殊自動車免許を取得する方法の1つ目は、一発試験です。

一発試験とは、教習所を利用せずに直接試験場で行われる学科と技能の試験に挑む方法を指します。

この方法を選ぶことで、時間と費用の面で大きな節約が期待できます。ただし、名前が示す通り、一発試験ではすべての科目を一度の試験でパスすることが必要であり、これには十分な事前準備が不可欠です。

そのため、一般的に一発試験の合格率は教習所に通って受ける試験の合格率よりも低めであり、自信がある人のみがこの試験形式を選ぶべきと言えます。

指定の教習所に通う

大型特殊自動車免許を取得する方法の2つ目は、指定の教習所に通学です。

教習所では、大型特殊車両を運転する上で必要とされる、法律知識、安全な運転技術、車両操作の方法といった、幅広い内容が学習できます。また、実際に運転技術を習得するための実技の授業も実施され、受講者の進度や理解の度合いに合わせた指導が行われます。

教習所における最大のメリットは、豊富な経験を持つ教官からの直接的な指導を受ける機会があることです。このため、運転経験が浅い初心者でも、効果的に必須の知識と技能を学ぶことができます。

さらに、教習所では試験に焦点を当てた特別なトレーニングを受けることが可能であり、試験での重要ポイントや実技試験で留意すべきことなど、合格へ向けた実践的なアドバイスを提供しています。

合宿形式の講習

大型特殊自動車免許を取得する方法の3つ目は、合宿形式の講習です。

合宿講習では、参加者は特定の教習所が提供する宿泊設備で生活しながら、免許習得のための学科と実技教習に完全に集中できます。この方式では、限られた期間内に密度の高い学習スケジュールが組まれ、迅速な免許取得を目指せます。

合宿講習のメリットは、充実した教習カリキュラムが用意されている点です。計画に沿って実施される講義や実技の授業によって、受講者は免許取得を目指した継続的なトレーニングを経験することができます。さらに、同じ目的を持つ受講者同士が支え合うことで、学習意欲を互いに刺激し合うメリットもあります。

特に、日常生活において自習の時間を見つけることが難しい人にとって、合宿講習は効果的な学習手段となり得ます。この集中的な学習環境は、短期間での免許取得を現実のものとします。

大型特殊自動車とフォークリフトに関するQ&A

大型車両

最後に、大型特殊自動車とフォークリフトに関するよくある質問を見ていきましょう。

  • Q1.フォークリフトは何車両に分類される?
  • Q2.大型特殊自動車免許で運転できる車両は?
  • Q3.大型特殊自動車免許の取得費用は?

それでは順番に解説していきます。

Q1.フォークリフトは何車両に分類される?

A1.フォークリフトは特殊自動車の一種です。大きさによって小型特殊自動車と大型特殊自動車に区分されます。

Q2.大型特殊自動車免許で運転できる車両は?

A2.大型特殊自動車免許では、クレーン車やレッカー車などの特殊な車両や大型バス、大型トラック、パワーショベルなどさまざまな車両が運転・操縦できます

大型バスの運転には大型自動車免許だけで運転可能ですが、大型特殊自動車免許では幅広い車両が運転可能です。

Q3.大型特殊自動車免許の取得費用は?

A3.地域や教習所によってさまざまですが、免許を取るために必要な金額は10〜15万円前後で済む場合がほとんどです。

ただし、これは「普通自動車免許を持っている」という場合のため、普通自動車免許を持っていない場合はさらに費用がかかります。

大型特殊自動車とフォークリフトに関するまとめ

タイヤ

今回は、大型特殊自動車とフォークリフトに関して解説しました。

フォークリフトの運転が業務で必要になる方は、本記事を参考にして、大型特殊免許を取得して仕事の幅を広げてみてください。

倉庫作業の仕事をお探しの方へ

ドライバーキャリアは、運送・物流業界に特化した転職支援サービスです。

  • 希望条件に合う求人のご紹介
  • 履歴書など書類作成のサポート
  • 企業との条件交渉/面接日程の調整

無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください。

求人を検索する(無料)

よくある質問

クロスワークに会員登録いただくと、求人のご紹介をはじめ、履歴書等の書類作成のサポートや企業との条件交渉・面接日程の調整など転職支援が受けられるようになります。
また、非公開求人のご紹介も可能なため、ネット上に掲載されていない大企業や有名企業に出会えるチャンスです。
「忙しくて転職活動ができない」「自分に合う求人がわからない」という方も安心してご利用いただけます。
ご利用は無料ですので会員登録のページよりご登録ください。

もちろん可能です。
ご家庭のご事情やご体調を理由に職を離れていた方の転職支援実績が多数ございますのでご安心してご利用ください。

現在クロスワークでは、トラックドライバーをはじめ、施工管理や電気主任技術者、電気工事士など物流・建設・製造に特化した求人を多数取り扱っています。
<掲載中の職種例>
・ドライバー・運転手:車両ドライバー、小型トラックドライバー、中型トラックドライバー、準中型トラックドライバー、大型トラックドライバー など
・施工管理:土木施工管理、管工事施工管理、建築施工管理、プラント施工管理、電気工事施工管理、現場監督 など
・設備工事作業員:電気通信設備工事担任者、認定電気工事従事者、特殊電気工事資格者、変電・配電員、ボイラー技士 など
・職人:電気工事士、鳶職、重機オペレーター、配管工 など
・警備員:施設警備、夜間警備、空港警備、マンション警備 など

くわしくはクロスワークをご覧ください。

会社の雰囲気を知れるよい機会ですので、興味を持った求人があればぜひ応募してみてください。

お手数ですが以下の方法で、転職支援・就職支援を希望しない旨を担当者にお伝えください。
宛先:inquiry_xwork@xmile.co.jp

この記事を書いたライター

クロスワークマガジンのアイコン

クロスワーク編集部

クロスワークマガジンは、X Mile株式会社が運営する記事メディアです。 当メディアは、物流・建設・製造など現場で活躍する方々向けに、就職・転職、お仕事に役立つ情報を発信しています。業界にくわしいメンバーや物流・製造業で従事した経験がある方、国家資格を持つ方の知見をもとにまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

このライターの記事一覧

こんなお悩みありませんか?

  • もっと給料を上げたい...
  • 人間関係が良好な会社で働きたい
  • もっと休みが欲しい

かんたん無料!
求人を検索する

その他の条件で求人を探す

公式SNS

-ドライバーの仕事
-,

© 2024 クロスワーク・マガジン