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大型免許の取得条件・方法・費用・難易度を徹底解説

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大型免許の取得条件・方法・費用・難易度を徹底解説

大型免許とは大型トラックを運転するために必要な免許であり、取得することにより10tトラックの運転ができるようになります。

仕事の幅が広がり収入アップにも繋がるため、キャリアアップのために取得を目指す現役ドライバーも少なくありません。

また、これから運送業界への転職を目指す上で、大型免許の取得を検討している方もいるのではないでしょうか。

大型免許には運転する車両によって種類があり、取得条件も定められているため、その内容について理解しておく必要があります。

今回は大型免許の取得条件や方法、費用などについて、分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること
・大型免許の種類と運転できる車種
・大型免許の取得条件や取得にかかる費用
・大型免許の取得方法の種類
・大型免許取得に関する補助金や助成金について

そもそも大型免許とは

大型免許はトラックやバスなどを運転するための免許ですが、該当する車両は道路交通法によって定められています。

また、運行内容によって免許の種類が分けられているため、取得する際には注意が必要です。

ここでは大型免許の種類や、取得後に運転できる車両を解説していきます。

大型免許とは

大型免許とは大型トラック・大型バス・タンクローリー・トレーラーなど、大型車両を運転するのに必要な免許です。

正式名称は「大型自動車第一種免許」です。

以下の項目に該当する車両が該当します。

・最大積載量6.5t以上
・乗車定員30人以上
・車両総重量11t以上

また、車両の条件とは別に運行目的によって大型免許は2種類に分けられています。

大型免許には一種と二種がある

大型免許は運行目的により、第一種と第二種に分けられています。

・大型自動車第一種免許:荷物の運搬が目的
・大型自動車第二種免許:旅客運送が目的

大型貨物トラックやダンプカー、トレーラーなどが第一種免許に該当します。

観光バスや路線バスなど、乗客を乗せて車両を運転するには第二種免許が必要です。

ちなみに、大型免許以外もこの2種類に分けられており、タクシーを運転するには普通自動車第二種免許が必要となります。

大型免許で運転できる車種

大型免許とは大型トラックや大型バスを運転するための免許ですが、取得後には他のサイズの車両も運転可能となります。

免許の種類大型免許取得者が運転できる車両
大型自動車
中型自動車
準中型自動車
普通自動車
小型特殊自動車
原動機付自転車
大型特殊自動車×
大型自動二輪車×
普通自動二輪車×

上の表の通り、各サイズのバイクと大型特殊自動車以外の車両であれば運転できるようになります。

そのため、大型免許を取得した上で中型トラックドライバーとして働くことも可能です。

ちなみに、大型特殊自動車とは「全長12m以下・全高3.8m以下・全幅2.5m」以下の車両で、工事や路面整備などに使用される乗り物のことです。

具体的にはショベルローダーや除雪車、トラクターがあります。

大型免許の取得条件

大型免許を取得するには「年齢・運転経歴・身体条件」を満たしている必要があります。

年齢満21歳以上 ※受験資格特例教習を受ければ19歳以上で取得可能
取得条件普通自動車免許・準中型免許・中型免許・大型特殊免許のいずれかを取得済で、通算運転経歴が3年以上あること(免許停止期間を除く) ※受験資格特例教習を受ければ運転経歴1年以上で取得可能
身体条件・10mの距離で90デシベルの警報機音が聞こえること(補聴器の利用可)

 

・視力が裸眼もしくは矯正視力(コンタクト・メガネ)で両眼0.8以上、片眼でいずれも0.5以上

・三桿法の奥行知覚検査器により2.5mの距離で3回検査を行い、誤差の平均が2㎝以下であること

・青、赤、黄色の識別ができること

・自動車の運転に支障をきたすような身体障害がないこと

受験資格特例教習とは、ドライバー不足の解消を目的として2022年5月13日より施行された改正道路交通法です。

取得できる最低年齢が21歳以上であった大型免許が、19歳から取得できるようになりました。

教習には「年齢課程・経験課程・年齢+経験課程」の3種類があります。

それぞれに設けられた教習時間は以下の通りです。

・年齢課程:技能教習4時間、学科教習3時間の合計7時間

 

・経験課程:技能教習27時間、学科教習2時間の合計29時間

・年齢+経験課程:技能教習31時間、学科教習5時間の合計36時間

年齢が19歳又は20歳の方で、普通免許又は準中型免許を取得して1~3年未満の方は、年齢課程と経験課程の両方の受講が条件となります。

年齢が21歳以上ではあるものの、普通免許又は準中型免許を取得して1~3年未満の方は、経験課程のみの受講が条件です。

年齢が20歳で、過去に中型免許取得時に経験課程を受講しているような方は、年齢課程のみの受講が条件となります。

受験資格特例教習が施行されたことにより、高卒や短大卒の人でも大型トラックドライバーとして就職しやすくなっています。

関連記事:大型免許の取得条件とは?19歳から取れるって本当?

関連記事:大型免許って難しいの?合格率や取得のコツ、費用などを詳しく紹介

大型免許の取得方法と費用

大型免許を取得するには3つの方法があります。

・自動車教習所に通う
・合宿に行く
・一発試験を受ける

それぞれで運転スキルの学びやすさや、免許取得にかかる期間や費用が異なります。

具体的にどのような違いがあるのか解説していきます。

自動車教習所に通う

最も多いのが自動車教習所に通う方法です。

技能講習や学科教習を受けた後に本試験に挑戦する流れとなり、教習は第一段階と第二段階に分かれています。

【第一段階】
教習所内で車両の基本的な走行や操作を学んでいきます。

車の乗り降りや運転姿勢、交差点や踏切の運行などがあり、大型車両の運転間隔を習得することが目的です。

【第二段階】
第二段階では、実際に路上で走行しながら応用的な技術を学んでいきます。

標識に従った運転や縦列駐車、方向転換などを行います。

運転技術はもちろん交通状況を把握しながら運転できる視野の広さを身に付けることが目的です。

取得にかかる日数は20〜40日間で、既に持っている運転免許や試験結果によって変わります。

取得費用は持っている免許によって異なり、相場は以下の通りです。

取得済の運転免許費用相場
普通免許40万円前後
準中型(5t限定)35万円前後
中型(8t限定)30万円前後

合宿に行く

合宿では教習所近くの施設に宿泊しながら毎日の受講時間を増やすことにより、通学よりも短期間で運転免許を取得できます。

免許取得までの流れは通学する場合と同じです。

取得にかかる期間は合宿プランによりますが、1〜2週間が目安となります。

取得費用は持っている免許によって異なり、相場は以下の通りです。

取得済の運転免許費用相場
普通免許35万円前後
準中型(5t限定)30万円前後
中型(8t限定)25万円前後

大型自動車教習は全ての自動車教習所で行っているわけではなく、普通運転免許と比べると受けられる学校の数はかなり少ないと言えます。

近くに教習所がない場合や入校希望者数が多く、希望した時期に入校できないような場合には合宿免許がおすすめです。

一発試験を受ける

一発試験とは、自動車教習所で教習を一切受けずに本試験に臨む方法です。

3つの方法の中で最も早く、最低限の費用で免許取得が可能です。

ただし、本試験の前に仮免許を取得した上で路上練習を行う必要があり、教習を受けながら学べないため、難易度はかなり高いと言えるでしょう。

1回で試験に合格できる人は少なく、多くの人が数回受けて合格を目指します。

一発試験で大型免許を取得する流れは以下の通りです。

1.適性検査を受ける
2.仮免許技能試験を受験する
3.路上練習を行う
4.本試験を受験する
5.講習を受講する
6.免許交付

適性検査や仮免許技能試験は免許センターで受けます。

本試験に合格した後は、大型車講習を4時間と応急救護処置講習を3時間受けることにより、免許が交付されます。

取得費用は以下の通りです。

【仮免許試験】
・受験料:2,900円
・試験車使用料:1,450円
・仮免許交付手数料:1,150円・合計5,500円
【本試験】
受験料4,100円
試験車使用料:2,500円
免許証交付料:2,050円
講習受講料:22,000円・合計30,650円

仮免許試験で5,500円、本試験で30,650円の合計36,150円です。

関連記事:大型免許の一発試験で取るのは難しい?合格率や運転のコツ教習所に通った場合の比較などを紹介

大型免許の取得方法はどれがおすすめ?

大型免許の取得方法を3つ紹介してきましたが、受ける人によっておすすめの免許取得方法は異なります。

ここでは各方法でどのような人がおすすめなのか、詳しく解説していきます。

自動車教習所がオススメな人

自動車教習所での大型免許取得をおすすめするのは、以下のような人です。

・自分のペースで通いたい
・しっかり教習を受けながら技術を身に付けたい
・着実に大型免許を取得したい

自動車教習所への通学は、自分でペース配分を決められます。

そのため、働きながら大型免許の取得を目指すような人でも無理せず通い続けられます。

自動車教習所ではドライバー経験がないような人も含め、誰でも確実に成長できるように教習が組まれているため安心です。

合宿免許のように短期間でさまざまな知識を覚えていく必要もないため、少しずつ技術を身に付けていきたい人におすすめです。

最後に行われる卒業検定に合格すれば、本試験では技能試験が免除となります。

そのため、一発試験に比べると難易度が低く、着実に大型免許を取得したい方におすすめと言えるでしょう。

関連記事:自動車学校で大型免許を取得しよう!取得にかかる費用や条件とは?

合宿がオススメな人

合宿免許での大型免許の取得をおすすめするのは以下のような人です。

・短期間で大型免許を取得したい
・スケジュールを明確にしたい
・免許取得だけに集中したい

合宿免許では1日を通して大型免許の教習が受けられるため、短期間で免許を取得できます。

自動車教習所では、大型免許の取得までに20〜40日間かかりますが、合宿免許では約2週間で取得可能です。

現役のトラックドライバーで中型免許を所有している場合は、9日ほどで免許を取得できます。

入校から卒業までのスケジュールも決まっているため、免許の取得期間前後の予定も組みやすくなっています。

就業中の方であっても、有給休暇などを利用することで短期間での免許取得が可能です。

働きながら自動車教習所に通う場合、教習を受ける間の期間が空いてしまうことが多く、効率良く技術を身に付けられないデメリットがあります。

合宿免許であれば毎日連続して学び続けられるため、大型免許の取得だけに集中できます。

合宿免許は宿泊施設に泊まりながら免許取得を目指すため、万が一試験に落ちた際には宿泊費用などが追加となります。

遠方の場合は一度帰宅するわけにもいかないため、落ちてしまった時の費用を事前に確認しておくようにしましょう。

一発試験がオススメな人

一発試験での大型免許の取得をおすすめするのは、以下のような人です。

・最短で大型免許を取得したい
・取得にかかる費用を抑えたい
・大型免許について学べる環境が周りにある

一発試験は教習を一切受けることなく、試験に合格できれば大型免許が取得できます。

免許取得にかかる期間は約1週間、取得費用は総額36,150円となります。※試験に落ちた場合は再受験料4,100円と試験車使用量2,500円が毎回必要です。

一発試験ではトラックの運転に関する教習がないため、運転について学べる環境が整っていなければ合格は難しいと言えます。

現役ドライバーである程度トラックの運転に慣れており、大型トラックの運転についてもしっかり学べる環境が周りにある方がおすすめです。

大型免許を取得する難易度

大型免許は最も大きなサイズの車両を運転することとなり、些細なミスが大事故に繋がる恐れがあります。

そのため、誰でも気軽に挑戦できるほど簡単な試験ではありません。

特に旅客運送業務は乗客の命も預かることとなるため、試験の難易度は第一種免許よりも上がります。

令和2年と3年に実施された、運転免許試験の合格率は以下の通りです。

【大型自動車第一種免許】

 受験者数合格者数合格率
令和2年度69,644人65,498人94%
令和3年度72,720人67,341人92.6%

【大型自動車第二種免許】

 受験者数合格者数合格率
令和2年度13,541人8,145人60.2%
令和3年度11,638人6,944人59.7%

参照:運転免許統計令和3年版|警察庁交通局運転免許課

ちなみに大型免許の一発試験の合格率は、30%と言われています。

大型免許の取得で活用できる補助金・助成金

一発試験以外で大型免許を取得する場合、25~40万円の費用が必要です。

この大型免許の取得費用は補助金や助成金を利用することにより、一部戻ってきます。

ここでは、大型免許取得時に利用可能な2つの制度について解説していきます。

教育訓練給付制度

教育訓練給付制度とは、働く人たちの主体的なキャリア形成や能力開発を支援する制度であり、雇用の安定や就職の促進のために作られました。

指定の講座を受けるのに必要な費用を一部負担してもらうことが可能であり、大型運転免許は「特定一般教育訓練」に該当します。

特定一般教育訓練では、取得費用の40%(上限20万円)を代わりに負担してもらえます。

制度を利用するには複数の条件を満たしている必要があるため、まずはお住まいのエリアを管轄しているハローワークへ相談することから始めましょう。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは事業主が社員を雇用した上で、仕事に関連した専門的なスキルを習得するために、必要な経費や訓練期間中の賃金を一部助成してもらえる制度です。

運送会社が新しく採用した従業員に、大型免許を取得させるのにかかった費用もこれに含まれます(雇用契約締結後5年以内で35歳未満の人が対象)。

多くの運送会社で人材開発支援助成金は利用されており、普通免許さえ取得していれば応募可能な大型トラック運転手の求人もあります。

大型免許についてよくある質問

最後は大型免許についてよくある4つの質問に答えていきます。

・大型免許は何ヶ月くらいで取得できる?
・大型免許で大型特殊自動車に乗れますか?
・大型免許を安く取得するにはどうすればいいですか?
・大型免許の更新頻度はどれくらいですか?

大型免許の取得期間や運転できる車両、取得する費用を安くできる方法などを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

大型免許は何ヶ月くらいで取得できる?

大型免許を取得するのにかかる期間は、合宿免許の場合で9〜15日となります。

ただし、働きながら自動車教習所に通うような人は、毎日教習を受けられないため20〜40日間は必要と考えておきましょう。

入校時に取得している運転免許の内容によっても取得期間の目安は変わるため、まずは自動車教習所に相談してみると良いでしょう。

参照:運転免許統計令和3年版|警察庁交通局運転免許課

大型免許で大型特殊自動車に乗れますか?

大型免許で大型特殊自動車は運転できません。

大型特殊自動車にはショベルカーやフォークリフトなどが該当し、運転するには大型特殊免許が必要です。

ちなみに、大型特殊免許は大型特殊車両を公道で走らせる上で必要な免許となります。

そのため大型特殊免許を取得したからといって、車両を操作して工事現場などで作業することはできず、別途作業免許が必要です。

大型免許を安く取得するにはどうすればいいですか?

大型免許を安く取得するには一発試験を受ける方法がおすすめです。

教習を受けることなく、試験のみであるため1回で合格できれば36,150円で大型免許を取得できます。

ただし、自動車教習所や合宿免許と比べて非常に難易度が高く、合格率は30%前後となります。

もし試験に落ちてしまった場合は、再受験料4,100円と試験車使用量2,500円が毎回必要となるため注意が必要です。

運転技術のレベルや経歴を考慮した上で、自分に合った方法で免許取得を目指すようにしましょう。

大型免許の更新頻度はどれくらいですか?

大型免許の更新頻度は、初めての更新は取得から3年後であり、それ以降は更新日の年齢や交通違反の有無によって3〜5年で更新が必要です。

更新期間が満了する日の年齢が満71歳以上の人は、優良運転者であっても3年に1回の更新となります。

70歳の場合は4年となり、70歳未満の方は5年となります。

関連記事:大型トラックの助成金|免許を安く取得する方法や金額などご紹介!

関連記事:大型トラックとは?初心者から大型免許をとってドライバーになる方法

関連記事:大型免許の費用はいくら?お得に大型免許を取得する方法も解説!

大型免許についてのまとめ

今回は大型免許について解説してきました。

大型免許は10tトラックや大型バスなどを運転する上で必要な免許であり、事業の運送では大型自動車第一種免許が必要です。

路線バスなど乗客を乗せて運行する場合には、大型自動車第二種免許が必要となります。

免許取得方法には3つの方法があり、受講内容や取得にかかる期間が異なりますので、取得計画に合った方法を選ぶようにしましょう。

これから運送業界への転職を目指し大型免許取得を考えている人であれば、補助金や助成金の利用もできますのでぜひ活用してみてくださいね。

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