機械設計技術試験に挑戦する方の中には、合格率や合格ラインについて気になる方もいるでしょう。
機械設計技術者試験は、1級〜3級に分かれており、機械設計に関する知識やスキルを証明する資格で、年々受験者が増えています。
資格取得により普段の業務だけでなく、採用試験での自己アピールやキャリアアップにも役立てられるので、勉強のコツなどを知り、合格に向けて対策しましょう
今回は、機械設計技術者試験の合格率を中心に、試験に合格するコツなどを解説していきます。
【この記事のまとめ】 ・試験の合格率は40%前後で超難関ではない ・1級、2級試験は、実務経験も満たす必要がある ・出題傾向を把握し得意分野から学習を進めていくのがおすすめ |
機械設計技術者試験の合格率は約30〜40%
試験は、1級~3級に分けられており、それぞれで試験の難易度が異なります。
ここでは、各級の難易度や試験の特徴などについて解説していきます。
1級試験の合格率:約29〜36%
1級試験は、最も難易度が高く、機械や装置の基本仕様に関する計算や、構想図の作成などをこなせるレベルであるか試されます。
直近で実施された試験の合格率は、以下の通りです。
開催年度 | 合格率 |
2023年 | 36.4% |
2022年 | 33.1 % |
2021年 | 37.8% |
2020年 | 33.3% |
2019年 | 29.6% |
毎年35%前後の合格率で推移しており、開催年度によって合格率に大きな差がでるようなことはありません。
2級試験の合格率:約32〜43%
2級試験は、基本設計に基づき機械などの機構・機能・構造の具体化を図るような、計画設計業務をこなせるレベルであるか試されます。
直近で実施された試験の合格率は、以下の通りです。
開催年度 | 合格率 |
2023年 | 40.8% |
2022年 | 42.6% |
2021年 | 41.2% |
2020年 | 32.6% |
2019年 | 34.2% |
2級試験の合格率は、40%前後で推移しており、1級試験よりも若干高いと言えます。
3級試験の合格率:約33〜47%
3級試験は、各機械の詳細設計をサポートしたり、製図などの業務をこなせるレベルであるか試されます。
直近で実施された試験の合格率は、以下の通りです。
開催年度 | 合格率 |
2023年 | 47.1% |
2022年 | 38.1% |
2021年 | 43.1% |
2020年 | 37.3% |
2019年 | 33.3% |
3級試験の合格率は、40%前後で推移しており、2級試験とほとんど変わりません。
合格率に関しては、1級~3級で大きな違いはないものの、1級・2級試験に挑戦するには所定の実務経験を満たしていなければなりません。
一方で、3級試験は入門資格であるため、特別な受験条件はなく未経験者でも挑戦できます。
1級・2級の受験者が現役の機械設計者であることを踏まえると、難易度の低い試験ではないと言えるでしょう。
機械設計技術者試験に合格する5つのコツ
機械設計技術者試験は、出題範囲が広く合格するには、効率良く知識を身に付けていくことが大切です。
初学者の場合、どこから手を付ければいいのか、どのように勉強していけばいいのか分からないという人もいるでしょう。
ここでは、試験に合格する5つのコツについて解説していきます。
出題傾向を把握する
勉強を進めていく前に、受験級の出題傾向について理解しておきましょう。
3級試験の場合は、全問題のうち6割が計算問題で、残り4割が知識問題となります。
そのため、計算問題から勉強をスタートして、まずは6割以上合格できるようにしていきます。
ちなみに、計算問題が出題される科目は「流体工学・熱工学・機械力学・材料力学」です。
戦略を立てる
前述した通り、3級試験は計算問題の割合が大きいため、まずは計算によって解答する科目から勉強していきます。
ある程度理解できた後は、暗記で覚えていく科目に移っていきます。
最初から深く学ぼうとすると、バランスよく覚えられないため、繰り返し読み返しながら徐々に理解していく流れがおすすめです。
人によって得意不得意が分かれるため、全員に共通する戦略はないものの、なるべく配点の大きい分野から覚えていきましょう。
得意分野を決める
3級試験では9科目に関する問題が出題されます。
勉強を進める中で、得意な科目と苦手な科目がでてきた場合は、得意な科目で点数が取れるように勉強を進めていきましょう。
問題の難易度が低く、点数を稼ぎやすいと言われているのは、機械製図です。
他にも、機械力学や材料力学は問題が解きやすいと言われていますので、なるべく優先して勉強していきましょう。
関数電卓に慣れる
試験の6割を占める計算問題では関数電卓を使用するものもあります。
計算方法が分かっていたとしても、関数電卓の操作を間違えては意味がないため、関数電卓の取り扱いにも慣れておくようにしましょう。
過去問を活用する
全体的に理解できてきたあとは、過去問を繰り返し解きながら理解を深めていきます。
毎年似たような問題しかでない科目もあります。
過去問は、同じ年度のものを繰り返し解くのではなく、3〜4年分の問題に挑戦するようにしましょう。
試験形式で問題を解きながら、ペース配分の感覚をつかんでおくことも大切です。
機械設計技術者試験の合格率に関連してよくある質問
最後は試験に関する、3つのよくある質問に答えていきます。
・機械設計技術者試験は国家試験ですか?
・受験資格に国籍は関係しますか?
・機械設計技術者試験に正式な合格点はありますか?
受験する際に役立つ内容ですので、参考にしてみてください。
機械設計技術者試験は国家試験ですか?
機械設計技術者試験は、一般社団法人 日本機械設計工業会が管轄しており、国家資格ではなく民間資格となります。
設計業務に関係している国家資格には、技術士・機械部門があります。
受験資格に国籍は関係しますか?
受験資格に国籍の指定はありません。
ただし、問題は全て日本語での出題となります。
機械設計技術者試験に正式な合格点はありますか?
機械設計技術者試験の合格点は公開されていません。
年度によって試験の難易度が多少変わるため、その年によって合格点が微調整されます。
機械設計技術者試験の合格率についてのまとめ
機械設計技術者試験の合格率は、35〜40%ほどで推移しています。
合格率自体は低くないものの、2級試験以上は、実務経験を満たした現役の機械設計者のみしか受験できないことを踏まえると、簡単な資格ではないと言えます。
入門資格である3級に関しても、基礎全般の知識を幅広く身に付けていなければ、合格できません。
今回紹介した、学習のコツを参考にしながら、自分のレベルに合った試験級の受験を検討してみてください。
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