空調サービスエンジニアとは、大規模なビルや建物に導入されている大型の空調とその付帯設備などの施工・調整・保守を行う仕事です。
空調サービスエンジニアと検索すると「きつい」「やめとけ」などネガティブなワードが出てきますが、具体的にはどのような仕事をしているのでしょうか。
本記事では、空調サービスエンジニアがきついと言われる理由を始め、空調サービスエンジニアの魅力や転職する際のポイントについて解説します。
空調サービスエンジニアがきついと言われる理由|5選
まずは、「空調サービスエンジニアはきつい」と言われる理由5選を紹介します。
理由は下記の通りです。
- 生活リズムが崩れやすい
- 肉体的な負担が大きい
- 覚える知識が多い
- 資格取得の難易度
- 職場の人間関係
一つずつ解説します。
生活リズムが崩れやすい
「空調サービスエンジニアはきつい」と言われる理由の1つ目は、生活リズムが崩れやすいからです。
空調サービスエンジニアは、カスタマーから修理や点検などの要望を受けて直接訪問し対応することが主な仕事内容です。
エアコンを多く使用する夏場や、空調のメンテナンスが必要な冬場などは多忙になりやすく、休日がずれ込むこともあります。
逆に、エアコンを使用しない時季は暇な日も多くなり業務量に差ができるため、生活リズムが崩れやすくなるという点があります。
週休二日制や夏季休暇を取り入れている企業もありますが、季節やカスタマー次第で業務量が大きく変わることは、あらかじめ知っておきましょう。
肉体的な負担が大きい
「空調サービスエンジニアはきつい」と言われる理由の2つ目は、肉体的な負担が大きいからです。
エアコンを修理するだけではなく、不要になったエアコンを廃棄したり新しいものを設置したりする作業も、空調サービスエンジニアの仕事です。
荷物の運搬や、エアコン内部の細かな点を見るために無理な体勢での作業も出てくるため、足腰や首など身体への負担が大きくなりがちです。
また、忙しい時期は休日出勤や残業も発生するため、業務に耐えられる体力も必要になります。
このように、空調サービスエンジニアは知識や技術だけではなく、体力も求められるのです。
覚える知識が多い
「空調サービスエンジニアはきつい」と言われる理由の3つ目は、覚える知識が多いからです。
エアコンの分解方法やシステム回路を理解していなければ、空調サービスエンジニアは務まりません。
また、近年の家電や空調設備は進化のスピードが速いため、空調サービスエンジニアは常に知識をアップデートする必要があります。
製品によっては仕様が異なるうえに、電化製品にはつきもののトラブルにも冷静に対応しなければ、顧客の信用を損ねてしまうことになります。
予備知識と最新の情報を勉強することが求められるため、空調サービスエンジニアはきついと言われています。
資格取得の難易度が高い
「空調サービスエンジニアはきつい」と言われる理由の4つ目は、資格取得の難易度が高いからです。
空調サービスエンジニアが持つ資格の代表として、第二種電気工事士や冷凍機械責任者などがあります。
勉強をしても受かる確率が低いというものではありませんが、今まで機器やシステムに縁が無かった人にとってはかなり難しいものになるでしょう。
また、受験資格に制限がある資格も存在するため、あらかじめ要項はしっかりと読み込んで受験に臨みましょう。
中には数日間拘束されるものもあるため、現在就業中の方は職場への確認も必要になります。
職場の人間関係に悩む
「空調サービスエンジニアはきつい」と言われる理由の5つ目は、職場の人間関係です。
空調の工事は1人で行うものではなく、複数人で作業を分けて行うため、チームワークの良さが必要になります。
空調サービスエンジニアは、大きな部品を運んだり高所での作業も発生するため、情報共有やいざというときに動けるくらいの信頼関係も大切になります。
また、移動もチームでするため、人間関係に気を遣うというケースも少なくありません。
同じサービスを提供していたとしても会社によって社風は異なるため、面接の時点である程度の見極めをしておきましょう。
関連記事:サービスエンジニアが「きつい・やめとけ」と言われる理由
きついと言われる空調サービスエンジニア:5つの魅力
次に、空調サービスエンジニアの魅力を解説します。空調サービスエンジニアの魅力は下記の通りです。
- 屋内中心の業務である
- 転職市場で強みになる
- フィジカルが鍛えられる
- 需要が大きい
- 将来性が高い
では、一つずつ解説します。
屋内中心の業務である
空調サービスエンジニアの魅力の1つ目は、屋内中心の業務であることです。
空調サービスエンジニアの仕事は、主に屋内で行われ外での作業はほぼ無いため、天候に左右されない職種と言えます。
機器の設置や配管工事、メンテナンスや施工管理、そしてアフターサポートと業務は多岐に渡りますが、これらも全て屋内で完結します。
また、報告書作成や事務的な作業も、オフィスや移動中の社内でできるため、屋内での勤務を希望している方にとっては好都合です。
カスタマーの元へ向かう手段は基本的に車ですが、担当エリアは決まっているため、長時間の運転が少ないという魅力もあります。
転職市場で強みになる
空調サービスエンジニアの魅力の2つ目は、転職市場で強みになることです。
現在、土地開発やリノベーションの流行により、空調設備業界は右肩上がりで安定の傾向にあります。
しかし、ベテラン層の高齢化により人手不足が課題になっている現状もあります。
そのため、特に20代から30代の空調サービスエンジニアは特に転職市場で有利になります。
40代以上でもスキルや経験を積んでいたり、資格を持っていたりするとさらに強みになるため、転職活動がしやすくなるでしょう。
精神面が鍛えられる
空調サービスエンジニアの魅力の3つ目は、精神面が鍛えられることです。
空調サービスエンジニアは、生活リズムが不規則になったり重い部品を運んだりと何かと体力が必要な職業です。
実際に、空調サービスエンジニアを続けていると自然と精神面が強くなったという声もあるほどです。
体力はどの職業でも必要であり、あればあるほどどの業界でも重宝されます。
体力が増えたと実感できる職種は多くないため、精神面が鍛えられることも空調サービスエンジニアの魅力のひとつです。
需要が大きい
空調サービスエンジニアの魅力の4つ目は、需要が大きいことです。
空調設備には必ず更新時期があるため、業務用でも家庭用でも10年程度で買い替えが必要になります。
知識と経験が無ければ工事は不可能なため、スキルを持つ空調サービスエンジニアの需要は大きいとされています。
また、空調サービスエンジニアは設置後のアフターサポートも行うため、職が無くなるという心配が少ない職種です。
このように、空調サービスエンジニアは私たちの生活に必要不可欠な職業のため、需要が大きいと言われています。
将来性が高い
空調サービスエンジニアの魅力の5つ目は、将来性が高いことです。
昨今は建設業界でもIT化が進んでいるため、技術を持っている空調サービスエンジニアの需要は今後も拡大すると予想されています。
そのため、これからはITの知識を持った空調サービスエンジニアがより重宝される時代になります。
多忙な空調サービスエンジニアですが、働き方に関してはDX推進の動きにより快適になるとの見込みです。
他の建設業界と比較すると、空調設備業界は歴史が浅いため発展の余地があるため、エネルギー技術の進化や電力供給の変化に伴って、将来性はますます高くなるでしょう。
空調サービスエンジニアの仕事がきついと感じにくい人
次に、空調サービスエンジニアをきついと感じにくい人の特徴を解説します。空調サービスエンジニアをきついと感じにくい人の特徴は下記の通りです。
- チームワークを重視する人
- 体力に自信のある人
- 細部にこだわれる人
- 学び続ける意欲のある人
- 社会貢献を望む人
では、一つずつ解説します。
チームワークを重視する人
空調サービスエンジニアはきついと感じにくい人の特徴の1つ目は、チームワークを重視する人です。
空調サービスエンジニアには知識や経験が求められますが、それと同じくらい必要なスキルがコミュニケーション能力とチームワークです。
複数人で時には危険な作業も行うため、声かけや日々のコミュニケーションが重要になります。
チームで行動することに抵抗がない人や組織で働きたい人は、空調サービスエンジニアの仕事が苦になりにくいでしょう。
逆に、単独行動を好んだり1人で働くことに憧れがある人は、空調サービスエンジニアに向かない可能性があるため、自分の理想の働き方をしっかりと分析しましょう。
体力に自信のある人
空調サービスエンジニアはきついと感じにくい人の特徴の2つ目は、体力に自信のある人です。
空調サービスエンジニアは、事務作業よりも現場での業務が多くを占めるため、体力が必要な職業です。
生活も不規則になりやすいため、それに耐えられる体力に自信がある人は空調サービスエンジニアに向いていると言えるでしょう。
繁忙期である夏場は特に体力が必要になるため、普段からの体力づくりを意識すると長く続けることができます。
また、機器や部品の運搬もあるため健康的な身体も必要になります。
細部にこだわれる人
空調サービスエンジニアはきついと感じにくい人の特徴の3つ目は、細部にこだわれる人です。
空調設備の工事は、配管や内部の状態確認など細かな作業が求められます。
1日がかりで1つの工事に取り組むこともあるため、長時間の細かい作業を苦に感じない人は、空調サービスエンジニアに向いています。
アフターサポートの場合も、細部までこだわってカスタマーの課題を解決する必要があります。
「このくらいでいいや」とマメに作業できない人や、コツコツと業務をこなすことが苦手な人は、空調サービスエンジニアにあまり向いていないと言えるでしょう。
学び続ける意欲のある人
空調サービスエンジニアはきついと感じにくい人の特徴の4つ目は、学び続ける意欲のある人です。
近年の機器や情報の進化は目覚ましいものがありますが、空調設備もそのひとつです。
新たな知識を学ぶことは必須になるため、学び続ける意欲がある人は空調サービスエンジニアが苦にならないでしょう。
カスタマーが最新の空調設備を使用していたり、逆に古いタイプのものを使用していたりと、仕事をする上でさまざまな課題に直面することがあります。
勉強を続け、経験を次に活かすことができる人は空調サービスエンジニアに向いている傾向にあります。
社会貢献を望む人
空調サービスエンジニアはきついと感じにくい人の特徴の5つ目は、社会貢献を望む人です。
空調サービスエンジニアはカスタマーと直接のやり取りを行うため、感謝の声をもらうことがあります。
また、空調設備は社会に必要不可欠な存在のため、空調を整備することで社会に貢献することができます。
社会や人に貢献することにやりがいを感じる人は、空調サービスエンジニアに向いていると言えそうです。
逆に、社会貢献ややりがいを求めない人は空調サービスエンジニアに向いているとは言えないでしょう。
空調サービスエンジニアに転職する際のチェック項目
最後に、空調サービスエンジニアに転職する際のチェック項目を解説します。空調サービスエンジニアに転職する際のチェック項目は下記の通りです。
- 業務内容の適合性
- 担当エリアの広さは適切か
- 研修の充実度
では、一つずつ解説します。
業務内容の適合性
これまで解説した通り、空調サービスエンジニアにはある程度の向き不向きが存在します。
会社によって業務内容は異なり範囲も変わりますが、大枠は空調設備の設置、点検や修理、アフターサポートです。
転職する前に、自分が入りたい会社の業務内容が、はたして自身に合っているのかどうかを自ら分析する必要があります。
いまいち業務内容がイメージしにくいという人は、空調サービスエンジニアの仕事を実際に撮影した動画や入りたい会社のホームページなど、具体的なものを見ると良いでしょう。
担当エリアの広さ
空調サービスエンジニアはカスタマーを直接訪問して仕事をするため、担当エリアというものが振り分けられます。
ここで広すぎるエリアを請け合ってしまうと、1日に終わらせるべき業務が終わらなかったり、体力的にもかなり負担がかかってしまいます。
募集要項やサイトのページに担当エリアの記載がない場合は、面接時に聞くのも一つの手です。
入社してからエリアの変更があるというケースもあるため、事前の確認はしっかりしておきましょう。
研修の充実度
経験やスキルが求められる空調サービスエンジニアですが、今は未経験でも採用する会社も多く存在します。
しかし、実務経験が無いといざというときに対応できないケースがほとんどです。
また、空調サービスエンジニア経験者だとしても、会社によって担当するメーカーや仕様は異なるため、必ず研修制度が充実している企業を選びましょう。
事前のリサーチをすることで、入社後のミスマッチも防ぐことができます。
空調サービスエンジニアがきついと言われる理由のまとめ
今回は、空調サービスエンジニアがきついと言われる理由について解説しました。
空調サービスエンジニアを転職の視野に入れている方は、本記事を参考にして、自身のキャリアを改めて考えてみてください。
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