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機械設計技術者試験1級の難易度は高い?勉強法も解説

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作業員がチェック作業をこなす様子

機械設計技術者試験1級は、機械や装置の基本仕様を決定するために必要な技術やスキルが試される上級者向けの試験です。

設計に関する他の資格と比べても、難易度は高いと言えるでしょう。

どのように試験対策すればいいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。

今回は、1級試験の難易度や試験勉強の方法について解説していきます。

記事のまとめ
・1級試験の合格率は30~35%で推移している
・技術士機械部門の二次試験と同じレベルの難しさと言われている
・過去問を解きながら理解を深めていくことが大切

機械設計技術者試験1級の難易度

パソコンで調べ物をする様子

1級試験における結果の詳細は、日本機械設計工業会で公表されています。

ここでは1級試験の合格率がどれくらいで推移しているのか、受験者に求められるレベルも踏まえながら解説していきます。

機械設計技術者試験1級の合格率の推移

過去5年間における1級試験の合格率は、以下の通りです。

試験実施年度合格率
2023年36.4%
2022年33.1%
2021年37.8%
2020年33.3%
2019年29.6%

実施年度によって、合格率に大きな差がでることはなく30~35%で推移しています。

1級試験の全受験者が、実務経験を満たした現役の技術者であることを踏まえると、難易度は高いと言えるでしょう。

参照:機械設計技術者試験|一般社団法人日本機械設計工業会

機械設計技術者試験の難易度

試験には、受験級ごとに受験者の推奨レベルが設定されています。

1級の対象者は「機械や装置の基本仕様を決定するための計算や構想図の作成といった、基本設計業務をこなせるレベル」です。

外部設計や詳細設計も踏まえた作業が求められるため、試験で試されるレベルも高いと言えるでしょう。

他の機械設計関連の資格の難易度と比較

設計関連の資格には、他にも「CAD利用技術者試験」や「技術士・機械部門」があります。

CAD利用技術者は、CADを活用した製図に関するレベルを証明するための試験で、合格率は40~60%です。

CAD利用技術者資格は、設計業務の一部ということもあり、出題範囲が狭く機械設計技術者1級試験よりも難易度は低いと言えるでしょう。

技術士とは、各分野のスペシャリストであることを証明する国家資格で、21部門に分けられています。

試験は一次試験と二次試験に分けられており、一次試験の合格率は30%~50%、二次試験は10%程です。

現役の技術者からは「機械設計技術者1級試験の方が技術士試験の二次試験よりも若干難しいくらい」といった声がありました。

合格者が語る械設計技術者試験1級の難易度

女性がオフィスを歩く様子

ここでは、1級試験の合格者が語る難易度を紹介していきます。

試験を目指すきっかけなども踏まえた内容ですので、参考にしてみてください。

Hさん

1つ目は、化学装置の設計に携わっている技術者の内容です。

普段は化学装置の設計や試運転を担当しており、さらにレベルアップしたいと思い受験しました。

 

普段から設計業務をこなしているため、自信はありましたが、受験勉強では設計管理科目が難しかったです。

機械公式の復習や業務外の分野の学習を中心に学習を進めていきました。

Aさん

2つ目は、数年前に2級試験に合格し、1級試験では2回目の受験で合格した技術者の内容です。

苦手な科目は特になかったので、バランスよく復習したうえで過去問題を繰り返し解きながら試験対策をしました。

 

試験自体は、前回よりも簡単な印象で全て解答できたので良かったです。

普段の業務では触れない分野についても、再度学び直すことができました。

Tさん

3つ目は、設計者としてさらに上を目指すために受験した技術者の内容です。

先に2級試験に合格してから1級にチャレンジしましたが、より実践的で難易度がかなり上がっていたのでビックリしました。

 

ただ、普段から実務に近い内容であるため、普段から機械設計業務に携わっている人なら、勉強を進めやすいと思います。

勉強方法は、繰り返し過去問を解いて、試験に慣れていきました。

Iさん

4つ目は、勤務先の会社からの奨励を受けて受験した技術者の内容です。

先に2級を取得してからの1級挑戦でした。

 

問題自体には苦戦しなかったものの、出題範囲が広いので過去問を解きながら、ある程度範囲を絞って学習を進めました。

試験勉強では、計算による確実な設計を学べるため、技術者として成長できた気がします。

参考:合格者インタビュー|一般社団法人日本機械設計工業会

機械設計技術者試験1級の概要

デスクワークの様子

ここからは、1級試験の概要について解説していきます。

受験予定の方は、内容を理解した上で学習を進めていきましょう。

出題範囲

1級試験の出題範囲は以下の通りです。

・環境経営関連の課題
・機械設計の基礎課題
・設計管理関連の課題
・実技課題
・小論文

試験は1~3時限に分けて実施されます。

出題形式

1級試験の出題方式は、以下の通りです。

出題範囲出題形式
・機械設計の基礎課題
・設計管理関連の課題
・環境経営関連の課題
全て記述式解答
・実技課題全て記述式解答で、5問の中から3問を選択して解答
・小論文出題テーマの中から1つ選択して解答

試験時間

1級試験は1~3時限に分かれており、各試験時間は以下の通りです。

・1時限:9:30~11:40
・2時限:12:40~14:40
・3時限:15:00~16:30

合格ライン

機械設計技術者試験は、受験級に限らず合格基準は公開されていません。

試験問題によって難易度に若干の差がでるため、実施年度によって合格点が調整されます。

受験料

試験の受験料は、1級:33,000円、2級:22,000円、3級:8,800円です。

受験料とは別に、実務経験の審査料として5,500円必要です。

試験会場

令和6年度試験の開催地は、以下の通りです。

北海道・札幌市/青森・八戸市/東京・豊島区/埼玉・大宮市/愛知・名古屋市/静岡・浜松市/富山・富山市/石川・金沢市/福井・鯖江市/滋賀・近江八幡市/大阪・大阪市/広島・呉市/香川・高松市/愛媛・新居浜市/山口・山口市/福岡・福岡市・京都郡/熊本・熊本市/沖縄・那覇市

試験会場の詳細は、変更となる可能性がありますので、受験票の案内を確認しましょう。

試験日程

令和6年度試験の実施スケジュール(予定)は、以下の通りです。

各種申請期限
受験申請受付期間令和6年7月19日~9月30日
受験料の入金期限令和6年10月7日まで
試験実施日令和6年11月17日
合格発表令和6年12月予定

難易度が高い機械設計技術者試験1級の勉強法

作業員が話し合う様子

1級試験は出題範囲が広く、難易度が高いため、効率よく学習していくことが大切です。

ここでは、受験勉強で意識すべき3つのポイントについて解説していきます。

過去問の活用

試験の出題範囲は、毎年同じであるため、過去問と似た内容の問題が出題されることがあります。

各課題について理解できた後は、繰り返し過去問を解きながら理解を深めていきましょう。

同年度の過去問を繰り返し解くのではなく、なるべく3年以上の過去問を解くことをおすすめします。

小論文は技術士の問題も参考にする

小論文は採点基準が問題によって異なります。
論文を書くのが苦手な方は、論文作法についてある程度勉強したうえで、過去問を解いていきましょう。

機械設計技術者試験だけでなく、共通した分野が多くある技術士の二次試験も勉強することで、さらに理解を深められます。

難易度が高い機械設計技術者試験1級でおすすめの参考書

デスクワークをこなす様子

受験勉強で使用する参考書は、受験者のレベルに沿ったものを選ぶ必要があります。

試験に合格した人が実際に使用していた参考書には、以下のような本がありました。

・実務に役立つ機械公式活用ブック
・理科系の作文技術 (中公新書 624)
・機械実用便覧(丸善)
・械設計技術者のための基礎知識

普段の業務にも活かせますので、気になる参考書があれば、購入してみてください。

機械設計技術者試験1級の難易度についてのまとめ

作業員が遠くを見つめる様子

機械設計技術者試験1級は、所定の実務経験を満たした技術者でなければ受験できません。

試験の合格率は30~35%で推移しており、難易度は高めと言えるでしょう。

資格取得することで、設計に関する理解が深まり、キャリアアップを目的とした転職や昇格で役立ちます。

機械設計に従事している人は、取得を検討してみてください。

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