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1級建築施工管理技術検定の申し込み方法と勉強のコツ

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1級建築施工管理技術検定の申し込み方法と勉強のコツ

1級建築施工管理技術検定は、建築業界において高い専門知識と技術が問われる資格試験です。そして、1級建築施工管理技術士の資格は、建築業界で働く多くのプロフェッショナルたちにとって、大きな憧れでもあります。

しかし、そんな魅力的な資格を取得するためには、検定のその申し込み手続きを理解し、効果的な勉強方法を身につけることが不可欠です。

本記事では、1級建築施工管理技術検定の申し込み方法、勉強のコツ、取得するメリットなどについて解説します。

1級建築施工管理技術検定とは

1級建築施工管理技術検定は、建築工事の施工管理に関する高度な知識や技術、実務経験を有していることを証明する資格です。

1級建築施工管理技術検定に合格すれば、大規模な建築物の施工管理や、特に高度な専門性を要する建築工事の施工管理が可能となります。

この資格は、建築業界内でのキャリアアップや、専門性を示すための重要な指標となっており、多くの建設会社や関連業界で高く評価されています。

関連記事:人気が高い1級建築施工管理技士とはどんな資格?受験資格や試験内容、難易度から勉強方法まで紹介!

1級建築施工管理技士を取得するメリット

続いては、1級建築施工管理技士の資格を取得するメリットを4つ紹介します。

専任の技術者としてみなされる

1級建築施工管理技士の資格を取得するメリットの1つ目は、専任の技術者としてみなされることです。 

1級建築施工管理技士の資格を持っている人は専任の技術者として認識されるため、より専門的なプロジェクトや大規模な建築工事の施工管理を任される機会が増え、キャリアの幅や選択肢が広がります。

また、専任としての役割や責任を果たすことで、給与や待遇の面でも優遇される可能性が高まります。

監理技術者・主任技術者になれる

1級建築施工管理技士を取得するメリットの2つ目は、監理技術者・主任技術者になれることです。 

1級建築施工管理技士の資格を持つと、監理技術者や主任技術者としての資格要件を満たすため、大規模なプロジェクトや重要な業務を担当する役職への昇進の道が開かれます。

監理技術者や主任技術者は、建築現場における品質や安全管理を担保するための重要な役割であり、1級建築施工管理技士の専門的な知識と技術が高く求められるポジションです。

その結果として、給与や待遇、業界内での評価や信頼も大きく向上するでしょう。

経営事項審査で得点に加算される

1級建築施工管理技士の資格を取得するメリットの3つ目は、経営事項審査で得点に加算されることです。 

建築業者が公共工事の受注を希望する際の経営事項審査においては、所持している技術者の資格に応じて得点が加算される制度が設けられています。

1級建築施工管理技士はその中でも高い評価を受ける資格となり、企業が公共工事の受注競争において有利なポジションを確保するための一因となります。

この点からも、1級建築施工管理技士の資格は、個人だけでなく企業にとっても大きなメリットをもたらすものと言えるでしょう。

技士補を取得できる

1級建築施工管理技士の資格を取得するメリットの4つ目は、技士補を取得できることです。 

1級建築施工管理技士の資格を取得するためには、1級建築施工管理技士試験の1次検定と2次検定に合格する必要があります。そして、1次検定に合格すると、技士補の資格を取得することができます。

特定の大規模な工事現場では、原則として監理技術者を専属で配置しなければなりません。しかし、技士補がいれば、その監理技術者は2箇所の現場を同時に担当することが許可されるため、技士補にも一定の需要が存在します。

このように、1級建築施工管理技士の資格を取得することは、キャリアのさらなる向上やブランディングに寄与し、建築業界での更なる成功への道を広げる要素となるでしょう。

1級建築施工管理技士ができる工事一覧

1級建築施工管理技士の資格を取得すると、下記の工事を担当できます。

  • 建築一式工事
  • 大工工事
  • 左官工事
  • とび・土工・コンクリート工事
  • 石工事
  • 屋根工事
  • タイル・れんが・ブロック工事
  • 鋼構造物工事
  • 鉄筋工事
  • 板金工事
  • ガラス工事
  • 塗装工事
  • 防水工事
  • 内装仕上工事
  • 熱絶縁工事
  • 建具工事
  • 解体工事

1級建築施工管理技術検定の試験地とスケジュール

令和5年度の1級建築施工管理技術検定の試験地とスケジュールについては、下記の通りです。

申込受付期間令和5年1月27日(金)~2月10日(金)
試験日
  • 第一次検定:令和5年6月11日(日)
  • 第二次検定:令和5年10月15日(日)
試験地札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄
合格発表
  • 第一次検定:令和5年7月14日(金)
    第二次検定:令和6年2月2日(金)

出典:令和5年度 1級 建築施工管理技術検定のご案内|一般財団法人建設業振興基金施工管理技術検定

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1級建築施工管理技術検定の試験概要

続いては、1級建築施工管理技術検定の試験概要について解説します。

申し込み方法

1級建築施工管理技術検定は一次検定と二次検定に分かれており、一次検定と二次検定の受験タイミングによって、申し込み方法は異なります。

まずは、第一次検定のみを受験する場合です。

【第一次検定のみの申込方法】

新規受検申込者
  • インターネット申込:×
  • 書面申込:〇
再受検申込者
  • インターネット申込:〇
  • 書面申込:〇

続いては、第一次・第二次検定を同時に受験する場合の申込方法を紹介します。

【第一次・第二次検定の申込方法】

新規受検申込者
  • インターネット申込:×
  • 書面申込:〇
再受検申込者
  • インターネット申込:〇
  • 書面申込:〇

最後に、第二次検定のみを受験する場合の申込方法を紹介します。

【第二次検定のみの申込方法】

「令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定・第二次検定 受検の手引」の受検資格区分イ~ハによる令和3年度以降の第一次検定合格者
  • インターネット申込:×
  • 書面申込:〇
一級建築士合格者(新規受検申込者)
  • インターネット申込:×
  • 書面申込:〇
一級建築士合格者(再受検申込者)
  • インターネット申込:〇
  • 書面申込:〇

受験資格

1級建築施工管理技術検定は第一次検定と第二次検定に分かれており、第一次検定と第二次検定で受験資格は異なります。

まずは、第一次検定の受験資格の一部を紹介します。

最終学歴または資格実務経験年数
大学、専門学校「高度専門士」卒業後3年以上(指定学科)、卒業後4年6か月以上(指定学科以外)
短期大学、5年制高等専門学校、専門学校「専門士」卒業後5年以上(指定学科)、卒業後7年6か月以上(指定学科以外)
高等学校、専門学校「専門課程」卒業後10年以上(指定学科)、卒業後11年6か月以上(指定学科以外)
その他(最終学歴を問わず)15年以上

出典:令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定・第二次検定 受検の手引|一般財団法人 建設業振興基金

その他の受験資格の詳細は、令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定・第二次検定 受検の手引を参照ください。

なお、実務経験年数と指定学科に関する規定は下記の通りです。

1級建築施工管理技術検定に関する実務経験年数について出願時に提出が求められている「実務経験証明書」に記載できる内容は、建築工事として実施された工事に限られる。(以下、一例)

 

  • 事務所ビル建築工事
  • 共同住宅建築工事
  • 型枠工事
  • とび工事、足場仮設工事
  • 鉄骨工事
  • サイディング工事
  • 左官工事
  • 屋根葺き工事
  • 塗装工事
  • 建築物解体工事

※橋梁や歩道橋、ダムなどの土木一式工事、火災報知設備やスプリンクラーなどの消防施設工事、給排水などの管工事は、建築工事の実務経験として認められない。

※建築工事において、「施工管理」「設計監理」「施工監督」のいずれかの立場で従事した経験が求められる。

指定学科について国土交通省令で定めている学科(土木科・農業土木科・森林土木科・鉱山土木科・砂防学科・治山学科・都市工学科・電気工学・機械工学・電気通信工学・建築科・緑地科・造園科等)

出典:令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定・第二次検定 受検の手引|一般財団法人 建設業振興基金

続いて、第二次検定の受験資格の一部を紹介します。

  • 建築士法による一級建築士試験合格者で、第一次検定の受検資格を有する者
  • 令和3年度以降の1級建築施工管理技術検定第一次検定合格者のうち、第一次検定の受検資格で受検した者
  • 令和3年度以降の1級建築施工管理技術検定第一次検定合格者のうち、受験の手引き記載の区分ニの受検資格で受検した者で、第一次検定のいずれかの受検資格を有する者
  • 本年度第一次検定の合格者(第一次検定の受検資格で受検した者に限る)

関連記事:建築施工管理技士の受験資格とは?試験の難易度や合格のコツも併せて紹介!

必要書類

1級建築施工管理技術検定の試験を受験する際に必要な書類は、全員の提出が必要な書類と、条件に該当する人のみが提出しなければならない書類に分かれています。

受験者全員に提出が義務付けられている書類は下記の通りです。

  1. 受検申請書
  2. 住民票(住民票コードを記入した場合は不要)
  3. パスポート用証明写真1枚
  4. 受検手数料の振替払込受付証明書

以下の書類は一部の条件に該当する方のみ提出が必要な書類です。

  1. 資格証明書(合格証明書、免許証明書等)の写し
  2. 卒業証明書(原本)
  3. 「専任の監理技術者の指導のもとにおける2年以上の実務経験証明書」
  4. 「専任の主任技術者実務経験証明書」「工事請負契約書(写し)」「施工体系図(写し)」「現場代理人主任技術者選任届(写し)」「建設業許可通知書(写し)」の5点

なお、条件に該当する方の判別は、令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定・第二次検定 受検の手引を参照ください。

受検料

1級建築施工管理技術検定の受験料は、第一次検定、第二次検定ともに10,800円です。

願書の購入方法

1級建築施工管理技術検定の願書は「インターネット販売」と「窓口販売」の2つに対応しています。インターネット販売の場合、クレジットカード決済が1〜5部まで250円、コンビニ決済が1〜5部まで350円となっています。

1級建築施工管理技術検定の出題内容

1級建築施工管理技術検定の出題内容は下記の通りです。

分野問われる知識・能力
建築学等(一次検定)建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学及び機械工学、設計図書に関する知識
施工管理法(一次検定)
  • 施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識、監理技術者補佐として必要な知識
  • 施工の管理を行うために必要な能力、監理技術者補佐として必要な応用能力
法規(一次検定)建設工事の施工に必要な法令に関する知識
施工管理法(二次検定)
  • 監理技術者又は主任技術者として、施工の管理を行うために必要な知識
  • 監理技術者又は主任技術者として、建築材料の強度等を正確に把握し、工事の目的物に所要の強度、外観等を得るために必要な措置を行うことができる応用能力
  • 監理技術者又は主任技術者として、設計図書に基づき、工事現場における施工計画を作成、施工図を作成できる応用能力
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1級建築施工管理技術検定の合格率

続いて、1級建築施工管理技術検定の合格率について解説します。

近年の合格率

近年の、1級建築施工管理技術検定の合格率(全国平均)は下記の通りです。

区分平成30年(%)令和元年(%) 令和2年(%) 令和3年(%) 令和4年(%)
一次(学科)36.642.751.136.046.8
二次(実地)37.146.540.752.445.2

年度によってばらつきがありますが、一次検定は約42%、二次検定は約44%が平均合格率となっています。

1級建築施工管理技術検定の難易度

合格率を見てもわかる通り、1級建築施工管理技術検定は難易度が高い試験です。特に、1級建築施工管理技士の二次検定には「経験記述」という問題があり、これが難易度を上げる大きな原因となっています。

経験記述とは、受験者が実際に施工管理で経験した事例を具体的に述べるものです。実務経験を元にした文章作成は、意外と難しく、スムーズに記述するのが難しいことがあります。

そのため、事前に何度も筆記練習を重ね、試験当日に迷わず答えられるようにすることが、合格への鍵となります。

1級建築施工管理技術検定の勉強のコツ

1級建築施工管理技術検定の勉強に取り組む際は、まず過去問題を手に入れ、出題傾向や問題の難易度を把握しましょう。これによって、自身の弱点や得意な領域が明確になります。

次に、基礎知識を固めるための参考書や教材を選び、計画的に学習を進めることが大切です。また、模擬試験を定期的に受験することで、時間配分や実際の試験に近い状況での対応能力を養うことができます。

さらに、同じ志を持つ仲間やグループでの情報共有・ディスカッションも効果的です。

効率的な学習を心がけ、理解を深めることで、試験に臨む自信をつけることができるでしょう。

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1級建築施工管理技術検定についてのまとめ

今回は、1級建築施工管理技術検定の資格について解説しました。

1級建築施工管理技術検定の受験を検討している方は、本記事を参考にして、ぜひ1級建築施工管理技術検定に挑戦してみてください。

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