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【2024年最新】宅建資格の難易度は?合格するための3つの勉強法と合格率を合わせて紹介

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ペンとノートが机に置いてある状態

宅建は「宅地建物取引士」の略称で、毎年約20万人もの受験者数を誇る人気資格です。

「重要事項の説明」「35条・37条書面への記名」といった業務は、宅地建物取引士の独占業務です。

そのため、宅地建物取引士は、不動産業界に欠かせない存在と言えるでしょう。

この記事を読んでいる人の中には、不動産業界への転職を考えており、宅建の取得を検討している方もいるのではないでしょうか。

今回は、宅建資格の難易度や試験に合格するための勉強を中心に、分かりやすく解説していきます。

【この記事で分かること】
・宅建資格の難易度や試験の合格率について
・他の資格と比べた宅建資格の難易度
・宅建の試験合格率が低い3つの理由
・宅建資格の取得に必要な勉強時間の目安
・宅建資格の取得を目指す上での勉強法
・宅建資格の難易度などに関するよくある質問

宅建資格の難易度と合格率は?

勉強している様子

宅建試験の合格率は毎年15~18%で推移しており、司法書士といった難関資格と比較すると、難易度が高いわけではありません。

毎年20万人が受験しており、合格者は3~4万人です。

合格点は毎年変わり、50満点中35点前後となるため、約7割以上の正答率が求められます。

誰もが取得を目指せる資格であるものの、しっかり対策を立てた上での学習が必須と言えるでしょう。

ここでは、宅建試験の合格率について、より詳しく解説していきます。

過去10年間の宅建資格の合格率

資格試験は、業界の仕事内容の変化や資格保有者数のバランスを考慮した上で、試験内容を大きく変更することがあります。

受験資格なども同様で、改正により合格率が大きく変化することも珍しくありません。

宅建に関しては、試験内容の微調整が定期的に行われているものの、大きな改正はありません。

そのため、開催年度によって合格率が大きく前後するようなことは、現時点で起きていません。

宅建試験の、過去10年間の合格率や受験者数は、以下の通りです。

実施年度受験者数合格者数合格率合格基準点(50点満点中)
令和5年度233,276人40,025人17.236点
令和4年度226,048人38,525人17.036点
令和3年度

 

(12月試験)

24,965人3,892人15.634点
令和2年度

 

(12月試験)

35,261人4,610人13.136点
令和元年度220,797人37,481人17.035点
平成30年度213,993人33,360人15.637点
平成29年度209,354人32,644人15.635点
平成28年度198,463人30,589人15.435点
平成27年度194,926人30,028人15.431点
平成26年度192,029人33,670人17.532点

毎年15~18%で推移しており、受験者数や合格者数にも大きな変化はありません。

ちなみに、合格基準点には「登録講習修了者用」もあります。

【宅建登録講習とは】
宅建登録講習とは、業務資質の向上や適正化を図ることを目的とした講習で、宅地建物取引業に従事している人が対象です。講習修了者は、修了試験に合格した日から3年以内に実施される宅建試験において、5問前後が免除されます。

宅建登録講習を修了すれば、宅建試験の出題数は45問前後で、合格点数は26~31点で推移しています。

宅地建物取引業の従事者であれば、勤務年数に関係なく誰でも受講可能です。

参考:試験実施概況(過去10年間)|一般財団法人 不動産適性取引推進機構

令和5年最新の宅建資格の合格率

令和5年度に関しては、10月15日に試験が実施され、233,276人が受験し40,025人が合格しました。試験の合格率は17.2%です。

先ほど紹介した通り、過去10年間の合格率に大きな変化はないものの、試験の合格者数は増加傾向にあります。

合格者数が4万人を超えたのは、過去10年間で初めてのことです。

ちなみに、試験合格者の平均年齢は35.6歳で、職業構成は以下の通りです。

・不動産業:35.2%
・他業種:25.0%
・学生:10.9%
・建設業:8.8%
・金融業:8.2%
・その他:7.9%
・主婦:4.0%

最も資格を活かしやすい不動産業が全体の約3割を占めており、その他では建設業や金融業がありました。

金融業では、融資の担保として土地や建物を扱うこともあり、不動産を適切に鑑定しなければなりません。

宅建士は、不動産業界以外でも、幅広く活躍し続けられる資格です。

宅建資格の難易度は別資格と比較して難しい?

オフィスで会議をしている様子

毎年、全体の2割に満たない人しか合格できない宅建試験ですが、他の難関資格と比べると合格率自体は低くないと言えます。

国家資格の中でも、特に難関と言われている資格の合格率は、以下の通りです。

資格名例年の合格率受験資格
司法書士3~4%なし
社労士6~7%あり
マンション管理士8~9%なし
行政書士11~15%なし
宅建士13~17%なし
簿記2級17~30%なし
管理業務主任者20~30%なし
※免許登録には実務経験が必要

ちなみに、不動産業界で活かせる資格の合格率は以下の通りです。

資格名例年の合格率受験資格
不動産鑑定士4~5%なし
土地家屋調査士9~10%なし
ファイナンシャルプランナー2級20~30%あり
2級建築士20~22%あり
競売不動産取扱主任者30%前後なし
※登録には宅建資格が必要

不動産業界への転職で役立つ資格は多くあります。

受験資格のないものが多いため、具体的な職種も踏まえて、最適な資格に挑戦してみましょう。

宅建試験の合格率が低い3つの理由

机の上に電卓が置かれている状態

宅建資格は、他の難関資格ほど合格率は低くないものの、誰でも簡単に取得できるような資格ではありません。

毎年、合格率の低い状態が続いている理由としては、3つあります。

・合格者の数が調整されている
・中途半端では正解できない
・出題される範囲が広い

試験の合格率を上げるための対策に関係する内容となっていますので、参考にしてみてください。

合格者の数が調整されている

宅建試験の合格率が低い状態で推移している理由の1つ目が「合格者数を調整している」からです。

宅建試験では、毎年の合格率が15〜20%に収まるように、合格基準を決定します。

令和5年度の試験では36点が合格基準でしたが、仮に半数以上の人が40点だった場合、合格基準はさらに引き上げられます。

このように、合格者数を制限しているため、受験者の成績によって合格率が急激に上がるようなことはありません。

ちなみに、宅建試験の合格者数を制限している理由としては「資格保有者の質の担保や受験者のレベルアップ」が目的とされています。

中途半端では正解できない

宅建試験の問題構造は、主に3種類あります。

・単純正誤問題
・組合せ問題
・個数問題

単純正誤問題は、解答の選択肢の中から、正しいものを選択します。

組み合わせ問題や個数問題は、正しい正解を組み合わせたり、正解の解答数を答えたりします。

そのため、運だけで正解することが難しく、問題について詳しく答えられるほどの理解がなければ正解できません。

出題される範囲が広い

宅地建物取引士は、あらゆる不動産を適切に扱わなければならず、不動産に関する幅広い知識が欠かせません。

当然、試験の出題範囲も幅広く、試験では4科目に分けて問題が出題されます。

・宅建業法:20問
・民法など:14問
・税、その他:8問(免除科目5問を含む)
・法令上の制限:8問

「たった4科目だけ?」と思う人もいるかもしれませんが、法律だけでも「区分所有法・借地借家法・民法・不動産登記法・宅建業法」などさまざまな種類を学ばなければなりません。

試験に合格するのはもちろん、宅建士として活躍するには、全ての法律を丸暗記する必要があります。

この3つの理由の他に、宅建試験には受験資格がないことも、合格率の低い原因と言えます。

指定科目の修了や実務経験の指定がないため、必要最低限の知識もないような人であっても問題なく受験可能です。

受験者のレベルに大きなバラつきがあることも、宅建試験の合格率が低い理由と言えるでしょう。

宅建資格取得に関する目安の勉強時間

女性がデスクワークをしている様子

宅建を取得する難易度について解説してきましたが、未経験からの挑戦で気になるのが「取得に必要な勉強時間」です。

不動産業界への転職を有利にするためとはいえ、取得に2年も3年もかかっていては大変です。

また、既に社会人として働いている場合は必要な勉強時間を理解した上で、1日の勉強時間などを細かく決めていく必要があります。

ここでは、宅建試験で出題される科目ごとに、どれくらいの勉強時間が必要なのか、出題内容も踏まえながら解説していきます。

1.権利関係(民法など):90時間程

民法など、権利関係の問題は、50問中14問が出題されます。

民法は「人と人・人と物」といった間における、基本的なルールを定めた法律です。

「この場合はこれが正解」といったように、あらゆる法律について詳しく理解しなければならないことが、権利関係の特徴です。

初学者の場合は、最低でも90時間ほどの勉強時間を前提に計画を立てていきましょう。

正解数に関しては、最低でも7問以上の正解が基準です。

テキストを読み、理解した範囲の過去問を解く流れを繰り返しながら覚えていく方法がおすすめです。

2.宅建業法:90時間程

宅建業法とは、不動産取引契約に関する法律で、消費者保護の観点から制定されています。

宅建士として、不動産取引の公平性を保証する上で、必ず理解しておかなければならないルールと言えるでしょう。

宅建業法に関しては、他の科目と比べて出題範囲が狭い一方で、その出題数は20問と最も出題数の多い科目です。

宅建業法の勉強時間の目安は90時間ほどです。

宅建業法で高得点を取れるかによって合否が決まる」とも言われているため、出題範囲は必ず丸暗記しておくようにしましょう。

正解数に関しては、20問中18問以上の正解が目安です。

3.法令上の制限:80時間程

法令上の制限とは、土地利用に関する制限が出題されます。

その土地に建てる建物の階数や広さなどの制限となり、出題範囲となる具体的な法律には、以下のような種類があります。

・都市計画法
・国土利用計画法
・農地法
・土地区画整理法
・建築基準法
・宅地造成等規制法

法令上の制限の勉強時間は、80時間を目安にしましょう。

各法律では、さまざまな専門用語が使用されているため、まずは専門用語から覚えていくことをおすすめします。

試験では8問出題されるため、5~6問の正解を目安にしましょう。

4.税その他:20時間程

「税その他」は、不動産に関する税金を中心に、不動産鑑定評価基準に関する問題などが出題されます。

税制に特化した「不動産鑑定士」が存在するため、宅建試験における出題内容の大半は、基本的なレベルのものです。

税その他に関する、勉強時間の目安は20時間程です。

税金に関する専門用語を覚えながら、基本的な知識を身に付けていけば問題ありません。

税その他では3問出題されるため、正解数の目安は2問を目標として学習を進めましょう。

5.免除科目:20時間程

46~50問目に出題される免除科目は、以下の内容から出題されます。

・宅地建物取引業法施行規則 第8条第1号
・宅地建物取引業法施行規則 第8条第5号

土地の「地積・形質・地目・種別」と、建物の「形質・構造・種別」に関する内容、宅地・建物の需給に関する内容です。

免除科目の勉強時間は、20時間ほどを目安にしましょう。

「過去10年間の宅建資格の合格率」で解説した通り、免除科目は「宅建登録講習」を修了すれば免除となります。

宅建業の従事者であれば、誰でも受講可能であるため、既に働いている方は、積極的に受講しましょう。

科目が免除されるのは講習を受講した日から3年までです。

宅建士合格を目指す3つの勉強法

女性が笑っている様子

宅建試験には受験資格がないため、専門の学校を卒業したり、不動産業界で実務経験を積んだりする必要はありません。

初学者が、宅建士の取得を目指す場合には、以下の3つの方法がおすすめです。

・独学
・通信講座
・スクール通学

ここでは、各勉強法の内容やメリット・デメリットについて解説していきます。

独学

宅建士は、数ある資格の中でも人気の資格で、毎年多くの人が受験しています。

そのため、未経験者からでも学べるような参考書が、数多く販売されています。

解説方法や学習の流れは、参考書によって異なるため、自分の計画に合ったものを選んだ上で勉強を進めていきましょう。

独学のメリットは、資格取得のコストが最も安い事であり、参考書の購入費用だけしかかかりません。

自分のペースで自由に進められる点も、メリットと言えるでしょう。

一方で、解説者がおらず動画による説明などがないため、理解するのに最も時間がかかると言われています。

周りからのアドバイスがないため、自分を律する力も必要です。

通信講座

宅建試験に合格するための、2つ目の勉強方法は「通信講座」による学習です。

講座によってさまざまなカリキュラムが用意されており、効率良く学習を進められます。

最近では、スマホでも学べるようになってきており、通勤中や休憩中など、好きな時間に学ぶことも可能です。

教材をメインとしたものもあれば、講師陣からのアドバイスなども受けられる通信講座もあるため、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

独学よりも効率良く学べる一方で、受講料金として高いものでは15万円ほどかかってしまうことがデメリットと言えます。

スクール通学

宅建試験に合格するための、3つ目の勉強方法は「スクール通学」です。

資格取得を専門とした学校に通い、授業を受けながら合格を目指します。

受講者に応じたカリキュラムが組まれ、スマホやパソコンを用いて自宅で勉強することも可能です。

講師陣への質問はもちろん、学習方法に関してキャリアナビゲーターへ質問もできます。

一方で、15~25万円ほど通学費用が必要であり、通学する必要があるため時間に余裕がある人向けの勉強法と言えます。

最新の宅建士の申し込み日と試験日は?

スマートフォンを操作している様子

宅建試験は年に1回開催されており、毎年10月の第3日曜日が試験開催日です。

令和2~3年に関しては、新型コロナウイルスの影響が考慮され、12月にも試験が開催されています。

試験の日程が変更となる可能性もあるため「不動産適正取引推進機構」で公表される試験情報をチェックするようにしましょう。

試験案内期間や申込み受付期間に関しては、令和5年度の場合、7月3日~7月31日の期間で行われています。

試験の申込方法には、インターネット申込みと郵送申込みの2種類があります。

宅建資格の難易度に関するよくある質問

男性が書類を確認している様子

最後は宅建士の取得の難易度に関する、4つの質問に答えていきます。

・宅建試験の出題科目と2020年民法改正に伴う難易度への影響はありますか?
・宅建は何ヶ月で取れますか?
・宅建の合格率は何人に1人ですか?
・宅建士になると手当てがつきますか?

宅建試験の合格割合や取得にかかる時間、就業した際の手当に関する内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。

宅建試験の出題科目と2020年民法改正に伴う難易度への影響はありますか?

2020年4月1日に行われた大規模な民法改正による、宅建試験への影響は多少あると言われています。

出題科目となる「権利関係・14問」に民法の内容が含まれるからです。

ただし、民法改正による試験内容の変更などは公表されておらず、従来通り変更点も含め丸暗記するのが主な勉強法です。

過去問があまり参考にならなくなったという意味では、難易度が少し上がったと言えるでしょう。

宅建は何ヶ月で取れますか?

宅建試験に合格するには、300~400時間は必要と言われています。

1日3時間勉強のペースで進めれば約3~4ヶ月での取得が目安です。

ただし、理解スピードには個人差があり、毎日必ず勉強できるとも限りません。

学習時間として半年ほどの期間を設けておくことが理想です。

宅建の合格率は何人に1人ですか?

宅建試験の合格率は15〜18%で推移しているため、約5〜6人に1人が合格する割合となっています。

受験者のレベル向上などを目的に、合格率が毎年調整されているため、受験者の点数に関係なく、毎年の合格者の割合は基本的に変わりません。

宅建士になると手当てがつきますか?

宅建士になると、資格手当が毎月支給されます。

福利厚生の内容は会社によって異なるため、100%支給されるとは限らないものの、多くの会社で資格手当が支給されています。

宅建の手当相場としては5,000〜30,000円ほどです。気になる方は、求人票の福利厚生をチェックしてみましょう。

まとめ

男性が腕を組んでいる様子

宅建資格の合格率は、毎年15~18%で推移しており、行政書士や弁護士といった難関資格と比較すると、難易度は低いと言えます。

受験する上での特別な条件もないため、過去の経歴に関係なく誰でも挑戦可能です。

ただし、合格できる割合は5~6人に1人であるため、計画的に学習を進める必要があります。

今回紹介した、科目別の勉強時間を参考に試験へ向けて、学習をスタートさせていきましょう。

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