「国際輸送ってなに?」
「国際物流の状況について知りたい」
「大企業のような大規模な物流網がなくてもコストを下げる方法を知りたい」
こんな疑問や興味を持っていませんか?
今、インターネットを通じて海外から日本へ商品を販売する、越境ECが話題になっています。
今回、クロスワーク・マガジン編集部は、六郷BASEが主催した「プロフェッショナルに聞く国際物流のカラクリと最新事情」セミナーを取材しました。
プロが教える国際物流セミナーが開催
今回セミナーの講師を務めたのは、株式会社TS Express代表の津川 信之氏です。
津川氏は通関士の資格を取得後、海上輸送、海外輸送、そして海外赴任を経て約20年にわたって通関の経験を積んでこられました。その後、TS Expressを立ち上げ、現在に至ります。
TS Expressは、国際海上航空貨物輸送事業や国際宅配便手配代行、国際輸送のコンサルティングを行う会社です。
一般的に、国際物流は割高な料金が必要になります。ところが、TS Expressでは津川氏の長年蓄積されたノウハウを活用し、大企業並みの特別料金での国際宅配便の手配代行を実現しています。
そもそも国際物流とはどのような取引なのか、最適な輸送手段はどのように選ぶべきなのか、本記事では津川氏の講演内容をご紹介していきます。
【講演レポート】国際物流のカラクリと最新事情
国際物流の流れや海外輸送の現状、注意点などは以下の通りです。
海外取引の流れ
①海外取引先との売買契約を締結
まずは売買契約において、商品内容や商品の数、どんな状況で渡すのかを取り決めます。
他には納期やどこまでの責任を持って引き渡しをするか、どこまでのコストを互いに持つかなどについて明確にし、契約を締結します。
②輸送モード決定
海上輸送、航空輸送、陸送輸送、列車輸送の中でどの輸送手段を取るのか、納期や輸送コストを見ていく中で決定します。
日本の場合は島国であるため、海上か航空輸送の2つのどちらかになります。
また、海外取引をする中では、日本発着での必要書類や通関税関に対する注意事項、相手国の注意事項が重要となってきます。
今回はこの中で輸送モードについて深掘りして紹介していきます。
輸送モードの種類
上述したように日本からの輸送においては、海上輸送と航空輸送のどちらかになります。
海上輸送
海上輸送はFCLとLCLの2つの方法があります。
FCL
自分たちだけの荷物でコンテナを占有して輸送する方法です。ダメージや、盗難被害の防止となることやLCLよりも輸送日数が早いといったメリットがあります。
しかし、少量でも1本単位で料金がかかるため、コストは高くなるデメリットがあります。
LCL
1本のコンテナを数社で共有する輸送方法です。ダメージや盗難のリスクがあり、FCLよりも6~10日ほど輸送日程が必要になるデメリットがあります。ただし、貨物が少ない場合はコストが下げられるといったメリットがあります。
航空輸送
航空輸送はEMS、クーリエ(国際宅急便)、フォワーダー(貨物利用運送事業者)の3つの方法があります。
EMS
日本では日本郵便が運営しています。軽量荷物の輸送が安く、荷物の価値が低いものを送るときに利用するのがおすすめです。
クーリエ
FedEXやDHLなどの民間会社が運営しています。営業担当がいるため、サポートを受けることができますが、預ける物流量が少ない場合は担当のサポートを十分に受けられないことがあります。
とはいえ輸送日数は一番早いため、急ぎの場合や、5~100kgまでの貨物、なおかつ貨物の価値がそれほど高価でないときに利用するのがおすすめです。
フォワーダー
NIPPON EXPRESSやYusen Logisticsなどの民間会社が運営しています。輸送に時間はかかりますが、100kg以上の重量貨物に対応している点や、貨物のダメージや紛失の可能性が低いため、高価な貨物を送ることができます。慎重な輸送や手配が必要な場合はフォワーダーの利用がおすすめです。
海上・航空輸送の現状
2020年の新型コロナウイルスによって、海上・航空輸送の運賃は急上昇しました。
海上輸送においては、航空の国際線がストップしたため、航空貨物の輸送スペースが減少したことで運賃が急騰しました。そのため多くの会社は、航空輸送からコンテナ輸送に切り替えました。ところがコンテナが不足し、スペースも不足し始めたことによって海上輸送も急騰しました。現在、コロナ前と比べると海上輸送の運賃は4倍近くも上昇しています。
一時期は価格も落ち着きましたが、最近のロシア・ウクライナ紛争によって燃油が高くなったことや海上輸送の貨物搭載量が落ち、混雑したことで航空輸送の運賃も再び上昇しています。
越境ECにおける注意点
越境ECの注意点は以下の5つです。
- 規制(通関)
- 決済方法
- 発送手段
- クレーム対応
- 返品対応
特に規制においては、国によって禁制品があるため、輸入できないものがあります。
また、20万円以上の商品を輸入する場合、一般通関が必要になるため、インボイス金額によって輸入通関方法が変わります。もし一般通関を行う場合は自分で業者を探して自分で行わないといけないので、手間が増えることになります。
発送手段においては、重量、サイズ、どこに送るかで最適な輸送手段を選択しないとコストの差が大きく異なります。
輸出者よりも輸入者の方が規制が厳しく、リスクが高いといったことが全世界共通になります。
また、輸入者が個人か法人かでも大きくリスクが変わるため、注意が必要です。
TS Expressのサービス内容
上記を踏まえた上で、TS Expressのサービスの特徴を紹介します。
- 各クーリエ業者の特別料金を使用可能
- 向け地によって安価な業者を使い分け
- 請求書はTS Expressから一括送付される
- 貨物によって最適な輸送手段を提案してくれる
TS Expressに預けることでどんな荷物でも、出荷手配からトラッキングや問い合わせ対応、請求書の発行までを行ってもらうことができます。
特に荷物の特性や重量に応じて最適な輸送手段を提案が受けられ、なおかつ輸出、輸入ともに特別料金を使用できるのは大きなメリットです。個人ではかなり高くつく料金でも、大手と同等の料金で輸送ができます。
編集部のまとめ
TS Expressでは、書類1枚、0.5kgの荷物から対応しています。UPSやFEDEXのような大手と同じ料金で利用できる点が強みです。
「貿易事業を行っているが今のやり方が正しいのか不安だ」といった人や、これから貿易を始めようとしている人であれば、一度ぜひTS Expressに相談してください。
以下のロゴをクリックで、TS Expressのホームページをご覧いただけます。
また、貿易に限らず、「これから起業したい」「アイデアはあるけどどのように活かしたらいいか分からない」という人は一度、六郷BASEのイベントに参加することをおすすめします。
六郷BASEは、東京都大田区にある創業支援施設です。起業希望者から新ビジネスに挑戦する起業家を対象にしたワークスペースを用意しています。コワーキングスペース・シェアードオフィス・オフィスがあり、登記が可能です。
また、企業や経営のノウハウを教えるセミナー、大田区内企業・入居者同士などビジネスマッチングの機会も提供しています。
施設見学ができるオープンデー、起業アイディアを相談できる個別相談会を定期的に開催しているので、起業したい人や興味のある人はぜひ一度ご参加ください。
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