テールゲートリフターは、ドライバーの肉体的な負担の軽減や配達時間の短縮など、生産性の向上に役立っています。
後付けも可能であることから、導入する運送会社が年々増えてきています。
しかし、後付けするには100〜150万の費用がかかり、決して安いとは言えません。
そこでおすすめするのが、補助金制度の活用です。
今回は、テールゲートリフターの導入に関する補助金制度について、解説していきます。
【この記事でわかること】 ・テールゲートリフターの補助金制度について ・テールゲートリフターを含む補助金制度の補助率 ・テールゲートリフターの補助金制度の申請方法について |
テールゲートリフターの補助金制度とは
テールゲートリフターの補助金制度とは、令和4年度国土交通省補正予算の中で行われた、中小トラック運送事業者に対する支援の1つです。
近年、トラックドライバー不足が深刻化していることもあり、生産性の向上が喫緊の課題となっています。
この解決のために、全日本トラック協会が執行団体となり、以下の支援を行っています。
1.テールゲートリフター
2.トラック搭載型クレーン
3.トラック搭載用2段積みデッキ
4.予約受付システム等
1~3は重複しての申請はできず、予算額は1.4億円となっています。
予算額のうち、約8千万円がテールゲートリフター枠となっています。
関連記事:トラックの自動運転の実用化は難しい?開発状況とメリット
テールゲートリフターの補助金制度の対象機器と台数制限
テールゲートリフターの補助金制度ですが、補助対象となるものと、ならないものが決まっており、台数にも制限があります。
ここでは、補助金制度の詳細について、解説していきます。
補助対象機器
テールゲートリフターの取り付けで補助を受けるには、4つの要件を全て満たしておかなければなりません。
2.未使用のリフターであること
3.未装着のトラックに後付けでテールゲートリフターを装着したものであること
4.令和4年11月8日~令和5年3月31日までの間に、テールゲートリフターを装着した車両の新車登録を受けていること。またはリフターを後付けし、構造等変更調査を受けていること
補助対象となるメーカーや、機種の詳細については、以下のリンクから確認できます。
テールゲートリフターの種類に関しては「アーム式・垂直式・床下格納式・後部格納式」となります。
全ての機種が対象となるわけではないため、必ず取り付け前にチェックしておくようにしましょう。
補助対象外の機器
テールゲートリフターの補助金制度の対象外となるのは、以下のような項目に該当するものです。
- テールゲートリフターが搭載してある中古車両
- テールゲートリフターの中古品
- 中古のテールゲートリフターを新品の付け替えたもの
- 白ナンバーの自家用自動車に取り付けたもの
- 令和4年11月8~令和5年3月31日以前や以降に登録や検査を受けたもの
- 今回の補助金制度とは別で、国庫補助金を受けたもの
- 令和5年3月31日までに支払が全て終わっていない場合
テールゲートリフターの中古車に関しては、新古車や未使用者も含まれます。
台数制限
テールゲートリフターの補助金制度は、1事業者あたり1台までとなっています。
ただし、Gマーク取得事業者に関しては2台まで申請可能です。
ちなみに、トラック搭載用2段積みデッキに関しても、1事業者あたり1台分(デッキ数は最大3基)までとなります。
Gマーク取得事業者であれば、2台まで申請可能です。
テールゲートリフターを含む補助金制度の補助率
今回紹介している補助金制度は、かかった費用全額を補助してもらえるわけではありません。
取り付ける種類によって、補助率が定められています。
ここでは、各機種の補助率や補助金の上限を紹介していきます。
テールゲートリフター
テールゲートリフターの補助率・上限額は以下の通りです。
テールゲートリフターの種類 | 補助率 | 上限額 |
垂直式 | 導入費の6分の1まで | 10万円 |
アーム式 | - | - |
床下格納式 | 導入費の6分の1まで | 20万円 |
後部格納式 | - | - |
補助率をかけた金額のうち、千円未満は切り捨てとなります。
トラック搭載型クレーン
トラック搭載型クレーンの補助率・上限額は以下の通りです。
クレーンの種類 | 補助率 | 上限額 |
小型 | 導入費の6分の1まで | 50万円 |
中型 | 60万円 | - |
大型 | 70万円 | - |
トラック搭載用2段積みデッキ
トラック搭載用2段積みデッキの補助金は、1基あたり6万円までとなります。
参考:「中小トラック運送事業者向けテールゲートリフター等導入支援事業」の実施について|公益財団法人 全日本トラック協会
テールゲートリフターの補助金制度の概要
ここでは、テールゲートリフター補助金制度の申請受付期間や、申請方法について解説していきます。
補助金支給の優遇措置などもあるため、内容を理解した上で申請するようにしましょう。
申請受付期間
テールゲートリフターの補助金制度の申請受付期間は、令和5年2月27日~令和5年3月22日までとなり、現在は終了しています。
ただし、今回紹介したような補助金制度は今後も定期的に実施されると予想されます。
定期的にチェックするなどして、制度を活用していきましょう。
全国ではなく、各エリアのトラック協会で助成金制度を行っているケースもあります。
・概要:テールゲートリフター等荷役機器装着助成
・助成金額:格納式は10万円/1台、垂直式やアーム式は5万円/1台
・申請期間:令和5年4月1日~令和6年2月15日
申請方法や必要書類
テールゲートリフターの補助金制度の申請方法は、全日本トラック協会へ必要な書類を郵送して申請します。
郵送方法は、書留郵便またはレターパックに限り、宅配便や一般郵便、協会への直接持参は認められません。
【送付先】
〒160-0004 東京都新宿区四谷3-2-5 全日本トラック総合会館
公益社団法人全日本トラック協会 交通・環境部 補助金担当 あて
※封筒に「テールゲートリフター補助金 申請書類在中」と赤字で記載すること
各都道府県のトラック協会では受け付けていないため、注意しましょう。
申請に必要な書類は「既にテールゲートリフターを導入済みの場合」と「導入していない場合」で異なりますので注意が必要です。
必要な書類の詳細については「テールゲートリフター等導入支援事業」で確認できます。
優遇措置
テールゲートリフター導入の補助金制度は、申請金額が予算を上回った場合、抽選により支給先を決定します。
抽選となった場合、優遇措置としてGマークを取得している申請者が優先されることとなります。※複数台申請している場合には1台のみを優先
Gマークとは、積極的に輸送の安全確保に取り組んでいる運送企業を認定する制度です。
全日本トラック協会が38の項目で評価を行い、安全性評価委員会より認定を受けます。
また、以下の項目に該当する申請者も優遇の対象となります。
- 「運転者職場環境良好度承認制度」の認定取得企業
- 「ホワイト物流」水品運動で自主行動宣言している企業
- パートナーシップ構築宣言をしている企業
参考:「中小トラック運送事業者向けテールゲートリフター等導入支援事業」の実施について|公益財団法人 全日本トラック協会
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補助金の申請で不正行為があった場合の処分内容
テールゲートリフターの補助金制度に関しては、全日本トラック協会の補助金ページの規定等を熟読し、制度を理解した上で申請することとなっています。
内容を理解しておらず、提出する書類に虚偽や改ざんがあった場合には、処分の対象となるため、注意しましょう。
【処分の内容】
- 補助金交付済の場合には、加算金を併せた返還の要求
- 他の補助金や助成金の支給を打ち切り
- 不正行為を行った申請者の名称や所在地の公表
補助金に関する不正行為は関連の法律違反ともなり、刑事罰の対象にもなります。
ちなみに、テールゲートリフターの利用に関しては、関連事故が発生していることもあり、令和6年2月1日より作業者を対象とした「特別教育」が義務化されます。
特別教育では、規定の学科講習と実技講習を行うことが定められており、受講しなければテールゲートリフターを活用した配送はできません。
違反した場合には罰則もあるため、テールゲートリフターを導入する際には、特別教育の準備も進めておきましょう。
講師が見つからず、テキスト等を準備する時間がない場合には、社外で特別教育を受けることも可能です。
弊社ではeラーニングによる特別教育を実施しており、受講記録等の作成や修了証の発行も可能です。
運送手配や請求管理に関する機能も搭載してあります。
詳細は「ロジポケ」でチェックしてみてください。
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テールゲートリフターの補助金制度についてのまとめ
テールゲートリフターを導入する際には、補助金制度の活用が可能です。
リフター搭載車両の導入はもちろん、現在使用しているトラックへの後付けも対象となります。
今回紹介した補助金制度の概要や対象機器を理解した上で、申請を行ってみましょう。
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