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増トントラック(増トン車)|種類や規格、メリット

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増トントラック(増トン車)|種類や規格、メリット

通常のトラックよりも積載量を増やした増トントラック。この記事では増トントラックについてあらゆる情報を網羅しています。
この記事でわかることは以下の通りです。

・増トントラックの特徴
・増トントラックのメリット・デメリット
・各メーカーから登場している増トントラックの規格
・増トントラックの種類
・増トントラックを運転するための資格
・増トントラックの活躍現場
・増トントラックの購入方法
・使用しているトラックを増トンする方法

増トントラックについては、この記事を読めばほぼ全てわかるでしょう。ボリュームのある内容となっているので、一度で読めない場合は何回かに分けて読んでくださいね。

増トントラック(増トン車)とは:積載量を増やしたトラック

増トントラック(増トン車)とは:積載量を増やしたトラック

増トントラックとは、一言で言うと通常のトラックよりも最大積載量を多くしたものです。

一般的なトラックは、2トントラックや4トントラックというものですが、増トントラックと呼ばれるものは6トントラックや8トントラックです。通常の4トントラックは最大積載量が4,000kg程度ですが、6トンや8トンはそれぞれ6,000kg、8,000kgと最大積載量を増やしているので、増トンや増トントラックと呼ばれています。

増トントラック(増トン車)を作る理由について

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なぜ増トントラックを製造するのでしょうか?その理由は中型トラックの最大積載量は4トン前後となりますが、それでは少し足りない、もう少し荷物が積めるものが欲しいという運送会社のニーズがあるからです。

大型トラックではダメなの?という疑問が生まれるかと思いますが、大型トラックの場合、確かにたくさんの荷物を運べるメリットがありますが、車両本体価格が高い+維持費が高いといったデメリットがあります。車検やメンテナンス費用といった経費が毎年高額かかってくる、さらに大型トラックほど積載量が必要ではないなどといったバランスから増トントラックが生産されるようになりました。

中型トラックと増トントラック(増トン車)の見分け方について

中型トラックと増トントラック(増トン車)の見分け方について

増トントラックは中型トラックを改造したものなのでパッと見ただけでは見分けがつきません。しかし、あるところを見ると違いがわかります。

それは車軸を締めているナットの数。中型トラックの場合、ナットの数は6個ですが、増トントラックの場合は8個あるのが一般的です。雑学的な内容ですが、覚えておくとちょっとした豆知識となりますよ。

増トントラック(増トン車)3つの特徴

増トントラック(増トン車)3つの特徴

増トントラックにはどういった特徴があるのか、詳しく紹介していきましょう。

増トントラック(増トン車)多くは中型トラック

トラックを改造して最大積載量を上げたものが増トントラック。その増トラックのほとんどは中型トラックです。なぜ中型トラックなのか?については道路交通法が関係しています。

道路交通法において中型トラックは、全長:12,000mm以内 全幅:2,500mm以内 全高:3,800mm以内 最大積載量:6,500kg以内 車両総重量:11,000kg以内と定められています。

この中の車両総重量が11,000kg以内と大きなサイズまで改造できることとなりました。しかし、車両総重量が11,000kgと言えども最大積載量にも上限があるため、際限無く増トンできるわけではありません。最大積載量は6,500kg以内と定められているため、増トントラックの多くは5t〜6.5t程度となります。

6.5tを超えると大型トラックとみなされてしまい、大型免許が必要になったり、維持費が高くなったりするので注意が必要です。

小型トラックや大型トラックの増トントラック(増トン車)はほとんどない

増トントラックのほとんどは中型トラックと説明しました。しかし、小型トラックや大型トラックにはないの?と疑問を持たれた方がいるかと思います。

まず小型トラックから言えば増トンはほとんどありません。小型トラックは道路交通法において、全長:4,700mm以内 全幅:1,700mm以内 全高:2,000mm以内 最大積載量:3,000kg以内 車両総重量:5,000kg以内と定められています。

小型トラックのほとんどは2tトラックで、最大積載量が2,000kgのものとなります。増トンしたとしても1,000kgしか最大積載量を増やすことができないので、大きなメリットがあるとは言えません。中型トラックと比較すると小型トラックの規格の範囲が狭いため、あまり増トントラックがありません。

大型トラックの増トンは昔たくさんあったそうですが、今はほとんどないそうです。その理由としても道路交通法が関係しています。

大型トラックの規格は、全長:12,000mm以上 全幅:2,500mm以上 全高:3,800mm以上 最大積載量:6,500kg以上 車両総重量:11,000kg以上となります。これだけを見ると最大積載量に際限がないように見えますが、車両総重量は25,000kgまで決められています。

その理由は、トラックは道路や橋を走りますよね。その道路や橋を安全に走行できるように大型トラックにも上限を定めています。大型トラックを増トンすると、その上限に抵触する恐れがあるので、今では増トントラックが出て来なくなりました。

サイズは変わらず補強がされている

増トンしたトラックは増トンしたからといっても車体のサイズが大きくなってはいません。増トンする際は、車軸を強化したり、サイドバンパーの増設したり、タイヤを変更したりしています。つまり、増トンしたことでトラックにかかる負荷が高くなるので安全面を強化していることとなります。

タイヤの車軸を締めるナットを増やすことで、より強力にタイヤを締めています。中型トラックであれば通常は6個ですが、8個や10個に増やしています。

また、タイヤにつけている車軸についても、一般的な車は2軸で4つのタイヤですが、3軸、4軸とすることでタイヤの数を増やしています。タイヤを増やすことで重量に対する抵抗力がつきます。

増トントラック(増トン車)6つのメリット

増トントラック(増トン車)6つのメリット

増トントラックのメリットについて紹介していきましょう。

最大積載量が増える

一番大きなメリットとしては最大積載量が増えることです。増トントラックの目的は最大積載量をあげて輸送効率や積載効率を上げること。輸送効率や積載効率が上がれば売り上げが向上するだけでなく、人件費の削減や輸送コストの削減にも繋がります。

大型トラックと比べると維持費が安く済む

トラックは毎年車検があるのですが、その際の費用が大型トラックと比較すると大きく削減できます。増トン具合によりますが、年間に換算するとおよそ10万円近く削減することができるでしょう。

また、故障した時や部品の交換などのメンテナンス費用も大型トラックよりも安く済みます。大型トラックと比較すると全体的に維持費が安く抑えられることも増トントラックのメリットとなります。

大型トラックと比較すると車両本体価格が安い

増トントラックを導入する大きなメリットの1つに購入時の費用が安くすむことです。大型トラックの車両本体価格は新車の場合、1,000万円以上が最低価格となります。もちろん中古車の場合はそれよりもだいぶ安くなりますが、それでも高価な金額となります。

増トントラックは、大型トラックよりも20〜30%ほど安く購入できます。中古車であれば、車種や年式、走行距離によって価格は異なりますが、およそ300〜600万円ほどで販売されています。車体購入時に数百万円単位で節約できることは経営的に大きなメリットです。また、大型トラック並みに積載量があるのに、車体価格が安いというのは増トントラックの大きな魅力となるでしょう。

積載量に比べると車体がコンパクト

増トントラックは、トラックのサイズを変更することなく車体を重量に耐えれるように強化したものです。そのため、車体の全長や幅は同じなので積載量から考えると車体自体はコンパクトとなっています。車体がコンパクトだと、大型トラックが進入できない道路を走れたり、駐車スペースを確保しやすくなります。

中型免許で運転できる

増トントラックの大きな魅力として中型免許で運転できるものが多いところです。増トントラックは基本的に中型トラックをカスタマイズしたものなので、中型免許を取得していれば運転することができます。

大型免許と比較すると中型免許を取得している人が多いです。なぜなら取得条件も優しく(中型免許は20歳以上、大型免許は21歳以上でないと取得できない)、試験の難易度も低いからです。

中型免許を取得している方が多いということは人材確保も行いやすいので、人手不足な運送業界において、増トントラックというのは大きな救世主な存在となるでしょう。

高速道路料金が安くなる

中型車両に当てはまる増トントラックの場合、大型トラックと比較すると高速道路の通行料金が安く済みます。増トントラックの場合、たくさん荷物を積むことができるため長距離運送を行うことが多くなります。長距離の場合、それだけ運送コストが嵩みますが、高速料金が削減できることが大きなメリットです。

増トントラック(増トン車)5つのデメリット

増トントラック(増トン車)5つのデメリット

増トントラックの魅力について紹介しました。では、次に増トントラックのデメリットについても紹介していきましょう。

中型トラックの規格超えてしまう危険がある

増トントラックを購入する際は車両総重量や最大積載量をきちんと確認しなければいけません。なぜなら増トン仕様にしたものは大型車両の規格になるものがあるからです。

例えば8トンに増トンしたトラックであれば、車両総重量が11,000kg以内であっても最大積載量が6,500kg以上のものであることが多いからです。中型トラックの規格は最大積載量が6,500kg以内と定められているため、それ以上のものは大型トラックとみなされます。

大型トラックを運転するためには大型免許の取得が必要です。増トンしたトラックが大型車両の規格だったのにもかかわらず、それに気づかずに運転すると警察に捕まるので注意しましょう。

標準的なトラックよりも税金が高くなる

中型トラックの場合、大型車両と比べると車検などの維持費が安くなると言いましたが、あくまでも大型トラックと比較した場合です。標準的な中型トラックと比較すると税金が高くなってしまいます。

どういうことかというと、車検時に法定費用として支払う自動車重量税は車両総重量に応じて値段が上がる仕組みとなっています。例えば4トントラックの場合は約10,000円程度ですが、6トントラックとなれば約15,000円、8トントラックでは約20,000円と段々と費用が上がっています。トン数に準じて費用が上がるので、必要ない増トントラックを保有していると、無駄な費用を払ってしまうだけになるので注意しましょう。

重量オーバーしてしまう危険がある

増トントラックは、普通の中型トラックよりもたくさん荷物を積むことができるため、ついつい積載量を忘れたまま荷物を乗せてしまいがちとなります。そうなると最大積載量以上の荷物を積んでしまう可能性があり、オーバーすると道路交通法違反で捕まってしまいます。

特に増トントラックを行っている平ボディ車は高さのあるものを積むことができるので、重量オーバーになりがちです。増トントラックでも積載量に注意して積荷を行うようにしましょう。

運転が難しくなる

増トントラックは中型トラックをカスタマイズしたものなので、サイズ変更はないと言いました。なのになぜ運転が難しくなるのかというと、トラックは重量が上がるほどブレーキが効きにくくなるといった部分があるからです。

ブレーキのタイミングを他の中型トラックと同じようにすると、止まりきれずに前の車両にぶつかった…なんて事故も発生しています。

増トントラックを運転する際は、いつもよりも早くブレーキを踏み始めるようにするか、踏み込みを少し強くするなど工夫するようにしましょう。

燃費が悪くなる

トラックに関わらず、車は車体の重量が上がれば上がるほど燃費が悪くなります。増トントラックの場合も通常のトラックよりも燃費が悪いです。車体本体の重量が上がる+積載量が増えるので、当然車両総重量は上がります。

燃費が悪くなると毎月のガソリン代が高くなるので、増トントラックのメリットを活かしきれないような場合は、ただただ経費が上がるだけなので注意しましょう。

増トントラックの規格について紹介していきましょう。

一般的な増トントラック(増トン車)の規格について

一般的な増トントラック(増トン車)の規格について

基本的に増トントラックは4トントラックをカスタマイズしています。そのため、寸法は4トントラックのサイズと同じです。

表にして見てみましょう。

車両寸法(全長x全幅x全高) 7,600mm x 2,200mm x 2,700mm
荷台寸法(長さx幅x高さ) 6,200mm x 2,100mm x 400mm
車両総重量 8,000〜11,000kg未満
最大積載量 5,000〜6,500kg未満

見ての通り、車両総重量と最大積載量は幅が広いです。これは中型車両の規格がこの範囲であるためで、増トントラックはこの範囲内に収まるように作られています。

各メーカーから登場している6トントラックの規格

各メーカーから登場している6トントラックの規格

増トントラックの主流である6トントラックの規格について各メーカーから登場しているものを紹介していきましょう。

三菱ふそう:ファイター

戦士という冠名をつけた三菱ふそうのファイター。理想のトラックを求めて新たに進化し続けています。ファイターは4トントラックが基本となるため、6トントラックはそのトラックを増トンしたものとなります。

代表的な車両規格を紹介します。

全長 7,700mm
荷台長 5,800mm
全幅 2,500mm
荷台幅 2,400mm
全高 2,500mm
荷台高 400mm
最大積載量 6,300kg
車両総重量 10,880kg

日野:レンジャー

トントントントン日野の2トンといCMでお馴染みの日野のトラック。街中でも日野のトラックはよく見かけますよね。CMのトラックは2トントラックとなりますが、日野は4トントラックも人気でレンジャーという車名で販売されています。この6トントラックはレンジャーをカスタマイズしたものとなります。

代表的な車両規格を紹介しましょう。

全長 8,900mm
荷台長 6,500mm
全幅 2,350mm
荷台幅 2,150mm
全高 3,400mm
荷台高 2,000mm
最大積載量 6,600kg
車両総重量 10,900kg

いすゞ:フォワード

いすゞのフォワードは1966年に登場した4トントラックで、今や中型トラックとして日本を代表する車種となっています。そのフォワードをカスタマイズした6トントラックの代表例を紹介しましょう。

全長 8,500mm
荷台長 6,200mm
全幅 2,500mm
荷台幅 2,400mm
全高 3,300mm
荷台高 2,400mm
最大積載量 5,400kg
車両総重量 10,880kg

以上のように車両のサイズは一般的な中型トラックと遜色ありませんが、最大積載量や車両総重量は中型トラックの規格のギリギリで作られていることが多いです。

【各メーカー】登場している8トントラックの規格

【各メーカー】登場している8トントラックの規格

続いて8トントラックの規格について紹介していきましょう。

いすゞ|フォワード

いすゞのフォワードは海外でも親しまれいる人気のトラックです。同社の小型トラックであるエルフと同様に日本でも大活躍しています。いすゞから登場している8トントラックについて紹介しましょう。

全長 8,500mm
荷台長 6,200mm
全幅 2,300mm
荷台幅 2,200mm
全高 2,550mm
荷台高 390mm
最大積載量 7,600kg
車両総重量 13,650kg

日野:レンジャー

海外でも日野のレンジャーは好評で500シリーズという名前で知られています。レンジャーという名前は公募で決められており、常に進化すること、お客様の期待に応えることが祈られているそうです。そのレンジャーの8トントラックについて紹介しましょう。

全長 8,700mm
荷台長 6,700mm
全幅 2,250mm
荷台幅 2,130mm
全高 2,400mm
荷台高 400mm
最大積載量 8,000kg
車両総重量 13,350kg

三菱ふそう:ファイター

日本語で戦士や武士という意味のファイターは1984年に生まれて今も活躍しています。そのファイターの8トントラックの代表例を紹介しましょう。

全長 7,200mm
荷台長 5,300mm
全幅 2,300mm
荷台幅 2,170mm
全高 2,550mm
荷台高 400mm
最大積載量 7,600kg
車両総重量 15,000kg

以上のように車両寸法は中型トラックと同じですが、最大積載量や車両総重量は大型トラックと同レベルの規格というのが8トントラックの特徴となります。

関連記事:大型トラック運転手が押さえておきたい積載量の違いとは?

増トントラック(増トン車)の種類|8選

増トントラック(増トン車)の種類|8選

これまで登場している増トントラックにはどんな種類があるのか紹介していきましょう。

平ボディ

荷台に屋根がついておらず、三方をアオリと呼ばれる柵で囲い荷物落下を防いでいます。形としては軽トラと同じようなもので、増トントラックの中でも人気の形状となっています。

屋根がないことで荷物の積み下ろしが楽な点、高さのある荷物や変わった形状の荷物を積むことができるため、汎用性が高く、業務用トラックの中でも一番稼働率が高いタイプとなっています。そのため、増トントラックもたくさん販売しており、新車でも中古でも手に入りやすい車種です。

平ボディの形状には、低床、高床、全低床と3種類あり、それぞれメリットがあります。

低床

地面から荷台までの高さが780〜785mmと最も低いタイプです。これは後輪タイヤを小さくすることで荷台の高さを低くしています。荷台が低いことで人力での荷物の積み下ろしが楽に行え、さらに背の高い荷物を運搬することができます。

ただし、タイヤが小さいことで運転席の揺れや振動を感じやすくなるデメリットがあります。

高床

地面から荷台までの高さが925〜1,105mmと最も高いタイプの平ボディトラックです。これはタイヤを大きくすることで荷台が高くしています。大きなメリットしては、運転席や荷台の振動が減少するので運転手や荷物への影響が少なくなります。特に長時間運転する時に振動があるとストレスになり、疲れを感じやすくなりますが、高床は安定した走行が可能となります。

ただし、人力での荷物の積荷・積み下ろしが大変になるので、フォークリフトなどを用いて行わないといけなくなります。

全低床

地面から荷台までの高さが840〜970mmと低床型と高床型との中間に位置するタイプです。前輪・後輪のタイヤを小さくした平ボディトラックで、車体自体が低く、運転席の乗り降りが楽となっています。また、低床タイプよりも走行が安定していることも特徴の1つです。使い勝手が良く、荷物の特徴や運搬距離などに関係なく使えるため運搬業界で最も重宝されています。

バン

バンとは、荷台が箱のような形状をしておりドライバンや箱車とも呼ばれます。屋根のついていない平ボディと比較すると、雨や雪、風やホコリ、直射日光などから荷物を守ってくれるため、ダンボールを運搬する宅配業者や引っ越し業者に使われています。

荷台の側面は軽くて丈夫なアルミ素材を使用し、内側はベニヤ板で補強したアルミバンと呼ばれるものが最も一般的な形状となっています。このアルミバンは平ボディと並んで最も普及している車種です。

荷台に使っているアルミは軽量であるため、積載量に影響を与えにくく、その分多くの荷物を積むことができます。また、アルミは耐食性が強いため、長く使用していても錆びにくく劣化しにくいメリットがあります。

アルミの加工方法には2種類あり、そのまま取り付けた平面(パネル)というものと波状の凹凸加工を施したコルゲートタイプがあります。コルゲートは、波状にしたことによって衝撃に強く、耐久性に優れています。さらに平面タイプよりも薄いアルミ板で作られているので、より積載量を多くすることができます。

ただし、バンタイプ全体のデメリットとして開閉部分が荷台後部またはサイドドアのみになるため、平ボディのようにフォークリフトやクレーンを使った積荷ができなくなり、作業効率が悪くなってしまいます。

ウイング車

ウイング車は見た目はバンボディと同じですが、車体側面が翼のように跳ね上がるため、荷物をサイドから積荷・積み下ろしが可能となるトラックのことを指します。

現在のウイング車はボディ側面が2つに分かれており、下半分はアオリのように下に開いて、上半分は油圧や電動モーターを使って開閉されるものが主流となっています。

ウイング車のボディの開き方には3種類あります。それぞれ積荷や積み方、倉庫の大きさなどによって使い分けられています。

フレキシブルオープンタイプ

ウイングのオープン方向や角度を柔軟に変更できるタイプのウイング車です。開き方や角度を細かく調整できるため、倉庫の屋根の高さに制限がある時に便利なタイプとなります。

ターンオーバータイプ

片側のウイングが中心線を超えて開くタイプ。開く角度が最も大きく最大160度程度まで開くため、クレーン車での積荷・積み下ろしが可能となっています。ただし、倉庫内など天井の高さに制限があるところではウイングが天井にぶつかる恐れがあるため、野外での使用に適したタイプとなります。

上昇開閉タイプ

開口を大きくとったため、天井が上下できるタイプのウイング車です。天井が上昇することで高さに余裕が生まれるため、荷台いっぱいまで荷物を積むことが可能となります。

ウイング車のデメリット

利便性に富んだウイング車ですが、いくつかデメリットがあります。

1つは、ウイングを開けたまま走行してしまい事故を起こしてしまうリスクがあること。そんなこと起きるはずがないと思うかも知れませんが、近年で多発しているものとなります。現在はその対策として、エンジンキーをオフの位置にしないとウイングを操作できないようにしたり、警報装置を取り付けたことによってウイングの状態をアラームで警告するようにしてくれています。

もう1つは、ウイング車を使用するためには作業スペースが必要という点です。特に車両上部に余裕がないとウイングを開くことができなくなります。他にもフォークリフトを使った作業スペースがないと荷物の積荷・積み下ろしができないといったデメリットがあります。

ダンプ車

ダンプ車は後ろの荷台を動かして荷物を下ろすことができる車のことを指します。荷台は基本的に屋根などがなく、見た目は平ボディの荷台と同じような形をしています。

ダンプ車には、主な種類として土砂ダンプと土砂禁ダンプの2種類あります。

土砂ダンプ:土砂ダンプとは、土砂や砕石などを運搬するダンプを指します。いわゆるダンプカーといえばこのタイプを思い浮かべる方が多いかと思います。土砂ダンプは、建設現場や工事現場などで活躍しています。

土砂禁ダンプ:土砂禁ダンプとは、土砂を運ばずにペットボトルやゴミなどを運搬するダンプカーを指します。ゴミの種類はさまざまありますが、例えば鉄くずや産業廃棄物、石炭やチップなどを運搬しています。

ゴミは土砂よりも軽量であることからたくさん積載できるようにアオリ部分を高くしているものがほとんどです。

ダンプ車は荷台の機能によっていくつかの種類に分かれます。

ローターダンプ:通常のダンプ機能に加えて荷台をスライドできる機能がついたダンプを指します。このスライドは地面に着くほどスライドができるので、土砂だけでなく、小型の重機を運搬することが可能です。

3転ダンプ:通常のダンプは荷台を後方にした動かすことができませんが、3転ダンプは荷台を左右に傾けることができます。作業スペースがあまりない現場や交通量の多い現場などで活躍する利便性の高いダンプカーです。

Lゲートダンプ:Lゲートダンプは荷台後方のアオリがフラットになっているタイプの特殊な形状のダンプです。上開きの荷台となっているため、大きな岩などを転がしておろす際に便利なタイプとなっています。

クレーン付きトラック

クレーン付きトラックはユニック車という愛称で知られています。ユニック車とはクレーン付きトラックを販売する古河ユニック株式会社が製造するトラックの名称のことで、古くから親しまれていたことから一般的にクレーン付きトラックのことをユニックと呼ぶようになりました。

一般的なユニックはキャブと荷台の間にクレーンが取り付けられており、そのクレーンを使って荷台に荷物を積む+積みおろすことが可能です。

クレーンの竿部分はブームと呼ばれます。ブームの長さは段数で表され、車種によりますが、最大4段まで伸びるように設計されています。吊り上げられる荷物の重さは2.93トンまでが一般的です。なぜ中途半端な数字なのかというと、3トン以上の場合はクレーン等安全規則の規制が厳しくなるためです。

クレーン車にはクレーンの位置によって3種類のタイプに分けられています。

クレーン付き:運転席のあるキャブと荷台部分の間にクレーンが取り付けられているタイプを指します。クレーントラックの中では最も多く、主流となっているものとなります。

簡易クレーン:荷台の上にクレーンが設置されているタイプ。主に小型トラックに多く、ブームは2〜3段、吊り上げられる重さは0.7〜2.5トンと比較的軽量です。都市部や山間部の狭小な現場で活躍することが多いです。

ハイジャッキ:ハイアウトリガーが長いため、車体を斜めにすることができます。車体を斜めにすることで重機などを運搬するときに便利なタイプとなります。

ミキサー車

ミキサー車とは、コンクリート工場で作られた生コンクリートを運搬する車を指します。生コンクリートは作られてから使えなくなるまでの時間制限があるため、時間との勝負となります。

荷台にあるドラムと呼ばれる大きな容器がグルグルと回りながら走っているのがミキサー車と呼ばれるものです。生コンは主にセメントと砂や砂利、水からできているのですが、それらは比重が違うためそのまま運ぶと砂利は下に沈み、水は上に上がり、分離してしまうので使えなくなります。それを解消するためにミキサー車はずっとドラムが回転しているのです。

生コンは出来上がってから90分までに届けないといけません。水とセメントが化学反応を起こし、時間経過とともに固まってしまうため、90分以内に届けるように計画が練られています。

そのミキサー車の構造について紹介しましょう。

ホッパ:ホッパとは、車両の後部にある生コンの投入口のことを言います。コンクリート工場で作られた生コンはここから投入されます。輸送時には異物が入ったりしないように専用のカバーをつけています。

ドラム:生コンを収納している部分です。ドラム内部は螺旋状になったプレートで生コンを攪拌しており、水と砂利などが分離しないように作られています。

シュート:シュートとは、生コンを流すための樋(とい)を指します。左右に回転することや上下に動作することが可能です。

水タンク:生コンを工事現場に運搬した後にホッパやドラム、シュートを洗浄するための水を貯蔵するタンクです。200ℓほど貯蔵可能なものが一般的です。

パッカー車

パッカー車とは、ゴミ収集車のこと。清掃業に従事する人たちの間ではゴミ収集車のことをパッカー車と呼んでいます。また、パッカー車は正式な名称ではなく、国土交通省による区分では塵芥車(じんかいしゃ)という名称となっています。

パッカー車は使用する企業や地方自治体によって細かく仕様は異なりますが、大きく分けると「回転式」と「プレス式」「ロータリー」の3種類あります。この2つの違いは投入したゴミをどのように圧縮するかという点で異なります。

回転式:ごみ収集員が投入口に入れたゴミを回転板が荷室へ掻きこみ、押し込み板で奥へ詰めていく仕組みとなっているタイプです。ゴミ袋に入っている汚水などが飛び散ったり、ゴミが戻って来るのを防ぎやすい構造をしているため、主に家庭ゴミの収集に使われます。

プレス式:プレス式は、ゴミ投入口の手前側と押し込み側の2段階でゴミを圧縮することで強力に圧縮できて、効率よくゴミを積載できる方法です。ゴミ投入口の手前のプレスプレートでゴミを細かく粉砕し、プッシュプレートで圧縮後に奥の荷室へ送っています。家庭ゴミのような一般的なゴミから冷蔵庫や洗濯機といった大きな家電まで圧縮できるため、さまざまなゴミを収集することができます。

ロータリー式:ロータリー式とは、ゴミを巻き込んで積み込むタイプのパッカー車です。螺旋状のスクリューが装備された円柱のドラムを回転させることでゴミをニシツ前方へ送ることができます。シンプルな構造ですが、汚水が飛ぶ心配がなく、掃除もしやすい形状となっています。

ただし、ゴミを圧縮する力が一番弱いため、積載できる量は一番少ないのが欠点です。

冷蔵冷凍車

冷蔵冷凍車とは、見た目はアルミバンと同じ形状をしていますが、荷台に冷却装置を搭載しています。冷蔵冷凍車は、その冷却具合によって冷蔵トラック、冷凍トラックの2つに分かれています。

冷蔵トラックは、内部の温度を0〜5℃前後にキープでき、冷凍車は−18〜−30℃をキープするように作られています。

冷蔵・冷凍車の冷却方法は3種類あり、それぞれ特徴があります。

機械式:家庭用エアコンと同じような冷媒を利用し、荷室へ冷気を送り出す方法です。温度は1℃単位で調節することができるため、外気や距離に応じて温度を細かく調整できるメリットがあります。

冷却機能を常に保つために冷凍専用のエンジンを兼ね揃えたタイプも登場しています。このタイプは車のエンジンを停止していても冷却機能をキープできるため、運搬日数が2日以上かかるような長距離運送に適しています。

蓄冷式:荷室内に冷凍板が設置しているタイプで、その冷凍板から発せられる冷気を使って荷室内を冷やす方法です。走行前に、あらかじめ冷凍板を冷凍させているため、エンジンの動力を使う必要がない点がメリットです。

エンジンの停車中も冷却機能があるため、余計なガソリンなどを使うことなく、機械も必要ないためコスト削減につながります。さらに冷気が回っていないことで食品の乾燥を防ぐことができます。しかし、冷凍板の効果には時間制限があるため、長時間の運送にはあまり向いていません。

窒素式:液体窒素を使用して、荷室内を冷却する方法です。通常の冷凍車は、あらかじめ荷室を冷やしておくまでは時間がかかりますが、窒素式は短時間で冷やすことができ、最大−40℃まで温度を下げることが可能です。窒素式は特に低い温度で運搬しないといけない荷物がある時に活躍します。しかし、液体窒素は消耗品となるため、定期的な補充が必要となります。

増トントラック(増トン車)を運転するために必要な資格について

増トントラック(増トン車)を運転するために必要な資格について

ここまで増トントラックについて紹介してきました。増トントラックに興味が湧いてきた!欲しくなったきた!という方もいるかと思います。しかし、増トントラックが運転できるかどうかを知っておかないといけません。

ここでは増トントラックを運転するために必要な免許について紹介していきましょう。

普通・準中型・中型・大型免許で運転できる範囲

まずはそれぞれの自動車免許でどこまでの規格の車両を運転できるか知っておきましょう。

普通免許

普通免許の場合は、取得した年月日によって異なります。詳しく説明しましょう。

平成19年6月1日までに取得した場合
車両総重量:8,000kg未満
最大積載量:5,000kg未満
乗車定員:10人以下

平成19年6月2日から平成29年3月11日までに取得した場合
車両総重量:5,000kg未満
最大積載量:3,000kg未満
乗車定員:10人以下

平成29年3月12日以降に取得した場合
車両総重量:3,500kg未満
最大積載量:2,000kg未満
乗車定員:10人以下

となります。

つまり平成19年の6月1日までに普通免許を取得していれば4トントラックを運転することができます。

準中型免許

準中型免許が作られたのは2017年3月12日。この日に道路交通法が改正されたことにより、普通自動車免許と中型自動車免許の間に準中型自動車免許が追加されました。

18歳から免許を取得できるため、早期から運送業界で働ける人材を増やすために作ったのが目的とされています。

準中型免許で運転できる車両規格は、

車両総重量:7,500kg未満
最大積載量:4,500kg未満
乗車定員:10人未満

となります。

中型免許

いわゆる4トントラックを運転するために必要な中型免許。その中型免許は取得した年月日関係なく運転できる規格は同じとなります。

中型免許で運転できる車両規格は、

車両総重量:11,000kg未満
最大積載量:6,500kg未満
乗車定員:29人未満

となります。

大型免許

大型免許を取得していればあらゆるサイズのトラックを運転することができます。その大型免許で運転できる車両規格は、

車両総重量:11,000kg以上
最大積載量:6,500kg以上
乗車定員:30人以上

となります。

6トントラックを運転するために必要な資格

上記で各免許で運転できる車両規格の範囲について紹介しました。では、6トントラックを運転するためにはどの免許がいるのでしょうか。

結論から言えば、6トントラックを運転するためには中型免許の取得が必要となります。6トントラックは基本的に4トントラックを改造したもの。4トントラックは普通免許でも運転できるのに?と疑問に思った方もいるかもしれません。

しかし、6トントラックの最大積載量は6,000kg程度が一般的です。普通免許の場合、平成19年の6月1日以前に取得した方でも5,000kgまでの車両しか運転できません。準中型免許も4,500kgまでとなるため、6トントラックを運転するためには中型免許が必要となります。

関連記事:6トントラックって何?特徴や運用メリットなどを詳しく解説

8トントラックを運転するために必要な資格

それでは8トントラックを運転するための必要な資格についても紹介しましょう。

この8トントラックについて、結論から言えば大型免許の取得が必要です。増トントラックは中型トラックでいいのじゃないの?4トントラックを改造したのになぜ大型免許?と疑問に思った方もいるかと思います。

これは6トントラックと同様に8トントラックの規格を知ればわかるかと思います。8トントラックは最大積載量がおよそ7,000〜8,000kgが一般的です。中型免許の場合、運転できる最大積載量の限界が6,500kgとなります。

つまり、中型免許で運転できる範囲よりも多くの積載量のトラックを運転するため、大型免許が必要となります。

関連記事:8トントラックってなに?大きさや重量、必要な免許など詳しく紹介

増トントラック(増トン車)が活躍する場所

増トントラック(増トン車)が活躍する場所

増トントラックが便利なものということはこれまでの紹介でわかったかと思います。では、実際に増トントラックはどんな現場で活躍しているのか紹介していきましょう。

運送業界

増トントラックは通常よりも多くの荷物を積載できるため、運送業界でとても活躍しています。箱の大きさは変わらないため、嵩のある荷物よりも重さのある荷物の方が向いているため、通常の中型トラックでは重量の問題であまり運搬したくないものが選ばれます。

建設業界

また、建設業界でも活躍しています。建設機械などを輸送する際に増トントラックウィ使用したりしています。増トントラックの中にはクレーンがついたものがあるので、それを利用して重機などを荷台に運び入れています。

さらに増トントラックの中にはダンプカーもあるので、大量の土砂を運びたい時などにも活躍しています。

増トントラック(増トン車)の購入方法について

増トントラック(増トン車)の購入方法について

ここまで読んで増トントラックを購入したいと思った方もいるでしょう。それでは実際に購入するにはどうすればいいか紹介していきましょう。

新車で購入する場合

増トントラックは新車でも購入することができます。

現在新車で販売しているのは、日野のレンジャー、いすゞのフォワード、三菱ふそうのファイターです。

中古で購入する場合

中古車で増トントラックはさまざまな販売会社から登場しています。

さまざまな増トントラックの種類がある中でそれぞれ1個ずつ紹介していきます。この中古車の情報については2021年の9月現在で販売されているものを集めました。

メーカー・車種 日野・レンジャー・アルミバン
走行距離 278,000km
年式 2014年
車検有効期限
価格(税込) 298万円
車体寸法(全長x全幅x全高) 10,300mm x 2,350mm x2,390mm
荷台寸法(長さx幅x高さ) 9,500mm x 2,360mm x 2,510mm
最大積載量 6,400kg
メーカー・車種 いすゞ・フォワード クレーン5段
走行距離 402,000km
年式 2006年
車検有効期限 令和3年10月
価格(税込) 528万円
車体寸法(全長x全幅x全高) 10,330mm x 2,490mm x 3,290mm
荷台寸法(長さx幅x高さ) 7,200mm x 2,410mm x 380mm
最大積載量 9,600kg
メーカー・車種 三菱ふそう・ファイター・ダンプ車
走行距離 4,256km
年式 2020年
車検有効期限 令和4年3月
価格(税込) 758万円
車体寸法(全長x全幅x全高) 5,760mm x 2,290mm x2,580mm
荷台寸法(長さx幅x高さ) 3,420mm x 2,060mm x 700mm
最大積載量 7,800kg
メーカー・車種 日野・レンジャー・ユニック車(4段)
走行距離 788,000km
年式 2004年
車検有効期限 令和3年2月
価格(税込) 238万円
車体寸法(全長x全幅x全高) 10,300mm x 2,490mm x 3,000mm
荷台寸法(長さx幅x高さ) 7,600mm x 2,400mm x 210mm
最大積載量 6,800kg
メーカー・車種 いすゞ・フォワード・アルミウイング
走行距離 47,000km
年式 2019年
車検有効期限 令和4年3月
価格(税込) 788万円
車体寸法(全長x全幅x全高) 8,510mm x 2,490mm x 3,310mm
荷台寸法(長さx幅x高さ) 6,300mm x 2,400mm x 2,200mm
最大積載量 6,600kg
メーカー・車種 いすゞ・フォワード・平ボディ
走行距離 47,000km
年式 2015年
車検有効期限 令和3年10月
価格(税込) 448万円
車体寸法(全長x全幅x全高) 7,280mm x 2,290mm x2,550mm
荷台寸法(長さx幅x高さ) 5,260mm x 2,150mm x 380mm
最大積載量 8,700kg
メーカー・車種 三菱ふそう・ファイター・ミキサー車
走行距離 410,000km
年式 2007年
車検有効期限 一時抹消
価格(税込) 285万円
車体寸法(全長x全幅x全高) 6,670mm x 2,250mm x 3390mm
荷台寸法(長さx幅x高さ)
最大積載量 7,360kg
メーカー・車種 三菱ふそう・ファイター・アームロール
走行距離 569,000km
年式 2011年
車検有効期限 一時抹消
価格(税込) 415万円
車体寸法(全長x全幅x全高) 6,180mm x 2,250mm x2,490mm
荷台寸法(長さx幅x高さ)
最大積載量 7,800kg
メーカー・車種 UDトラックス・パッカー車
走行距離 195,000km
年式 2010年
車検有効期限 一時抹消
価格(税込) 200万円
車体寸法(全長x全幅x全高) 6,590mm x 2,310mm x 2,820mm
荷台寸法(長さx幅x高さ)
最大積載量 6,600kg

関連記事:トラックメーカーの特徴を徹底比較!いすゞ・日野・UD・三菱ふそうメーカー別人気車種一覧

使用中のトラックを増トンする場合の対応について

使用中のトラックを増トンする場合の対応について

現在4トントラックを所有しているけども、もっと積載量を多くしたい!しかし、増トントラックを購入しなくても今手持ちのトラックを改造することで増トンできないのか?といった疑問を持った方に増トンできるか紹介しましょう。

増トンは可能

結論からいえば所有している4トントラックを増トンすること可能です。増トンするためにはシャーシを強化したり、タイヤや車軸を変更したり、サイドバンパーを強化したりすることで増トン後の荷重に耐えうる構造にすることができます。

ただし、改造具合で二次架装か構造変更の手続きが必要となります。

二次架装の基準範囲

部品装着時の車両全長や全幅、車両重量の変化が一定範囲内である場合は、軽微な変更として二次架装として取り扱われます。

その一定範囲となるのは以下の通りです。

車両全長の変化:±3cm以内
車両全幅の変化:±2cm以内
車両全高の変化:±4cm以内
車両重量の変化:±100kg以内

二次架装の場合、軽微な変更として扱われるので法的な手続きは必要ありません。ただし、二次架装の範囲内でおさまっていない場合は違法改造となる可能性があります。陸運支局や整備工場で確認するようにしましょう。

構造変更

トラックを増トンする場合は基本的に構造変更の手続きが必要となる大規模な改造になります。上記の二次架装の範囲に収まらない規模の改造や車検証に記載されている内容が変更になるほどの改造であれば大規模改造というものに該当するため構造変更手続きが必要となります。

増トンの場合、トラックの最大積載量が増えるため車検証の記載内容が変更となります。また、指定部品としてシャーシなどを改造するので構造手続きが必要となります。

構造手続きの流れ

実際に構造手続きを行う際の流れについて紹介していきましょう。

まず、構造手続きを行うには陸運支局にて構造変更車検を通過させないといけません。その際に手続きに必要となる書類があります。

・構造変更申請書(陸運支局で手に入る)
・申請するトラックの車検証
・申請するトラックの自動車税納税証明書
・申請するトラックの自動車重量税納付書
・申請するトラックの自賠責保険証
・申請するトラックの点検整備記録簿
・トラック所有者からの委任状(もし手続きを業者に委託代行してもらう場合)

続いて構造手続きの流れについて紹介しましょう。

1.管轄する陸運支局に構造変更手続きと構造変更検査の予約を行う
2.予約した当日になれば陸運支局に改造したトラックと必要書類を持ち込む
3.陸運支局にて構造変更手続きに関係する諸手続きを行う
4.陸運支局内にある窓口にて自動車重量税を支払う
5.陸運支局内の車検場で車両検査を受ける
6.無事検査が通過すれば、構造変更後の車検証を受けとる

使用中のトラックを増トンする際はコスト多尾を考える

使用中のトラックを増トンする際はコスト多尾を考える

ここまでで使用中のトラックを増トンする方法を紹介してきました。増トンすることは新たに大型トラックを購入するよりも安値で済み、輸送効率を上げられる便利な方法ですが、増トンするためには部品の改造や補強、構造変更手続きや車検を通過させる必要があり、手間がかかります。

改造にはそれなりに費用がかかりますし、構造変更や車検の通過には時間的なコストがかかります。お金と時間の両方のコストがかかるため、本当にお得なのかを検討する必要があります。

増トントラックは中古車市場にたくさん流れているため、理想とするトラックが見つかるかもしれません。つまり、今所有しているトラックを増トンするよりも、そのトラックを中古車として売り、新たに中古車の増トントラックを購入する方法もあるということです。

中古の増トントラックを購入するのであれば、費用も比較的安値で購入できますし、時間や手間がかかりません。所有するトラックを売れば、購入時の足しにもなるので、どちらがいいのか試算してみることをオススメします。

増トン車に関するまとめ

使用中のトラックを増トンする際はコスト多尾を考える

全てを読んだ方はおそらく増トントラックマスターでしょう。全て理解できればもう増トントラックについて知ることはないかもしれません。

増トントラックはいろんなところで見かけるかと思います。中古車販売業者や街中で増トントラックを探してみてくださいね。

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