EC事業の拡大などにより貨物の取扱量が増えたため、トラックドライバーへの転職を考える人が増えてきています。
トラックドライバーと言えば、拘束時間が長かったり肉体労働のイメージがありますが、そこで気になるのが職業病です。
トラックドライバーならではの職業病はいくつかあり、注意が必要な一方で普段の作業や生活の中で対策することも十分に可能です。
今回はトラックドライバーの職業病の内容やその原因、対策について詳しく解説していきます。
今後転職を考えていたり、現役ドライバーで実際に悩んでいる方は是非参考にしてみてください。
トラックドライバーに職業病はあるのか?
トラックドライバーとは、文字通りトラックを運転して荷物を運送するのが仕事です。
トラックドライバーと言っても運転するトラックの大きさには大型、中型、小型トラックやトレーラーなどがあり、それぞれに配送や引っ越しやルート配送など様々な業務があり、なってしまいやすい職業病があります。
大型トラックドライバーの場合は比較的長距離の運送が多く、荷主の都合や配送距離で拘束時間が長いことが特徴となります。
中型トラックドライバーは最も使用されることが多く、長距離はもちろん、ルート配送、引っ越し業務などがあり、運送会社以外でも建築業などで活躍するトラックドライバーもいます。
小型トラックドライバーの場合、ルート配送など比較的近距離の業務が多く、積み下ろしなどが多いことが特徴となります。
他の職業に比べて高速時間が長かったり、同じ姿勢で長時間運動するため運動量が少ないことがあり、就業時間も深夜や早朝のこともあるので様々な職業病が存在します。
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ドライバーの求人を検索する(無料)トラックドライバーがかかりやすい職業病
トラックドライバーは高速時間が長く、生活が偏りやすくなりがちです。
普段の仕事をこなす上で、健康問題やどのような職業病にかかりやすいのか、その原因や対策などを詳しく解説していきます。
生活習慣病
誰もが一度は聞いたことがある生活習慣病ですが、具体的な病気としては糖尿病や脳卒中、心臓病や糖尿病などがあります。
これらの病気は、普段の運動習慣や食生活、飲酒や禁煙など普段の生活習慣の積み重ねによって発症することが多いことから生活習慣病と呼ばれるようになり、トラックドライバーにとっては職業病と言えます。
長距離のトラックドライバーの場合、高速のSAをよく利用しますが、自然とボリュームのあるものや脂っこいものを選んでしまいがちです。
忙しい場合はゆっくり食べる暇がないからといって、コンビニなどで唐揚げやコロッケなどの片手で食べれるものを選び運転しながら食べるドライバーもいて職業病である生活習慣病の原因となっています。
ドライバーは基本的に一人で仕事をするため、客観的に自分を見てくれる人も少なく自然と生活環境にクセができやすく偏ることからトラックドライバーの職業病と言われています。
トラックドライバーの職業病である、生活習慣病を予防するためには以下のようなポイントがあります。
脂肪の摂りすぎに気を付ける
脂っこい料理を好む人は多くいますが、必要以上に取りすぎると肥満の原因になります。
揚げ物系は3回の食事のうち一回だけにするなど、減らす努力を心掛けることが大切です。
なるべく規則正しい食生活を心掛ける
食事の内容だけではなく適度な間隔で食事を行うことも大切です。
仕事時間等の影響で難しい場合は、野菜から食べて血糖値の上昇を防ぐなどの工夫をすることで職業病対策することが可能となります。
運動習慣をつける
トラックドライバーにありがちなのが運動量が少ないということです。
長距離運転の場合は特に運動時間を取りにくくなります。
仕事中に難しい場合は、休日に体を動かすスポーツなどを趣味にするなどして心掛けるようにすることで職業病対策になります。
禁煙と禁酒
トラックドライバーに限りませんが、喫煙と飲酒は生活習慣病などの職業病に大きく影響します。
どうしてもやめられない場合でも、禁煙、休肝日を作って量を減らし適量を守るようにしましょう。
高血圧
高血圧症は収縮期血圧が140mmHg以上で拡張期血圧が90mmHg以上の場合をいい、どちらかだけ超えても高血圧症です。
高血圧症でない場合でも、トラックの運転は血圧に影響があり時速60~80㎞でスラローム運転すると最高血圧が平均で43mmHgも上昇するという報告もあります。
高血圧症になると心疾患や脳卒中などになりやすく、中には運転中にかかり車両が暴走したというケースも発生しており、トラックドライバーの職業病でもあります。
塩分の摂りすぎや肥満、運動不足が職業病の原因です。とても身近ともいえる病気でもあり、高血圧症の推定患者数は4300万人とも言われています。
トラックドライバーの職業病である高血圧症の予防策は以下の通りです。
塩分摂取量は1日6グラム未満
塩分の摂り過ぎは高血圧になりやすくなるため、塩辛いものの摂りすぎには注意しましょう。
肥満に気を付ける
痩せると血圧が下がることが明らかになっています。
適度な運動で体重を減らすように心がけることで職業病・高血圧症を予防できます。
カリウムの摂取を心掛ける
カリウムは血圧を下げることが分かっています。魚、納豆、リンゴ、牛乳、ほうれん草などに多く含まれているので食事に取り入れる工夫をすることで数値を下げやすくなります。
血圧は簡単に測ることが可能なので、定期的に自分の血圧を管理することも職業病・高血圧症の予防では大切です。
便秘
便秘は女性がなりやすいイメージがありますが、トラックドライバーの職業病でもあります。
大型トラックの運転手ほどなりやすいと言われており、その原因としてあるのが停車しにくいという点です。
走行中にトイレに行きたくなっても、SAの駐車場が空いていなかったり、街中を走行中はコンビニを見つけたとしても駐車場が小さく簡単に駐車できなかったりします。
トイレを我慢し続けていると便秘になりやすく、中にはトイレに行く回数を減らそうと飲む水の量を減らしたことが職業病・便秘の原因となる場合もあります。
対策としては、トイレに行きたくなる前から事前にこの先にあるトイレのある施設をある程度把握しておくことがあります。
既に便秘となってしまっている場合は、食事で食物繊維の摂取を心がけるようにすると便秘の解消に効果的です。
食物繊維は2種類に分かれるのですが、豆類やキノコ、イモ類、野菜、こんにゃくや大麦に多く含まれています。
他にも乳酸菌が効果的と言われており、ヨーグルトや乳酸菌飲料を飲む習慣をつけると職業病である便秘の改善につながります。
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腰痛
トラックの大きさや仕事内容に関係なく、トラックドライバーの職業病として多いのが腰痛です。
軽度な腰痛はもちろん、中にはヘルニアなど重症となってしまっているドライバーも珍しくありません。
職業病である腰痛の原因は2つあると考えられており、一つ目が荷物の積み下ろしです。
多くの荷物を長時間にわたり積み下ろししたり、重い荷物を持つことは腰に大きな負担となります。
2つ目が長時間の運転で、ずっと座りっぱなしでいると姿勢が悪くなったりしやすく結果、腰に負担がかかってしまい腰痛となってしまうトラックドライバーが多いです。
対策としては正しい姿勢で運転することが重要です。
前のめりになったり、シートの手前の方で座ってしまうと腰に負担がかかるので、首と背筋が伸びるように心掛けて運転するようにしましょう。
また、最近では腰痛対策のクッションなども販売されているため、職業病・腰痛になる前から対策しておくことも大切です。
休憩の際も乗車前に必ずストレッチを行うなどして、負担の蓄積を減らすことが大切です。
荷物の積み下ろしでは、負担を軽減するベルトを利用したり、腰で荷物を持ち上げないようにすることでギックリ腰やヘルニアを予防することが可能です。
関連記事:トラックドライバーの腰痛対策8選 痛みを和らげるコツ
痔
国民の3人に1人がなるともいわれている痔は、トラックドライバーの職業病でもあります。
痔の原因としてあるのが、同じ体制でいることがあります。立ちっぱなしや座りっぱなしは、肛門の周辺が圧迫されてしまい血流が悪化しやすく、いぼ痔などの原因となるのです。
また、運転姿勢が悪いのも肛門に負担が掛かりやすく、トラックドライバーやその他の運転手はなりやすいと言われています。
職業病である痔の対策としては座席にクッションなどを敷くことが有効となるのですが、柔らかすぎるものは逆に負担が増すため注意が必要です。
また、適度にSAなどに立ち寄り数分でも立ち上がり歩いてみるだけでも効果があります。
どうしても時間がとれない場合は、赤信号の時に腰を動かしたり立ち上がろうとする動作を行うだけでも違います。
実際にやる場合はサイドブレーキにするなどして事故には注意しましょう。
また、中距離ドライバーなどの場合、荷物の手降ろしなどが多いことがありますが、腹圧が掛かるのもいぼ痔の原因となります。
対策としてはシャワーだけではなくお風呂につかって血流をよくする方法があります。
睡眠不足
誰もが一度は経験するのが睡眠不足です。とても身近な悩みなので、仕方ないと考えられがちですが、様々な病気に関係することが分かっており、トラックドライバーの職業病の一つとなります。
トラック運転手の場合、拘束時間が長く睡眠不足になりやすいと言われており、待機時間などは荷主の都合で急に呼び出されることもあり、睡眠の質も悪くなりやすい環境にあります。
また、深夜の運送が多い場合は昼間に睡眠をとることが多く、明るさなどからよく眠れない人も多いようです。
睡眠不足は作業効率を大きく下げると言われており、ドライバーにとって一番怖いのが居眠り運転です。
ちょっとしたミスで人の命を奪ってしまう可能性があるため、睡眠をしっかりと取ることはとても重要と言えます。
他にも睡眠不足の状態が続くと肥満が増長されることが判明しており、上記で説明した高血圧や糖尿病などの生活習慣病の原因にもなると言われています。
睡眠不足を解消する対策はいくつかあります。
就寝前はブルーライトを浴びない
就寝前に携帯を見る人が増えていますが、携帯から発せられているブルーライトは刺激が強く、目が疲れるだけではなく脳が活性化してしまい眠りにつきにくくなります。
なるべく寝る前は携帯などを見ないようにすることで寝付きやすく、睡眠の質も上げることが可能です。
室温を調整する
睡眠時は、室温によっても質が低下してしまう恐れがあります。
なるべく夏場の室温は26℃前後、冬は18~23℃を保つようにすることで睡眠の質を上げることが可能です。
適度な仮眠をとる
どうしてもまとまった睡眠をとれないという場合は、仮眠をとることで睡眠不足を解消できます。
仮眠はその時間がとても重要で、寝るほど良いというわけではありません。最も理想的なのが15分前後となります。
30分以上仮眠をとってしまうと深い睡眠となってしまい、どのタイミングで起きても眠気や倦怠感が残ってしまいます。
虫歯
虫歯もトラックドライバーの職業病と言われています。
拘束時間が長く、歯医者に行く時間がないことが原因として多く、他にも食事の後の歯磨きなど虫歯に対するケアも関係しています。
職業病である虫歯を予防するためには、食事の後や仮眠前はなるべく歯を磨くようにしたり、専用アイテムで対策を心がけることが大切です。
また、虫歯は進行するほど治療に時間が掛かってしまうので、虫歯になる前から予防として歯医者に行くこともおすすめです。
トラックドライバー向けの職業病対策
トラックドライバーの職業病をいくつか紹介してきました。このような職業病は、普段の生活の中で予防することが可能です。
運転姿勢を改善しよう
仕事の大半が運転となるドラックドライバーは、運転姿勢を改善することで職業病の痔や腰痛などを予防しやすくなります。
シートの奥に座るようにして、背筋が伸びる姿勢を心掛けましょう。
また、シートの位置はアクセルやブレーキを踏んだ時に膝が伸び切らない位置で、ハンドルを握った時に肘に余裕があるくらいが適切となります。
背もたれの角度は90~100度ほどが理想です。他にも運転姿勢ではないですが、休憩中に足をハンドルなどに乗せて寝るのは腰に負担が掛かりますのでやらないようにしましょう。
始業前・終業後のストレッチ
ストレッチを行うことで、職業病である腰痛やその他のケガ予防につながります。
トラックドライバーは特に腰や足を使うので膝関節や太ももの裏、股関節、アキレス腱などを伸ばすストレッチがおすすめです。
またトラックの中でも赤信号の際に肩まわしをしたり、背中を伸ばすことで眠気の予防や痔の予防にもなります。
仕事前だけでなく起床時などにストレッチを行うと眠気が取れやすく、体をリラックス状態にすることもできます。
食生活の改善
食事に関しては、肥満を抑える上でまず意識したいのが「腹八分目」で押さえるということです。
なるべく少量で満腹感を感じるためには、よく噛んでゆっくり食べることが大切で、一口につき最低でも10回は噛むように意識しましょう。
食べる順番は野菜類、お肉などのタンパク質、最後に炭水化物にすることで血糖値の上昇を抑え肥満や生活習慣病などの職業病を予防しやすくなります。
SAなどでは手早く食べれる牛丼やラーメンが人気ですが、炭水化物の摂り過ぎは良くありません。
なるべく定食を選んだりサラダを別に頼んだりして、食事のバランスには注意をして職業病を予防しましょう。
トラックドライバーの職業病についてのまとめ
今回はトラックドライバーの職業病について解説してきました。
トラックドライバーは荷物の積み下ろしがあったり、長時間にわたり同じ姿勢で運転することが特徴となります。
そのため腰痛や痔、便秘になりやすく、拘束時間が長かったり働く時間が不規則なことから肥満による生活習慣病や、高血圧などが職業病として言われています。
また、まとまった睡眠がとりにくく、睡眠不足にもなりやすい環境とも言えます。
このようなトラックドライバーの職業病は運転姿勢を改善したり、就業前後でのストレッチ、定期的な休憩で予防したり改善することが可能です。
また、偏りがちな食生活も食べる順番や内容を工夫することにより、肥満などの生活習慣病の対策になります。
このように対策を行うことにより、トラックドライバーの職業病は防ぎやすくすることができます。
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