毎日定時で帰れず、つい残業してしまうという方は多いのではないでしょうか。
例え残業するのが嫌でなくても、毎日のように続けば疲れやストレスが溜まってしまいます。
本記事では、残業が多い原因、早く退社するための方法、残業が多くて辞める際の注意点などについて解説します。
・残業せずに帰りたい
・自分ばかり残業している理由を知りたい
・残業が多すぎるから転職したい
この中の1つでも当てはまる方はぜひ参考にしてください。
残業が多い人は仕事ができる風潮があったが変わりつつある
日本では残業時間が長い人ほど忙しい=仕事ができる人という風潮があります。そういった風潮は少しずつ見直され始めてはいますが、今も根強く残っています。
昔は自分の生活を犠牲にしてでも仕事に打ち込むことが是とされる風潮があったことや、景気が豊かだったため、働けばきちんと給料に反映されていました。
そのような社会であったため、長時間労働は当たり前と考えられていたのでしょう。。しかし、今はサービス残業と言われるように残業すると損をするようになっています。
残業が多い人=仕事ができる人ではなく、残業せず効率よく仕事をする人=仕事ができる人という風に、社会の風潮も変化してきているのです。
残業が多い人の特徴|5選
残業が多い人は以下の特徴があります。
所要時間を把握できていない
残業が多い人は仕事にかかる時間が把握できない傾向があります。それによって急を要する仕事を後回しにしてしまい、それに後で気づいて残業する羽目になってしまいます。
優先順位をつけていない
仕事には優先順位があります。
たとえば締め切りの期日は仕事によってさまざまあるのに、先に期日の長い仕事をやってしまい、期日の近い仕事を直前から始めて残業になるケースがあります。
業務量が多すぎる
立場によっては業務量が膨大になることがあります。管理職にもなれば自分の仕事だけでなく、部下が行った仕事の確認やミスの対応もしなければいけません。
また、出張や会議などで仕事が後回しになれば、その分残業しなければいけなくなります。
仕事の依頼を断れない
性格上、頼まれた仕事を断れない人もいるでしょう。自分のキャパシティ以上の仕事を引き受けてしまうと、必然的に残業時間も長くなってしまいます。
作業効率が悪い
仕事量は多くなくとも、作業効率の悪い人は残業が多い傾向にあります。作業効率が悪い理由は、仕事に対するやる気が原因であるほか、単純に能力が原因の場合もあります。
職種や職場で残業の多い少ないは異なる
残業時間は職種や職場によっても異なります。残業が多い職種や少ない職種を紹介していきましょう。
残業が多い職種
一般的に残業が多い職種は、「コンサルタント職」「施工管理」「映像制作関連」などがあります。
コンサルタント職はコロナ禍によって業務のデジタル化を進めていく中で需要が高まったとされています。
施工管理は工事現場に立って職人と同じように働いた後、スケジュール調整や資材発注などの他業務を行うため、残業時間が長くなりがちです。
映像制作関連では、時間にとらわれない仕事がゆえに、案件数を稼いで仕事をする傾向が多く、その分残業時間が長くなってしまいます。
残業が少ない職種
一方、残業が少ない職種には「秘書・受付」「美容関連」「薬剤師」などがあります。
秘書や受付は業務量が多くても複数人で役割を分担するため、残業が少ない傾向があります。
美容関連は営業時間が決められており、営業時間内で働くか、シフト制で働くため残業時間は多くありません。
薬剤師は病院や薬局などで勤務する場合、診察時間が決められているほか、営業時間がきっちり決められているので残業時間は少ないです。
残業時間が多い会社の特徴
残業時間が多くなりやすい会社の傾向としては以下が挙げられます。
・残業が当たり前の風潮がある
・仕事を協力して行っていない
・人手不足である
・業務量が多すぎる
世の中の残業時間は多いのか検証
一般的な企業で働く正社員の残業時間の実態を紹介していきましょう。
平均残業時間は13.2時間
厚生労働省が毎月行っている「毎月勤労統計調査」によると、2023年1月の平均残業時間は13.2時間でした。
この数値は日本標準産業分類に基づく16大産業のうち、常時5人以上を雇用する事業所に対して行っているものです。
会社によっては、これ以上に残業時間が長いところも多いでしょう。1日1時間残業している場合は、月に換算すると22~23時間程度になります。
残業代は基礎時給×割増率×残業時間で求める
残業代はどのように計算されているのか紹介していきましょう。
残業代の計算式は、
残業代=基礎時給×割増率×残業時間
となります。
この中で、基礎時給は月給÷1か月の平均所定労働時間(会社ごとに定められており、平均170時間)で計算します。
割増率は以下の通りです。
時間外労働(残業時間):1.25以上
法定休日労働(休日出勤):1.35以上
深夜残業(22時~翌5時に残業した場合):1.5以上
残業が多いと判断される基準:月45時間・年間360時間
結論から言うと、以下の時間を超えると違法になります。
・時間外労働が年間720時間
・時間外労働と休日労働を合わせた時間が月100時間
・複数月の平均時間外労働(休日労働も含む)が月80時間
上記を踏まえた上で詳しく説明していきましょう。
原則として法定労働時間は、労働基準法によって1日8時間、1週間40時間以内と定められています。
しかし、労使協定(36協定)を締結すると以下の限度内での時間外労働が認められます。
一般労働者:月45時間、年360時間
1年単位の変形労働時間を採用し、その対象期間を3か月超とした場合:月42時間、年320時間
さらに臨時的な特別の事情と労使間の合意をした場合、最初に述べた時間内であれば違法にはなりません。
参考:36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針|厚生労働省
参考:e-GOV法定検索|労働基準法
関連記事:残業代が出ない時に違法性を調べる方法と請求する手順
残業が多い状況を放置する3つのリスク
残業時間が多い状態を続けていくと、社員だけでなく、会社全体にも悪影響を及ぼします。
具体的にどういったリスクがあるのか、紹介していきましょう。
仕事とプライベートの境界が曖昧になる
長時間残業を続けさせると社員は疲弊していき、仕事に対する意欲も下がっていきます。短期的な残業であれば数日の休暇を取れば回復するでしょう。
しかし、過度な長時間残業は、睡眠や休養の機会を奪われ、体が十分にリラックスできないために、疲労が蓄積していきます。
プライベートでのリフレッシュができなくなるため、集中力が切れてしまい、かえって仕事が非効率になってしまうでしょう。
心身の不調を抱える可能性がある
長時間の残業は社員を疲れさせるだけでなく、ストレスを溜める要因にもなります。
肉体的な疲れと精神的な疲れがたまると、最悪の場合うつ病やパニック障害など精神的な病を発症してしまうかもしれません。
心身の病を患った社員が生まれると、仕事に影響が出るほか、訴訟になれば数千万円に及ぶ賠償金を支払う可能性も出てきます。
他社員の離職で負担が増える
残業が多い会社では、社員が長続きしない傾向があります。残業が多い中で社員が不足すると、別の社員に負担が増えてしまうでしょう。
その結果、負担が増えた社員が退職するリスクが出てくるため、人手不足で仕事が回らなくなり、会社としての損害も大きくなります。
残業が多い状態から脱出する5つの方法
残業しないためにできるコツを紹介していきましょう。
タスクに無駄がないか見直す
日々の仕事に無駄なところがないか見直していきましょう。
簡単なところでは整理から始めるのがおすすめです。パソコンのデスクトップがごちゃごちゃになっていると探す手間になります。フォルダを分けたり、ビジネスアプリを導入したりすると無駄を省けるかもしれません。
他にはキーボードのショートカットを覚えたり、Excel関数を勉強したりするのもいいでしょう。最初は手間がかかりますが、慣れれば仕事全体のスピードが上がっていきます。
優先順位を把握する
仕事に優先順位をつけて行うことも重要です。目の前にある仕事から手当たり次第に作業するのではなく、期日や重要度を確認した上でスケジュールを立てて、仕事を進めていきましょう。
しっかりとしたスケジュールが立てられるようになれば、おのずと無駄な残業時間も減っていきます。
1日のスケジュールを見直す
1日のスケジュールを見直す方法も有効です。出勤したては集中力もあり、体力も残っています。
日頃時間のかかる仕事を午前中にやってしまい、得意な仕事や、慣れている仕事を午後に回すとスムーズに仕事が進められるかもしれません。
仕事を分担できる人がいないか確認する
自分の仕事量が多すぎて残業しているのであれば、他の社員に仕事を分担してもらえないか相談してみましょう。
残業が続くと、仕事の質も落ちてきてしまう可能性があるほか、万が一期日に間に合わなければ、大きな損失が生まれます。
会社に迷惑がかからないようにするためにも、早めの相談を行っていきましょう。
早朝の使い方を考え直す
基本的に残業は夜に行うものなので、集中力が切れやすく、眠気や空腹に襲われやすいです。そうなると仕事の効率が悪くなり、残業時間が長くなってしまいます。
これらを防ぐためには朝の時間を使うのがおすすめです。朝は頭がスッキリしているので、夜よりも仕事が捗りやすくなります。
フレックスタイムを導入している会社なら、早めの出勤を検討しましょう。
定時退社で残業が多い状態から抜け出す方法
他の人が残業をしている中、自分だけ定時で帰るのは気まずいところがあるでしょう。どうすれば定時で帰れやすくなるのか解説していきます。
残業を頼みにくいイメージを定着させる
いつも残業している人は、残業するのが当たり前というイメージを持たれてしまうので仕事を頼まれやすい傾向があります。
しかし、毎日定時で仕事を終えて帰るようにすれば、周囲の人も仕事を頼みにくくなるでしょう。ただし、自分の仕事はきっちり終わらせておくことが前提となります。
仕事で結果を出す
上司が毎日長時間残業をしている場合、「残業=頑張っている、仕事ができる」という考えを持っている傾向があるので、定時に帰るのはなかなか難しいでしょう。
しかし、仕事で結果を出して、上司をはじめ、周囲から信頼をもらえるような成績を残している人なら、定時で帰っても誰も文句は言えません。
早朝の使い方を考え直す
毎日定時退社が難しいのであれば、週に1回でもいいので、残業をしない日を作るところから始めてみましょう。
徐々に週に2回、3回と増やしていけば、自然と定時帰りが定着していくかもしれません。
残業が多いのが原因で退職を検討している人がやるべきこと
残業が原因で転職を考えてしまっているのであれば、辞める前にこれから紹介することを試してください。
休暇を取る
有給休暇があれば、利用して身体を休めましょう。
労働者には有給休暇を取得する権利があります。同僚や上司のことが気になるかもしれませんが、身体を壊す前に一度ゆっくり休みましょう。
仕事を忘れてリフレッシュできれば、また頑張ろうと思うかもしれません。
第三者に相談する
転職する前に友人や家族に相談しましょう。一度辞めたいと思ってしまうと、転職の気持ちばかりが先行してしまい、冷静に判断ができていない状態になってしまいます。
気心の知れている友人や家族に悩みを話すとスッキリするかもしれません。
ただし、会社の同僚や先輩に相談するのはやめておきましょう。引き留めにあったり、上司に報告されたりする可能性があります。
関連記事:工場勤務はきついって本当?向いている人の4つの特徴とは
残業が多い:限界であれば転職を検討する
上記のことを試してみても解決しない、残業が減りそうにないのであれば転職を検討しましょう。
転職先を探す際は転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントは専任のキャリアアドバイザーが企業検索や履歴書、職務経歴書の添削のサポートを丁寧に行ってくれるので、効率的に転職を進められます。
在職中にも利用できるので、ぜひ利用を検討してください。
関連記事:2024年から建設業の残業規制により給料が減る人の特徴
残業が多いのかの関するよくある質問
最後に残業代に関する質問をまとめました。
残業代が出ない職種はありますか?
結論から言えば、残業代が出ない職種は基本的にありません。しかし、以下の職種は業種を理由に支払われない可能性があります。
①農業、畜産業、漁業、水産養殖業、養蚕業等
残業代や休日労働手当に関する労働基準法の規程が適用されないためです。
②社長秘書・役員秘書等
機密事務取扱者には残業代や休日労働手当に関する労働基準法の規定が適用されないためです。
③監視・断続的労働従事者:警備員、マンション等の管理人、学校の用務員、役員等の専属運転手など
会社が労働時間規制の適用除外の許可を得ている場合、深夜労働手当以外は請求できない場合があります。
④家事使用人(家政婦)
顧客と直接契約している場合や、自社の会社役員の自宅で勤務する場合は労働基準法が適用されません。
参考:出ない業種はほとんど無い!残業代が出る業種と出ない業種(弁護士監修)|アテラ
残業が多いのかの関するまとめ
残業の実態は会社によって異なります。
同じような業種でも残業時間が長いところもあれば、短いところもあります。残業に関する考えもマチマチです。
今残業時間が多いと感じている人は、残業時間の相場を知り、客観的に見て自分の労働環境は良いのか悪いのかを考えてみましょう。
もし、残業時間が長すぎるのであれば、上記で紹介した5つの方法を試してください。
試した上で、状況が改善されない、改善する傾向もないのであれば、職場環境に問題がある可能性が高いため、転職を検討するのもおすすめです。
関連記事:ブラックな運送会社とは?見極める7つの方法と優良な運送会社の特徴を一挙にご紹介!
ドライバーの仕事をお探しの方へ
ドライバーキャリアは、運送・物流業界に特化した転職支援サービスです。
- 希望条件に合う求人のご紹介
- 履歴書など書類作成のサポート
- 企業との条件交渉/面接日程の調整
無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください。
求人を検索する(無料)