バス運転手はきついからやめとけ？本当に過酷仕事なのかと将来性

「バス運転手はきついと言われているからやめといた方がいいのかな...」このように悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

バス運転手について調べていると「給料が低い」「労働がきつい」など、不安になる情報が目に入り心配になりますよね...。

本記事では、バス運転手の仕事がきついか不安な人に向けて、バス運転手の現実と将来性について紹介します。バス運転手への転職を検討している人は、最後までチェックしてみてください。

バス運転手がきついと感じる9つの理由

バス運転手がきついと感じる9つの理由は、以下のとおりです。

1.給料が安い

バス運転手の平均年収は「年齢・性別・地域・職種」などを統合すると約390万円〜500万円※1）です。そのため、一部のバス運転手は全職業の平均年収490万円よりも若干安い給料になるでしょう。

とはいえ、バス運転手の給料が必ず全職業より低いとは限りません。実際、西日本鉄道は2024年春から組合員ひとりに対して、平均1万2,800円※2）の賃上げを発表しています。

このようにバス会社自体が賃上げに意欲的になっており、今後も給料が上がる可能性は十分あるでしょう。

西日本鉄道のような、給料アップに意欲的なバス会社を見つけるためにも、求人探しは念入りにしてみてください。

出典：※1）バス運転手の仕事の年収・時給・給料｜求人ボックス
出典：※2）西鉄が賃上げ1万2800円、30年ぶりの高水準…バス運転手らの人材確保へ賃金改善｜読売新聞オンライン

2.肩こりや腰痛に悩まされる

バス運転手は長時間同じ姿勢で運転するため、肩こりや腰痛に悩まされます。とくに長距離を走行するバス運転手は、長時間座りっぱなしのため運転がきついと感じる場面も多いでしょう。

また、肩こりや腰痛は痛みやだるさだけでなく、頭痛や吐き気などの症状を引き起こすときもあります。

最悪の場合、集中力が低下したり、睡眠不足になったり事故の原因にもなりかねません。このような、肩こりや腰痛に悩まされる点もバス運転手がきついと感じる原因のひとつです。

3.事故のリスクがある

バスは大型車両であり、事故を起こすと大きな被害を起こしかねません。そのためバス運転手は、常に周囲の状況に注意を払い安全運転を心がける必要があります。

事故を起こしてしまうと、バス運転手自身はもちろん乗客や家族にまで大きな被害を与えてしまうでしょう。

万が一、交通事故を起こしてしまったときは、乗客に対して安全の確保と負傷者の確認などをする必要があります。このように事故のリスクがある面も、バス運転手がきついと言われている原因のひとつです。

4.トイレに行くタイミングが難しい

バス運転手は長時間運転するので、トイレに行くタイミングが難しい場合もあります。とくに路線バスの場合、決められたバス停でのみ停車するためトイレに行きにくいです。

そのため、バス運転手は出発前にトイレを済ませなくてはいけません。このように仕事中にトイレに行きにくい環境もバス運転手にとってはきつく感じる一面ではないでしょうか。

5.ドライブレコーダーで常に監視されている感覚になる

バス車両には乗客や運転手の安全を守るため、ドライブレコーダーが設置されています。しかし、常に録画されているという感覚があり、運転手にとってストレスに感じる人もいるでしょう。

また、バス運転手からしてみれば、常に監視されているとリラックスができず常に緊張状態が続きます。

とはいえ、ドライブレコーダーは事故したときの状況を確かめるお守り的な役割があるのも事実です。そのため、ツールと割り切り運転できるように心がけましょう。

6.運転中に気が抜けない

バスの運転手は運転中ずっと高い集中力を保つため集中力がなくなると、仕事がきついと感じやすくなります。

長時間集中する状態は、疲労蓄積の原因にもつながりやすいです。もしバスの運転中に集中力が途切れてしまえば、重大な事故につながりかねません。

このようにバス運転手は乗客の命を預かっており、運転中に気が抜けない点もきついと感じる原因になっています。

7.睡眠不足になりやすい

バス運転手は早朝や深夜の勤務など、不規則な勤務時間帯で働く場合も多く、睡眠不足になりやすい傾向があります。

睡眠不足になると集中力の低下や身体がだるく感じるなど、さまざまな問題を引き起こします。このようにバス運転手の独特な勤務形態が原因で、睡眠不足になるのもバス運転手がきついと感じる原因のようです。

8.乗客からのクレームがストレスになる

バス運転手は、以下のように乗客からさまざまなクレームを受ける場面があります。

バス運転手をしていると、上記のように理不尽に怒鳴られたり、暴言を吐かれたり大きなストレスを抱える場面もあるでしょう。

このように乗客からのクレームが原因で、バス運転手の仕事がきつく感じるときもあるようです。しかし、乗客対応は避けられないため、バス運転手に転職した場合は大変ですが冷静な対応を心がけてみてください。

9.勤務時間が長い

バス運転手は早朝や深夜の勤務など、不規則な勤務時間帯で働く場合も多いため、勤務時間が長くなりがちです。長距離の高速バスや観光バスの場合だと、一日の勤務時間が長く休憩時間も限られます。

勤務時間が長くなると、バス運転手の疲労も蓄積するので、身体的にも精神的にもきついと感じるときがあるでしょう。

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【運行バス別】バス運転手がきついと感じる瞬間

同じバス運転手でも運行するバスの種類によっては、きついと感じる瞬間は異なります。ここからは、運行バス別にきついと感じる瞬間を解説します。

観光バス運転手は拘束時間が長くてきつい

観光バス運転手は長距離移動や渋滞などによって、拘束時間が長くなりやすいです。観光バス運転手が勤務中にきついと感じる場面の一例は、以下のとおりです。

上記のように観光バス運転手は、長距離移動や渋滞での時間の遅れが原因で、拘束時間も長くなりがちです。そのため、観光バス運転手の仕事がきついと感じる人も多くいるでしょう。

路線バス運転手は通勤時と退勤時がきつい

路線バス運転手は、通勤時と退勤時にきついと感じる状況が多くあります。どのような状況できついと感じるかは、以下のとおりです。

上記のように通勤時と退勤時は多くの人がバスを利用するため、バスの乗客数が最も多くなります。また、渋滞や混雑に巻き込まれ運転するだけでもきついと感じるときもあるでしょう。

高速バス運転手は運転に慣れるまでがきつい

高速バス運転手にとって一番きついと感じる瞬間は、目的地に到着するまでの時間です。高速バスの場合、高速道路での運転が中心となるため慣れるまではきついと感じるでしょう。

高速バス運転手が勤務中にきついと感じる瞬間は、以下の場面があります。

一般的な道路を走るバス運転手とは違い、高速道路での長距離運転には高い技術と集中力が求められます。また、長時間の単調な運転は集中力が途切れやすく、一瞬の油断が重大事故につながりかねません。

このように高速バス運転手は、運転に慣れるまでが一番きつい時間になるでしょう。

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きついと言われるバス運転手の将来性がある理由

バス運転手の将来性があると言える3つの理由は、以下のとおりです。

それぞれ解説します。

少子高齢化社会において需要がある

バス運転手の仕事は少子高齢化社会の影響で、公共交通機関の利用者数が増加する見込みです。実際、総務省統計局のデータでも、以下のとおり2024年には35％以上が高齢者になると予想されています。

出典：1.高齢者の人口｜総務省統計局

上記のように高齢者が増えると、同時にバスの需要は上がります。需要が上がる理由としては、以下の3つが考えられます。

このように少子高齢化社会において、バスの役割は今後も拡大する見込みです。そのため、バス運転手の仕事は安定した将来性のある仕事と言えるでしょう。

AIの自動運転だけでは対応できない業務がある

バス運転手の仕事は、AIの自動運転だけでは対応できない業務が多くあります。そのため将来的にも需要があり続ける仕事と言えるでしょう。AIの自動運転だけでは対応できない業務について、以下より紹介します。

上記のようにAIの自動運転技術が進歩しても、バス運転手の仕事が完全に代替されるのは考えにくいです。そのため、バス運転手に必要な大型二種免許を取得できれば、将来的に食いっぱぐれない人材になるでしょう。

外国人の日本への観光需要は増加している

近年、外国人の観光需要が増加しているため今後、観光バスや高速バスの需要はますます向上すると考えられます。

実際、2019年には訪日外国人観光客数は3,188万人※3）を超え、過去最高記録を更新しています。このような外国人観光客の増加は、バス運転手を目指す人にとっては転職するチャンスです。

外国人観光客が増えるとバス会社自体も仕事に困らなくなるので、将来的にも安定して働けるでしょう。

出典：※3）令和元年光の動向｜国土交通省

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きついと言われるバス運転手に対する「人材確保・育成」の取り組み

【事例】バス会社の「人材確保・育成」の取り組みについて紹介します。

茨城交通株式会社で取り組んだ事例

茨城交通株式会社では、人材確保と育成に積極的に取り組んでいます。とくに女性運転手の活躍の場を広げるのに積極的です。具体的な取り組み内容は、以下のとおりです。

参考：茨城交通株式会社：茨城県｜厚生労働省

バス運転手はきつい仕事ですが、茨城交通株式会社のような取り組みにより、バス運転手の業務負担も軽減するのではないでしょうか。

京成バス株式会社で取り組んだ事例

京成バス株式会社は将来を担う人材確保と定着率向上のため、新卒採用と女性活躍推進に対して積極的な取り組みをしています。

参考：京成バス株式会社：千葉県｜厚生労働省

上記のように京成バス株式会社は新卒採用と女性活躍推進を通じて、将来的な人材不足への対応と働きやすい環境の実現を目指しています。

国際興業株式会社で取り組んだ事例

国際興業株式会社は定年延長制度と電子スターフ導入により、労働環境改善と次世代育成に積極的です。取り組んでいる事例は、以下のとおりです。

参考：国際興業株式会社：東京都｜厚生労働省

上記のような取り組みで乗務員の労働環境改善に努め、高齢化や人材不足といった課題への対策を進めています。

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きついと言われるバス業界が人手不足に陥っている理由｜3選

バス業界が人手不足に陥っている理由3選について、詳しく解説します。

バス運転手の高齢化が進んでいる

バス運転手の高齢化が進んでおり、若手の流入が追いついていないのが人手不足の原因です。具体的に説明すると、以下のとおりです。

国土交通省に提出されている日本バス協会の資料では、高齢化で労働人口が減少する問題について、以下のように取り上げられています。

今後のバス運転者の更なる高齢化と退職者の増加、労働人口の減少に伴うバス運転希望者の減少等にかんがみれば、質の良い運転者を今後とも持続的に確保していくためには、女性の活用を含め、バス運転者の自社養成が必要不可欠になってくるものと考えられること。

引用：『運転者不足問題』に対する 今後の対応方策について｜国土交通省

このような結果からも、バス運転手の高齢化はバス業界が人手不足に陥る大きな理由となっています。

給料が稼ぎにくい環境がある

バス業界では運転手の給料が低いため、若い人材が就職しなかったり、他業種から転職したがらなかったりする状況があります。

とくに路線バスは公共機関として乗客に利用されるため、バス会社自体の売上を上げにくい仕組みです。とはいえ、政府もバス運転手の待遇改善に取り組む状況を構築しようとしています。

「バス事業において、運転者の待遇が、労働条件に対して魅力的でなくなっていることが、運転者の確保を困難にしている一因であることにかんがみ、国は、運転者の待遇改善に向けた環境整備を検討する必要がある。」

引用：『運転者不足問題』に対する今後の対応方策について｜国土交通省

いきなり給料が大幅に上がるのは、難しいかもしれません。しかし、将来的にはバス業界全体の給料が上がるのではないでしょうか。

バス運転手を志望する若い人材が減少している

近年、バス運転手を志望する若い人材が減少し、人手不足の原因となっています。若者がバス運転手を敬遠する理由としては、以下のとおりです。

実際にバス運転手として働いている人の口コミを見ると、精神的負担や責任の重さが原因で転職を検討している声があります。

今とあるバス会社の運転手として働いてます。運転が好きなのと人の為になりたいと思い選びました。当初は楽しかったですが今は楽しくありません。

体力勝負だと思ってたら精神面の苦痛が大きいです、転職を考えてて、トラック運転手を考えてます。好きな音楽を聴きながら運転したいです。どう思いますか？

引用：Yahoo!知恵袋

このように実際バス運転手として働いている人は、トラック運転手やタクシー運転手など他の業種へ転職を検討している人も多いようです。

とはいえ「【事例】バス会社の「人材確保・育成」の取り組み」で紹介したように、バス会社は従業員に対して働きやすい職場改善に積極的です。

そのため、バス運転手の仕事がすべてよくないと思わなくてもいいでしょう。

出典：『運転者不足問題』に対する 今後の対応方策について｜国土交通省

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きついと言われるバス運転手に関する質問

バス運転手がきついと感じる仕事に関するよくある質問は、以下のとおりです。

バス運転手は減っていますか？

NHK に記載されていた内容によると、2021年度のバスの運転者数は約11万6,000人で2012年度から1万3,000人余り減っているようです。

また、平均年齢は53.4歳と高齢化になっているので、さらに定年退職者も増えてバス運転者の人手不足は加速するでしょう。

出典：バス事業120年2030年度に運転手3万6000人不足か背景と今後は｜NHK

バス運転手はどんな人が向いていますか？

バス運転手は、次のような人に向いています。

上記の傾向がある人にバス運転手は向いています。バス運転手に向いている人の特徴は「バス運転手が向いている人とは？仕事内容ややりがいも紹介」の記事で紹介しています。

バス運転手が「やめとけ・やばい」と言われているのはなぜですか？

バス運転手が「やめとけ・やばい」と言われる理由は主に以下7つです。

詳しくは「バス運転手はやめとけと言われる理由7選｜大変なこと・やりがいも紹介」で解説しているため、気になる人は参考にしてみてください。

きついと言われるバス運転手に関するまとめ

バス運転手がきついと言われる理由は、給料や労働時間によるものが多くあります。とはいえ「【事例】バス会社の「人材確保・育成」の取り組み」で紹介したように、バス会社自体は従業員の働き方改善に積極的です。

また、バス運転手の人材不足によりバス会社の求人は多く、転職したい人には大きなチャンスが広がっています。少しでもバス運転手の仕事に興味がある人は、一度求人情報を確認してみてはいかがでしょうか。

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そのため、自分にあうバス運転手の求人を取りこぼさないためにも、バス業界に詳しいキャリアアドバイザーと相談しながら、転職先を探してみてはいかがでしょうか。