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フォークリフトの運転が難しいと言われる4つの理由や操作のコツ

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フォークリフトの運転が難しいと言われる4つの理由やコツを解説

フォークリフトの運転は、一見単純な作業のように思えるかもしれませんが、単に機械を動かすこと以上の技術が必要とされ、精密な操作、高度な判断力、状況に応じた機敏な対応能力が要求されます。

では、実際にフォークリフトの運転にはどのような難しさがあるのでしょうか。

本記事では、フォークリフトの運転で難しいと言われる理由、フォークリフトの運転が難しいと感じる人向けの運転のコツなどについて解説します。

フォークリフトの運転で難しいと言われる4つの理由

倉庫の中にあるフォークリフト

まずは、フォークリフトの運転で難しいと言われる理由を4つ紹介します。

小回りがききすぎてしまう

フォークリフトの運転で難しいと言われる理由の1つ目は、小回りがききすぎてしまうからです。

フォークリフトは狭いスペースでの作業に適しているため、非常に俊敏に動くことができますが、逆に運転を難しくしています。

予期せぬ動き方をする可能性がある

小回りが利きすぎると、意図しない方向へ急に動いたり、予期せぬ速度で回転したりすることもあるでしょう。これは、狭い通路や障害物が多い環境で特に起きやすい問題です。

運転者は、フォークリフトの動きを正確に予測し、機敏な反応を示さなければならないため、高い集中力と熟練した操作技術が要求されます。

しかし、初心者のオペレーターにとってフォークリフトの細かい操作は、慣れるまでに時間がかかることが多いです。

積載物の安定が崩れる可能性がある

また、小回りがききすぎることによって、積載物の安定性にも影響を及ぼす可能性があります。

急な動きは積荷のずれや落下のリスクを高め、事故や損害の原因となります。そのため、フォークリフトを運転する際には機器の特性を理解し、積荷の重心や動きに細心の注意を払いましょう。

このように、フォークリフトの運転技術を習得するには、十分な練習と経験が必要なのです。

操作手順が細かい

フォークリフトの運転で難しいと言われる理由の2つ目は、操作手順が細かいからです。

フォークリフトは多機能な工業車両であり、フォークの昇降、荷物の積み下ろし、車両の方向転換など、効果的な使用には多くの細かな操作が必要です。

これらの操作はそれぞれ独自のスキルが必要で、運転者は細かい操作手順を正確に理解し、適切に実行することが大切です。

荷物の重心を的確に捉える

例えば、荷物を持ち上げる際には、フォークの位置を適切に調整し、荷物の重心を正確に捉えなければなりません。また、荷物を持ち上げる高さや速度、フォークリフトの移動速度や方向転換なども、状況に応じて慎重にコントロールする必要があります。

周囲の安全に注意する

加えて、フォークリフトの操作では、周囲の環境への注意も重要です。倉庫や工場などの作業環境はしばしば狭く、他の作業員や障害物が存在するため、運転者は常に周囲の安全を確認しながら操作を行う必要があります。

これらの要因から、フォークリフトの運転は、単に車両を動かす以上の技術が必要とされ、操作手順の細かさがその難しさを増しています。運転者は、複雑な操作手順を習得し、それらを効果的に組み合わせて使用するために、十分な訓練と実践経験が必要となるのです。

時間制限がある

フォークリフトの運転で難しいと言われる理由の3つ目は、時間制限があるからです。

覚える知識やスキルが多い

フォークリフトの操作技能を習得するための講習は非常に有益でありながらも、限られた時間内で基本的な操作方法から安全規則、緊急時の対応まで、幅広い内容を網羅しなければなりません。

そのため、これら全ての必要なスキルや知識を十分に身につけるのが難しい場合があります。

十分な運転経験を積めない可能性がある

また、フォークリフト運転の習熟には、実際にさまざまな状況での運転経験を積むことが不可欠ですが、時間制限のある講習ではこの点が十分にカバーされないことがあります。

受講者は講習を終えた後も、実際の作業現場での経験を通じて、スキルをさらに磨く必要があるでしょう。

したがって、フォークリフトの運転が難しいとされる理由の一つは、講習における時間制限によって必要な技能と経験が十分に得られないことにあるのです。

気候や服装に注意

フォークリフトの運転で難しいと言われる理由の4つ目は、気候や服装に注意する必要があるからです。

気候条件はフォークリフトの運転に大きく影響します。

雨や雪・強風の日は危険

例えば、雨や雪の日には路面が滑りやすくなり、フォークリフトの操縦性やブレーキの反応が通常とは異なるため、運転者は通常よりも慎重な操作が求められます。

また、強風の日には、特に荷物を高く持ち上げた際のフォークリフトの安定性に影響が出る可能性があります。

これらの気候条件下での運転は、通常の状況下での運転よりも高い技術と注意力が要求されるため、運転技能講習ではこれらの状況に適応するための指導が不可欠です。

服装にも注意する

さらに、フォークリフトの運転で安全性を確保するためには、動きやすく、かつ保護機能を持つ服装を選ぶ必要があります。

例えば、ゆるい服装やヒラヒラした素材の服は、操作中にフォークリフトの各部分に引っかかるリスクがあり、事故の原因となることがあります。加えて、安全靴やヘルメット、必要に応じて耳栓や保護メガネなど、適切な保護具を着用することも重要です。

このように、フォークリフトの運転技能講習では、単に操作技術を習得するだけでなく、さまざまな気候条件や適切な服装選択にも注意を払う必要があるのです。

フォークリフトの運転が難しい人向けのコツ

ウォーキーフォークリフト

続いて、フォークリフトの運転が難しいと感じる人向けの運転のコツを2つ紹介します。

パレットを使い分ける

フォークリフトの運転が難しいと感じる人向けの運転のコツの1つ目は、パレットを使い分けることです。

パレットにはさまざまな種類があり、それぞれ重量や寸法、耐荷重は異なります。運転を容易にし、安全性を高めるためには、荷物の種類や重さに応じて最適なパレットを選択することが重要です。

軽い荷物には小型のパレットを使う

軽量な荷物や比較的小さなアイテムの運搬には、小型で軽量なパレットを使用すると、フォークリフトの操作がより容易になります。これらのパレットは機動性が高く、狭いスペースでも扱いやすいです。

一方で、重量のある荷物や大型のアイテムには、より強度の高い、大きめのパレットを選ぶことが適切です。これにより、荷物の安定性が保たれ、フォークリフトの運転中に発生するリスクが減少します。

パレットの材質も重要です。例えば、木製のパレットは一般的でさまざまな用途に使えますが、プラスチック製や金属製のパレットは特定の条件下での利点があります。

湿気が多いときはプラスチック製や金属製を使う

また、湿気の多い環境や衛生を重視する場所では、木製よりもプラスチック製や金属製のパレットが適しています。

さらに、パレットを使い分けることは、フォークリフトの荷重バランスを最適化するのにも役立ちます。

適切なパレットを使用することで、荷物の重心が適切な位置に保たれ、フォークリフトの操作中の安定性が向上します。荷物の安定性を高めることは、運転の容易さに直結し、特にフォークリフトの運転が難しいと感じる人にとっては、重要な運転のコツとなります。

このように、パレットの使い分けは、荷物の特性に適した選択をすることで、フォークリフトの操作を容易にし、安全性を高める効果的な方法です。

爪の使い方を覚える

フォークリフトの運転が難しいと感じる人向けの運転のコツの2つ目は、爪の使い方を覚えることです。

フォークリフトの爪は、荷物を持ち上げたり移動させたりする際の主要な部分であり、その正確な操作が荷物の安全な取り扱いには不可欠です。

滑り込ませる深さと位置

爪の使い方を覚える際には、まず、爪を荷物の下に滑り込ませる際の深さと位置を適切に決めることが重要です。

荷物の中心に爪をしっかりと入れることで、荷物のバランスを保ち、持ち上げや移動中の安定性を高めることができます。また、荷物の重心を考慮し、爪を均等に挿入することで、荷物が傾かないようにすることも大切です。

爪の角度の調整

次に、荷物を持ち上げる際の爪の角度の調整も重要です。

荷物を安定して持ち上げるためには、爪が地面に対して水平に近い状態であることが望ましいです。不適切な角度で荷物を持ち上げると、荷物が滑り落ちるリスクが増えます。

爪の高さ

さらに、荷物を持ち上げた後の爪の高さの管理も重要です。移動中は、荷物が地面から適切な高さに保たれていることを確認する必要があります。

荷物を高く持ち上げすぎるとフォークリフトの安定性が損なわれ、低すぎると地面や障害物に荷物が接触する恐れがあります。

フォークリフトの爪の使い方を習得するには、実践的な訓練と経験が必要です。

適切な使い方を覚えることで、フォークリフトの操作がよりスムーズになり、荷物の安全な取り扱いが可能になるでしょう。フォークリフト運転が難しいと感じる人は、爪の正確な使い方に注目し、練習を重ねてみてください。

関連記事:カウンターフォークリフトとリーチフォークリフトの違いは?それぞれの特徴や資格、運転難易度などを詳しく紹介!

フォークリフトの運転技能講習の内容

カウンターフォークリフトの外観

続いては、フォークリフトの運転技能講習の内容をそれぞれ解説します。

学科講習

学科講習では、フォークリフトの概要や操縦に関する知識を学習します。各科目と時間の内訳は以下の通りです。

  • 走行に関する装置の構造および取扱いの方法に関する知識(2時間)
  • 荷役に関する装置の構造および取扱いの方法に関する知識(2時間)
  • 運転に必要な力学に関する知識(1時間)
  • 関係法令(1時間)

学科試験

学科試験は、4つの選択肢の中から正しいものを選ぶマークシート方式です。科目ごとの合格点は以下の通りです。

  • 荷役:30点(12点以上)
  • 走行:30点(12点以上)
  • 力学:20点(8点以上)
  • 法令:20点(8点以上)

合計:100点(60点以上)

100点満点中60点以上で合格ですが、各科目で4割以上、「荷役」については6割以上の正答率が必要になります。

試験時間は60分で、試験終了後に採点が行われ、すぐに結果が伝えられます。不合格の場合は、その場で簡単な講習を受け、再試験となります。

実技講習

実技講習では、実際にフォークリフトの操作・運転を行います。実技講習の内容は以下の2科目です。

  • 走行の操作:20時間
  • 荷役の操作:4時間

実技試験

実技試験では、実技講習で学んだ内容を実践します。具体的には、以下の流れで進められます。

  • 点検・安全確認をしてフォークリフトに乗車する
  • 前進して荷物を積む
  • 後退してスタート地点へ戻る
  • 前進して荷物を降ろす
  • 後退してゴール地点へ行く
  • 安全確認をして降車する

実技試験は減点方式で行われ、100点満点中70点以上の獲得で合格となります。

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フォークリフトの運転技能講習の採点基準

リーチフォークリフトの外観

続いては、フォークリフトの運転技能講習の採点基準について解説します。

減点ポイントと言われる項目

以下はフォークリフト免許の実技試験採点方法の一例です。

項目採点備考
指差し点検-3点 乗車前の点検し忘れ、点検箇所の抜け
アシストグリップを使わずに乗車-3点 ハンドルを持って乗車するのも不可
シートベルト未着用失格 座席に座ったらすぐに付ける
レバー操作ミス-3点 前後入れ間違いなど
ハンドルのグリップから手を離す-3点 走行中、左手は必ずグリップに
安全確認不足-3点 指差し不十分、確認忘れなど
接触-5点 壁にぶつかる
脱輪-5点通路として仕切られた白線を踏んだ場合
偏荷重-3点荷物が傾いた状態で持った場合
走行中のフォーク高不良-3点 地面より10~20cm以内でない場合
パレットへのフォーク差し込み不足失格 50cm以上など極端に差し込み不足の場合
荷物の位置不良
-3点 荷台に書かれた枠線よりはみ出た場合
停止位置不良 -3点 決められた位置よりはみ出た場合
フォークの先で荷物をつく 失格 危険行為として失格対象
パレットにフォークをこする -3点万が一、パレットをひきずると失格
フォークで荷物を高く持ち上げたまま移動 失格危険行為として失格対象
パレットに持ち上げ高不良 -3点荷台よりパレットを浮かす時は10cm前後で
勢いよく荷物を置く -3点大きな音が出た場合
荷台にぶつかる -3点特にマスト部分をぶつけやすい
駐車ブレーキをひかずにレバー操作 -3点レバー操作をする時は必ず駐車ブレーキをしてから
エンスト -5点操作ミスでエンジンが止まった場合
手順間違い -3点決められた手順を間違い、飛ばした場合
タイム減点 -3点7分を超えて、30秒ごとに-3点追加
駐車位置不良 -2点決められた線より30cm以上離れて駐車した場合
駐車位置不良 失格決められた線より手前で駐車した場合

採点基準は受験先によって異なる場合があるため、詳細な情報は各試験実施機関でご確認ください。

即不合格と言われる項目

受験する機関によって違いはありますが、以下のような行為は即不合格となる可能性が高いです。

  • シートベルト未着用
  • パレットへのフォーク差し込み不足
  • フォークの先で荷物をつく
  • フォークで荷物を高く持ち上げたまま移動

「フォークリフトの運転は難しい?」に関してよくある質問

フォークリフトを使う様子

ここからは、「フォークリフトの運転は難しい?」に関してよくある質問に回答します。

フォークリフトの操作は女性には難しいですか?

フォークリフトの操作が女性にとって難しいかどうかは、個々の技能や経験に大きく依存するため、一概には言えません。

フォークリフトの操作には、適切な訓練、注意力、精密な操作技術が必要です。女性であっても、適切な訓練と実践を経れば、フォークリフトの操作を習得することは十分可能です。実際、フォークリフトオペレーターとして活躍する女性も多くいます。

さらに、現代のフォークリフトはユーザーフレンドリーな設計がされており、より操作しやすくなっています。高度な機械操作スキルや状況判断能力を有していれば、性別に関わらず、効率的かつ安全にフォークリフトを操作することができます。

結論として、フォークリフトの操作が女性に難しいということはありません。適切な訓練と練習を通じて、男性と同様に、女性もフォークリフトのオペレーターとして優れた能力を発揮することができるのです。

関連記事:リーチタイプフォークリフトの運転方法のコツとは?基本操作とうまく操作する方法を紹介!

「フォークリフトの運転は難しい?」についてのまとめ

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今回は、フォークリフトの運転が難しい理由について解説しました。

これからフォークリフトの免許を取得しようと考えている方は、本記事を参考にして、ぜひフォークリフト免許の取得に挑戦してみて下さい。

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