免許の更新は、数年に1度、誕生日の前後1か月の期間にしなければなりません。更新のタイミングで入院や海外渡航していて手続きできなかったり、更新時期をうっかり忘れてしまったりする人もいるようです。
とはいえ、運転免許を更新し忘れたまま運転してしまうと、無免許運転となってしまいます。
この記事では、期限切れの免許で運転してしまった場合の罰則や処分、失効してしまった場合の更新手続きについて解説します。
免許の有効期限切れで運転したら罰則はあるの?
入院や海外渡航、うっかり忘れたなどどんな事情であっても、更新期間の期限が切れてしまった場合、免許失効となります。
運転免許証が無効となるので、どんなに運転歴が長くても、運転が上手でも、無免許となります。
免許を再取得するまで、車の運転をしてはいけません。
期限切れの免許で運転した場合は、無免許運転となり、罰金刑などの刑事罰や免許取り消しといった行政処分の対象に該当します。
免許の有効期限が切れたら6ヶ月以内が勝負
免許を失効してしまった場合、失効してから経過した期間によって、失効手続きができるかが決まり、手続き内容も変わってきます。
- 免許失効後6ヵ月以内の場合
- 免許失効後6ヵ月以上3年以内の場合
- 免許失効後3年以上の場合
1つずつ解説していきます。
免許失効後6ヵ月以内の場合
入院や海外渡航などのやむを得ない理由がある場合、失効後6カ月以内であれば、適性試験と講習のみで免許を再取得できます。
この場合、やむを得ない理由を証明する書類の提出が必要です。
入退院の日付が分かる診断書、出入国の分かるパスポート、在監証明などです。
また、「仕事が忙しくて更新はがきを見落としていた」などのうっかり失効であっても、6カ月以内であれば、適性試験と講習を受けるだけで免許を再取得でき、学科と技能の試験は免除されます。
6カ月以内であれば、特別な事情のあるなしに関わらず、スムーズに再取得できます。
出典:運転免許証の有効期限が過ぎてしまった方へ(失効手続等)| 警視庁
免許失効後6ヵ月以上3年以内の場合
やむを得ない理由がある場合、失効したのち6カ月以上3年以内で、やむを得ない理由が解消して1か月以内の期間であれば、失効手続きをすることができます。
学科、技能の試験ともに免除され、適性検査と講習のみ受けるだけで免許を取得することができます。
このときも、更新することができなかった理由を証明する書類を持参する必要があります。
うっかり失効の場合は、失効してから6カ月以上1年以内であれば、手続きによって仮免許を再取得できます。
仮免許の学科試験と技能試験は免除されますが、仮免許を取得した後、一定時間の教習を受け、本免許証の学科試験、技能試験、適性検査、講習を受ける必要があります。
出典:運転免許証の有効期限が過ぎてしまった方へ(失効手続等)| 警視庁
免許失効後3年以上の場合
免許失効後3年以上の場合、やむを得ない理由があったとしても、失効手続きをすることはできません。
試験の免除はなく、教習所に通ったり試験を受けたりして、一から免許を取得する必要があります。
ただし、平成13年6月19日より前にやむを得ない理由が発生して、やむを得ない理由が解消して1か月以内であれば、失効から3年以上経過していても失効手続きを受けることができます。
この場合、技能試験が免除され、学科試験と適性検査を受けなければなりません。
出典:運転免許証の有効期限が過ぎてしまった方へ(失効手続等)| 警視庁
有効期限が切れた後に運転免許を更新する手順
運転免許が失効してしまった時は、各都道府県と運転免許センターや警察署で手続きすることで再度免許を取得することができます。
ここでは、免許失効後の手続きに必要な書類や費用を解説します。
免許期限切れした免許を再取得する書類を集める
免許の失効後の手続きに必要な書類は以下の通りです。
あらかじめ取得しておくべき書類もありますので、しっかり準備しましょう。
必要書類 | 対象の方 | |
運転免許申請書 | 全員 | 手続き会場ある用紙に必要事項を記入 |
失効した免許証 | 全員 |
|
本籍が記載されている住民票 | 全員 |
|
申請写真(1枚) | 全員 | うっかり失効した場合は、複数枚必要となる場合があります |
高齢者講習修了証 | 70歳以上の方 | |
在留カード、特別永住者証明 | 外国籍の方 | |
やむを得ない理由を証明する書類 | やむを得ない理由で失効した方 |
|
免許期限切れした免許を再取得にかかる手数料を支払う
手数料は、試験手数料、交付手数料、講習手数料です。
免許の種類や色によって金額が変わるので、注意が必要です。
手数料の種類 | 手数料 | |
試験手数料 | 免許1種につき1,900円 | |
交付手数料 | 2,050円(やむを得ない事情がある場合、1,700円)
免許種別が1種増えるごとに200円 |
|
講習手数料 | 優良運転者講習 | 500円 |
一般運転者講習 | 800円 | |
違反運転者講習・初回更新者講習 | 1,350円 | |
高齢者講習(70歳から74歳) | 5,100円 | |
高齢者講習(75歳以上) | 8,700円または5,850円 |
免許の有効期限が切れた状態で運転した場合に問われる刑罰
気付かないうちに免許の更新時期を逃してしまった時、車の運転をすると無免許運転となり、罰則の対象となってしまいます。
では、無免許運転をしてしまったとき、どのような刑罰となるのでしょうか。
前科・前歴が無ければ罰金刑になる
無免許運転の刑事罰は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
前科・前歴がなく、反省を示している場合、比較的軽い罰金刑になる可能性があります。
免許更新忘れなどの単純な無免許運転であれば、更生し、繰り返し無免許運転することはないと期待できるからです。
反対に、常習的に無免許運転をしていたり、過去に交通事故を起こしていたりして、反省の態度が見られなければ、更生が期待できず、重い量刑が下される可能性が高くなります。
同乗者も処罰の対象になる
無免許運転では、同乗者も処罰の対象となる場合があります。
運転者が無免許であることを認識しながら、その車に同乗した場合「2年以下の懲役または30万円以下の懲役」が科されます。
また、運転手が無免許だと知りながら、車両を提供した場合も「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」を科されます。
交通事故を起こしたら逮捕される可能性がある
免許の有効期限が切れた状態で運転し、交通事故を起こしてしまった場合、単純な無免許運転よりも逮捕される可能性が高くなります。
交通事故を起こし、物を壊してしまったり他人を死傷させてしまった場合、運転手が逃亡や証拠隠滅を図ろうとする可能性が高くなるので、逮捕されてしまうのです。
無免許で事故を起こした場合、逮捕される可能性も高くなるのはもちろん、罰則もより重くなります。
免許の有効期限切れの運転に関するよくある質問
ここからは、免許の期限切れの運転に関するよくある質問に回答していきます。
無免許運転による行政処分や補償はどうなる?
無免許運転で検挙された場合、刑事罰の他に行政処分の対象となる可能性もあります。
さらに事故を起こしてしまった場合、被害者への補償の問題も発生します。
無免許運転は1回で免許取り消しになる
無免許運転をしてしまった場合、違反点数25点が加算されます。
25点つくと、過去に行政処分を受けたことがなくても、欠格期間2年の免許取り消しとなります。
2年間は新たに免許を取得することはできず、行政処分を受けたという前歴がついて、その後の処分基準も厳格になっていきます。
また、欠格期間を過ぎても、即座に免許を再取得できるわけではありません。
取消処分者講習を受けて1年以内に試験に合格しなければなりません。
相手方への補償には保険が適用される
無免許運転で人身事故の加害者になってしまった場合、相手方への損害賠償をしなければなりません。
被害者救済の観点から、無免許であっても自動車損害賠償責任保険いわゆる自賠責などの対人賠償保険は適用されます。
無免許運転で死傷させてしまった場合、相手への補償は保険によって賄うことができるのです。
ただし、自分自身がけがをした場合の治療費や車両の修理費用などには保険金は出ません。
うっかり失効で出頭したらどうなりますか?
失効した免許で運転したことについて出頭を求められた時は、無免許運転について取り調べを受けます。
うっかり失効していた場合、無免許運転について故意があったのかが重要なポイントとなります。
無免許であることを知りながら運転していた場合、無免許運転となりますが、自分が無免許だと知らなかった場合は、故意がないので犯罪にならないのです。
「更新期限に気付かなかった」という供述が認められれば、不起訴となる可能性もあります。
免許が失効してから再取得まで最短どのくらいかかりますか?
有効期限切れの免許で運転してしまった場合、再取得までの期間は、無免許運転で有罪か否かによって変わります。
うっかり失効と認められ、不起訴になった場合、すぐに再取得の手続きをすることができます。
一方で、無免許運転で前歴がつき免許の取り消し処分を受けると、最低2年の欠格期間が発生します。
2年の欠格期間を過ぎるまで免許を再取得することはできません。
うっかり失効していたら検察から呼び出しはありますか?
うっかり更新期限を過ぎて免許を失効しただけでは、検察から呼び出されることはありません。
検察に呼び出されるのは、失効した状態で運転し、検挙され、捜査が警察から検察に移った場合です。
検察に呼び出された時は、取調べを受けることになります。
「うっかり失効」が認められれば、検挙時の違反の罰金の説明がされます。
無免許運転で起訴される場合は、略式裁判や正式裁判の手続きの説明を受けることになります。
運転免許の有効期限切れについてのまとめ
免許の更新は、数年に1度しかないため、つい忘れてしまいがちです。
日常的に運転する方は、自分の運転技術にも自信があり、免許の更新を疎かにしてしまうこともあるかもしれません。
運転がどんなにうまくても免許の期限が切れてしまえば、無免許運転となります。
たとえ、「うっかり失効」が認められたとしても、再取得のため、時間的負担も金銭的負担も掛かってしまうものです。
誕生日が近づいたら免許の有効期限を確認して、失効しないよう心がけましょう。
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