フォークリフトの資格の取得方法を解説します。
また、受験資格や費用、合格率、資格の取得にかかる日数、教育訓練給付制度の活用方法もまとめました。
フォークリフトの資格の取得を検討している方は参考にしてください。
フォークリフトの資格を取る必要性
フォークリフトとは、大きくて重い荷物を運ぶときや高い場所にある荷物を下ろすときに使用する特殊自動車です。フォークリフトの資格は国家資格で、取得すれば年齢や性別関係なく安定した収入を期待できます。そのため、転職や仕事のキャリアアップにも最適な資格です。
ここでは、フォークリフトの資格を活かせる業種や、無資格運転した場合のペナルティ、フォークリフト試験の合格率などを紹介します。
資格を活かせる業種
フォークリフトの資格は、鉄骨や鉄工業、木材業、食品業界などで活用できます。他にも、ショッピングセンターなどの小売業界や解体業、造園業、産業廃棄物などさまざまな場所でフォークリフトの資格の使用率が高いです。
フォークリフトの資格を取得すると、主要な車体のフォークリフトを扱うことができるため、資格を取得しておくとさまざまな業種で活かせます。
また、転職においても、フォークリフトの資格を取得済みのほうが、未経験でも有利になる可能性があります。
さらに、フォークリフトは、体力や腕力に関係なく扱うことができるため、女性や体力に自信がない方でも活かせる資格です。
出典:フォークリフト運転作業員| 職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag
無資格運転をした場合のペナルティ
フォークリフトは、無資格で運転することができません。そのため、無資格で運転をした場合には、ペナルティとして罰金刑に課せられます。
また、無資格運転をした人以外にも、管理会社と管理会社の代表も対象になります。さらに、資格を取得しても、フォークリフトの運転中に免許を携帯していない場合も、罰則の対象となります。
そのため、フォークリフトは資格を取得してから運転士、資格取得後も、資格の修了証は携帯しておきましょう。
荷重1トン未満なら特別教育だけでいい
フォークリフトは、資格を取得しないと運転できませんが、荷重1トン未満なら特別教育を受講するだけで操作できます。
満18歳以上の方で、講習の実施期間は、各事業所または各都道府県労働局の教習機関で受講が可能です。
講習内容は、学科が6時間、実技が6時間の計12時間で、修了試験はありません。
学科の講習が修了後に、実技の講習をおこない、講習終了後に修了証が発行され、荷重1トン未満の操作ができるようになります。
普通自動車免許などの資格を取得されている方には、学科や実技の講習が一部免除になります。
特別教育の講習は1日〜2日で実施されるため、仕事をしながらでも取得が可能です。
フォークリフトの資格の合格率
フォークリフトの資格の合格率は、95%以上と言われています。ほぼ100%の受験者が合格でき、非常に合格率が高い資格だということが分かります。
また、フォークリフトの資格は国家資格ですが、他の国家資格に比べると、フォークリフト試験の合格率は非常に高いと言えます。
フォークリフトに触ったことがない人でも、講習を受講し試験を受ければ資格の取得が可能です。難易度は高くないため、講習内容をしっかり覚えて、資格に挑みましょう。
フォークリフトの資格の取得方法
続いては、フォークリフトの資格の取得方法について解説します。
フォークリフトの資格の受験資格
フォークリフト試験は、満18歳以上であれば誰でも受験が可能です。学歴や経験の有無などの制限もありません。
なお、1トン未満のフォークリフト運転経験者は、講習時間が免除になります。
教習所で申し込む
フォークリフトの資格を取得するためには、まずは教習所に申し込みを行います。
講習の実施機関は、各都道府県労働局の登録教習機関で、来所や電話、FAX、郵送で申し込みの連絡をします。来所や電話の場合には、担当者から説明があり、FAXや郵送の場合には、後日案内が届きます。
講習には、11時間コースと15時間コース、31時間コース、35時間コースがあります。
11時間コースの対象の方は、大型特殊免許保持者や普通・大型特殊免許保持及び1t未満のフォークリフトを3カ月以上経験した方です。
1トン未満のフォークリフト未経験者や大型特殊免許を保持していなくても、35時間コースを受講すれば、資格の取得ができます。
フォークリフトの資格は、教習所によって扱っていないコースもあるため、確認してから申し込みをおこないましょう。枠が空いていれば、講習日の前日でも申し込みはできます。
しかし、フォークリフトは大変人気のある資格のため、すぐに埋まってしまう可能性があります。そのため、フォークリフトの資格の講習を受けたい日時の1週間前に、予約の連絡をするのがおすすめです。
そして、フォークリフトの講習の申し込み後には、「申し込み用紙」「住民票の原本」「講習金額」を用意し、期日までに手続きをしましょう。
学科講習と試験を受ける
フォークリフトの資格を取得するために、学科講習と試験を受けます。
学科講習は、所持免許によって時間と日数が異なります。最短で11時間、最長で35時間です。35時間コースの場合は、学科試験の講習時間は11時間です。
講習の内容は、検査や荷役装置、油圧装置、力学、法令などを学びます。これらはフォークリフトの操縦に欠かせない知識で、合格のためにはしっかりとした学習が必要です。
試験は選択問題となり、各項目の正解率を40%を超え、100点中60点以上で合格となります。
その場で合否が分かるため、合格したら実技講習と試験を受けることができます。
実技講習と試験を受ける
学科の試験に合格したら、実技講習と試験を受けます。
実技講習も、コースによって時間が異なり、35時間コースの場合の実技講習の時間は、24時間です。なお、実技講習は、1日でも休むと不合格になります。遅刻や早退も同様の扱いとなるため、注意しましょう。
実技講習では、走行や荷役の操作や車体の点検、乗車、運転方法などを学びます。試験は専用のコースで行い、減点方式で採点され、70点以上の点数が残っていれば合格となります。
また、教習所によって異なりますが、「シートベルトの未着用」「フォークで荷物を高く持ち上げたままの移動」「タイムオーバー」など、1回でも失敗すると即失格になる項目があります。
学科で学んだ内容や実技講習を思い出し、時間内に落ち着いて実技の試験に挑みましょう。
修了証を受け取る
実技の試験も無事に合格したら、修了証を受け取ります。
「フォークリフト運転技能講習修了証」が発行され、フォークリフトを使用して仕事ができます。
フォークリフトを運転する際は、修了証を必ず携帯しましょう。
修了証を携帯することが義務付けられているので注意してください。
複数の資格を持っている場合には、厚生労働省の発行事務局で1枚にまとめることも可能です。
フォークリフトの資格の取得費用
フォークリフトの資格の費用は、現在所持している資格によって変わってきます。
資格の取得費用は、受講料の他にもテキスト代や証明写真代などがあります。
それぞれ詳しく紹介します。
教習所の受講料
フォークリフトの資格の取得に必要な費用の1つ目は、教習所の受講料です。
教習所の受講料は、コースや教習所によって金額が異なります。
11時間コースは12,500円〜23,760円、15時間コースは21,500円〜22,500円、31時間コースは36,500円〜41,580円、35時間コースは41,500円〜45,000円です。
現在の所持資格によって受けられるコースが変わり、普通自動車免許がある場合は31時間コース、何も資格を持っていない場合には35時間コースになります。
教習所は、決められた地域や場所はなく、自分が行きやすい場所や受講料を確認してから決めることができます。
テキスト代
フォークリフトの資格の取得に必要な費用の2つ目は、テキスト代です。
テキスト代は、受講費用に含まれていますが、教習所によっては別途支払いをする場合があります。
フォークリフトの資格を申し込む教習所の受講料金の中に、テキスト代が含まれているかを事前に確認しておきましょう。
テキストには、試験に出題される内容が記載されています。
テキストで予習と復習をして、試験を受けましょう。
補助試験料
フォークリフトの資格の取得に必要な費用の3つ目は、補助試験料です。
学科や実技の試験が不合格になってしまったら、補助試験が受けられます。
試験料は教習所によっても異なりますが、学科が3,000円、実技が5,000円です。
また、再検定料が必要になる場合もあります。
安い金額で受験できるので、不合格になってしまったら補助試験に挑戦してみましょう。
証明写真代
フォークリフトの資格の取得に必要な費用の4つ目は、証明写真代です。
修了証に貼るための写真で、500円〜1,000円ほど必要になります。
教習所によって、受講料に含まれている場合があります。
写真は、スピード写真機や証明写真のアプリをダウンロードして自撮りをする方法があります。
フォークリフトの資格は更新がないので、運転免許のように更新のたびに写真が変更されることがありません。
フォークリフトの照明写真は、一生使用されるので、自分の気に入った写真を選びましょう。
教育訓練給付制度を使ってフォークリフトの資格を取る方法
フォークリフトの資格は、教育訓練給付制度を利用して取得可能です。
受講料の最大20%が返金される制度で、ハローワークで申請します。
対象者は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受けて修了した人です。
フォークリフトの資格は「一般教育訓練」に該当します。
受講は、雇用保険の被保険者もしくは、被保険者であった人で、在職中の場合と離職中の場合で条件が異なります。
ハローワークで「一般教育訓練」を受講し修了した後、ハローワークを通して申し込みをすると受講料が返金されます。
返金金額の上限は10万円で、教育訓練の受講終了日の翌日から1カ月以内に申し込みをする必要があります。
対象になるかどうかは、ハローワークのホームページで確認できます。
フォークリフトの資格取得にかかる日数
フォークリフトの資格は、何日間ほどかかるのでしょうか。
ここでは、フォークリフトの資格がどれくらいの期間で取得できるか紹介します。
最短2日で取得可能
フォークリフトの資格取得は、最短2日です。
資格試験を受ける際に、大型特殊免許を持っていると講習時間が11時間になり、2日間で取得できます。
学科が7時間、実技が4時間の講習になり、その後試験を受けます。
特殊免許がなくても、1トン未満のフォークリフト6カ月以上の経験者も、講習時間が免除対象です。
また、フォークリフトを触ったり、見たりしたことがない方でも、5日間の講習で資格の取得ができます。
仕事をしながらでも取得可能のため、転職や就職、キャリアアップを考えている方でも、短期間で免許の取得が可能です。
講習の受講は土日でも可能
フォークリフトの資格の講習は、土日も開催しています。
教習所によっては、週をまたいで講習を受講することにもなります。
ほとんどの講習が、丸1日の講習時間のため、短期集中で内容を覚えて、試験に挑むことができます。
フォークリフトの主な車体5種
フォークリフトの資格を取得したら、どんな種類の車体でも操縦が可能です。
転倒や落下などの事故につながることもあるため、操作方法や安全確認などは守りましょう。
現場でも使用されているフォークリフトの主な車体を5つ紹介します。
カウンターバランスフォークリフト
フォークリフトの主な車体5種の1つ目は、カウンターバランスフォークリフトです。
フォークリフトの中では、一番使用されていて、2本のカウンターバランスフォークとフォークを上下させて使用します。
前方にフォークがあり、バランスを取るために後ろ側に重りが付いています。
安定性が高く、転倒しにくいフォークリフトです。
後ろに付いている重りは500㎏〜600㎏あり、1トンほどの荷物でも安定して運ぶことができます。
カウンターバランスフォークリフトは、手動と電動以外のタイプはガソリンで動きます。
ガソリンで動かすタイプは、給油のためにガソリンスタンドまで運転するので、普通自動車免許の所持も忘れないようにしてください。
リーチフォークリフト
フォークリフトの主な車体5種の2つ目は、リーチフォークリフトです。
室内や狭い場所での利用が多く、背が高く車体が止まった状態でもフォークを動かせます。
リーチフォークリフトは、立ったまま操縦するタイプで、とても小回りがききます。
ツメの部分が前後に動かせるため、車体を奥まで動かさなくても、奥の荷物を乗せることが可能です。
しかし、重荷のある荷物には適していません。
背が高いため、安定性はあまりよくなく、運転する際に注意が必要なフォークリフトです。
サイドフォークリフト
フォークリフトの主な車体5種の3つ目は、サイドフォークリフトです。
木材やパイプなどの長い物を運ぶ際に使用します。
他のフォークリフトよりも車体が大きく、運転席が高い位置にあります。
慣れるまでは、フォークの位置が分かりづらい車体です。
オーダーピッキングトラック
フォークリフトの主な車体5種の4つ目は、オーダーピッキングトラックです。
倉庫などの棚に置かれた荷物を運ぶ際に最適なフォークリフトで、ピッキング作業でも活用されます。
荷台と運転席が一緒に動くタイプで、高いところにある荷物を運ぶのに適しています。
高所での作業になるため、ワイヤーをベルトにつなげて安全を確保してから運転してください。
また、オーダーピッキングトラックも背が高く、転倒には十分注意が必要です。
ウォーキーフォークリフト
フォークリフトの主な車体5種の5つ目は、ウォーキーフォークリフトです。
ウォーキーフォークリフトは、車体には乗らず、運転手が歩きながら操作します。
狭い場所や天井の低い場所、エレベーターに乗ることもでき、操作が簡単です。
運転席がないため、年次点検は必要なさそうですが、フォークリフトの1種なので点検は必要になります。
走行速度は遅いですが、距離が短く重い荷物を運ぶ際に最適です。
フォークリフトの資格に関してよくある質問
フォークリフトの資格取得の申し込み方法や車体の紹介をしました。
ここからは、フォークリフトの資格に関するよくある質問に答えていきます。
エリアによって教習所の受講料は変わりますか?
教習所の受講料はエリアや教習所によって異なります。
35時間コースの場合、北海道・東北は41,100円〜、関東は50,100円〜、関西は42,000円〜、九州・沖縄は40,000円〜になります。
細かい金額は、教習所によって異なりますが、関東地方が他の地域よりも高めです。
フォークリフトの修了証は携帯する必要がありますか?
フォークリフトを操縦する際には、必ず修了証の携帯が必要です。
労働安全衛生法で定められています。
また、公道を走行する場合には、フォークリフトの免許と特殊自動車免許の両方の携帯が必要です。
フォークリフトに、ナンバープレートの着用も義務付けられているので、忘れないようにしてください。
私有地でも、無免許運転は認められていないので、フォークリフトを操作する際は忘れずに携帯しましょう。
フォークリフトの修了証を紛失した場合は再発行できますか?
フォークリフトの修了証は再発行できます。
講習を受けた教習所でのみ再発行が可能で、申請には修了証番号が必要になります。
再発行の際に必要な書類は、「修了証再交付・書換え・総合申し込書」「再交付手数料」「印鑑」「本人確認ができる証明証」です。
申込書は、教習所にありますが、便箋など他の用紙を使用しても問題ありません。
便箋などを使用する場合は、「再交付する修了証の名称」「修了証番号」「氏名(横には捺印)」「生年月日」「住所・連絡先」「再交付の理由」を記載します。
修了証番号が不明の場合には、教習所に問い合わせをして確認しましょう。
修了証を取得したら、コピーして保管しておくと再発行がスムーズです。
再発行は、郵送でも申し込みができます。
現金書留を使用し、手数料はおつりのないように入れます。
必要書類と一緒に、切手を貼った返信用封筒を入れて、教習所に送ります。
また、代理の方でも再発行ができ、その際は代理の方の身分証明証が必要です。
紛失した場合以外にも、氏名が変更した際も書き換えをおこなわなければいけません。
しかし、引越しなどで住所の変更があった場合には、書き換えの手続きはおこなわなくても大丈夫です。
出典:修了証の再交付、書替え、統合について|公益社団法人神奈川労務安全衛生協会
フォークリフトの資格についてのまとめ
今回は、フォークリフトの資格について解説しました。
フォークリフトの資格を取得していると、建築や土木、食品業界などのさまざまな業界で活かせます。
これから、フォークリフトの資格取得を目指している方は、本記事を参考にして、ぜひフォークリフトの資格試験に挑戦してみてください。
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