10トントラックの運転はどうやったらできるのか、中型免許で運転できるのか気になりますよね。
10トントラックの運転は積載量が多い分、非常に大きな責任を負います。また、運転に関しては、普通車にない特別な技術も必要になります。
そのため、10トントラックの運転手に最も必要なのは、大型自動車運転免許です。
この記事では、
- 10トントラックに必要な免許
- 免許をとるための条件
- 免許をとるまでの時間と費用
を解説します。まずは、10トントラックに必要な免許を説明します。
10tトラック:必要な免許と種類について
便宜上、大型トラックのことを10トン車と、言い表す場合があります。この場合の10トンというのは、最大積載量が10トンということも表しています。
実際のところ、大型トラックはの最大積載量は、15トン未満までを有することができます。これを増トン車と呼びます。
15トン以上の積載量が必要な場合は、トレーラーの出番になります。
10トントラックは、運搬する荷物により、荷台の状態に違いが生じます。この違いが、大きく分けると10トントラックの種類になります。
言い換えると、運ぶ荷物の種類だけ、10トントラックの種類はあります。
一般貨物車両要のバンボディウィング車(一般的にはウィング車と呼ぶ)、液体を運搬するタンクローリー車、乗用車を陸送するキャリアカー、など様々な10トントラックがあります。
どの荷物を運ぶにしても共通に必要な免許は、10トントラックを運転する大型自動車運転免許が必要になります。
但し、荷物を運搬するだけなら、10tトラックの運転免許(大型免許)のみで大丈夫です。しかし、運転手の仕事は、トラックを運転するだけではありません。
荷物の積み下ろしも運転手の仕事です。
荷物の積み下ろしにおいて、場合によると特別な免許が必要になる場合もあります。
例えば、ガソリンなどの危険物を運ぶタンクローリーの運転手は、大型運転免許の他に、危険物取り扱いの免許も必要になります。
このように特別な扱いを必要としない荷物の場合は、10tトラックの運転は、大型免許だけで大丈夫です。
ちなみに大型トラック以外でも、そのサイズによって必要な免許が変わります。
中型トラックと呼ばれる4tトラックは、車両総重量8t未満で最大積載量が5t未満の車両を指します。
このサイズのトラックを運転する場合、中型普通免許が必要なのですが、2007年の6月1日までは中型普通免許がなかったため、
それ以前に普通免許を取得している人に限っては運転が可能です。
また、似たようなサイズのものに8tトラックがあるのですが、増トン車という最大積載量が8t前後の車両の場合は大型免許が必要なので注意しましょう。
2007年6月1日以降に取得した普通免許では小型トラックと呼ばれる2~3tトラックまでが運転可能です。
関連記事:大型免許の一発試験で取るのは難しい?合格率や運転のコツ教習所に通った場合の比較などを紹介
10トントラックの運転手はいくら稼げる?
10tトラックの運転手は、どれほど稼げるのでしょうか。具体的に言うと、総支給額で30万円~40万円の間が、相場でしょう。
理由は、コンプライアンスの関係です。
運送店に努める10トントラックの運転手の給料は、走った分だけが給料です。
以前は、稼ぎたい運転手は、寝ないでも走る、というのが常識でした。また、それが許される時代でした。
しかし、現在の運転手は、法律により1日の拘束時間が決められています。そのため、運転手は走りたくても走れない、言い換えると、稼ぎたくても稼げない時代になったのです。
いくら運転手が、「お願いだから、稼ぎたいのでもっと走らせてください。」と、言っても、それを許してしまうと、許した会社の責任になります。
そして、コンプライアンスや、法律を遵守しないと今度は、会社がペナルティ―を負います。
ペナルティーの内容によれば、会社はなくなります。そうならないためにも、会社は仕事があっても、運転手を走らすわけには行かないのです。
関連記事:大型免許の取得は難しい?難易度・費用 ・取得方法・期間について【保存版】
10tトラックの免許取得に必要な4つの最低条件
10トントラックの免許を取得するために必要な最低条件は、以下の通りです。
- 21歳以上
- 普通免許。中型免許(8t限定を含む)の免許を持ち、3年以上経過の方
- MT車の免許所持者(AT車の免許は不可)
- 通常視力のほかに深視力検査に合格した方
以上の4点です。
10tトラックの免許取得条件は平成19年6月に変更
平成19年6月からの道路交通法の改正により、普通免許を取得した改正前後で大型自動車免許の取得条件が変わります。
道交法改正前の取得に関係する教習時間は
普通免許所持で、実技の第一段階(構内教習)が8時間、第二段階(路上教習)が14時間
合計22時間の実技教習のみで大型免許の取得ができました。
道交法改正後は、
普通免許所持の場合、第一段階12時間、第二段階18時間の教習が必要になります。またオートマ限定の免許の場合、さらに第一段階にて4時間の教習追加があります。
さらに、学科教習が1時間設けられています。
道交法改正後に、中型免許が設けられました。この中型免許を取得した場合は、大型自動車免許の取得時間は、実技14時間が基本教習時間になります。
道交法改正前と後では、教習時間は大幅に変わっています。
また、教習車両も改正前は、一般的に言う4トンロングの車両でしたが、現在は、大型自動車を実際に使用し教習が行われています。
このように、物理的難易度は法改正後はハードルが上がったように見えますが、その分免許取得時にしっかりとした実地に近い教育を行うことを目的としています。
関連記事:10t大型トラックの燃費を劇的に向上・改善する7つの効果とは?平均燃費と悪化する要因を解説
10tトラックに必要な大型免許:2つの取得方法
大型自動車免許の取得手段は、2種類あります。その内容と、違いを見てみましょう。
運転免許センターで直接試験に挑戦する方法
運転免許センターでの大型自動車の免許取得は、1回で取得できれば、大きなメリットになります。
しかし、運転免許センターでの直接試験による取得方法は、非常にハードルが高い手段です。
まず、一般の方向けの手段ではありません。今まで中型車のトラックの運転をした経験がある方でも、非常に厳しい取得方法です。
当然、普通免許からの取得で中型車以上のトラックの運転経験がない方だと、ほぼ無理な取得方法です。
また、免許センターの試験は、平日のみの実施です。一回で取得できれば問題ないですが、運転免許が取得できるまで、何度も免許センターに足を運ぶことになります。
平日の日中に、何度も免許センターに足を運ぶことができるかどうかが、まず第一関門になるでしょう。
運転免許センターでの大型自動車の免許取得は、運送業に従事し(トラックの運転歴があり)、会社が受験時間を考慮してくれるという条件がそろわないといけません。
教習所に通って取得を目指す方法
一般的な取得方法は、教習所に通って大型自動車の免許を取得する方法です。
教習所に通い運転免許の取得する手段の最大のメリットは、「しっかりとした教育」が受けられるということです。
この教育は、一般論を学ぶのではなく、教官が横に乗車して運転技能にあった教育を行ってくれます。
実際の運転のために、技術に関する一般論も必要ですが、各個人の技能にあったアドバイスも必要なのです。
例えば、ブレーキの踏み方、右左折の方法、車線上のサイドミラーの位置など、頭ではわかっています。実際に技能上対応でき、事故を起こさない安全運転の方法を習います。
教習所に通って大型自動車の免許取得は、時間と費用がかかるデメリットがあります。
しかし、多くの運送会社も、業務上ドライバーに大型自動車免許を取得させる場合、時間とお金はかかりますが、教習所での取得方法を選択しています。
関連記事:自動車学校で大型免許を取得しよう!取得にかかる費用や条件とは?
関連記事:大型免許って難しいの?合格率や取得のコツ、費用などを詳しく紹介
10tトラックに必要な大型免許:費用と時間
では、大型自動車免許を取得するには、どれほどの時間と費用がかかるのでしょうか。
大型免許取得にかかる時間
大型免許の取得にかかる時間は、通学で1.5カ月から2カ月と言われます。
これは、あくまでも目安です。個人により大きな差が生じます。
例えば取得期間の差は、中型免許を持っているか、普通免許からの大型免許取得になるかで変わって来ます。
トラックの運転の経験が豊富にある(中型免許取得者)は、乗車教習時間も15時間です。しかし、普通免許からの取得の場合は、30時間もの乗車教習時間が必要になります。
1日の教習時間も第一段階で2時間、第二段階で3時間と上限が決められています。
普通免許からの大型免許の取得は、最短で2カ月ぐらいと考えてください。
教習所で行われる試験は、実技試験のみです。本免試験(学科試験)は、免許センターで実施されますのでその試験に合格しなければ、大型免許は交付されません。
大型免許取得にかかる費用
教習所で大型免許を取得する場合の費用をお話しします。
大型免許の取得に関わる費用は、30万~35万円強が相場です。
この金額は、所持している免許より大きな違いが生じます。8t限定免許を所持の方は25万円~30万円ほどの教習金額がかかる場合もあります。
また、中型免許を所持の方は20万円ほどの教習料金になります。
大型免許の取得は、30万円以上と考えてください。
大型免許を会社負担で取得する方法とは?
業務上必要になるため、全額会社負担で大型免許を取得するシステムを導入している会社もあります。
全額会社負担で大型免許を取得する場合、数年の勤務が必要になるケースがほとんどです。入社したばかりの人が、大型免許を会社負担で取得することは非常に難しいです。
理由は、会社がそれぞれの個人を信頼できるかどうかによります。ある程度の勤続年数を積み重ねて、会社から信頼される必要があります。
また、免許取得後は、2、3年の縛りがある会社が多いです。
これは、運転手が大型免許を取得した後、すぐに退職することを避けるためです。
もし大型免許を取得したが、会社規定の在職年数以内に退職した場合は、免許取得にかかった全額を会社に返納しなければなりません。
関連記事:大型免許の取得の難易度はどれくらいなの?つまずくポイントや取得のコツも併せて紹介
一人前の10t大型トラック運転手になるには
大型トラックを運転できる大型免許ですが、取得できたからといって一人前のトラックドライバーというわけではありません。
一人前の大型トラック運転手になるには、資格取得後に様々な経験を積む必要があり、その中で運転技術や知識を高めて初めて一人前になれます。
そのため、いきなり大型免許を取得して運転する方法の他にも、まずはじめは中型トラックなどの業務をこなし、トラックの運転について様々な経験を積んでから大型トラックの運転手になる方法もあります。
中型トラックはサイズも小さく大型トラックよりも楽そうに思われがちですが、小さい分街中の狭い道などを運転することもあり違う難しさや注意点があります。
そのような知識や経験は大型トラックにも活かすことができるので、小さなトラックから経験を積むことは決して遠回りではありません。
関連記事:大型トラックの運転テクニック向上のための7つのコツ(左折/右折)
10t大型トラックの求人例
次は、実際にでている大型トラックの求人についていくつか詳細を紹介します。
・仕事内容:長距離配送や近県輸送、地場輸送などで大型トラックを使用して配達を行う
・雇用形態:正社員
・応募資格:要大型自動車免許、学歴や経験は不問
・給料:日給月給30~45万円(試用期間あり)賞与年2回
・勤務時間:8:00~17:00、0:00~9:00など様々なシフトあり
・休日:週休2日可、長期休暇あり
・その他特徴:危険物取扱者やフォークリフトなどの資格取得支援制度があり、手当についても家族手当や勤続手当、泊まり運行手当などが条件によって支給されます。
また、営業所には女性専用の休憩室やシャワー室が完備されているため女性でも働きやすい環境です。
・仕事内容:長距離配送定期便や幹線便における配送。ルート配送(埼玉⇔大阪・福岡⇔埼玉)
・雇用形態:正社員
・応募資格:中型免許及び実務経験者(大型免許取得支援あり)
・給料:日給月給33~48万円(一律手当含)賞与年2回
・勤務時間:長距離配送の往復(2~3日ほどで一日8時間+残業)
・休日:原則日曜日、年末年始、夏期長期休暇あり
・その他特徴:取引が長いお客様との業務がほとんどのため、規則正しい働き方が可能であり離職率が低いことが特徴。
関連記事:大型免許の取得の難易度はどれくらいなの?つまづくポイントや取得のコツも併せて紹介
10tトラックの免許についてのまとめ
大型自動車の運転免許の取得について述べてきましたが、一点だけ忘れてはいけないことがあります。
大型自動車の運転の場合、ほとんどの車両が「緑ナンバー」になります。「緑ナンバー」の車を運転するということは、業務用自動車の運転手です。
いわば、世間一般から「運転のプロ」と評価されるのです。
従って、プロであるため、他の一般ドライバーの手本になることが、求められます。
手本になるのは、交通ルールを守るのは当然のことですが、やはり運転者のとしてのマナーをどれだけ生かせるかということになります。
運転手は、時間に追われる仕事です。荷物の納品時間や、引き取り時間が決まっているため、それに合わせて行動します。
決まった時間に間に合わないなどの状況に陥ると、マナーが悪くなったり、交通ルールを守らない場合も出てきます。
そのようなことにならないよう、あなたの運転が「常に他者に見られてる」と、言う自覚を持って手本になるように努めてください。
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